新感覚スリラー映画「search/サーチ」気になる海外メディアの評価とは?

娘を探す父親が直面する驚愕の真実を描くミステリースリラー

今回は、斬新な展開が評判となっているミステリースリラー、映画『search/サーチ(Searching)』の評価・あらすじをご紹介します。

ミステリー映画に必須の謎解きに、今どきのITアイテムを織り交ぜつつ上手くストーリーが構成された点と、想像もしなかった様な真実に圧倒される主役の父親を、ジョン・チョーが好演している部分が好評を博している一作がこれです。

TVや映画で活躍してきたベテラン、ジョン・チョー

リブートした後の21世紀版『スタートレック』では、スールー役を演じている事でも有名なジョン・チョー。

そのキャリアは、90年代の作品『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』『アメリカン・パイ』などを経て、最近ではリメイク版『トータル・リコール』にも顔を出していました。また、TVシリーズの仕事も多く、『フラッシュフォワード』『アグリー・ベティ』などのオリジナルシリーズから、TV版『エクソシスト』や『スリーピー・ホロウ』などリメイク系ドラマでも演技力を見せています。

名わき役、という印象も強いチョーですが、PC画面の中で殆どの事が展開する仕掛けの今作『search/サーチ』では、ストーリーのを牽引する主役として力量を発揮しています。

斬新な仕組みと驚きの展開が待つという映画『Searching』。公開時にアメリカの各メディアがレビュー記事に載せた評価は、どの様なものだったでしょうか。

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Searching
    • search/サーチ
  • ジャンル:
    • ミステリー / スリラー
  • 日本公開:
    • 2018年10月26日
  • 制作:
    • 2018年
    • Bazelevs Entertainment
    • Bazelevs Production
  • 監督:
    • アニーズ・チャガンティー
  • 脚本:
    • アニーズ・チャガンティー
  • プロデューサー:
    • ティムール・ベクマンベトフ
    • アナ・リザ・ムラヴィナ
    • イゴール・ツェイ
    • ジョン・チョー
    • デブラ・メッシング…他
  • 出演:
    • ジョン・チョー
    • ミッシェル・ラー
    • デブラ・メッシング
    • サラ・ソーン
    • ケネス・モスレイ
    • アシュレイ・エドナー…他

あらすじ

デイビッド・キム(ジョン・チョー)は、最近、病気で妻を亡くしました。彼には16歳の娘マーゴット(ミッシェル・ラー)が居ますが、難しいお年頃でもあり父親としての役割は楽ではありません。

それでも2人は、手を取り合ってこの困難を乗り越えようとしていました。

そんなある日、マーゴットは勉強会をするので友人の家に一泊したいと言い出します。勉強ならば無理やり止める訳にもいかないと、デイビッドは彼女を送り出しました。

その翌日、彼は、娘が学校へ登校していないと連絡を受けます。その後、スマホに贈ったメッセージにも全く返信が無く、彼女は所在不明になってしまったのです。

心配になったデイビッドは、警察へ行方不明のい届け出を出します。それを受けた警察は、マーゴットの操作に女性刑事ヴィック(デブラ・メッシング)を担当させました。

しかし、捜査開始から2日めに入っても、一向にマーゴットの消息はつかめないまま。しびれを切らしたデイビッドは、娘が残した唯一にして最大の手がかり、ノートPCを開いて、彼女の行き先を突き止めようとします。

その中に有る名前に次々と連絡して、マーゴットの事を訪ねて行くデイビッドですが、その答えから浮き彫りにされるのは、自分が想像もしていなかった娘の日常。彼女は、家で見せる明るい表情とは裏腹に、友達付き合いも少なく孤独な少女だったのです。

さらには、てっきり参加していると思っていたクラスも、ずいぶん以前からキャンセルしていたり、挙句の果てには、大金を動かしたりもしている様子。

この捜索により明らかになって行く真実は、デイビッドの日常さえひっくり返すような驚愕のものばかり。果たしてマーゴットはどこに消えたのか、父親に隠れて彼女は一体何をしていたのか、、、

ひどく動揺しつつも、娘が残した謎を探って行くデイビッド。一体、彼はどんな真実に辿り着くと言うのでしょうか?

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映画『search/サーチ』気になる現地メディアの評価は?

