映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価

壁や挫折を恐れず夢に向かって走る姿は、いつも美しい

本来の題名が「Ballerina」、その米国版は「Leap!」、そして日本でのタイトルが「フェリシーと夢のトウシューズ」と、数々の呼び名を持つ映画が、快活な一人の少女による、本格バレリーナへの挑戦を描いたこのアニメーションです。

せっかくなので、邦題の方にもう少し説明要素を追加すると、「発明家を目指すヴィクターに助けられながら、お金は無いけれど才能はある少女フェリシーが、パリのバレースクールに忍び込み、事情があって挫折したかつての名ダンサーであるオデットの指導の下、夢のトウシューズを手に入れるまでの物語」、という事になりましょう。

これで、まぁ、基本的なあらすじになっているのではないでしょうか。

さて、米国より日本などの国の方が公開が早かった事もあり、こちらでも、エリート級の映画評論サイトが精密な評価を数多く発表していると思います。

でも、そういう上層階級と対抗する意識がまったくない、というのが僕の良い所。と言う事で、ウチではちょっと違う所から、この米国版「Leap!」に関する評価の幾つかを、ピックアップしてみようと思います。 【続きを読む】 “映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・

もう秋なんだし、映画もとっかえひっかえ見てちゃだめっ!

特に予定も無い、僕ズレ太みたいなのでも、8月の間は何か夏らしい事しなきゃ、という変なプレッシャーを感じたりしていたのですが、もうその夏も終わりです。

この季節、おしなべて北半球では昼間の時間が短くなってゆき、人は落ち着いて深い思索をするべき時期。映画だって、自分好みのものを見つけてじっくり付き合った方が良いでしょう。

学校の新学年、国家予算の新年度が始まったこの週末、派手目の映画作品を、とっかえひっかえ鑑賞して歩くなんてのは、今の空気に似合わないとアメリカの観客達も考えたようで、したがってランキングチャートも動きが少ないものとなりました。

そんな中、公開3週間が経過して、なおトップの位置を堅持しているのが、ライアン・レイノルズvsサミュエル・L・ジャクソン共演のアクション作、「The Hitman’s Bodyguard」。売上額は、1,030万ドルを記録。

本来なら宿敵であるはずの悪者を、何故だか警護するはめになったNo1ボディーガード。2人はいがみあいながらも、激しい銃撃戦をかいくぐって行く、的な話の娯楽アクション映画です。 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・”

ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について

キャリアメーキングはご心配無用です

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」が2012年の作品ですから、世界中が青年バンパイアと美少女の純愛色に染められていたあの時代から、もう5年が経っているんですね。

5年と言えば、大抵の人が何かを成し遂げられる時間ですし、仮に青白いメークとローコストかつ高性能なVFXが無かったとしても、思春期の吸血鬼の悲哀を見事に表現しきっていただろう、あの、ロバート・パティンソンさんなら、「何か」よりもっと良い「ナニカ」が達成できた事は、言うまでもないでしょう。

ざっと数えると、「トワイライト」後に6本程の映画に出演してきたパティンソン。中には、あのデヴィッド・クローネンバーグが監督をした「マップ・トゥ・ザ・スターズ」なんていう作品もありました。おそらく、ライトノベルの人気にあやかる軽い娯楽の世界から、本格的なドラマ俳優へと転身してきている段階だと思われます。

そんなロバート・パティンソンが、ニューヨーク市クイーンズ地区の裏社会を行く、あやうい(ひょっとして無軌道な)青年を演じているのが、今回、ご紹介する「グッド・タイム(Good Time)」、という、ファンタジー色ではなくリアリティ感が強いドラマなのだそうです。 【続きを読む】 “ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について”

神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「オール・セインツ 幸せのはじまり(All Saints)」について

