ケイト・マーラと軍用犬の絆、新作映画「Megan Leavey」について

イラクで多くの兵士を助けたワンちゃんの実話

大きな災害の直後などに、よく、活躍する姿が見られる、救助犬。

こういった現場に彼らを送り込むのには、犬としての鋭敏な感覚に頼む、という理由もございましょうが、正直な所は、ヒトが入り込むのにははばかられる危険なポイントへと、身代わりに入ってもらうという意味が大きいのだろうと思います。

そんな意味でいうと、合衆国海兵隊が所有する「K9ユニット」は、危険な現場を引き受ける犬達としては精鋭中の精鋭と言えます。なんと言っても、人間の世界で最もヤバい領域へと派遣され、兵隊達のために働くのです。

この映画「Megan Leavey」の中で、軍用犬達が訓練を受ける「キャンプ・ペンドルトン」での任務に就いたのが、20歳の女性新兵、メーガン・リーヴェイ(ケイト・マーラ)さん。

とは言え、彼女は、軍事活動に対する高い意識を持っている訳でもなさそう。ここにやって来たのも、大嫌いな母親(イーディ・ファルコ)から逃げるためだったようです。そんなメーガンに与えられた仕事は、軍用犬の犬舎を掃除するという事。ところが、そこで思わぬ出会いが待っていました。

不用意にケージへ近づいたメーガンに激しく吠え付いたのが、ジャーマンシェパード犬のレックス。なんでも、軍用犬史上もっとも気性の荒い一頭だ、と呼ばれている犬です。

しかし、どういう訳かこの出会いがメーガンを変えました。彼女は軍用犬の調教師としての訓練を志願し、レックスとコンビを組む事になったのです。

そして、二人が派遣された現場は、テロ活動が収まる事を知らないイラクの戦地。そこでレックスは、期待通りの働きを見せ、多くの兵士の安全確保に貢献しました。あの日、取り調べた自動車に仕掛けられた爆弾が、彼とメーガンの身近で炸裂するまでは・・・

忠実な軍用犬との絆が感動をよぶ話、その前評判はいかに?

ワンちゃん&ニャンちゃん関係の映画作品には、確実に固定的なファンが存在します。ですので、この映画の製作陣、そして監督のガブリエラ・カウパースウェイトさんも、少しは予算確保がしやすかったのではないか、なんて想像も出来るところです。

しかし物語は、戦場と軍隊の厳しい現実がコアに置かれているもので、普通の「感動物語」には成り得なかったようで、アメリカでの批評記事には、

「そのストーリーの真髄に到達するまでの間は、本作『Megan Leavey』は一種のラブストーリーと解釈もできるだろう。しかし、監督のカウパースウェイトは、この映画がセンチメンタルになり過ぎないよう賢い演出を見せる。まぁ、話の伏線を描く時点では、それなりに緩む部分を感じさせる本作は、90分間でなら上手くまとまっただろう映画である。とは言え、この物語には意味が有るし、良いストーリーでもある。(The Seattle Times)」

、という意見が見られます。

だいたい、戦争なんてのは人間が勝手に始めたもので、そこに無理やり送り込まれて危険な仕事をする義理なんぞ、犬の側にはないし、もちろんワンちゃんもそれを志願なんてしません。だからその物語は、本来、辛辣で残酷な部分を内包しているでしょう。

しかしそれだけに、真実の物語を見せてくれるというのも期待できます。

「この映画の最大の欠点は、要となるシーンの出来栄えにある。リーヴェイ達が送り込まれたイラクの荒野は、ただ爆弾に点火するためだけの設定と感じられる。しかし、戦争はこの映画の主軸ではなく、それは、ある女性と一頭の犬との信頼関係に置かれているのだ。その物語に決着がつく時、あなたの涙腺がゆるまないとすれば、それは斜に構えすぎて見ている、と言うものである。(The New York Times)」

ミリタリーファンでなくても楽しめそうな‟戦争映画”

忠誠心が強くてヒトと仲良くなれると言うのが、ワンちゃん達の最大の取り柄です。そんな彼らの純粋な行動は、やっぱり戦争映画の中でも感動を誘うものなのでしょう。

本作「Megan Leavey」は、2017年6月時点では北米のみでの公開となっています。しかし、日本の犬愛好家や、軍事愛好家や、ドラマ愛好家の人達にも、充分訴求する一作ではないでしょうか(配給会社さんに期待しましょうw)。

ではまたっ。

参照元
The Seattle Times
The New York Times

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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