アクション映画「Mile 22」気になる米国メディアの評価とは?

アクションの全てが詰まった娯楽作が『Mile 22』

マーク・ウォールバーグ主演、監督ピーター・バーグで制作された、映画『Mile 22』の評価をご紹介します。

この作品は、ウォールバーグが、アメリカ政府の秘密軍事行動を引き受ける影の特殊部隊を率いるリーダーを演じる、という派手が売りのアクション映画です。

アメリカでは大作映画が出揃う8月の中旬に公開されたという事で、それなりの収益力を期待された娯楽作品とも言えるのがこれです。

秀作で評価の高いコンビが再びタッグを組んだ

監督を務めたのが、もはやウォールバーグ映画に欠かせない印象すら有る、ピーター・バーグ。この2人はこれまで、3作品に亘り実話ベースのドラマを世に放ち、一定の評判を勝ち取ってきたコンビです。

ちなみに、2013年公開の『ローン・サバイバー』は、約4,000万ドルの予算で制作され、全世界収入は1憶5,500万ドルを達成。2016年の『バーニング・オーシャン』は、予算1億1,000万ドルから世界収入1億1,800万ドルを、同年の『パトリオット・デイ』は、制作予算4,500万ドルから4,800万ドル強の収入を上げています。

まぁ、こうやって見ると、作品が印象深いわりに収益力はそこそこ、というのが、この映画製作コンビの作る作品群なのかも知れません。

ただ今回は、これまで自分達を縛ってきた事実ベースの脚本を捨て、完全なフィクションでスパイアクションを描くという事に挑戦しているのが、この『Mile 22』について注目すべきポイントの1つとなっています。

さて、そんなバーグ&ウォールバーグによる超絶娯楽アクション、公開時にアメリカのメディアが載せた評価は、どの様なものでしょうか。

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Mile 22
    • マイル 22
  • ジャンル:
  • 日本公開:
  • 制作:
    • 2018年
    • STX Entertainment
    • Closest to the Hole Productions
    • Film 44
    • The Hideaway Entertainment
  • 監督:
    • ピーター・バーグ
  • 脚本:
    • リー・カーペンター
  • プロデューサー:
    • デイビット・バーノン
    • ジャド・ペイン
    • グラハム・ローランド
    • ピーター・バーグ
    • マーク・ウォールバーグ…他
  • 出演:
    • マーク・ウォールバーグ
    • イコ・ウワイス
    • ローレン・コーハン
    • ロンダ・ラウジー
    • サム・メディナ
    • キース・アーサー・ボルデン
    • ジョン・マルコヴィッチ…他

あらすじ

ジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)は元凄腕のスナイパーで、現在は、アメリカ政府の非公式な組織オーバーウォッチに所属する秘密部隊のリーダー。

外交努力や軍事力行使が、政府の問題解決に使えない時、ジェームズのチームは第3の選択として、極秘の任務を請け負います。

もちろん、あらゆる意味でのバックアップは無し、その存在すら認められていないのがジェームズのチーム。ただ、組織のボスであるビショップ(ジョン・マルコヴィッチ)からの情報と指令を頼りに、プロフェッショナルとして任務を遂行するのみ。

そんなジェームズは、彼の部下である、サム(ロンダ・ラウジー)とアリス(ローレン・コーハン)らとともに、東南アジアのとある国へ来ています。

彼らの任務は、最近捉えた男リー・ヌーア(イコ・ウワイス)を、アメリカのセーフハウスから軍輸送機が待つ空港へ移送する事。

実はリーの国は、超強力な放射能を与えられたセシウムという物質を手に入れ、それを武器として活用しようとしているのです。リーは、自分をアメリカへ亡命させてくれるなら、この武器の所在を教えると言っています。

彼らのアジトから空港までは、およそ22マイルの距離。しかし、その道中にはどの様な犠牲を払ってでも亡命を阻止しようとする、敵の組織が待ち構えています。飛行機が彼らを待っていられるのは90分間だけ。

何時もの様に、アメリカ政府の正式なバックアップもなく、あらゆる方向から銃撃を受けかねない街中を、ジェームズ達のクルマは走り始めました。

果たして彼のチームは、決められた時刻までにリーを空港へ送り届ける事が出来るのでしょうか?

