感染スプラッター系ホラー映画「Feral」の評価とは?

呪いの森に踏み込む若者がまた数名…

今回は、深い森の中に潜むナニカに、若者達が一人づつ襲われて行くというホラー映画、『Feral』をご紹介します。

友情、そして恋人同士は愛情を深め合うため、バケーションで山奥のロッジに向かっていた医大生のグループが、想像を絶する恐怖の体験をするというのがこの映画。

以前から有るスプラッターものの焼き直しに、プロット上の工夫やツイストもある程度加えた、そんな一作らしいのですが、本国アメリカで公開された直後には、各メディアからどんな評価を受けているでしょうか。

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Feral
    • フェラル
  • ジャンル:
    • ホラー / ドラマ
  • 日本公開:
    • 未定
  • 制作:
    • 2017年
    • Alternate Ending Films
  • 監督:
    • マーク・H・ヤング
  • 脚本:
    • マーク・H・ヤング
    • アダム・フレイジヤー
  • 制作:
    • ジョン・ランドルフィ
    • ブルット・カー
    • マーク・H・ヤング
  • 出演:
    • スカウト・テイラー=コンプトン
    • ジョージ・フィン
    • レネー・オルステッド
    • ブロック・ケリー
    • ランドリー・オールブライト
    • オリビア・ルッカーディ
    • リュー・テンプル
    • サマンサ・ギャンガル

映画『Feral』:あらすじ

ある森の中を、キャンプ道具を背負った6人の大学生が歩いています。

彼らが向かうのは、メンバーの一人、マット(ジョージ・フィン)の家族が持つキャビン。ところが、歩けど歩けど目的地に辿り着く気配は無く、とうとう夜を迎えてしまいました。

と言う事で、現在地にテントを張って一夜を明かす事にした彼ら。

このパーティにはマットの他に、彼の恋人であるブリー(レネー・オルステッド)、仕切り屋のジェス(ブロック・ケリー)とその彼女ジナ(ランドリー・オールブライト)、ジェスの元彼女であるアリス(スカウト・テイラー=コンプトン)とその新しいガールフレンドであるジュールス(オリビア・ルッカーディ)らが居ます。

ジェスとアリスの間には、若干、複雑な関係があるとは言え、6人は道に迷った挙句でもこのキャンプを意外と楽しんでいる様子です。

さて、ひとしきり話して、それぞれのテントへ引っ込んだ後の事。マットが自分のテントから出てきて、用を足すため森へと向かいます。そしてそれは起こりました。

彼は、何とも知れない狂暴な生き物に襲われ、かみ殺されてしまったのです。

さらに、なかなか戻らないマットを心配してテントを出たブリーもまた、同じ獣に襲われますが、医学部生であるアリスの手当てもあり、負傷しただけで命は落とさずに済みました。

朝になり、どうするか悩む一行の前に、突然一人の男が現れます。名前はタルボット(リュー・テンプル)。彼は、さほど遠くない所にある自分のキャビンへ、ブリーと他の4人を向かい入れると提案しました。

かくして、彼の山小屋に逃げ込んだアリス達。しかし、タルボットはあの森に潜むケダモノについて、驚きの真相を語り始めます。なんと、あれは元々人間なのだと。

おそらく、一種のウィルス感染が広がっており、あの怪物に襲われた人間もまた同じ感染をする、その病が発症すると、人はみな人肉を欲しがるモンスターに変身してしまう・・・

にわかには信じられない話ですが、今、彼らの目の前にはモンスター化しつつあるブリーが居ます。彼女もすぐに仲間を襲いはじめるはずだと言うのです。

ウィルスに侵された者達が活動を始めるのは、日が落ちてからの暗い時間帯です。そして、アリスらが居るのは、街まで数十キロも離れた山奥、到底、日が有る内に山を下りる事など不可能です。

周囲をモンスターに包囲された中、彼らの恐ろしいサバイバル劇が始まります。

アリスは、自分と仲間、そして新しいガールフレンドを、守り切る事が出来るのでしょうか?

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新型ゾンビホラー『Feral』気になる海外メディアの評価は?

それにしても、感染・ゾンビもの映画の人気ぶりは、未だに衰えを知らない様子です。

本来なら、とても不愉快な映像を見る事になるのに、これだけ多くの人がゾンビを求めているのは何故なのでしょう。それは、変身願望を満たすから、と言うより、自分がおぞましいモンスターになってしまうなんて事が、ジョークとして捉えられるからなのかも知れません。

本作の制作会社はAlternate Ending Filmsなんて、気概に満ちた名称の企業です。そんな人々が作った映画としては、もはやゾンビやモンスターの特殊メイクより、シナリオ上のツイストが面白味を与えるのではないでしょうか。

ひょっとしたら1981年版オリジナルの『死霊のはらわた』の様に、エポックメーカーになるかも知れないこの一本。公開直後に、本国アメリカの各メディアが載せた評価を見て行きましょう。

評価1:ルーティーン通りのホラーにも新要素

まずは、Los Angeles Timesの評価から。

B級ホラーと言うのは、ある意味で人のバカっぽさをタネにした寓話みたいなものです。とは言え、そんな中にも上手い捻りは必要。人物像のちょっとした工夫で、ほぼ焼き直しのような低予算ホラーでも、意外な新鮮さを売り込む事ができたりします。

こちらでは、そんな角度からの評価が書かれています。

【Los Angeles Times】

Otherwise routine horror flick ‘Feral’ redefines the ‘final girl’ trope

ルーティーン通りのホラー“Feral”は、‘最後に残るヒロイン’のイメージを再定義してみせる。

Beyond defying the usual square/straight model for the splatter flick “final girl,” Alice’s training as a doctor makes a difference in how this story plays out.