製作費を無駄に集めなくても、斬新で観客を惹きつけるアイディアを上手くまとめ上げられればスマッシュヒットが生み出せる。それが、小型スリラー映画製作の醍醐味かも知れません。

本作『search/サーチ』は、Skype画面で起きる怪奇現象を描いたホラー『アンフレンデッド』のティムール・ベクマンベトフが、同様な構成のスリラーを再びプロデュースしているのでも話題です。

当初、米国での公開は限られた劇場だけで行われ、第1週の売上額は40万ドル弱。その後に拡大公開となって、現在(9月9日)では全世界売上が3,200万ドルまで膨らんできたのがこの映画です。

それでは、日本公開も期待されるこの新作スリラーに本国アメリカのメディアによるレビューを、チェックして行くことにしましょう。

評価1:飛躍しすぎない展開が最後に上手く帰結する

先ずは、Los Angeles Timesが載せた本作の評価から。

プロット、演技、そして演出などが良くまとまっていると、前向きなレビュー記事になっています。

【Los Angeles Times】

‘Searching’ uniquely unravels clever mystery

「この映画“search/サーチ”は、ユニークなミステリーを展開する。」

Despite so many ways to go wrong, “Searching” works both as a smart and fascinating thriller and a wonderfully creative way of telling the tale. The best part is that writer/director Aneesh Chaganty never had to resort to any unfounded leaps in the story just to get to his conclusion. He establishes a compelling story, spreads the clues in plain sight and then brings it all together in a satisfying and tantalizing finale.

「それが失敗し得る可能性が多く有る中で、本作“search/サーチ”は、知的で魅力的なスリラーとしてなり立っており、また、物語を伝えるために素晴らしく創造的な手法を見せる作品に仕上がってもいる。この中の最良の点は、監督兼脚本家のアニーズ・チャガンティーが、物語の決着を見出すために無理やりな飛躍をする必要に迫られていない所だろう。彼はここで、ささいな場面にヒントをちりばめ、ゆっくり進んで行くが納得させるフィナーレの中でそれらを統合してみせ、説得力の有るストーリーを確立しているのだ。」

This in-your-face style only works if Cho can get across the emotions of the moment even when dialogue is jettisoned in preference to seeing the images from the computer screen. Cho’s face sells each drop of emotions from angry parent to terrified father.

「本作の持つ押しの強いスタイルは、主演のジョン・チョーが、会話よりコンピュータ画面上のイメージに気を取られるといった描写の中でも、その感情の移り変わりを表現してみせるからこそなり立っているものだ。チョーの表情は、不機嫌な親のそれから恐怖にかられた父親の間で降り注ぐ感情の一つ一つを、そこに描写してみせる。」

評価2:ハイテクを素材にしていても結局は従来型のミステリー

次は、The Washington Postが寄せた評価です。

今どきらしくIT機器を組み込んだストーリーになっていても、基本構成は行方不明の人物を探す従来型ミステリーである、との批評です。

【The Washington Post】

A father faces a nightmare in the screen-based thriller ‘Searching’

「この、コンピュータ画面をベースにしたスリラー“search/サーチ”では、1人の父親が悪夢に直面する。」

Chaganty (who used to make Google commercials) and a deft editing team fill the screen with text, video and multiple images, which spin by faster and faster as David’s concern turns to panic.

「(かつてはグーグルのコマーシャルを撮っていた)監督のアニーズ・チャガンティーと巧みな編集チームは、父親デヴィッドの危惧がパニックへ変わる過程を描くため、本作の画面を満たしたテキストやビデオ、そして複数の画像などの切り替え速度を、どんどん高めて行く。」

Like most mysteries, this one relies heavily on coincidental discoveries, even if they arrive via Gmail or FaceTime, rather than more traditional means. But the plot’s contrivances are less problematic than the movie’s insistence on maintaining its artifice even after it becomes a hindrance.

「そして、それらがGmailやFaceTimeといった新しいものを通してもたらされるとしても、偶然の産物の様ないくつかの発見に、この映画が依存している事は従来のミステリーと変わらないだろう。しかし、プロット上のそういった細工は、それが扱いにくくなった後でさえ、この映画が基本のアイディアに固執する事に比べれば、問題でもないと言える。」

Despite the high-tech trappings, “Searching” ends with a conventional payoff. It’s an outcome that could have been more compelling if the filmmakers had dropped their multi-screen gimmick and depicted the story’s emotional climax without a filter.

「そういったハイテクの見せかけが有りつつも、結局この映画“search/サーチ”は従来通りの決着に落ち着くものだ。それは、この制作陣がマルチスクリーンに映像を載せる仕掛けを手放し、変なフィルター抜きの感情的クライマックスを描く様にしていたら、もっと心に響く形で終われたかも知れない部分なのだ。」

評価3:スリラーに新たな描き方を提案する

3つめの評価は、StarTribuneからのもの。

こちらでは、従来から有るミステリースリラーの形式に、斬新な切り口を与えたと前向きなレビュー記事となっています。

【StarTribune】

‘Searching’ reboots the thriller

「この映画“search/サーチ”は、スリラーを再起動する。」

“Searching” takes good advantage of the computer-centric subgenre before it’s played out. Wisely, the emphasis isn’t this week’s technology, but solid storytelling — turning a mystery that unfolds entirely on a laptop into a capably constructed classic suspense thriller.

