ファンタジーアニメ映画「Sherlock Gnomes」の評価とは?

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予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Sherlock Gnomes
    • 名探偵シャーロック・ノームズ
  • 制作:
    • 2018年 Metro-Goldwyn-Mayer / Paramount Animation / Rocket Pictures…他
  • 日本公開
    • 未定

ジョニー・デップがロンドンで難事件に挑む!?:映画「名探偵シャーロック・ノームズ(Sherlock Gnomes)」

何でも、世界最古の壁画は6万5000年以上前に書かれたものだそうですから、まさに悠久の昔から人類は何かを形で表現するという文化を手に入れていた事になります。

物や造形物とか、あるいは人形などで自分の周囲を飾るというのは、DNAレベルで僕らの中にインプリントされた習性なのでしょう。

人というものは、美しいものや可愛い姿に自然と感情移入する訳ですが、そんな思い入れは時に奇跡も引き起こします。

たとえば、持主に愛されまっくった人形などには、ひょっとしたら魂が宿ってしまうかも・・・

もちろん、それはおどろおどろしい生き人形の話、ではなく、庭先に飾られたキュートな瀬戸物の人形達の事。時として彼らは、人の目に触れないところで動き出し、ワクワクするアドベンチャーを楽しんでいるのです。

そんなファンタージが描かれるのが、今回ご紹介する映画「名探偵シャーロック・ノームズ」。なんと、あのジョニー・デップ兄さんが、その容姿を全く見せずに出演しているという作品なのですが、はたして、どんな活躍をしてくれるのでしょうか?

あらすじ

ウィリアム・シェイクスピアが書いた戯曲とは違い、瀬戸物で出来た我らが恋人たち、ノミオ(ジェームズ・マカヴォイ)とジュリエット(エミリー・ブラント)の愛は見事に結実し、二人は幸せに庭先の生活を送っています。

そう、彼らと他の仲間全員は、実は庭に飾られたセラミックの人形達。彼らは、周りに人間が居ない時だけ真の生命を得る事ができ、自由に動き回っているのです。

そんな彼らにも、最近、大きな生活環境の変化が有りました。ご主人の一家がロンドンへと引っ越し、庭先の装飾人形達も、全員その新居へと運ばれてきたのです。

新たな世界でどの様な物語をつづるのか、期待で胸が高鳴るノミオとジュリエットですが、その新しいストーリーは予想外の方向へ進み始めます。

ある時、ちょっとだけ庭先から離れた後で自分達の居場所へ戻ると、仲間のセラミック人形が、一人も居なくなっているではありませんか。

何が起きたのだろうと浮足立つ二人の視界に、突如、一体の人形が飛び込んできました。彼は、シャーロック・ノームズ(ジョニー・デップ)と自己紹介をします。何と、天才的な頭脳を持つ私立探偵なのだとか。

ノームズには、ワトソン博士(キウェテル・イジョフォー)という、これまた優秀な相棒も居ます。

早速、この探偵コンビと人形失踪事件の謎を追い始めたノミオ達。程なくして、1人の犯罪者の存在が浮き彫りになってきました。その男の名前は、モリアーティ(ジェイミー・デメトリウー)。

この名前はノームズ達に少なからずショックを与えました。何故かと言えば、この犯罪者は既に打ち負かしたものと、彼ら探偵二人は信じていたからです。

とにかく、モリアーティは曲者。彼が健在で、この事件の糸を引いているとしたら一大事である事に相違ありません。

果たして、消えた人形達はどこに連れ去れたのか?、天才的犯罪者モリアーティの目的とは一体何?

ノミオ、ジュリエット、そして二人の探偵達による、ロンドン大捜査線が展開されてゆくのですが・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ジョン・スティーブンソン
  • 脚本:
    • ベン・ザゾーブ
    • アンディ・ライリー
    • ケビン・セシル…他
  • 制作:
    • エルトン・ジョン
    • デヴィッド・ファーニッシュ
    • スティーブ・ハミルトン・ショー
    • キャロリン・ソパー
    • ジェニファー・ティーター
  • 出演:
    • ジェームズ・マカヴォイ
    • エミリー・ブラント
    • ジョニー・デップ
    • キウェテル・イジョフォー
    • ジェイミー・デメトリウー…他

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「名探偵シャーロック・ノームズ」気になる現地メディアの評価は?

いくらハリウッドのファンタジーだとしても、庭先を飾るセラミック人形が動き出すってのはどうなの?、と思わせる本作「名探偵シャーロック・ノームズ」は、2011年に作られたまぁまぁなレベルのアニメーション作に続く、まさかの続編です。

古典的なストーリーをモチーフにしたシナリオの上で、人形に宿った妖精たちが人知れず活躍するというのが、このシリーズの中心コンセプト。今回持ちだされたのが、およそ世界中に知らない人は居ないという、あの天才私立探偵シャーロックホームズです。

