神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について

信じなければ地獄行き、というのではちょっと困ります

大抵の宗教というのは、超自然的な奇跡を起こしたとされる何かが、その信仰の対象となっていますよね。

信仰心のある人は、天の雲の上に居るとされる存在を全身全霊で信じぬく事で、いつの日か自分の身にも同じ奇跡がもたらされると期待する訳です。

当然、真摯な信仰心は、その人の心にとって大きな糧となる事は確か。だとしても、現実の生活の中にある深刻な問題の方に、直接的な答えをまったく与えないというのでは、やっぱり、信仰されるものとしての存在感が薄くもなります。

本来なら、多くの人に与えている教えの中に、心と物質、両面の折り合いのつけ方も語ってくれるべきだと思います。

そんな意味でいくと、ここでご紹介するキリスト教系の映画、「All Saints」では、大赤字でつぶれそうな教会を受け持った牧師が、その苦境に立ち向かい、教会ばかりか他の多くの困窮する人達も同時に救済したという、実際に起こった本物の軌跡を描いているのだそうです。 【続きを読む】 “神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について”

オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について

まだ増やしますか? あなたのフォロワー・・・

三省堂辞書サイトに寄れば、セレブ(celebrity)という言葉は、誉め称える(celebrate)などというワードから来ているのだそうです。

それが発展して、名声のある人、名士、の意味に使われるようになったのですね。とにかく、その名前が広く世間から称えられるセレブというのは、やっぱり特別に選ばれた人でなきゃいけません。

ただ、たたえられる人に必要とされる行いは、時代と共に進化もしていて、今じゃあ誰でもネットに上げたスイーツの写真が、比較的簡単に10万人から「いいね」と称えてもらえる時代になりました。

物事が、どんどん簡易的になってゆくのは、文明社会が本質的に向かう方向です。だとしても、何事もオープンで容易になるのは、新たな危険を生み出すものでもあります。

あなたに、「いいね」してくれた10万人は、あなたにとって好ましい人々なのでしょうか?

そんな疑念に答えるべく、ここで紹介する映画「Ingrid Goes West」では、オーブリー・プラザが、ネットのカリスマをフォローする事に病的にはまった、超ややこしいネットユーザーを演じています。 【続きを読む】 “オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について”

映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」:チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末

どうせやるなら、人生大逆転を賭けて・・・

人生は上手く行かない事が多いですので、そんな時は、いっそのこと全部をひっくり返して、とんでもない行動に出てしまいたい、と、お考えになる方も多いでしょう。

そうですね、例えば、消費者からズル賢く金を巻き上げている通販会社なんかを襲って、汚れたマネーを全部ぶん取ってやる、なんて出来たら、さぞスッキリするんだと思います。

まぁ、どんな行動に出るにしても、あなた自身には一応、正当な理由があるのですからOK。かもしれませんが、それを行った後、30分間くらい逃げ回った挙句、お巡りさんにつかまって手が後ろに、というのでは困りますね。

人生大逆転のギャンブルには、それなりの周到な計画と準備が必要です。

特に、この映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」の主人公であるジミー・ローガン(チャニング・テイタム)みたいに、NASCARの一大レースイベントを襲って現金強奪、なんて大それた事をやるなら、なおさら緻密な計画とスキルのある仲間が必要です。 【続きを読む】 “映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」:チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末”

若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」の評価

知らぬ土地、知らぬ顔、協力者は約1名

スリラー映画というのは、登場人物を日常ではあり得ない状況へと押し込む事で、おっかないムードを醸成してくものです。

非日常的、という意味で言うと、自分達の文化を守る保守的なコミュニティに、若手のプロフェショナルを送り込み、その人物に一仕事させるというのも、スリラー向けテンプレートの原型でもあります。

小さな事すべてが障害となり、ろくに協力者も居ない環境で活動するのは、どんな人にとっても苦しく、場合によっては怖い事でもありますからね。

見る人に寄っては、その人物が女性だったらなお嬉しいし、たとえば、エリザベス・オルセンちゃんみたいな人なら最高です。

と言うわけで、この映画「Wind River」は、良いスリラーの題材を一通りそろえた作品、とも言えそう。ここでは、保守的な辺境の地に派遣される事になった、若手FBI捜査官をオルセンが演じています。 【続きを読む】 “若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」の評価”

映画「デトロイト(Detroit)」:キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る

人の作ってきた理不尽な歴史をみつめて

僕達が普段考えている事は、全部、別の所で誰か(もしくは何か)に吹き込まれた情報がベースになっています。

この世の中が、頼りにできる位に安定した状態にあるためには、「普通」とか「常識」っていう基準ラインが絶対必要で、僕らは、それに無意識のうちに従っているから、生きていけてる訳です。

だけど、皆が考えている常識が、とても悪い出来事の原因になる事もあります。

今でも無くならない、人種とか宗教、あるいは異文化間の摩擦というのも、お互いの基準がズレている事に原因があります。

そういったものも、正義と悪とかの問題ではなくて、皆の「常識」の中に必ずある間違ったポイントが原因で、起きている争いなんですけどね・・・

さて、常に異才を放つ映画監督(ですよね?)、キャスリン・ビグローさんみたいな人が、エイリアンとロボットを総動員状態の真夏の娯楽映画シーズンに、この映画「デトロイト(Detroit)」みたいな作品をメジャーリリースしたのも、時が経っても変わらない、人間の偏見にみちたダークな内面をえぐり出すため、とも思えます。