それが、型通りで直球な通常のスプラッターホラーに見られる、最後に残った一人の女性であったとしても、ここでの主役アリスが医者として訓練を受けているという設定は、このストーリーの出来栄えを違ったものにしているだろう。

The well-developed character motivation makes some difference in that the resultant mayhem feels logical. “Feral” avoids what usually sinks these kinds of stories: the frustration of watching unlikable victims make dumb decisions.

ここで、キャラクター達の心情を確実に構築してみせた事は、それに続く惨劇にもある論理性を与えている。本作“Feral”は、この種類のストーリーが通常陥る状況、つまり愛着も感じさせない連中が愚かな決断をする様子にいら立つという事から、我々を救ってくれるだろう。

評価2:性別的ダイナミズムの新しい切り口

次は、The New York Timesが載せた評価です。

映画と言う物は、人種や性別などについてのステレオタイプを作り上げたり、強化したり、その後でイメージの限界を打ち破ったりします。

そして、既存の枠を超えるには、非常識さがまかり通る娯楽ホラーの世界が最適、とも言えるでしょう。

現実にどうなるか分かりませんが、この映画「Feral」には、そんな風な力が備わっているかも知れません。と、言う事で、本作には下の様な批評が書かれています。

【The New York Times】

Deep in the Woods, Something ‘Feral’ Stirs

深い森の中、“野蛮”な何かが沸き起こる。

Less anticipated is a gender dynamic that places a lesbian couple front and center, with the pragmatic Alice (Scout Taylor-Compton) fighting to save her girlfriend and their contaminated pals from losing more than their hair and teeth.

本作が予想を裏切ったのは、主役である実務に長けた女性アリス(スカウト・テイラー=コンプトン)が、自分のガールフレンドと他の感染した友人達を、髪や歯が抜け落ちるよりもっと酷い事から救おうとする姿を描くと共に、レズビアンのカップルを物語の真ん中最前列に置くという、性別的配置を取った点である。

While she does, the cinematographer, Christos C. Bitsakos, has a fine time capturing the men in grisly states of injury and decay, sometimes to humorous effect.

彼女がそう努力している間、撮影監督のクリストス・C・バイツァコスは、一人の男が重傷を負い崩壊して行くという恐ろしい情景を、時にユーモラスな効果も交えて巧みに捉えてみせている。

評価3:代わり映えしないホラーでもテンポ感は大切

最後は、Varietyの評価です。

ホラーでも何でも、映画のストーリーは基本的にマンネリズムの塊だと言えます。それが商売として成り立つのは、陳腐さをカバーする手法が優れているからです。

こちらでは、そのためにこの映画が持っている、適切なテンポ感についての評価が書かれています。

【Variety】

Attacked campers start jonesing for human flesh in Mark H. Young’s familiar horror scenario.

マーク・H・ヤングの代わり映えしないホラーストーリーでは、襲われたキャンパー達が人間の肉を求め始める。

Co-scripted by Young (who’s written and directed six prior features in a similar mode of variably horror-tinged action) with first-timer Adam Frazier, “Feral” wastes little time before getting down to business.

監督のマーク・H・ヤング(これまで、6作におよぶ複数のホラー系アクションで同様なモードを展開している)が、新人のアダム・フレイジヤーと供に脚本を書き上げたという、この映画“Feral”は、事が起こり始めるまで指して時間を無駄にしない。

Things move sufficiently fast that we don’t care much about some required leaps of logic, even if not much in the way of narrative surprises, memorable scares, or vivid atmosphere arises to distinguish the escalating crises. This isn’t a dull film, but it lacks personality as well as originality.

そこでの物事は、論理的な飛躍を観客が気にしない様に促すためには、十分なテンポを持っているだろう。そこに筋書き的なサプライズが多くないとしても、印象に残る恐怖感や真に迫った感のある雰囲気は、エスカレートして行く惨劇にさらなる特徴を与えている。本作は退屈だとも言い難い、とは言え、性格と個性の面では足りていないのも現実である。

そして、“良くないモノ”は『Feral』から拡散し続ける・・・

相変わらず根強い人気を見せるのが、、この「Feral」を含むゾンビ&伝染系ホラー映画です。

破滅への不安、追いかけられる恐怖、サバイバルする者のヒロイズム、そしてある程度の感情性もシナリオに織り込みやすいのが、このタイプのホラー映画だと言えるでしょう。

そして、人の感じる不安や恐怖を刺激すれば、そこからは札束のかぐわしい香りがしてくる、、、と言ってしまうとややシニカルすぎます。

その「Feral」。現状でも合衆国内だけの小規模公開の様子。はたして日本には、どのような形でやって来るのでしょうか。

ゾンビファンの方は、期待してお待ちください。

それではまたっ!

参照元
Los Angeles Times
The New York Times
Variety

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