ホリデー映画「Instant Family」気になる海外メディアの評価とは?

世界を救う男は子供達も救う

確か、マーク・ウォールバーグは、ウィル・フェレルと父親の派遣を争っていて、ホリデーシーズンには子供達へのおもてなし合戦を繰り広げているはず、、、そう思っていました。

しかしまぁ、そんな無益な争いに飽きて、もっと単刀直入に即席の家族を築きたいと彼が思ったのなら・・・それもよろしい事なのでしょう。

実際にそう考えたのは、主演と制作を受け持ったウォールバーグだけでなく、監督のショーン・アンダースや脚本のジョン・モリスを含めた制作陣。

そして作り上げられたのが、今回ご紹介する『Instant Family』という、ホリデー向けのハートウォーミングコメディ映画という訳です。

不寛容な社会の世知辛さが、子供達など弱者へのしわ寄せとなり勝ちな昨今。そんな彼らを救う、もう一つのヒーロー像をマーク・ウォールバーグ(そして、ローズ・バーン)が演じているかも知れない、この作品の評価をご紹介します。

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Instant Family
    • インスタント・ファミリー
  • ジャンル:
    • コメディ / ファミリー
  • 日本公開:
    • 未定
  • 制作:
    • 2018年
    • Paramount Pictures
  • 監督:
    • ショーン・アンダース
  • 脚本:
    • ショーン・アンダース
    • ジョン・モリス
  • プロデューサー:
    • ヘレン・ポラック
    • スティーヴン・レヴィンソン
    • ジョン・モリス
    • ショーン・アンダース
    • マーク・ウォールバーグ
  • 出演:
    • マーク・ウォールバーグ
    • ローズ・バーン
    • オクタヴィア・スペンサー
    • ティグ・ノタロ
    • イザベラ・モナー
    • グスタヴォ・キロース
    • ジュリアナ・ガーミー
    • オーリン・レイチェル
    • トム・セグラ

あらすじ

ピート(マーク・ウォールバーグ)とエリ―(ローズ・バーン)のワグナー夫妻はアトランタ在住。2人は共同で古い家のリノベーション業を営んでいます。

古い家を一度買い取り、修繕を行ってから、高い値段で市場に売り出すのが彼らの仕事。

そんなある日、たまたま手掛けているリフォーム現場を、エリーの姉キム(オーリン・レイチェル)とその夫ラス(トム・セグラ)が訪ねてきました。

そこで、ベッドルームの数の事が話題に上がった際、何気なくラスが、「君らって、子供を作ろうとか考えないんだよね」と言いました。

この言葉は、少なくともエリーの中に溜まっていた何かを刺激した様子で、その後すぐ、彼女はネットで検索し里親募集の情報をゲットしてきます。

最初は、里親なんて大変なだけだと躊躇したピート。しかし、ネットの画面に並ぶかわいらしい笑顔を見るうちに、だんだん心が動いてきた様です。

と言う訳で、先ず2人が参加したのが、カレン(オクタヴィア・スペンサー)とシャロン(ティグ・ノタロ)が主催する里親セミナー。そこで一通りの説明を受けた後、いよいよ、「里親フェアー」を見に行きます。

フェアーは、養子縁組を待つ子供達を集め、多くの里親候補と出合わせる目的のお祭りのようなイベント。

そこで、ピート達の心を射止めたのが、キュートで賢い10代の女の子リジー(イザベラ・モナー)。夫婦は、その子を養子にする手続きについて検討を始めますが、そこで重大な事実を知らされます。

リジーには、まだ年端も行かない弟ジュアン(グスタヴォ・キロース)と妹リタ(ジュリアナ・ガーミー)いると言うのです。

いきなり、3人の子持ちになるのはなかなか大変、ですが、既に里親モードに入っているピートとエリ―は、この子達を一気に引き取ってしまいました。

そして訪れる家族での生活、それは予想通りに、、、様々な騒動のオンパレード。

いくら賢いといってもリジーは反抗期のティーンエージャー、なかなか親の言う事は聞きません。ジュアンは不器用そのもので、ピートが球技を教えようとするたび怪我をします。そして、リタは、ポテトチップスが欲しくなると他の話を聞き入れなくなります。

そんな中でも、なんとかやっていくワグナー一家でしたが、自分達が置かれている状態を一番理解しているリジーは、同時に、未だに彼女達を捨てた母親への重いを吹っ切れていません。

インスタントに出来上がったこの家族、果たして、本当の幸せに近づいて行く事が出来るのでしょうか?