これは、60年代のアメリカの人種間の対立が元で発生してしまった、陰惨な事件を描き切っているものだそうです。 【続きを読む】 “映画「デトロイト(Detroit)」:キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る”

殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について

ヤバい時代こそ、スパイはクールに決めろっ

「世界終末時計」という、シゲキ的な名前のものが存在します。

核戦争が勃発して世界が滅びるリスクを、真夜中0時までの残り時間で表したという、一種のサインがこの時計です。2017年8月現在では、破滅までの残り時間は2分30秒を指しています。

これは、世界が、ソビエト側と欧米側に分かれていがみあっていた、いわゆる東西冷戦の頃に、アメリカの原子力系の科学雑誌が掲載しはじめたもの。でも、現実の核戦争は起こらず、1991年にソビエト連邦が消滅して冷戦も終結。これで一安心という事になった訳です。

確かにそれは素晴らしい事だったと思うのですが、しかし待ってください、世の中が完全に平和になってしまったら、小説やドラマの題材探しは相当困る事になりそうですよね。世界中さがしても、軍や武器どころか争い事も、そしてスパイも無くなってしまう。

まぁ、もしそんな風に理想の世界が生まれたなら、作家達は、冷戦が終わる直前の、最も危険でオイシイ時代に題材を求めて、売れる本を書き続けるのでしょう。

ここで紹介する映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」も、超シゲキ的だった20世紀終盤の、東西陣営がいがみあう最先端の場所に、超イケてる女スパイを放り込んでみた。という、エキサイティングな一本です。 【続きを読む】 “殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について”

オトナ女子4人がサイコーの夏を満喫?:コメディ映画「Girls Trip」について

ええじゃないかっ、夏なんだからっ、大人なんだからっ!

さて、全国の中学・高校に通う不良の皆さん、ここで一つ、目からウロコな話をお聞かせいたしましょう。

それは、「大人はもともと、自分のご都合主義で適当にルールやマナー違反をする生き物だ」、という事実です。

本質がそうですから、君たちを枠にはめようとガミガミ言うくせに、自分らでは平気でルールを破っているっ、なんて反発するのも、あんまり意味の無い事です。

ですので、、大人なんてみんな嘘つきだっ、と、怒ったり悩んだり苦しんだりする必要は、君たちにはもう無くなった訳ですね。

なんと言っても、オトナっていうのはそういう小ズルい生き物なのですから。

まぁ、そういった大人のご都合主義が通用しているのも、彼らが、世の中の酸いも甘いも一通り知っていて、分別がある人達だと認められているから。そこが、少年少女との大きな差なんですね。

さて、ここでご紹介する映画「Girls Trip」の中心にいる4人の女性達も、そんな風に大人らしいハメの外し方を知っている人達・・・な、はずなのですが、ちょっと怪しい感じもします。 【続きを読む】 “オトナ女子4人がサイコーの夏を満喫?:コメディ映画「Girls Trip」について”

娯楽映画を超えた壮絶な撤収作戦:映画「ダンケルク(Dunkirk)」について

真実の物語は、あくまでも誠実に見つめよう

クリストファー・ノーランが監督したという事で、ともするとバトルアクション娯楽大作、みたいなものを期待したくなるのが、この「ダンケルク(Dunkirk)」かもしれません。

とは言え、1940年に、実際に、連合国軍とナチス・ドイツの間で展開した戦闘を描く以上、脚本上のお涙頂戴とか、VFXとワイヤーアクションてんこ盛りのオモシロ映像に成り得なかったのが、この一本でしょう。

と言う訳で、ある意味、お堅いというか冒頓とした語り口に描かれたのが、ここでの「ダンケルクの戦い」なんだそうです。 【続きを読む】 “娯楽映画を超えた壮絶な撤収作戦:映画「ダンケルク(Dunkirk)」について”

切ない死後の世界をゆくケイシー・アフレック:映画「A Ghost Story」について

肉体を奪われた後も永遠に鳴り響く思慕の残響

依然として、科学的に証明されていないとは言うものの、世界中のほぼ全ての文化圏で、おそらく数万件では効かないくらい、幽霊やゴーストの目撃談が有ります。ですので、そこに、何らかのモノが存在する事は認めざるをえないでしょう。

とはいえ、YouTubeにアップされる、それらの幽霊の姿の多くが、「サダコ」の焼き直しバージョンになっているのは、ちょっと安直すぎる気もします。

だいたい、あの姿は、幽霊としては間違いです。本当のゴーストというのは、この映画「A Ghost Story」に出てくるように、白いシーツに身を隠していないといけません。 【続きを読む】 “切ない死後の世界をゆくケイシー・アフレック:映画「A Ghost Story」について”

愛娘のためなら違反もするさ:映画「The House」について

普通の夫婦がヤバい仕事に手を!?、21世紀的、大人のドタバタコメディ

「罪を憎んで人を憎まず」、なんて言葉がございます。

表面だけを理解しようとすると、ナンセンスにも聞こえる言い回しですよね。でもまぁ、どんな罪人にも、そうなってしまうには、それなりのちゃんとした理由がある、そこを汲んでやろうじゃないか、という意味なのでしょう。

この映画「The House」で主役となっている、スコット(ウィル・フェレル)とケイト(エイミー・ポーラー)の御夫婦が、ちょっとだけ法律を無視した仕事でお金儲けを始めたのも、実は、愛娘への愛情があるからこそだったのです。

お2人と、その娘さんであるアレックス(ライアン・シンプキンズ)は、郊外にあるフォックスメドーと言う名の閑静な住宅地に住んでいます。 【続きを読む】 “愛娘のためなら違反もするさ:映画「The House」について”

