映画「A Simple Favor」気になる海外メディアの評価とは?

2人の人気女優が織りなす消息不明ミステリー

ミステリーに、ちょっとコメディーチックなナンセンスを混ぜたら、大人向けの小じゃれた映画が出来るはず。

そんなプロデユーサーの思い付きに、チャーミングなハリウッド女優、アナ・ケンドリックとブレイク・ライヴリーの2人を看板として掲げ、観客の興味を引くに足りる一作とした、そんな印象が伝わるのが映画『A Simple Favor』です。

今回は、その作品にアメリカの各メディアが与えた評価をご紹介します。

犯罪コメディーのプロフェッショナルが制作

まぁ、ホラーでもミステリーでも、制作する側には一定のペーソスとかウィットのセンスが必要な訳で、それが無いと、作品がただの嫌味になってしまうのではないかと思います。

全てのフィクションの基本はコメディーなのかも知れません。

その点から見ても、2011年の『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』では約2億9,000万ドルを、続く、2013年の『デンジャラス・バディ』では約2億3,000万ドルという全世界収益を集めた監督、ポール・フェイグが再び作り上げた本作には、十分に期待が出来ます。

(そして、どちらの作品も、とても素晴らしい放題が付けられていたという点も、けして見逃してはいけない要素です・・・)

また、嫁にしたいハリウッド女優No.1の声がかかってもおかしくない程チャーミングな、アナ・ケンドリックが、あのブレイク・ライヴリーと『ピッチ・パーフェクト』な調和で存在感を見せるというのも、この作品を観に行くもう1つの理由でもあります。

何となくミステリーも感じさせる原題の、この『A Simple Favor』。一体何がシンプルなのでしょうか?

謎が残るそんな本作の公開直後に、アメリカのメディアが載せた評価とは一体どんなものか、チェックしてみましょう。

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • A Simple Favor
    • ア・シンプル・フェイヴァー
  • ジャンル:
    • ミステリ / コメディ
  • 日本公開:
  • 制作:
    • 2018年
    • 会社
    • 会社
    • 会社
  • 監督:
    • ポール・フェイグ
  • 脚本:
    • ジェシカ・シャーザー
  • プロデューサー:
    • ジェイソン・クロス
    • マイク・ドライク
    • ポール・フェイグ
    • ジェシー・ヘンダーソン
  • 出演:
    • ブレイク・ライヴリー
    • アナ・ケンドリック
    • ヘンリー・ゴールディング
    • ケリー・マコーマック
    • アンドリュー・ラネルズ
    • ダスティン・ミリガン
    • アパーナ・ナンチャーラ…他

あらすじ

ステファニー・スマザーズ(アナ・ケンドリック)は、夫を事故で亡くしたシングルマザー。小学生の息子マイルズ(ジョシュア・サティーン)を育てながら、ブロガーなどをして生計を立てています。

ある日、彼女はマイルズを学校に迎えにいった際、息子の友人ニッキー(イアン・ホウ)と会いました。2人はどうやら、遊ぶ約束をしているらしいです。

そこへ、ニッキーの母親エミリー(ブレイク・ライヴリー)が到着。子供同士は仲良いものの、ステファニーはエミリーと初対面です。

そんな彼女にエミリーは、子供が遊んでいる間、一緒にお酒でも飲む?、とぶっきらぼうに誘ってきます。

最初はジョークだと思ったステファニーでしたが、意外とエミリーは本気の様子。この女性のファッションやキャリアウーマン風な印象に何故か魅かれたステファニーは、彼女の家に同行してマティーニなどを飲み始めてしまったのでした。

これ以来、エミリーはステファニーにとって、ただの知り合いを超えた親友の様な存在になります。

そんなある日、家事をしていたステファニーは、エミリーから一本の電話を受けます。その内容は、仕事で出張へ行っている間だけ息子の面倒を見てくれないか、と言う、簡単な頼み事でした。

とりあえず問題も無いのでニッキーを預かる事にした彼女。しかし、帰宅すると思っていた期間を過ぎても、エミリーは戻って来ません。

どうしたものかと困っている内に、なんとエミリーの夫だという人物、ショーン(ヘンリー・ゴールディング)が現れます。彼も、自分の旅行から帰ってきたばかりとの事です。

小説家だというショーンは、自分の妻は時折、今と同じ様に姿をくらます事があるんだ、などと言います。

しかしこのままでは困る、という訳で、エミリーの消息についてショーンから色々話を聞くステファニー。ここでまた、予想外の事が発生します。

ショーンとステファニーがお互いに惹かれ合い、ついに男女の仲となってしまったのです。

そんなこんな、入り組んだ状況の中、エミリーの人となりについて色々調べるステファニーは、この女性が予想もしなかった謎に包まれている事を突き止めて行きます。

はたして、ニッキーの母親は、約束通りに戻ってくるのでしょうか?、彼女の正体とは一体?