信じなければ地獄行き、というのではちょっと困ります

大抵の宗教というのは、超自然的な奇跡を起こしたとされる何かが、その信仰の対象となっていますよね。

信仰心のある人は、天の雲の上に居るとされる存在を全身全霊で信じぬく事で、いつの日か自分の身にも同じ奇跡がもたらされると期待する訳です。

当然、真摯な信仰心は、その人の心にとって大きな糧となる事は確か。だとしても、現実の生活の中にある深刻な問題の方に、直接的な答えをまったく与えないというのでは、やっぱり、信仰されるものとしての存在感が薄くもなります。

本来なら、多くの人に与えている教えの中に、心と物質、両面の折り合いのつけ方も語ってくれるべきだと思います。

そんな意味でいくと、ここでご紹介するキリスト教系の映画、「オール・セインツ 幸せのはじまり(All Saints)」では、大赤字でつぶれそうな教会を受け持った牧師が、その苦境に立ち向かい、教会ばかりか他の多くの困窮する人達も同時に救済したという、実際に起こった本物の軌跡を描いているのだそうです。 【続きを読む】 “神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「オール・セインツ 幸せのはじまり(All Saints)」について”

全米映画トップ3(2017.8.28):今年も、振り向けば映画の秋が・・・

正統派アクション映画がしぶとさを発揮

いろいろと有った(あるいは、何も無かった)8月も終わりですから、日米欧の国民達は、子供っぽい夢からは覚めて、また現実の生活に戻らねばなりません。

ですので、TVで放送されたり映画館で上演される作品は、すべて教養度合の高い文芸策かドキュメンタリーにするべきなのです。

でも、全作品が教養番組みたくなったら、劇場の売り上げが激減して業界に大パニックが起きるでしょうね。

と、言うか、現実的に、全米の映画館の売り上げ金額は、これまた渋いというか、かなり緩んだ様相を呈しているのが昨今のようです。アメリカの消費者達は、自主的にバケーションモードから日常モードへと、スイッチの切り替えを終えているという事なのでしょう。

何と言っても、年度の切り替わりが9月1日ですものね。

そんな、8月最後の週末、映画収益ランキングのトップを堅持したのが、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンが、いがみあいながらも、ややこしい因縁で結ばれたコンビを演じる派手なアクション作、「The Hitman’s Bodyguard」。売上金額は1,010万ドルを記録。

推定の制作予算が、3,000万ドルという作品ですが、累計の総売り上げは3,960万ドルに到達しています。このしょぼい映画シーズンに、米国内だけで黒字化しているのは良い事でしょうね。

この利益を基にして、ひょっとしたらパート2も作られる? 今度の題名は「The Bodyguard’s Hitman」だったりして・・・ 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.8.28):今年も、振り向けば映画の秋が・・・”

オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「イングリッド-ネットストーカーの女-(Ingrid Goes West)」について

まだ増やしますか? あなたのフォロワー・・・

三省堂辞書サイトに寄れば、セレブ(celebrity)という言葉は、誉め称える(celebrate)などというワードから来ているのだそうです。

それが発展して、名声のある人、名士、の意味に使われるようになったのですね。とにかく、その名前が広く世間から称えられるセレブというのは、やっぱり特別に選ばれた人でなきゃいけません。

ただ、たたえられる人に必要とされる行いは、時代と共に進化もしていて、今じゃあ誰でもネットに上げたスイーツの写真が、比較的簡単に10万人から「いいね」と称えてもらえる時代になりました。

物事が、どんどん簡易的になってゆくのは、文明社会が本質的に向かう方向です。だとしても、何事もオープンで容易になるのは、新たな危険を生み出すものでもあります。

あなたに、「いいね」してくれた10万人は、あなたにとって好ましい人々なのでしょうか?