格差と偏見そして恋愛コメディ:映画「The Big Sick」について

〔独特なタッチで語る格差社会の異文化恋愛模様〕

格差社会の問題が世界中でブームになった切っ掛けは、米国で始まった、例の「オキュパイ・ムーブメント」だった気がします。

まぁあれは、「世の中の富の4割だか5割だかを、全人口の1%が握ってるのはズルい、、、」というアジテーション運動です。同じものが、日本でも少しは行われたかもしれません。でも、アメリカの場合は世界から移民を受け入れ続けて、彼らが活躍できるようにそれなりな「自由」を用意しているでしょうから、日本人が観ている格差社会とは、また違う風合いがあるのかも。

例えば「Uber」みたいなビジネスを発展させられるのも、自由を縛る法的規制が少ないからでしょう。

この映画、映画「The Big Sick」の主役である、パキスタン系アメリカ人の男性、クメイル(クメイル・ナンジアニ)も、シカゴの街のウーバードライバーとして、なんとか生計を立ている一人。

しかし、彼にはしっかりとした目標と夢があります。それは、スタンドアップコメディアンとして成功する事。実際、お客を前にステージに立って、笑いの腕前を磨き続けているんです。

彼の家族は、パキスタンの保守的な文化を守る人々。だから、クメイルをパキスタン系の女性と結婚させようとしています。クメイルは、そんな家族の気持ちをくみつつも、外で自分好みの女性を見つけてはデートを重ねたりしています。

そんな彼に、人生を変える出会いが訪れたのは、とある日のライブの後。そこで知り合った女性、エミリー(ゾーイ・カザン)と意気投合したのです。2人は、すぐに深い関係になりました。

一度はうまく行きそうに見えた2人の仲。でも、クメイルが自分の事を家族に話せずにいると知ったエミリーは深く傷ついてしまい、彼の下を去ろうとします。そして、事態はもっと深刻な方向へ向かいました。

なんとエミリーが突然入院、意識さえない昏睡状態へ陥ったのです。

もちろん、エミリーが心配でたまらないクメイルですが、同時に、彼女の家族へこの事を連絡するという、難しい仕事も降りかかってきます。

一報を受け、シカゴへと駆けつけたエミリーの両親(ホリー・ハンター、レイ・ロマーノ)が、娘と親しそうにしているイスラム教徒らしき男性に、いぶかしげな視線を投げた事は、言うまでもないでしょう。

果たして、エミリーの意識は回復するのでしょうか? もし、そうなったとしても、2人の関係について、双方の家族を納得させる事など、クメイルに出来るのでしょうか? 【続きを読む】 “格差と偏見そして恋愛コメディ:映画「The Big Sick」について”

ケイト・マーラと軍用犬の絆、新作映画「Megan Leavey」について

イラクで多くの兵士を助けたワンちゃんの実話

大きな災害の直後などに、よく、活躍する姿が見られる、救助犬。

こういった現場に彼らを送り込むのには、犬としての鋭敏な感覚に頼む、という理由もございましょうが、正直な所は、ヒトが入り込むのにははばかられる危険なポイントへと、身代わりに入ってもらうという意味が大きいのだろうと思います。

そんな意味でいうと、合衆国海兵隊が所有するK9ユニットは、危険な現場を引き受ける犬達としては精鋭中の精鋭と言えます。なんと言っても、人間の世界で最もヤバい領域へと派遣され、兵隊達のために働くのです。

人間には出来ない仕事を、体を張って引き受ける彼らは、まさに本物のソルジャーなのです。

さて、今回ご紹介する、映画「Megan Leavey」では、そんな、世界でも最も危険で厳しい現場で培われた、一人の女性兵士と一頭の軍用犬の絆が描かれて行くそうです。 【続きを読む】 “ケイト・マーラと軍用犬の絆、新作映画「Megan Leavey」について”

天才児とその母が体験するスリル:新作映画「Book of Henry」について

〔ナオミ・ワッツ主演でユニークな展開が売りの物語、その概要(あらすじ)は?〕

毎度のことながら、アメリカ映画には特別な人ばかりが登場します。

特別に優れた人、特別に普通な人、時には特別にひどい人も。

この新作映画「Book of Henry」も、ある意味でそんなテンプレートを出発点にしている一本かもしれません。 【続きを読む】 “天才児とその母が体験するスリル:新作映画「Book of Henry」について”

スリラー映画「スプリット(Split)」について

心の傷が生み出す不穏な‘チカラ’のストーリー

ホラーやスリラー映画なんてのは、本質的にエクスプロイテーション、つまり搾取なんです。

そして同時に、若手女優の登竜門。彼女達が業界でグレードアップしてゆくための足掛かりでもありますよね。美形のお姉さんが、異常なゴーストやら犯人やらに虐められる様子は、恐怖映画としてはお約束要素です。

まぁ、そう言った業界の事情自体も、若者のやる気に乗じた搾取だと言えなくもないです。そして、単純な娯楽映画であっても脚本とか演出が上手くいった作品には、映画の歴史に名を残す一本に成り得るのもまた事実。

さて、「ハリウッドの鬼才」と称されるM・ナイト・シャマランが、満を持するようにして放つ最新サイコスリラー、この映画「スプリット(Split)」は、業界においてどの位の地位を得る事が出来るのでしょうか。

とりあえず、ここで「恐怖もの映画」にその身を捧げてくれたのが、クレア(ヘイリー・ル・リチャードソン)、マルシア(ジェシカ・スラ)、そしてケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)ら3人の女子達です。