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映画『Mile 22』気になる現地メディアの評価は?

The photo is provided by Eva Rinaldi(CC BY-SA 2.0)

これまでの3作を実話ベースドラマで売ってきた、この主演&監督コンビですが、ピーター・バーグという人は、実は、2012年に『バトルシップ』という娯楽大作を作ったりした人なので、特に実話を通じて説教っぽく語る社会派映画に執着がある訳では無さそうです。

一方、どんな作品に出ても、安定感と安心感を与えられるのが、主役のマーク・ウォールバーグが持つイメージ上の強み。そして今回、彼が演じるのは、敵とあらば躊躇なく銃殺する特殊部隊員。作品内でその印象がどう出来上がっているかも、興味を引かれるポイントです。

それでは、話題の映画製作コンビが真夏に向けて放った超娯楽作に向けられた評価を、4つ、見て行くことにしましょう。

評価1:あわただしく投げつけられるだけのシナリオ

まずは、Chicago Tribuneが載せた評価からご紹介。

テンポ感や露骨な編集は、娯楽アクション映画にとっては大切な要素ですが、その結果がどう出ているかについて批評しています。

【Chicago Tribune】

Berg-Wahlberg political thriller veers off course

「バーグ⇔ウォールバーグによるこの政治スリラーは、進路をそれて行ってしまう。」

Working from a wordy, wham-bam script by debut screenwriter and spy novelist Lea Carpenter, Berg and Wahlberg tackle the story of a special ops team tasked with transporting a high-value source

「脚本家としては新人で、スパイ小説の作家でもあるリー・カーペンターによる、台詞満載のドタバタ劇を描いたシナリオを基に、ここでのピーター・バーグ(監督)とマーク・ウォールバーグ(主演)のコンビは、高度な情報原を移送する特殊部隊のストーリーに挑んでいる。」

and the script is jam-packed with cynical nuggets about traditional governments, of secretive warfare and existential musings on the elusive nature of heroism. But Berg refuses to give the lines room to breathe, to fully land, instead pummeling the audience with them.

「そして、その脚本は、保守的な政府や、極秘兵器、そして分かりづらいヒロイズムの本質についての実在論的思索などが、皮肉の塊として詰め込まれたものだ。とは言え、監督のバーグは、それぞれのセリフに呼吸する間を与えようとしない。それらは、しっかりと捉えられる事もないまま、ただ観客へぶつけられるだけなのだ。」

評価2:イコ・ウワイスの超絶アクションは見もの

次は、Boston Heraldの評価です。

本物の格闘技の心得がある、インドネシア人俳優イコ・ウワイスの活躍ぶりについての批評です。

【Boston Herald】

Mark Wahlberg leads assault as black-ops leader in violent ‘Mile 22’

「この暴力的な映画“Mile 22”では、マーク・ウォールバーグが秘密特殊部隊を率いる役を演じている。」

The fourth and least successful collaboration between director Peter Berg and producer-actor Mark Wahlberg, “Mile 22” is no “Catch-22,” I can tell you.

「先ず言いたいのは、監督ピーター・バーグとマーク・ウォールバーグのコラボレーションとしては4作めで、中でも最も出来が良くないこの映画“Mile 22”は、小説“キャッチ-22”と無関係という事だ。」

The real star of the film is not Wahlberg, who drones on and on and is like the boring weird guy at the office party, but Uwais, who has charisma to spare and makes his super-athletic fight scenes look more real than any of the other ones in the film. Hey, Hollywood, give this guy from Jakarta a movie of his own.

「本作における本物のスターは、職場のパーティでだらだらしゃべり続ける退屈な男性の様にしか見えないウォールバーグではない。それは、超絶の身体能力による格闘シーンが作品中の誰よりもリアリティを見せ、そのカリスマ性で映画を盛り上げるイコ・ウワイスである。ハリウッドの人達、このジャカルタ出身俳優に主演作を用意した方が良いのでは?」

評価3:暴力とアクションだけは見せつける

次は、The Seattle Timesからの評価です。

アクション映画ファンとしては期待したい、そしてヒーローとしてのウォールバーグが好きな向きとしても大いに気になる、この映画の暴力場面の多さ(レーティングはR指定)などについて論評が上がっています。

【The Seattle Times】

Fasten your seat belts, it’s going to be a bumpy ride

「本作は荒っぽい体験になるので、シートベルトが必要かも知れない。」

“Mile 22” is one nasty piece of work. It’s an action picture that’s hard-core to the core, populated entirely by killers with nary a truly sympathetic figure among them. But it does deliver. Which is to say it delivers great gouts of bloody carnage, gunplay and car crashes and explosions past counting.