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映画『Instant Family』気になる現地メディアの評価は?

シニカルな見方をすれば、11月下旬から1ヵ月強のホリデーシーズン自体が、壮大なフィクションでしかないと言えます。

しかし、そんな時期だからこそ、我々を本来の暖かい気持ちに戻させてくれる、フィクションのコメディーが効果を発揮するというものでしょう。

数年前までは、いわゆるオールスターアンサンブルのロマンティック作が良く作られていた様に思うのですが、それも今年はほとんど無く、もうちょっとしっかり作り込んだ映画が流行っている様です。

そんな中でも、比較的早い段階で投入されたこの映画『Instant Family』。公開直後に寄せられた評価を4つ程見て行くことにしましょう。

評価1:ハートウォーミング、そしてテンポ良いホリデーコメディ

先ずは、Los Angeles Timesからの評価を。

その題名からして、お約束通りの感謝祭向けファミリーコメディなのが、この映画です。とは言え、一定層の観客を引き寄せるためには、何らかのアピールポイントが必要。

ここでは、作品の演出的な語り口が、意外と上手く仕上がっているよ、という批評が書かれています。

【Los Angeles Times】

Mark Wahlberg and Rose Byrne star in funny and moving ‘Instant Family’

「マーク・ウォールバーグとローズ・バーンが主演するのが、愉快かつ心動かす映画“Instant Family”だ。」

Director/co-writer Sean Anders really takes to heart the “instant” part of his new family dramedy “Instant Family.” The film drops us right into the lives of Pete (Mark Wahlberg) and Ellie (Rose Byrne) with little fanfare, as if to say to the audience, “Catch up, guys, we’ve got a lot of story to tell.”

「新作“Instant Family”において、監督と脚本共著を務めたショーン・アンダースは、その題名にあるインスタントというポイントを、しっかりと念頭に置いていた様である。作品はまるで、“語るべき事がいっぱいあるから、みんな駆け足で付いてきてよ”と観客を誘うかの如く、主役のピートとエリ―を、ちょっとしたファンファーレと供に登場させて行く。」

Anders smartly punctures any representational issues in the tightly packed script.

「そして、ぎゅうぎゅう詰めのこの脚本を用いつつ、監督のアンダースは、出来事の具体性を賢く切り崩しながら、そこに描いているだろう。」

It’s not all heart-wrenching fights and impossible issues. “Instant Family” is also incredibly funny, deftly using humor to address any potential social-issue blind spots.

「それは、必ずしも痛々しい対立やあり得ない出来事だけではない、本作“Instant Family”は、社会問題の中で見過ごされがちなポイントを示すため、上手い事ユーモアを活かして描かれた、信じられない程に愉快な映画でもあるのだ。」

While the pace of “Instant Family” can be relentless, Anders hits that sweet spot of hilarious and heartwarming, where the sweetness and tears are well earned.

「この映画の持つペースが間髪を与えないようなものであったとしても、アンダース監督は、そのストーリーに有る愉快で温かいスイートスポットを、甘さや涙も程よく添えながら描いている。」

評価2:真のテーマを軽視し過ぎてしまう甘いコメディ

次は、Rolling Stoneが寄せた評価をご紹介。

人間社会のある意味で歪んだ現実をモチーフに取り上げ、それを笑いの種にするのが、この映画の大きな目的でもあります。

そこにできあがったインスタント・ファミリーの醸し出す機微は、観客から笑顔を引き出すには十分なのだろうと思うのですが、見方によるとそれも、ネガティブな評価へつながる様です。

【Rolling Stone】

Adoption Comedy Can’t Balance Sentiment, Satire, Sobs

「養子縁組コメディーには、感傷、風刺、涙が共存し得ないだろう。」

Instant Family’s early stretches are its strongest as Anders — who co-wrote the film with frequent collaborator John Morris — balances genuine sentiment with a slightly satiric tone, mocking the newbie parents’ self-satisfaction by assaulting them with the cold reality of childrearing.