なんと3人は、とある駐車場で異常に非常識な男に襲われ、変なスプレーで意識を奪われたあげく拉致されてしまいます。

気が付くと、気味の悪い地下室のような部屋に監禁されていたケイシー達。そこには窓は無く、妙に綺麗なバスルームだけが備わっています。そしてしばらくすると、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)という男が姿を現しました。どうやら、この人物が誘拐犯らしい。

見た所出口の無い地下室から、なんとか脱出方法を見出そうとあがく3人の女の子達。そんな中、ドアのカギ穴を除いたところ、一人の女性が居る事に気づきました。大声で助けをもとめる3人。

しかし、ドアを開けて入ってきたその人を見た3人は、再び驚愕。なんとそれは女装をしたケヴィンなのです。

いや、正確に言うと、その人間はパトリシアという女性、の人格に切り替わったケヴィン。そう彼は、解離性同一性障害、つまり多重人格だったのです。ケヴィンやパトリシアを含めて、23人の人格を持つのがこの男性、、、。

その人格の中には、3人の被害者達に同情的な態度を見せる者もいます。それを糸口に、なんとか脱出をしようとするケイシー達ですが、事態はだんだん混沌としてゆきます。

ただ、ケイシーだけは、この男性の事を他の2人とはちょっと違う見方でみているようにも伺えます。実は、彼女の心にも過去にまつわる大きなトラウマがあるようです・・・ 【続きを読む】 “スリラー映画「スプリット(Split)」について”

映画「ドリーム(Hidden Figures)」について

除外しようとしても無理だった、リケジョ達の才能

まぁ、だいたい、リケジョなんて言葉が有る時点で男女差別なんですよね。

考えてみれば、どんな場所、どんな時代でも、ある程度は差別的な考えが存在するのが、この人間の社会というものです。それが、時代と共にゆっくり是正されて行くのなら、それはそれで良いという事でしょう。

でも場合によると、その差別が理由となって、貴重な人的資源を無駄にしたり、世の中から抹殺していたりもする訳で、それはそれで国の発展のためには大きなマイナスです。

1960年代のアメリカ。アフリカ系米国人には、まだ公民権が与えられていない頃の話。ある日の事、バージニア州の田舎道で故障のために止まってしまっている自動車が一台ありました。

中に乗っていたのは、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)ら3人の女性達。みなさんアフリカ系アメリカ人で、この映画「ドリーム(Hidden Figures)」の主役のトリオです。

実はこの3人、あのNASAの職員であり、その職名は「コンピュータ」。プログラマーじゃありません、自身の頭脳を使って高度な数式を解くためのスペシャリストが彼女達なんです。

この日。3人が、警察官にNASAのIDを見せたところ、パトカーで車を職場までけん引してもらったりして、その時のアフリカ系女性としては、これも奇跡といってよい体験でありました。

さて、時は冷戦の絶頂期。ソビエト連邦と合衆国は、敵より先に宇宙空間を我が物とするべく開発競争にしのぎを削っています。そして、有人宇宙飛行ではソ連に先を越された米国は、一日も早く人間による軌道上の飛行を成功させなければいけない、大きなプレッシャーにさらされています。

もちろん、宇宙船の飛行を成功させるためには、事前に長大な数学的計算や解析が必要です。まだ、アップルコンピュータだって無い時代には、その計算を人の頭脳が行っていたんです。

そんな訳で、抜群な数学の才能を買われてNASAに入ったのが、キャサリン達でした。

でも、やはり忘れちゃいけないのが、これが1960年代の話だという事。他の白人男性が苦労している数式を、すらすら解いてしまう程のキャサリン達も、職場での露骨な人種差別でいろいろ邪魔をされます。

一方、NASAのプロジェクトリーダーである、アル・ハリソン(ケビン・コスナー)には、一秒でも早く宇宙飛行士ジョン・グレン(グレン・パウエル)を宇宙空間へ送り出さなければならない、その重圧がのしかかっています。

そして、そんなアルの下に配属されてきたのが、数字については天才的な能力を発揮する、キャサリンでした。もちろんすぐに彼女は、自身の才能を発揮し始めます。

ここに、たぐいまれな才能に恵まれ、差別にも負けないガッツのある女性達に助けられ、米国の威信をかけた遠大なるプロジェクトが幕を開けました。はたしてその結末やいかに・・・ 【続きを読む】 “映画「ドリーム(Hidden Figures)」について”

映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?

〔その人の特別な才能がスリルを呼ぶっ〕

ハリウッドが作るスリリングなドラマの中で、ただの平凡な人間が中心となり活躍したという話は、一度も見た事がありません。

まぁ、僕スレ太の集中力と記憶力も並み以下なので、ただ忘れているだけなのかも。

ですが、ハリウッドという場所自体が特別な才能の持ち主の集まる場所です。そんな空気の中で、平々凡々としたヒーローを描く事自体不可能なのかも。また、スリラーの真ん中で凡人が活躍する事も、論理的な整合性に欠けるのですね。

さて、まちがいなく、ベン・アフレックさんは特別な俳優さんで、この映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」の主役を演じています。この映画で彼が役を務めるのはクリスチャン・ウルフと言う名の公認会計士。