そして、ショーンとステファニーの間の愛は、どんな結末を迎えるのでしょうか?

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映画『A Simple Favor』気になる現地メディアの評価(レビュー)は?

行き掛かり上、仕方なく、友人の消息を探すはめに追い込まれたイノセントなシングルマザーは、アナ・ケンドリックにとってはまり役と言えるキャラクターです。

映画のポスターには、彼女とブレイク・ライヴリーの2人がフィーチャーされていて、ダブル主演の映画という印象も伝えますが、実際のところ(ライブリーが姿を消してしまう関係上)、スクリーンタイムのかなりの分量は、ケンドリックのために用意されていると言えそうなのがこの映画。

仮に、その相手役がオルガ・キュリレンコなら正体はKGB、ジェニファー・ガーナーならCIA、と言う事になりますが、ブレイク・ライヴリーはどんな職業になるのでしょうか、その点の興味も膨らみます。

そんな事を考えつつ、とりあえずここからは、本作『A Simple Favor』に各メディアが寄せた評価をご紹介して行きます。

評価1:ブレイク・ライヴリーの演技が光る

先ず最初は、The Washington Postが載せた本作の評価です。

例えば、後ろ姿を見せるだけで観客を号泣させる事が出来るなら、その人は名優という事になります。

同じ様に、物語からふいに姿を消すだけで、作品の次元を1ランク上げる事出来ているなら、それはその俳優の演技力の賜物とも言えるでしょう。

ここでの評価は、いくつかのナンセンスが差し込まれた本作で、消息不明を演じるブレイク・ライヴリーが残す存在感について論評しています。

【The Washington Post】

Anna Kendrick and Blake Lively’s new movie is a good comedy, but a bad thriller

「アナ・ケンドリックとブレイク・ライヴリー共演の新作映画は、スリラーの秀作というよりコメディーと呼ぶべきだろう。」

The trailer reveals little about the movie’s genre, which turns out to be a hybrid of twisty mystery and absurdist comedy — a sort of satirical take on “Gone Girl.”

「結局はツイストの効いたミステリーと不条理コメディのハイブリッドである本作について、その予告編映像は、作品ジャンルを明確に伝えないようにしている様だ。これは、“ゴーン・ガール”に風刺を効かせたような一本である。」

It is also the one with the weakest understanding of how time works. At a recent preview screening, some audience members reacted audibly when Stephanie refers to Emily as her “best friend,” given the two have just met. Others groaned when Stephanie and Sean declare their love for each other, mere weeks after Emily is out of the picture.Kendrick and Golding’s lack of chemistry does not help.

「同時に本作には、時間経過の意味についての安直な理解を示す所も見られる。事前の試写会においては、ステファニーが出合ったばかりのエミリーを“親友”と呼ぶ場面で、観客の一部が声を上げて反応していた。また他の者は、エミリーがいなくなって数週しか経っていないにも関わらず、ステファニーとショーンが愛を誓いあう場面で、唸り声をあげたりもしていたのだ。ケンドリックとゴールディング2人の間には、それに説得力を与える化学反応が見られる訳でもない。」

But the most surprising performance is Lively’s. As the cheeky Emily, the star of such recent thrillers as “All I See Is You” and “The Shallows” finally gets the chance to be funny. She proves quite adept at it

「しかし、ここでサプライズとなる演技の殆どは、ライブリーが生み出すものだ。最近、“かごの中の瞳”や“ロスト・バケーション”と言ったスリラーを主演してきた彼女は、ここでやっと、鼻持ちならないエミリーという、笑わせる役どころを得たのである。彼女はそれに、十分な技量で応えている。」

評価2:主要3俳優が組んだスクラム

次は、Chicago Tribuneからの評価です。

実際この映画が、スリラーなのかミステリーなのか、はたまた下世話なコメディーなのか、その全てなのかどれでもないのかは、各部の批評を見ても捉え方によって微妙に印象が変わってきます。