そんな疑念に答えるべく、ここで紹介する映画「Ingrid Goes West」では、オーブリー・プラザが、ネットのカリスマをフォローする事に病的にはまった、超ややこしいネットユーザーを演じています。 【続きを読む】 “オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「イングリッド-ネットストーカーの女-(Ingrid Goes West)」について”

銃弾をかわしつつ、あの2人が新コンビ結成:映画「Hitman’s Bodyguard」について

命がけで守るのが仕事、と言っても限度が・・・

娯楽アクション系映画のストーリーというのは、襲われる人、それを警護する人、そして、その2人に襲いかかる者の間の、三角関係でなりたっています。

そんな定型的な映画の脚本に収益性を確保しようと思ったら、一番問題なのは、最初に出てきた襲われる役をどんな人間に描くかでしょう。

アイディアとしては、その主役に小学生くらいの子供を当てるというのが一つ。子供ならではの純粋さに、大人顔負けの賢さをかけ合わせれば、ある程度以上のウィットとひねりが自然と与えられます。

もう一つ魅力的なのは、キラキラした女性歌手やモデルさんなどが狙われる構図。これは、彼女達のために体を張る(挙句のはてに恋に落ちる)ヒーローの存在が引き立ちます。ロマンチックを求める層にもアピールできるのが長所ですね。

あと、政治家や科学者、あるいは、社会問題の活動家などが思いつきますが、こうなるとだんだん色気が落ちてきちゃうので、収益性の確保には、何か別の仕掛けも必要になります。

あぁ、そうそう、こんなのも有りましたね。最高のボディガードに、最悪の犯罪者を警護するという汚れ仕事を与えて、行く先々でぶつかり合い騒動を起こしながら、笑いとスリルを混ぜ込んで行くと言う、バディムービーです。

そんな中の典型的一本が、ここでご紹介する作品、「Hitman’s Bodyguard」でしょう。

ボディガード役にライアン・レイノルズ、それに守られる悪人の役に、サミュエル・L・ジャクソンが起用されたという、純粋な娯楽アクション映画ファンなら、手放しで期待してよい一本です。 【続きを読む】 “銃弾をかわしつつ、あの2人が新コンビ結成:映画「Hitman’s Bodyguard」について”

映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」:チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末

どうせやるなら、人生大逆転を賭けて・・・

人生は上手く行かない事が多いですので、そんな時は、いっそのこと全部をひっくり返して、とんでもない行動に出てしまいたい、と、お考えになる方も多いでしょう。

そうですね、例えば、消費者からズル賢く金を巻き上げている通販会社なんかを襲って、汚れたマネーを全部ぶん取ってやる、なんて出来たら、さぞスッキリするんだと思います。

まぁ、どんな行動に出るにしても、あなた自身には一応、正当な理由があるのですからOK。かもしれませんが、それを行った後、30分間くらい逃げ回った挙句、お巡りさんにつかまって手が後ろに、というのでは困りますね。

人生大逆転のギャンブルには、それなりの周到な計画と準備が必要です。

特に、この映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」の主人公であるジミー・ローガン(チャニング・テイタム)みたいに、NASCARの一大レースイベントを襲って現金強奪、なんて大それた事をやるなら、なおさら緻密な計画とスキルのある仲間が必要です。 【続きを読む】 “映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」:チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末”

魔人形誕生の悪夢:映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」について

ほら、デーモンはすぐそこ、あなたの隣に・・・

ここに、いくつかの真理があります。

まず1つめは、あなたが敵がい心を持たなければ、あなたを攻撃してくる者も現れない、という真理。

2つめは、互いに心を開いて信じあえば、必ずそこに幸福が訪れる、という真理。

3つめは、あなたが純粋に愛すれば、相手も清い愛で応えてくれる、という真理。

4つめは、でも、そんな誠実さや愛情につけ込んでくる悪者もいて、目に見えない存在であるそいつは、時に、常識を超えた事を引き起こすパワーすら発揮する、という真理。

そして5つめは、、、その悪意の持主は、子供が好みそうな人形に憑りつくという真理。

有名な心霊研究家であるエドとロレインのウォーレン夫妻によれば、その憑りつくモノは「悪魔」と呼ばれる存在なのだそうです。そしてそいつは、人形を利用して子供に近づき、その子の命と魂を食い物にしようと狙っているのです。

そんな、「祟りの人形」の中でも世界一コワいと噂なのが、今はコネチカット州の郊外に厳重に安置されている、アナベル。

この映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」は、その人形の呪いに最初に触れた、いたいけな少女の恐怖体験を描くものです。 【続きを読む】 “魔人形誕生の悪夢:映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」について”

全米映画トップ3(2017.8.21):映画の夏はレブリミットを超えて・・・

しなびた夏に喝を!