実は彼、自閉症の傾向があるのですが、その反面、数字を扱わせたらその才能は天才的なのです。だから、会計士にはぴったりの能力を持っているという訳ですね。

ただ、その性質のおかげで、クリスチャンの子供時代は必ずしも幸福だったとは言えません。友人との関係もそうでしたが、さらに父親からは厳しく扱われてもいました。

そして今、彼はシカゴにあるそれほど大きくもない会計事務所に勤めているのですが、実はそこに秘密があります。彼が相手にするクライアントには、国際的な犯罪組織がいくつかあり、クリスチャンはマネーロンダリングに加担してもいるんです。

まぁ一応、仕事はうまく回っていたものの、やはり財務省には目を付けられていたみたい。今、特捜班リーダーのレイ・キング(J・K・シモンズ)という人が、クリスチャンの周囲を本格的に洗い始めました。その現場担当に指名されたのは、マリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)さん。

頭の良いクリスチャンは、そんな動きをかぎつけたのか、最近、合法的なクライアントを増やしました。ラマー・ブラック(ジョン・リスゴー)という人の設立したベンチャー企業、「リビング・ロボティクス社」です。

このロボティクス社にも会計士がいて、名前をダナ・カミングス(アナ・ケンドリック)さんと言います。でも、そこにもちょっと問題が、、、最近ダナは、雇い主の会社の帳簿に大きな矛盾を発見しちゃったんですね。額にして6100万ドル位でしょうか。

おなじ会計士ですから、クリスチャンとダナの間には交流が生まれ、そしていつしか二人は、この巨額の会計疑惑を追い始めます。それが、想像を超えた巨悪の存在を明かす事になるとは思いもしないまま・・・。 【続きを読む】 “映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?”

映画「ガール・オン・ザ・トレイン」:エミリー・ブラントが捕らわれる、悲哀と疑念の罠

〔見たはず聞いたはずなのに、憶えていないのはナゼ?〕

真夏のスリルと言えば、ビーチとかで出会ったイケてる異性を、友人と自分のどっちがものにできるか、という競争にあります。

でもまぁ、秋になればそんな「熱さ」よりも、落ち着いた「謎とき」の方が具合よくなるんです。ハロウィーンも近づきますしね。

んなワケで作られた一本が、テイト・テイラーさんていう作家が2015年にヒットさせたミステリー小説の映画化である、この「ガール・オン・ザ・トレイン(The Girl on the Train)」て事のようです。

ひと月くらいの遅れで、日本でも公開される予定だから、僕みたいなのがここで書く情報なんて無意味ですが、とはいうものの、少し大人な気分になって見てみるには良さげな映画みたい、って事は言えそう。

あらすじも、他の優れた映画サイトが紹介していると思います。ざっくり言うと、主人公はレイチェル(エミリー・ブラント)さん。彼女はアルコール依存症で、そのため仕事も結婚生活も失い悲しい人生を過ごしています。

飲酒以外でレイチェルの日課といえば、元夫のトム(ジャスティン・セロー)と新しい妻アナ(レベッカ・ファーガソン)に、ストーカーまがいな行為を働いたり、彼らの家を通過する列車の中から監視しようとしたりする事。

そんなことをしているうち、同じ沿線に立つもう一軒の家も監視するようになるレイチェルですが、ある日、予想していなかったものを目撃してしまいます。それが、彼女に襲い掛かる恐ろしい事件のはじまりでした・・・。

という感じです。 【続きを読む】 “映画「ガール・オン・ザ・トレイン」:エミリー・ブラントが捕らわれる、悲哀と疑念の罠”

映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」について

〔マーク・ウォールバーグが最悪の海洋事故を救う!?〕

世の中には「手抜き工事」ってのが相当数あるんだと思います。でも、中にはその手抜きがとてつもない大惨事へ発展することもあるんです。

ピーター・バーグ監督によるこの新作映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」は、現実に起きた大惨事の一つを描くドラマ。

2010年4月20日、イギリスの石油会社がメキシコ湾に持っていた海底油田が起こした爆発・炎上・油流出事故の真実を明かします。

この物語、当時、この油田で電気系の技術者をしていたマイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)の目を通して描かれます。彼は、3週間の職務担当期間のために丁度このオイルリグへやって来たところ。ここでは、別の技術者のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)や、ケイレブ(ディラン・オブライエン)を含む多数の労働者を、指導力と確かな仕事で尊敬を集める責任者、ジミー(カート・ラッセル)が統率しています。

そして彼ら全体を後ろから監視しているのが、親会社から派遣されてきた重役、ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)。実はこの油田施設、行程が予定より43日も遅れているんです。

実際のところ、この施設には問題が山積で、トイレや空調さえもまともに働いていません。ジミーは、その問題を抜本的に解決してから前に進むべきと考えていますが、ヴィドリンには時間がありません。

だから彼は、いくつかの必須安全テストを省くように、施設スタッフに強要しました。もちろん、ますます設備は不安定で危険な状態へと落ち込んで行きます。

そして迎えた4月のあの日。ネットのテレビ電話で地上の自宅に居る家族と会話中だったマイクの耳に、突然、何かが破裂したとしか思えない爆音が聞こえてきたのです・・・ 【続きを読む】 “映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」について”

映画「The Light Between Oceans」:愛と幸福は与えられた?それとも奪ったのか?