結局、ジャンルなどと言うものは、その作品に便宜上、後付けするものでしかないですが、もっと大切なのは、そこで俳優達の織りなす人間模様です。

という事で、ここでは、主だった3人の俳優の役割分担についての批評となっています。

【Chicago Tribune】

Anna Kendrick, Blake Lively provide one-two punch in campy thriller

「この通俗的スリラーでは、アナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーが、ワンツーパンチを喰らわす。」

As the sexy, stylish Emily, Lively is at her best. The role offers her a chance to try on a deliciously naughty performance while playing on her flair for fashion. Decked from head to toe in three-piece suits, Emily cuts a seductive and serpentine figure.

「ここでの、セクシーでスタイリッシュなエミリー役には、ブレイク・ライブリーは最適だろう。この役は、自身のファッションセンスを活かしつつ、生意気な性格に味わいを与える演技に挑むチャンスを彼女に与えたのだ。頭の先からつま先まで3ピースのスーツに包み込み、彼女の演じるエミリーは誘惑的でありつつ陰険さも併せ持つ。」

Kendrick’s schtick — her self-consciously dorky rapid-fire delivery — has started to wear thin, but in “A Simple Favor” it suits her character perfectly, as the ever-chipper can-do Stephanie,

「ケンドリックが、意識的におろかしく、まくし立てるセリフの中に見せる道化振りは、すでに魅力を失い始めているものだ。そんな中でも、この“A Simple Favor”における、常に快活で意欲的なステファニーという彼女のキャラクターには、その演技が完璧に適合しているとも言える」

Golding slides easily into this role as bewildered but easily distracted husband Sean. “A Simple Favor” proves his performance in “Crazy Rich Asians” wasn’t a fluke — Golding’s got the goods, especially when it comes to playing dashing charmers at the mercy of overbearing women.

「ゴールディングもまた、ここでの当惑し取り乱しがちな人物像には、容易に入り込んでいるように見える。この“A Simple Favor”は、“クレイジー・リッチ!”での彼の演技が、まぐれなどでない事の証明となるはずだ。上から目線の女性のいいなりとなるイケメンを演じる時、ゴールディングには光るものが有る様である。」

評価3:ゆるいコメディーなのかと思いきや

さて次は、San Francisco Chronicleが本作に寄せた評価です。

ここまで登場したレビューの記事や、予告編映像まで踏まえても、この映画『A Simple Favor』がスリラーとしてどこまで真剣なのか、と疑問を感じる方もいる事でしょう。

ここでの論評は、ミステリー系のストーリーに必要なツイストや展開について、本作を肯定的に捉える内容となっています。

【San Francisco Chronicle】

“A Simple Favor” is gloriously trashy fun. This is not to say there is anything sloppy, or even camp, about it.

「この映画“A Simple Favor”は、軽々しいながらも素晴らしく楽しめる一作である。そしてこれは、この作品が感傷的だったり、ただ通俗的だと言っている訳では無いのだ。」

Director Paul Feig (“Bridesmaids,” “The Heat,” “Spy”) and his note-perfect leads, Anna Kendrick and Blake Lively, strike a highly distinctive tone, subtly parodying the predictable nature of the so-called “twists” in these types of thrillers while also avoiding the thrillers’ more overwrought qualities.

「監督のポール・フェイグ(“ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン”、“デンジャラス・バディ”、“SPY/スパイ”)に加え、完全に調和の取れたアナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーら2人の主演は、こういったタイプのスリラーが見せがちなツイストというものを微妙に皮肉りながら、特別なトーンを醸し出している。同時に、スリラーとしてのくどい語り口になる事も防いでいる。」

After dipping its toe into thriller cliche, “Simple Favor” dives in, with crosses, double crosses and “twists” one can anticipate a mile away. Yet, there’s always just enough of a wink apparent that the film remains highly involving throughout.

「ストーリーが一度スリラーの常道へ足を向ければ、本作“A Simple Favor”は、仕掛けや裏切り、そして誰も予想だにしないツイストへと一気に加速して行く。そして、この映画に興味を引かれ続ける観客達には、必要で十分な魅力がはっきり感じ取れる事だろう。」

評価4:普通の母親が踏み込む謎解きドラマ

最後は、Varietyが載せた本作の評価をご紹介します。

映画の中の構図としては、刺激的なブレイク・ライブリーの役に対応する、保守的でイケてないシングルマザーとなっているアナ・ケンドリックですが、実は、彼女が進んで行く謎解きのストーリーは、映画として十分なスパイスが効いたものとなる様です。

【Variety】

Paul Feig’s clever, naughty suburban noir turns mommy blogger Anna Kendrick into a one-woman private eye hunting her missing friend.