「古くからの共同作業者であるジョン・モリスと、監督のショーン・アンダースが共に書き上げた、この映画“Instant Family”の始まり部分は、純粋な感情性にやや風刺を効かせて上手く描いており、この作品内でも最良のポイントと言える。それは、子育てというものの難しさに、未経験の夫婦を放り込む事により、彼らの自己満足を笑いの種にして行くのだ。」

Alas, Instant Family‘s penchant for broad jokes and formulaic resolutions undercut any good intentions. We get a hint early on that we’ll eventually get to some tear-jerking melodrama — the children’s birth mother has to show up at some point, right? — but the whole shebang is too saccharine to elicit the desired emotional response. Plus, the screenplay dodges the thornier question of who these kids’ “real” parents are by offering a cheap narrative cop-out at the end.

「しかし、この映画が何でもジョークにしようとし、お約束の結末ばかり用意している点は、本来の良質な題材を弱めてしまう結果を生む。物語が始まってすぐに、観客は最終的に(子供達の本当の母親が、その内に登場するだろうとか)お涙頂戴のメロドラマとなる事を察してしまう、そして、そこに見られる全てのものは、本来求められた感情を引き出すには、あまりにも甘く描かれ過ぎている。更に言えば、子供達の真の親は誰なのかという、本来痛みを伴う様な疑問点を見つめる事も、脚本の結末に用意した安っぽい責任逃れを利用し、回避してしまうのだ。」

Still, it’s a shame that Instant Family reduces the complexity, pain and joy of parenthood to a multiplex-palatable family comedy. The real story is probably far more interesting … and hopefully funnier.

「結局、シネコンに来る家族層に合わせる様に、親となる事の持つ痛みと喜びと言う本来の大きなテーマを、この“Instant Family”が軽んじて扱う点は、かなり落胆させられる所となる。それは、現実世界での出来事はこれよりずっと興味深いだろう、そしてもっと愉快にもなり得るはず、と言う期待すら感じさせてしまうのだ。」

評価3:ペースや時間配分に疑問が残る一作

3つめは、The Washington Postからの評価です。

製作者の意図は様々とは言え、それがコメディ映画であったとしても、物語上のハプニングの配置や時間配分によっては、好き嫌いの好みが分れてくるものでしょう。

ここでは、そういったポイントについて、やや渋い評価となっています。

【The Washington Post】

Mark Wahlberg and Rose Byrne’s ‘Instant Family’? A slow-cooker is more like it.

「マーク・ウォールバーグとローズ・バーン主演の“Instant Family”は、「低温電気鍋」と呼んだ方が似つかわしいだろう。」

Soon the couple is off to parenting class. Unfortunately, this is where “Instant Family,” untrue to its name, takes a little too long to come together. Shouldn’t the children’s stories come first?

「開始から程なくして、主役の夫婦は子育て講座に通う様になる。この部分は次に移るまでの時間が長すぎ、インスタントという題名がふさわしくないと見る側に感じさせる。なぜ、子供達の事を先に語ろうとしなかったのだろう?、」

The film spends a little too much time on classes. Although these scenes offer a few choice lines of dialogue lines from parenting facilitators played by Tig Notaro and Octavia Spencer, they feel like a distraction from the Wagners’ home troubles,

「結局、この子育て講座の場面で、やや時間を割き過ぎているのがこの映画である。その主催者役で出ているティグ・ノタロとオクタヴィア・スペンサーからの、気の効いたセリフが幾つか見られたとしても、それらは、ワグナー夫婦が抱えた問題から一時だけ目をそらす役割にしか、感じさせない。」

Anders previously directed the tasteless Adam Sandler comedy “That’s My Boy” and specializes in a kind of farce of the broken family. Emotionally, “Instant Family” is a step up from such cheaper laughs. But while the movie doesn’t shy away from confronting the obstacles of foster parenthood, it never fully earns its happy ending.