〔辛い過去にさいなまれる2人の決断は罪を背負う〕

人生において、失われた大切な何かを埋め合わせるかの如く、突如、目の前に素敵なものがぶら下がったら、思わず人はそれに手を伸ばすでしょう。

たとえ、それが自分に授けられたものでなく、誰かの大切な宝物だとわかっていても。

この映画「The Light Between Oceans」の中心となるカップル、トム(マイケル・ファスベンダー)とイザベル(アリシア・ヴィキャンデル)も、誰か他人の一番大切なものを、自分らの手元に置くという判断をしてしまった二人。

トムは、第一次世界大戦の帰還兵。未だに戦場で受けた心の傷は癒えず、ここオーストラリア西側に浮かぶ無人島で、灯台守として静かに、ただ、静かに暮らしています。

そんな彼、本土の街を訪ねた時にある女性と知り合います。彼女の名前はイザベル。二人はすぐにひかれあい愛を育み結婚しました。そして程なく彼女は妊娠。

しかし、彼と彼女を悲劇が襲ったのはここから。イザベルは、第一子のみならず2人目の子供まで流産してしまったのです。酷い悲しみに打ちひしがれる2人。

そんなある日、信じられないような出来事が起きます。彼らの島に一艘のボートが流れついたのです。なんと中には、父親と思しき遺体に寄り添われて、一人の赤ん坊の女の子が乗っているじゃありませんか。

2人は、何回かの口論の末、この子供を自分らの子として育てる事を決めます。

そして、数年が過ぎた時、本土の街へ出向いた2人は、ある女性と出合います。その人の名はハンナ(レイチェル・ワイズ)。聞けば、数年前にボートで海へ出た彼女の夫と娘が、そのまま行方不明になっていると言うのです・・・ 【続きを読む】 “映画「The Light Between Oceans」:愛と幸福は与えられた?それとも奪ったのか?”

映画「ドント・ブリーズ(Don’t Breathe)」について

〔襲ったはずの自分達が一人ずつ餌食にされる・・・〕

どの世界でも、ルール無視を決め込んだものが一番強いというのは事実でしょう。ただ、強さについて考えると、どんな分野においても上には上が居るもの、とも言えます。

結局、悪い事をして勝とうと思ったら、どの位の勢いで人の道を踏み外せるか、にかかってくるんです。

また、良い行いでも悪事でも、人が何かをやろうとしたら動機や理由付けが必要ですよね。でも、本当に邪悪でモンスター級の輩は、一般的な考えでは理解できない理由を持っていそうです。ここで紹介する映画‛Don’t Breathe’は、一応の理由が有って強盗に押し入った若者グループと、その家の家主、どちらの悪さが強かったか?、というお話しのようです。あらすじとしては、以下のよう、、、

合衆国はデトロイトに住む女の子、ロッキー(ジェーン・レヴィ)は、すぐにでもまとまった金が欲しいと思っています。でもそれには、ちゃんとした理由が有るんです。

彼女には妹、ディディー(エマ・バーコービチ)が居ますが、2人の母親は、ほぼ育児放棄状態。だからロッキーの願いはただ一つ、家を飛び出してカリフォルニアに移り住む事だけなんです。

ロッキーと、その仲間アレックス(ディラン・ミネット)、マネー(ダニエル・ゾバト)ら3人は、普段から、そこそこ金の有りそうな家に押し入っては、さほど罪にならなそうな額を盗んでいる窃盗団をやっています。そして今、マネーがちょっとした話を聞きつけてきました。街にすむ退役軍人の男性が、最近娘を事故で亡くし、ちょっとした補償金を手に入れたと言うんです。

その額、なんと30万ドル、しかも、その男性は盲目。

3人にとっては、その金をかっさらう事なぞ、ちょろい仕業に思えましたから、もちろんその計画を実行に移します。そして彼らは、金が有ると思しき部屋へ押し入ったのですが、もうちょっとと言うところで、この家主に気づかれてしまったんです。とっさに銃を向け、盲目の男性をけん制しようとするマネー。

しかし、その音に反応して、目にもとまらぬ技により銃を奪いマネーを殺してしまたのは、なんと目が不自由なはずの家主の男性でした。どうやらこの男、当初3人が思っていた様なか弱い老人ではなかったらしいのです。

いや、それどころか彼は、すべての灯りを消した闇の中、ロッキーとアレックスを家の中に閉じ込め、追いかけまわし始めたんです。1人ずつ捉えて残酷な罰を与えるために・・・ 【続きを読む】 “映画「ドント・ブリーズ(Don’t Breathe)」について”

映画「メン・イン・キャット(Nine Lives)」:ケヴィン・スペイシーが猫の常識すべてを覆す!?

〔マニア必見、本当の猫の生活〕

仏教の思想によると、魂は死んだり生まれ変わったりを繰り返して、存在を高めてゆくんだそうです。とは言え、僕ズレ太みたいに、格も徳もない魂は、来世では良くても4本足動物になるくらいですね。

そう、どうせなら猫がいいですにゃ。

まぁ、この世で相当上手くやってる人でも、突如、猫にされるという事も有り得ます。この映画「メン・イン・キャット(Nine Lives)」の主役、トム・ブランド(ケヴィン・スペイシー)のケースがそれ。彼は、ニューヨークに全米一高い自社ビルを持つ不動産会社の社長です。

そんな彼、今日、ちょっとした失敗をしでかしました。会議に夢中になっているうちに、愛娘レベッカ(マリーナ・ワイズマン)の誕生パーティーが有るのを忘れていたのです。クルマを爆走させて帰宅する彼。電話で妻のララ(ジェニファー・ガーナー)には、遅れるなら埋め合わせに飛び切りのギフトを用意しないとだめ、なんて言われています。

どうしたもんだろう?、そんな彼の目に飛び込んできたのが、ちょっと古くて寂れた感じのペットショップ。そう、ここで猫でも買って帰れば娘は機嫌を損ねることも無いだろう、って訳。