「ポール・フェイグが遊び心を活かしつつ描く、この郊外を舞台にした犯罪映画では、ママブロガーであるアナ・ケンドリックが、行方不明の友人をさがす女性私立探偵となる。」

Paul Feig films are about women discovering they’re capable of summoning awesome, terrifying powers. They can become spies, bust ghosts, catch crooks, and wreck their closest friendships. “A Simple Favor” sets Kendrick loose to do all four, some more figuratively than others. There’s so much on Feig’s checklist that you’re not sure where the film is going till it arrives,

「ポール・フェイグの作る映画は、内に秘めたとてつもなく素晴らしい自分のパワーに気づく、そんな女性達を扱う作風となる。彼女らは、スパイになったり、ゴーストを退治したり、泥棒を捕まえたり、はたまた親しい友人関係を台無しにしたりする。本作”A Simple Favor”は、アナ・ケンドリックに、いくつかは比喩的にではあるが、それら4つ全てをやらせる意図で作られた一本だ。そして、フェイグ監督の持つチェックリスには、それを観るまでは思いもよらない、非常に多くのアイテムが載っているのである。」

Kendrick makes Stephanie naive without making her dumb, delivering her lines like an awkward A-student trying to suss if a C is a mistake.

「ケンドリックはここでのステファニー役を、過剰におろかしくせず、また青臭く演じている。そして自身のセリフを、まるで不器用な優等生が落第生の間違いを指摘する時のように響かせる。」

There’s a giant question about her that the film dangles and doesn’t answer, the kind of thing I can imagine got cut because the audience comment cards would have gone crazy. But it’s enough, maybe more than enough, to make us fascinated by this woman who first comes across like a cartoon.

「(そして実は)この女性にも、そこにぶら下げておきながらストーリー内では回答を示さない、巨大な疑問符が付属している。その事は、試写会での観客評価があまりに酷かったため、編集でカットされた部分が有るのではとも思わせるのだ。だとしても、当初はマンガチックに登場するこの女性に、我々が魅了される様にするには十分か、それ以上の要素が残っているのも事実だ。」

Lively’s Emily is both repellent and irresistible. When she threatens to cure Stephanie’s “female habit” of over-apologizing with a slap, you believe her.

「ライブリー演じるエミリーは、人を遠ざける側面が有りながらも、抗しがたい魅力を持つ人物だ。彼女がステファニーに、やたらに謝るという“女性的行動”を直すよう迫る時、観ているあなたもそれに納得してしまうだろう。」

日本公開をご期待あれ!(まぁ何時になる事やら・・・)

この映画『A Simple Favor』、監督のポール・フェイグ、主演のアナ・ケンドリック&ブレイク・ライブリーら3人について調べたところ、皆さん、2018年のメジャーなリリースはこの一本だけの様です。

まぁ、先を急いで何かをしようとしていないトリオが、じっくり作り上げた一本だ、とも言えるのかも知れません。

監督としては、『Last Christmas』なんて言うツボな題名の新作が撮影開始間近、さらには『デンジャラス・バディ2(The Heat 2)』の制作が発表されている様ですが、キャストも含めてまだ白紙状態の様ですね。

ケンドリック姉さんは、自身がサンタの娘を演じるコメディー『Nicole』が、すでに撮影終了している状態ですが、公開は未定です。

個人的に興味が有るのは、ブレイク・ライブリーが主演して現在ポストプロダクション段階にある、陰謀系スリラー『The Rhythm Section』でしょうか。こちらの米国公開は来年となる模様です。

とにかく当面は、ストーリーのツイストが楽しみなこの『A Simple Favor』を、日本のファン達は待つ事になる訳ですが、邦題はいかがなものとなるのでしょう。

最近の他作品を真似すると、『ステファニーとエミリーの秘密の失踪』となりますが、『キケンなママ友』ってのも悪くないと思います。

それではまたっ!

参照元
The Washington Post
Chicago Tribune
San Francisco Chronicle
Variety

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