「ショーン・アンダースは、アダム・サンドラーが主演した“俺のムスコ”などと言う、味わいの無いコメディーを演出していた。彼は、機能不全の家庭を茶化す、そういった類の映画を得意とする人物である。そんな中、本作“Instant Family”の感情面は、前作の茶番から1ランク上がった印象も与えるだろう。しかし、この映画にとって養子を受ける事の難しさがテーマとなっている以上、そのエンディングに、完璧なハッピーさは似つかわしくないのだ。」

評価4:暖かく家族のテーマを扱う

最後は、DetroitNewsが載せた評価をご紹介します。

監督のショーン・アンダース自身が、何人かの子供達の里親となっているという事で、この作品にも特別な意味を与えて制作しただろうと思われます。

例えそこに、辛辣な現実が見え隠れしていたとしても、特別な角度から家族を見つめる事で、観る人の気持ちを和ませてくれそうなのが、この映画です。

こちらは、そんな様なポイントが肯定的に受け止められた批評となっています。

【DetroitNews】

Big-hearted comedy ‘Instant Family’ opens its arms

「やさしさに溢れた映画“Instant Family”は、誰もを受け入れてくれる。」

A married couple decides to adopt three children — a teenager and her two younger siblings — in “Instant Family,” a big hug of a holiday movie that hangs on a little too tightly for a little too long. But as compassionate, well-meaning family comedies go, this one’s harmless, and warm enough to cozy up to.

「やや長すぎる上映時間に、きっちり話を描き過ぎていながらも、ホリデーシーズン向けのやさしい映画に仕上がった“Instant Family”は、一組の夫婦が、ティーンエージャーとその弟妹を養子にする姿を描く。そして、他にも人情味溢れて意味深いファミリーコメディーがいくつか有る中、本作は無害で、見る者を心地よくさせるに十分な程に暖かい物語となっている。」

Based on co-writer and director Sean Anders’ (the “Daddy’s Home” movies) real-life experience, “Instant Family” is a comedy first and foremost; Pete and Ellie regularly attend group meetings for other foster parents that function as roasts for the audience more than therapy sessions for the characters.

「監督兼脚本のショーン・アンダース(“パパVS新しいパパ”)の、実際の体験をベースに書き上げられた本作“Instant Family”は、先ずはコメディである事を目指したストーリーだ。ピートとエリ―の2人は、他の里親達と会うために定期的なミーティングに参加するが、それも、彼らのためのセラピーというより、観客を喜ばせるためだけに用意された場面だと、感じさせるだろう。」

“Instant Family’s” heart is in the right place. It celebrates and honors the family unit, and at a time when many families are being torn apart, there’s something to be said for a spirit of togetherness.

「それでも、本作“Instant Family”は、正しい精神を持った映画だ。それは、家族と言う人の単位を讃え称賛する。多くの家族が離散してしまう現代において、共に生きて行く事の精神性については、語られるべきものが有るのである。」

家で落ち着くホリデーも良いでしょう・・・

これからクリスマスにかけて、派手なSciFiアクションがまだまだ用意されているという2018年の秋です。

どんなイメージでも立体画像であっても、コンピュータ処理で作り上げる事が可能な現代、映画にはもっと強い刺激を求めるという人も増えているかも知れません。

それでも時には、本物の人間世界の中を進んで行くストーリーが、新たなインスピレーションになる事も有り得ます。

マーク・ウォールバーグとローズ・バーンの主演ペアは、その話を描いて行くには十分な力量と、ホリデーシーズンにふさわしい外観も持ち合わせているでしょう。

まぁ、この映画もどの様な形で、そして何時、日本に輸入されるのか分かりませんが、作品のコンセプトに合ったベストのタイミングでリリースしてもらいたいと思います。

それではまたっ!

参照元
Los Angeles Times
Rolling Stone
The Washington Post
DetroitNews

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