中に入ると、やや不気味な風体の主人、フェリックス・パーキンズ(クリストファー・ウォーケン)が出迎えます。猫を一匹くれ、と頼むもうとしたトムの前に、とある一匹が躍り出ました。なるほどこれが良いという訳で、そそくさと料金を支払い家路を急ぐ彼。

何とか娘のパーティーを乗り切ったトムですが、翌朝、とんでも無い状態で目覚めます。なんと、自分自身が昨夜買ってきた猫そのものになってるんです。というか、人間の彼は意識不明の昏睡状態、だけど、今の肉体は小さな猫に移り変わっている。

一体、なんでこんな事になったのか、例のペットショップオーナーは何か知っているようでもありますが、とにかく家族にペットが自分である事を知らせないとっ!、て訳で、およそ猫がやりそうもない行動をして人間振りをアピールしはじめるトム。

果たして、家族は彼が父親である事を分かってくれるんでしょうか?、彼と家族、そして彼の会社の運命やいかに・・・ 【続きを読む】 “映画「メン・イン・キャット(Nine Lives)」:ケヴィン・スペイシーが猫の常識すべてを覆す!?”

映画「War Dogs」:ジョナ・ヒルとマイルズ・テラーの奇妙な戦争

〔兵器ビジネスが、やっぱり一番美味しい!?〕

「THE DAVE FROMM SHOW」で話題にしていた映画がこれです。日本での劇場公開は遠い?。

さて、昔から、餅は餅屋に、豆腐は豆腐屋にまかせておけ、八百屋の店頭で刺身は売るなと言われていますね。病気の治療は医者に、学校教育は資格の有る教員に、犯罪捜査は警察官、そして、武器の取引はそっち系の組織や連中にまかせておけ、と。

こうやって見てみると、世の中で動いているものって、どれもセンシティブで難しいのばっかし。シロウトが安易に手を出してはいけないんです。

テロリズムと大量破壊兵器の無法な拡散を防ぐために、2001年10月から、アフガニスタンやイラクへ武力をもって圧力をかけた行いは、もちろんアメリカ合衆国にとっては手に余る行為ではなかったでしょう。でも、たやすく思えた仕事に限って、途中で色々トラブったりするもんです。特に、戦争の場合は武器の補給が必須事項。

さて、そんな戦争が佳境に入っていたころ、合衆国はフロリダ州に一人の青年がおりました。名は、デイビット・パックーズ(マイルズ・テラー)。学生時代の彼が、どのような進路を希望していたかは定かではありませんが、とりあえず今は、マイアミでマッサージ師みたいな事をやっています。

悪くない仕事?、まぁ、そうなんですけど、彼自身がやり手という訳でもないので、何となくもやもやした生活ではあります。そんな時、古い学友であるエフレイム・デバロリ(ジョナ・ヒル)から連絡が入ります。

話を聞くと、エフレイムは現在「AEY.Inc」という会社を興し実業家として活躍中。そして最近、超大型のビジネスが始まりそうだとか言う事なんです。そのビジネス、なんと発注元はペンタゴン!

アメリカ軍は今、大量の兵器を必要としていて、よりスムーズな調達のため民間企業にも門戸を開いているそうで、このデカい案件を逃す手はない一緒にやらないか、というのがデヴィッドに対するエフレイムの誘い。今度の契約は、約300万ドルになる予定です。

もちろん、デヴィッドは最初から乗り気だった訳でもありません。でも、この金額を聞いちゃうと、心も動きます。最終的に、彼もこのビジネスに加担し、なんとペンタゴンから契約を取り付けてしまいます。

しかしですよ、そんなに大量の高品質な武器、彼らに調達なんて出来るんですかねぇ。いや、予想通り、あんまり上手く事が運んでいない様子でして、、、 【続きを読む】 “映画「War Dogs」:ジョナ・ヒルとマイルズ・テラーの奇妙な戦争”

映画「最後の追跡(Hell or High Water)」の前評判

〔俺らが超ワルイ事するのも、ちゃんと理由が有るさ!〕

日本みたいな国は、物事の良し悪しを決めるための話し合いが長引き過ぎちゃって、その間に問題がもっとこじれる、という轍を踏みがちです。

まぁ実際のところ、普遍的にモラルとかの問題を解決するテンプレートなんて、この世に存在しません。つまり、それ自他が言う程に綺麗な何かでもなく、従って、犯罪映画の脚本家にとっては発想を刺激する、いじりがいの有る題材と成る訳です。

さて、今回ご紹介する映画「Hell or High Water」は、銀行強盗を繰り返す兄弟、タナー(Hell or High Water)とトビー(クリス・パイン)のハワード兄弟と、彼らを追う警察官、マーカス・ハミルトン(ジェフ・ブリッジス)とアルベルト・パーカー(ギル・バーミンガム)を中心に回転します。

片や、モラル的にペケの人、片やモラル的に一応マルの人達ですね。

まぁ、ペケの強盗兄弟にしても、こんな事になってしまったのには理由があります。どっかのエリートが変な事して発生した世界的な金融信用不安のあおりを受け、彼らの家が担保価値を失いそれを元に受け取っていた年金が入らなくなったんです。そればかりか、銀行は家を差し押さえるとか言い出す始末。

財産を全部はぎとられ、約束の金ももらえないとなったら、誰だってちょっとは考えるでしょ?。ハワード兄弟は、考えるだけでなく実行に移しただけなんです。そう、大銀行に押し入って要領よく札束をふんだくってくる仕事を。