「この映画Mile 22”は、そんな荒れた様相の作風を持つ一本だ。これは、まさにハードコアアクションと言うべき映画で、共感できる部分など1つも持たない殺し屋がわんさか登場する。それでも、見せ場は有るだろう。膨大な量の血塗られた殺戮場面や、数えきれない銃撃戦にカークラッシュに爆発のシーンならば。」

And when it’s over you may not feel so good. You’re left with a sense of having been pummeled to pudding by the sheer relentlessness of it all.

「そして、本作を鑑賞し終わった時点でも、観客に爽快感はさほど残らないはずだ。何故なら、作品そのものが感じさせる真の冷酷さにより、あなたは打ち負かされ気分になるからだ。」

評価4:詰め込まれたセリフでスタイル性を高めるが・・・

最後は、CNNが載せた評価を紹介します。

アクション映画としては、開始してからすぐに観客達が時計を気にし始めるというのが、一番怖い事なのかも知れません。

そうならない様に、映像的にも音響的にも、そしてセリフの面でも、見る物の意識より回転数を高めにするのは、制作手法の1つでもあるでしょう。

そんな濃密なセリフを、主演のウォールバーグがどう操っているか、などについて評価が書かれています。

【CNN】

‘Mile 22’ loads up brutal action vehicle that misses the mark

「映画“Mile 22”は、的外れでも、残虐なアクション映画をパワーアップする」

The basic plot for “Mile 22” is about as challenging as the average CBS drama pilot, which is less of a problem because it’s also almost wholly irrelevant.

「“Mile 22”の基本プロットは、CBSドラマのパイロット版と同程度には、気骨を感じさせるものだろう。ただそれは、この映画が本当に意義を持たないという点に比べれば、問題だとも言えない。」

In fact, Uwais’ action sequences — fast paced and electric — are easily the highlight of a movie otherwise characterized by an abundance of automatic-weapons fire and tedious dialogue during the fleeting gaps between those bursts.

「実際の所、イコ・ウワイスが(電撃の超速で)演じるアクション場面は、その見せ場以外の所を自動小銃の乱射や退屈なセリフで飾り立てた映画の中では、明らかにハイライトとして映しだされるのだ。」

Not surprisingly, the performances tend to get lost amid the mayhem — the point here is style, not substance — although Wahlberg talks in such rapid-fire, staccato fashion, he appears to be auditioning for a “West Wing” reboot.

「以外でも何でも無いが、これらの戦闘シーンの中では演技なども意味をなさなくなってゆく(この映画のポイントは中身よりスタイル性である)、そして、ウォールバーグが超高速かつ断続的なセリフを読みあげてみせたとしても、まるで、“ザ・ホワイトハウス”のリブート版に向けたオーディションを受けている様にしか見えないのだ。」

ファンとしては期待して良さそうな一本

この映画『Mile 22』、実話ベース映画で鳴らしてきたコンビが、純粋な娯楽フィクションに挑んだ事で、各メディアもその仕上がりに注目している様です。

まぁ考えて見れば、ドキュメンタリー映画にしても、演出しだいで題材の印象はいくらでも変わってしまう物。結局、報道も映画も、殆どの部分が虚構だと言う事なのかも知れません。

とりあえず観客を呼び込むのに役立つ実話という看板を捨てて、ストーリー作りの本質に再挑戦したと見るのであれば、このバーグ&ウォールバーグのコンビによるアクションも、前向きに評価されるのではないでしょうか。

とにかく、ファンの人は待望の一本という事でしょう。

それではまたっ!

参照元
Chicago Tribune
Boston Herald
The Seattle Times
CNN

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