「そして本作“search/サーチ”は、すでに公開前の段階で、コンピューターをモチーフにする映画ジャンルの強みを十分利用していただろう。これが賢いのは、スポットを当てているのが最新技術の事などではなく、充実したストーリー性に有るという点だ。ラップトップPCの画面で展開するミステリーを、クラシカルなサスペンススリラーとして、巧みに構成しているのである。」

Cho gives a totally natural, terrifically understated performance. He expresses David’s turbulent feelings of grief and guilt as he goes through family videos of Margot’s childhood without speaking a word.

「主演のジョン・チョーは、完全に自然で、かつ素晴らしく抑制の効いた演技を提供している。彼は、娘のマーゴットを撮影したファミリービデオを無言で見るという場面だけで、自分をかきみだす悲観や罪悪感といった感情を表現してしまうのだ。」

First-time filmmaker Aneesh Chaganty, who directed and co-wrote the screenplay, keeps nail-biting distress running at full throttle. He’s strikingly creative in finding various ways to make electronic eyes tell the story, including a kinetic fistfight. “Searching” is the reboot that computer-screen movies needed.

「これが、監督および脚本家としてのデビューであるアニーズ・チャガンティーは、観ている者も爪を噛みたくなる様な苦難を、アクセル全開のスピードで描き切って見せる。彼が、肉体的な格闘場面も含めた物語をつなぐために思いついた、エレクトロニクスの活用法は、驚くほど創造的なものである。この“search/サーチ”は、コンピュータ画面を使う映画がこれまで求めていた再起動を、やってのけた一作と言えるだろう。」

評価4:スリラーとして完璧でないかも知れないが見応えは有る一作

最後にご紹介するのは、The New York Timesの評価です。

IT機器の上で展開する事にこだわりすぎた部分と、ミステリーとしての作風のバランスにふれつつ、映画としては悪くないという内容のレビュー記事になっています。

【The New York Times】

In ‘Searching,’ a Clever Conceit and John Cho as Leading Man

「映画“search/サーチ”では、賢い着想と、主役を演じるジョン・チョーが光る。」

What sets Aneesh Chaganty’s feature debut apart is its meticulously constructed storytelling device,

「アニーズ・チャガンティーによる、この劇場映画一作目を特別なものとしているのは、物語を動かすために注意深く集められた各要素である。」

Every shot of “Searching” plays out on a screen — a computer, a phone, through the lens of a clandestinely placed camera.

「この映画“search/サーチ”の中、全ての画像は、コンピューター、携帯電話、そして隠しカメラのレンズを通したものなど、スクリーン上のものとして描かれる。」

Occasionally, the effort to commit fully to the conceit feels strained or shows its limitations, as when a grainy camera recording from a distance undercuts the intensity of a particularly dramatic confrontation.

「時として、当初の着想を貫こうとする努力は、不自然に見えたり制約も感じさせる事が有る。遠方カメラから撮影した粗い映像を挿入する事は、ドラマ的な緊張感が持つ力を、特にそいでしまうのである。」

While a somewhat silly reveal in the final act feels ripped from a “Law & Order” episode, the combination of clever concept reflecting the prevalence of screens in everyday life, and the pleasure of watching a typically underused Mr. Cho take on a meaty lead role make “Searching” a satisfying psychological thriller.

「結末近くの、言ってみればばからしい謎解きが、“ロー&オーダー”のエピソードから拝借してきたかに感じさせたとしても、現代生活ではどこに行ってもスクリーンが有るという事を利用する本作の上手い着想と、普段は実力に見合った役が与えられないジョン・チョーが、中身の有る主役を演じる姿を見る事の楽しみが、本作“search/サーチ”を、十分なサイコスリラーに仕立てているのは間違いない所だろう。」

家族の秘密、暴く勇気ありますか?

家族や身内、特に親は子供に対して、相手の全てを把握し理解していると考えがちかも知れません

しかし、ヒトは秘密を持たないで生きて行く事はできない生き物。たとえ親にだって、自分のすべてを明らかにしているはずは無いのです。

誰にとっても、家族が持つ想像もできない側面を知る事は、かなりな勇気が必要な仕事となるでしょう。しかも、何かの事件が切っ掛けで子供の秘密を知るとしたら、親にとっては最悪のストレスとなり得ます。

本作『search/サーチ』は、PC、SNS、スマホなど21世紀的なアイテムを使いながら、そんな風に1人の父親が直面する苦悩を巧みに描いた一本と言う事で、各メディアの批評もおおむね肯定的です。

ミステリースリラーのファンだけでなく、広く映画ファンが期待してよさそうな映画のようですね。

それではまたっ!

参照元
Los Angeles Times
The Washington Post
StarTribune
The New York Times

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