最近じゃぁ、盆踊りや花火大会どころか、ラジオ体操の子供達の声までが、「悪質な騒音」だという事になってきていて、2、3年もすれば全国の条例で夏の風物詩はぜんぶ禁止、なんて事になりそうな勢いです。

こういう、昔から続いてきた暑い時期の楽しみがすべてなくなったら、日本の世の中自体がもっとぬるくて萎んだものなってしまいそう。どうも、21世紀型の日本の進化というのも、意味が分からない部分が多いです。

しかしまぁ目を太平洋の向こうへむければ、、様々な障害に当たりながらも、古典的なスタイルを上手く貫いてビジネスも成功させている、アメリカ映画という文化があります。

さて、最初の2週間ではしゃぎすぎて疲れてしまった2017年の夏休み。今週、それに喝を入れるべく投入された最新作が、ともするとオーソドックスさが売りかもしれないアクション映画、「The Hitman’s Bodyguard」です。

初登場であったこの週末、2,160万ドルの売り上げを記録してランキングのトップに躍り出ました。

ここで世界ナンバー1のボディーガード役を演じるのは、ライアン・レイノルズ、その彼がガードしなければならなくなった冷酷な暗殺者を、サミュエル・L・ジャクソンが演じています。

ブラック&ホワイトの、「不揃いなバディーもの映画」の新種とも言えそうな本作ですが、映像映えする。レイノルズとジャクソンの2人のカリスマ性は、やっぱりただ者じゃありませんよね。 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.8.21):映画の夏はレブリミットを超えて・・・”

若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「ウインド・リバー(Wind River)」の評価

知らぬ土地、知らぬ顔、協力者は約1名

スリラー映画というのは、登場人物を日常ではあり得ない状況へと押し込む事で、おっかないムードを醸成してくものです。

非日常的、という意味で言うと、自分達の文化を守る保守的なコミュニティに、若手のプロフェショナルを送り込み、その人物に一仕事させるというのも、スリラー向けテンプレートの原型でもあります。

小さな事すべてが障害となり、ろくに協力者も居ない環境で活動するのは、どんな人にとっても苦しく、場合によっては怖い事でもありますからね。

見る人に寄っては、その人物が女性だったらなお嬉しいし、たとえば、エリザベス・オルセンちゃんみたいな人なら最高です。

と言うわけで、この映画「ウインド・リバー(Wind River)」は、良いスリラーの題材を一通りそろえた作品、とも言えそう。ここでは、保守的な辺境の地に派遣される事になった、若手FBI捜査官をオルセンが演じています。 【続きを読む】 “若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「ウインド・リバー(Wind River)」の評価”

世界を救うため裏の世界で展開する究極の戦い:映画「The Dark Tower」について

スティーブン・キングのイマジネーションが炸裂!?

2017年の秋にかけて、あの伝説ホラー「イット(IT)」や、別の角度から(多分)もっと刺激的な「ジェラルドのゲーム(Gerald’s Game)」が劇場公開される予定であり、ファンにとってはスティーブン・キング祭り、と呼びたくなる様相を呈してきた昨今です。

そんな、このS・Kロードの露払いを担って真っ先にスクリーンに載っかったのが、多層世界の崩壊を企む悪魔と戦う一人のガンマンを主人公にした、この映画「The Dark Tower」です。

キング原作系映画として、嫌な怖い話を期待している向きも多いと思いますが、とりあえず本作はSFチックな設定を与えられたアクション巨編、と言った風情の一本という事。

主演のイドリス・エルバとVFXのコレボレーションによる、超絶な銃さばきも見ものになりそうですね。 【続きを読む】 “世界を救うため裏の世界で展開する究極の戦い:映画「The Dark Tower」について”