大人のあそびが酷い事になるブラックコメディ:映画「Game Night」の評価・あらすじ

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予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Game Night
    • ゲーム・ナイト
  • 制作:
    • 2018年 Aggregate Films / Davis Entertainment / New Line Cinema

いつも通りの週末じゃ飽き足らない、と言いつつも

誰しも、成長して社会人になり人生のパートナーがみつかったりすれば、守る事が増えて保守的になっていくものです。

でも実は、安定した生活を継続しながら、その中に普通の楽しみや幸福感を見つけて行くという事の方が、本当はリスキーな仕事なのかもしれません。

何と言っても、僕らの周囲を取り囲むこの世界は、常に、そして勝手に変わってゆくものですから、想定外の事はいつでも起こり得ます。

だから、ちょっとした週末の火遊びだったはずが、大やけどを負う結果になったりする訳です。気を付けましょう。

さて、安全を第一に考えて過ごす日々の中でも、時には非日常を感じさせてくれるものの一つが、映画ということになります。そして映画には、ちょっとした気の迷いや好奇心から一線を越えた挙句に酷い目にあう、という人々が描かれ続けてきたのです。

ここでご紹介する映画「Game Night」は、そんな、日常逸脱系映画の分野に作られた最新のダークコメディー、という事の様です。

あらすじ

マックス(ジェイソン・ベイトマン)とアニー(レイチェル・マクアダムス)夫妻はラブラブカップル。

二人の馴れ初めは、行きつけのバーで開かれたトリビアクイズイベントで、同時に正解を言い当てた瞬間でした。もちろん、お互いがソウルメイトか何かである事にすぐに気づいた二人は、あっという間に恋に落ち結婚をしたのです。

そんなエピソードもあってか彼らは、親しい友人カップル2組、ミシェル(カイリー・バンバリー)とケヴィン(ラモーネ・モリス)、そして、サラ(シャロン・ホーガン)とライアン(ビリー・マグヌッセン)らを自分の家に定期的に招き、トリビアクイズパーティを主催するようになりました。

招かれる彼らもこのイベントを楽しんでくれているようで、マックスとアニー自身も生活をエンジョイしています。ところが、その生活に突如変化が起きました。

疎遠になって久しいマックスの兄ブルックス(カイル・チャンドラー)が、久しぶりに街へ舞い戻ってきたのです。しかも戻って来るなり、自分はビジネスで成功したセレブだというブルックス。実際、なかなかな豪邸をこの街で購入していて、これからそこで生活するのだとか。

実は、マックスには兄になかなか追いつけない事のコンプレックスがありました。だから彼は、この再会には若干困惑気味でもあります。そんな弟に、ブルックスは一つの提案を持ち出します。

その提案とは、今度、自分の邸宅に友人を招いて、そこでトリビアパーティーを開けば良いと言うもの。まぁ、断る理由もないということで、次回のパーティは兄の新居で行うと決めるマックス達。

実際にその夜になると、ブルックスはパーティのネタを用意して待っていました。それは、この家で今夜起きる殺人事件を君達自身がが解決する、と言う趣向のゲーム。見事に謎を解いた者には、ブルックス自慢のヴィンテージカー、コルベット・スティングレイを贈呈するとも言ってきます。

大好きな謎解きにスポーツカーまで付くなんて、一同がエキサイトしたことは言うまでもありません。

そうこうするうちに、ブルックスの家に暴漢たちが侵入、まず彼を拉致してどこかに連れ去ってしまいました。これはなかなか手の込んだ芝居です。

芝居?、それにしては本当に迫真の演技。いやいや実は、この犯人達はリアルの悪党で、ブルックスがこの様な豪邸に住んでいる事にも、実はその連中との間いに有る良くない裏事情が関係するのです。

最初の内は、ゲームだと信じていたマックス達ですが、本物の銃や流血といったものに遭遇する内、これが笑いごとではないと気付き始めます。

果たして、ブルックスの抱えている事情とは一体何なのか?、マックスとアニー達はその謎を解いて、この夜を生き残る事が出来るのでしょうか?

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ジョン・フランシス・デイリー
    • ジョナサン・ゴールドスタイン
  • 脚本:
    • マーク・ペリッツ
  • 制作:
    • リチャード・ブレナー
    • マイケル・ディスコ
    • トビー・エメリック
    • ジェイソン・ベイトマン
    • ジョン・フォックス…他
  • 出演:

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気になる現地メディアの評価は?