少なくとも、アメリカの子供達に明るい世界観を植え付けるには十分なストーリーが、一流俳優達の演技により展開されている、そんな一本となっているようです。

一作目に改良を加えつつ、子供達をターゲットに

もともと、こういった映画には、あまり社会・文化的な風刺を込めてしまうと、主な観客層である十代前半の子供に理解できなくなってしまいます。

子供を傷つけず、ただワクワクさせれば良いというのが目的だとすれば、批評家達にとっても突っ込み所があまり無い映画だとも言えるのでしょう。

そんな本作に関しては、まず、

「この映画シリーズが思い起こさせるのは、“子供はなんでも喜んで見るものだ”という大人達の古臭い決めつけの事である。実際それは事実でもないし、例え子供がダメな作品を見ていたとしても、それは、彼らに上質な映画は理解できないだろうと、大人が勝手に考えているからに他ならない。前作の『Gnomeo and Juliet』は、際立って酷い作品でもなかったが、仮にそれを食品に例えたとすれば、何も乗せずにトーストしたワンダーブレッド程度のものと言えただろう。そして本作『名探偵シャーロック・ノームズ』にも大した栄養価が有るとは言えないながらも、少なくとも表面にピーナッツバターをささっと塗った程度の味はするのである。これは、幾つものアクション場面や、それ程凄くはないがある程度のツイストが効いたミステリーで飾られた一本だ。ジョン・スティーブンソンにより演出を受けた本作は、やんわりと楽しめるアドベンチャー劇であり、前作は上回った出来である。(SFGate)」

、と言った批評が書かれています。

要求通りのポップカルチャーと風刺

多分、この映画を作る時の難しさは、主役のセラミック人形達の固い印象を、いかにやわらげ温めるかという点だと思います。

時には柔軟に形を変えつつ、かと思うとガチャンと割れてしまう、そんな矛盾点は、純朴な子供達にとっては十分に笑いを誘う要素となっているでしょう。

とにかく、この空想世界のストーリーを躍動させるためには、アドベンチャー要素だけでも足らない訳ですが、

「今回は、ジョン・スティーブンソンが監督を務めたと言う事で、この『名探偵シャーロック・ノームズ』の中身は前作よりバラエティ豊かになっている。依然として、その表面部分を今どきの流行り事で飾ったり、大人達をつなぎとめるためにエルトン・ジョンのナンバーを流したりしながら、同時に幾つかの興味深いアイディアがちりばめられているのも確かだ。シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティを、ピルズベリーに似合うマスコットとした点などは、一つか二つの笑いをさそう要素であるし、また、ノームズに捨てられた情婦アイリーン役として、メアリー・J. ブライジが一曲歌いあげてくれたりもする。その一方では、ノーム達がチャイナタウンで遭遇する事などは、ありがたくない風刺として捉える事もできるだろう。(The New York Times)」

、と言った印象も書かれています。

悪役で引き立つスクリーン

どちらにしても、これが名探偵シャーロック・ノームズの活躍を追うストーリーである以上、そこには、きっちりとしたメインストーリーが必要です。

そして、名探偵の頭脳は、対決相手が居る時により活性化するものでもあります。

現代の映画に必須とも言える名悪役はこの映画にも用意されていて、それについては、

「これと同様の映画群にランキングを付けるとしたら、本作『名探偵シャーロック・ノームズ』は『ピーターラビット』よりは十分に楽しめそうであるが、『パディントン2』程には心震わせる訳でもない、という事になるだろう。本作は、いくつか鋭いアイディアを与えられつつ、分かりやすく作り上げられたアニメーション作と言ったところだ。ここで、ジョニー・デップがシャーロック・ノームズに与えた声優としてのパフォーマンスは、それが彼である事も分かりずらいし特に鋭さも感じさせない。本作において真に光っている演技は、ジェイミー・デメトリウーが表現した、異常で屈折した人格のモリアーティであろう。それは、愛らしくも邪悪さを秘めた食品のキャラクターで、薄い毛髪と悪魔のような笑いを見せる。この様なシュールさは、実は本作が個性を描く上で不足している要素だと言え、したがって、このモリアーティが登場する時には、スクリーン全体が格別に活気づいて見える事になるのだ。(Chicago Tribune)」

、と言う評価も書かれている事を、最後にお伝えしておきます。

あの大手じゃないから良い!?、そんなファンタジー

ジョニー・デップの大ファン、その中でも洋画は吹き替え版で見るという向きにとっては、本作はかなりアダとなる一本ではあります。

そして、彼自身の声優パフォーマンスを聞いても、ジャック・スパロー船長の面影は全くと言って良い程感じられないようでもあり、製作者サイドは十分な費用対効果が得られているか、他人事ながらちょっと心配になったりもします。

ただ、何と言うか、ゴリゴリ売り込み過ぎず、理屈っぽくもなり過ぎず目と脳にやさしいイメージが、某D&P社のCGアニメーションとは違った魅力となっている、それがこの「名探偵シャーロック・ノームズ」のシリーズであると言うべきなのでしょう。

つまり元来が、合理性とか芸術性とかを指摘・批評されるような映画ではないのかも知れません。

まぁ、日本でDVD化された時には、子供と一緒に鑑賞しても全く無害な一本だ、とは言えるでしょう。

それではまたっ!

参照元
SFGate
The New York Times
Chicago Tribune

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