金融界のエリートが彼らからふんだくっていった財産を、ただ取り戻しているだけ?、まぁ、見ようによったらそうとも言えそう。そして、重大な犯罪であることもこれまた動かしようのない事実です。

開業直後の時間に押し入って、金をせしめては逃げ、車は人知れない場所に埋めてしまう、そんな彼らの強盗スキーム。最初のうちは、なかなか上手く事が運んだようです。

しかし、どんな事にも終わりはある訳です。とりわけ、後3週間で定年退職だという超ベテランのマーカス捜査官が事件を追いかけているんです。このまま逃げ切れるはず、ないですよね・・・ 【続きを読む】 “映画「最後の追跡(Hell or High Water)」の前評判”

映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」:エマ・ロバーツ、人生を賭けたネットゲームで大勝負

〔ネットばっかりやってると、◎◎◎がXXになりますよっ〕

経済的な付加価値っていうのは、人間が何かを作り出したときに生まれます。だから昔は、自動車とかテレビの生産ラインでまじめに繰り返し作業をする人が、立派な社会人の筆頭でもあった訳ですね。

まぁ最近はと言えば、とりあえず開いてもらえそうなネット動画を配信して人気が得られれば、一日に数万円くらいの付加価値は生み出せるようになっています。人類の進化、おそるべしです。

しかし、悪銭身に付かず、うまい話にはウラがある、という教訓があるとおり、純粋なティーン達がネット世界の妖怪につかまって食い物にされるリスクも高まっています。たとえば、この映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」の美しきヒロイン、ヴィーナス(エマ・ロバーツ)ちゃんも気の毒なティーンの一人です。

ニューヨーク州はスタテンアイランドで育った彼女は、近々ハイスクールを卒業するにあたり、カリフォルニア芸術大学を受験し合格しました。ただ問題なのは、彼女のシングルマザーであるナンシー(ジュリエット・ルイス)さんには、その学費を出す余力など到底無かった事。

そんな事で悩んでいた矢先、親友のシドニー(エミリー・ミード)ちゃんから、とあるオンラインゲームの存在を教えられます。そのゲームの名は「ナーヴ」。

そのゲームで参加者は、「プレイヤー」か「ウォッチャー」のどちらかを選びます。つまり、前者は後者の要求してくることを実際にやれば、ある程度の報酬を得ることができるという仕組み。

まじめにお金が欲しいヴィーナスちゃんは、そのゲームに参加するとき、当然プレイヤーの立場を選択しました。彼女に与えられた最初のミッションは、見知らぬ人とキスするという簡単なことで、覚悟を決めた彼女は、ぱっと見かけた男性イアン(デイヴ・フランコ)の唇を奪います。

もちろんヴィーナスは、そこそこのキャッシュをもらいます。でも、彼女に突き付けられる要求は、当然の様にどんどんエスカレート。それでも、勢いに乗って次々とクリアしてゆく彼女。いつのまにか、イアンもそれに巻き込まれています。

さて、節度をわきまえない大衆が動かすこのゲーム。どこまで行っちゃうんでしょうね。ヴィーナスちゃんは、適当な所で手を引く事が出来るといいんですけどね・・・ 【続きを読む】 “映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」:エマ・ロバーツ、人生を賭けたネットゲームで大勝負”

映画「俺たちポップスター(Popstar: Never Stop Never Stopping.)」の前評判

動画をアップして1億円稼ぐ6歳児もアリですね、、、皮肉じゃなくホントに

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中学生だか小学生だか幼稚園児だかが、将来なりたいと思う職業の2位にユーチューバーが入ったとの事で、一部の教育評論家さん達が嘆いているらしいです。

まぁ、どんなジャンルのものでもトップクラスに位置する人が、より派手に成功している分野に一般人の人気や関心が集まるというのも、最近に始まった事でもありませんよね。そして、(もし出来るのであれば)ネット動画で自分の才能を発揮しちゃえば、世界的なスターになるまで半年とかかりません。だから、十何年もの間、勉強やトレーニングに苦労するなんて、(もし、本当にそれが有るならですけど)才能あふれる子供達にとっては非合理的なナンセンスでしかないのです。

ふむ、教育関係者の人達が危惧するのは、そんな子供が屈折して育ってしまわないかい?、という事でしょうか?。たとえば、、、この映画「俺たちポップスター(Popstar: Never Stop Never Stopping.)」の主役である、世界的ポップスター、コナー・4・リアル(”Conner4Real”=アンディ・サムバーグ)さんみたくですかね。

とは言え、ネットのおかげもあって子供時代に炸裂した彼の才能は、これまで、バンドメンバーのオーウェン(ヨーマ・タッコン)やローレンス(アキバ・シェイファー)のみならず、多くの人々の人生を潤してきたんですから、ちょっとくらい偉そうにしたからって、非難するのはお門違いです。

ちなみに最近、コナーさんはバンドを‟卒業”(と同時にバンドも消滅)、ソロのアーチストに転身しました。そして、ニューアルバムを引っさげてのツアーが始まります。そして業界では評判が悪いですから、評論家の人達も、このアルバムをこき下ろしています。でも、ファンの期待は最高潮に膨らんでいるのも確か。

ただ、、、コナーさんがサプライズで仕込んだ、アシュレイ(イモージェン・プーツ)って女性へのプロポーズと共に、このアルバムとツアーの出来も前評判通りに最低だったら、彼の名声と人気ってどうなっちゃうんでしょうね?。今、コナーさんのリアルが試されようとしています、、、 【続きを読む】 “映画「俺たちポップスター(Popstar: Never Stop Never Stopping.)」の前評判”