子供には見せられない、流血のウィットとか茶化しとかジョークが中心になっているのが、この「Game Night」だと思います。そのため、MPAAのレイティングも名誉あるR指定です。

こういった映画の場合、ストーリーもさることながら、演技、演出、そして編集に至るまで、十分な自由度が大切なはずです。それだからこそR指定を選ぶ事で、不謹慎な描写の中にも、大人が感じる心の機微などが上手く出せる訳ですよね。

そんな枠組みで書かれた本作は、ミステリー、サスペンス、ホラー、コメディーと広い範囲の映画ファンに訴求できそうな一本、でもあるでしょう。

確実に一時の楽しみを提供してくれる

不謹慎とかきわどさを娯楽にする場合、どこまでの事をどの角度でやるかは、製作者達にとっても判断が難しい要素だと思います。

その選択いかんで、本来訴求したかった観客層にむしろ敬遠される結果にも成り得ます。

そんな分野の中で、過去にいくつかの作品を残してきた製作者が作った最新作が、このブラックコメディーである訳ですが、

「ジョン・フランシス・デイリーと、ジョナサン・ゴールドスタインの監督コンビは「お!バカんす家族」という人でなし映画をリリースした事を、やっと許される瞬間がやってきた。本作「Game Night」はコメディー映画のクラシックにはならないだろうが、ストーリーの捻りや方向転換とともに十分大きな笑いを提供してくれる一作だ。それは、観客を良い気分にさせるだろうし、彼らが過去にしでかした映画的罪を帳消しにしてくれるだろう。マーク・ペリッツが書き上げた脚本は、キャラクター構築に拘りつつも、他の同様なテーマを持つ映画が示した手法を上手く利用してもいる。中心のカップルを取り巻く友人達も個別に心のこもった印象を残し、この異常な事態の中心に置かれた人々として個性的な存在感をもたらしている。まぁ、実際に行われるゲームイベントと同じく、本作も記憶に留まるようなものではないだろう。とは言え、それが終了するまでの間はかなり楽しめる事は確実である。(The Washington Post)」

、と言う風に、前向きな評価が与えられていたりします。

笑いだけでなく物語の厚みもある

もちろん、ナンセンスをあえて具現化するのがこういったコメディーの役割ですが、それでもある程度は日常と関連している内容だからこそ、面白いストーリーになるとも言えます。

その辺りは、同じナンセンスであっても夏休み向けのCGスペクタクルと違った魅力を、アピールできる点にもなるでしょう。

さて、予算的にも中規模(3,700万ドル)で、オスカー前後の無風状態の中へ上手く載せてきた大人向け映画がこの一本ですが、

「この映画「Game Night」は当たり作である。それは、この分野の映画を卒業したと思っている映画マニアの予想を楽しそうにもて遊ぶ、エネルギッシュで賢さが光る一作なのだ。そこでは、世の流行から拝借してきた要素を満たしつつ、すべての主要人物を笑いの発信源としてみせる。これは、それなりの達人が行うジャグリング芸すらも、簡単な作業だと感じさせてしまう様な映画だ。『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』以来、こういったR指定の映画はかなり反発も買ってきただろう。そして、その作品に肩を並べる一本は、後に続いたクローン作品群の中には見られもしない。そんな中でも、本作『Game Night』は、ちょっとしたエッジが効いた映画である。しかし、そこで使われる罰当たりなセリフや暴力の要素は、コメディーだけでなくもう少し深い物語を語っているのだ。(CNN)」

、と言った様な評価も書かれていて、ある種の見応えを予感させる印象です。

全ての要素が活かされるストーリー

ハリウッド映画のシナリオは、基本テンプレートの書き直しだと言われたりもします。

人が考え付く物語はやはり日常の延長に関連するので、結局どんなに頭を捻っても基本テンプレートに戻ってしまうのかも知れません。

その固まった作りを、いかに上手くかき回してみせるかが、この「Game Night」様な映画の脚本に与えられた大きな使命なのでしょうね。

その一本には、別の所でも、

「何かゲームの様にスタートしたものが、後にシリアスな、あるいはシリアスに思える事態に発展するという物語は、誰でも一度は見た事があるだろう。しかし、マーク・ペリッツによるこのストーリーは、そういった定石に習いつつも、観客の側が真実を知っているという構図を上手く利用して描かれている。その脚本には、状況がお遊びモードから脱却してゆく過程に興味や速度感を加えるための、かなり機転が効いて新鮮な手法を投入しているのだ。実際、この映画を支えている要素は、制作陣が全ての場面や人物に、しっかりとした存在を与えようとした所である。全ての要素と登場人物は。キャラクター性などの描写の中、笑いを増強しつつ予想に反するツイストを生むチャンスとして使われる。本作『Game Night』は、誰の人生を変える事もない映画であろう。しかし、仮に足を向けたシネコンで「ブラックパンサー」のチケットが売り切れていたとしても、家に戻る必要はない。この小型映画もあなたを満足させるはずだからである。(SFGate)」

、と前向きな評価が与えられています(米国公開時期がブラックパンサーと重なっていました)。

世の中にもっとR指定をっ!

映画も、TVのワイドショーも、そしてウェブサイトも、数字が取れそうなネタとか話題にほぼ100%が集中するものです。

まぁ、仕事であるからお金に変えなければ意味がなく、よって、制作物がある程度は陳腐になってしまうのも仕方がない事なのでしょう。

ただ、そんな事ばかりやっていると、世界からウィットとかユーモアとかブラックな皮肉が全部排除されて、ただの直接的な個人糾弾だけになってしまうのではないかと、真剣に心配にもなります。

映画は一番リスクが低く簡単に味わえる娯楽の一つですが、そんな中であっても、他がやらない物を探求する姿勢の有る制作者がもっと評価される時代が来ると、僕らの生活も面白くなるし景気も良くなりそうな気がします。

それではまたっ!

参照元
The Washington Post
CNN
SFGate

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