映画「レジェンド 狂気の美学(Legend)」の前評判

写真:トム・ハーディ双子のクレイ兄弟ってのは、1950から60年代にかけてのロンドン東地区において、ギャングとしてならした連中だそうです。(The photo by GabboT is used here under the license of Attribution-ShareAlike 2.0 Generic

いろんな意味で“伝説”でもある、そんな二人組が絶好調だった日々を描くのが、この映画「レジェンド 狂気の美学(Legend)」という事らしいです。(僕、ズレ太は、暴力だけでなく力ずくで自分の都合を通す輩が大嫌いなので、今、ネットでこの兄弟の顔写真を見ただけで、若干不愉快です・・・^^;)

ブライアン・ヘルゲランドが脚本&演出を手掛け、何と、トム・ハーディに、ロナルドとレジ―のクレイ兄弟両方を演じさせたというのが、この作品のミソなのかもしれませんね。

もともとボクサー志望だったという、クレイ兄弟は、時のロンドン東地区に経営するナイトクラブを根城に、殺人、強奪、放火、上納金取たて、などのあらゆる犯罪に手を染めつつのし上がって行き、その影響力がピークの時は、セレブリティ扱いまでされていたという、まぁ、確かに逸話には残りそうなギャングではあります。

映画ではクリストファー・エクルストンが演じている、レオナルド・リード刑事の執念によって、二人が逮捕されたのが1968年の5月9日。ロニーは、1995年3月17日に病院に収監されたまま他界し、レジ―の方は、2000年の10月1日に釈放されましたが、その8週間後に病死しました。

そんな彼らの伝説について、エミリー・ブラウニング演じる(レジ―の愛人)フランシスが語ってゆくのがこの映画の構成だという事です。

ギャング映画は、世界大戦を描く時代劇なんかと違って、「暴力反対!、犯罪撲滅!」なんて美辞麗句が載せられるもんじゃないでしょう。むしろ、自動小銃でなんでもカタを付ける様子を観て、「やべぇ、超カッキー!」と歓声を上げる人々がターゲットと思います。

ここで、その羨望の的となるクレイ兄弟は、たしかに、歴史に名前を残す程の事をやったのは事実のようですが、「この映画「Legend」に、最低でも期待出来る事と言えば、何故、映画的な伝説が崇められるのかを見せつけてくれる、という物だろう。そして、我々なんかより感銘を受けたとみられるナレーションが、それについてとても熱く語るだけ、でももちろん足らず、我々は、それを読み取り、感じ取り、そして、何かとてつもない物を観る特等席に座っているのだと、自ら信じる必要さえある。そして結局、そういった事の一つでも、この映画の中で起こる事は無いのだ。(SFGate)」、とかの印象も書かれています。

何にしても、時代物映画をでっち上げる(いや、作りあげる)のと、それを観る事にとっての大きな楽しみの一つは、その文化が再現されている様子を観る、という高尚なものでもあります。

そして、もうあの世に行っちゃった昔の大物は、全員カリスマに見えちゃう訳ですけど、たとえば、「本作は、活気に満ちた60年代ロンドンに浸りきる、という意味においても、そのトーンは奇妙で難しい綱渡りをやってみせる部分がある。しかし同時に、粗くショッキングな暴力性も併せ持つ。それは、実際のクレイ兄弟による諸々の行いを見せるには、十分なものだろう(Chicago Tribune)」、と、不愉快にも血なまぐさい香りです。

さて、舞台設定もそうですが、映画製作技術的にはハーディの一人二役というのが、ソフト面&ハード面の両方において、そして宣伝戦略的にも注目される部分ですね。

「これが、居並ぶギャング映画達の中へ力強く名乗りを上げる一作であるとは言え、観る本当の理由とは、二人の兄弟を演じ分けているハーディの演技に浸る、という事になるだろう。彼は、変な言い回しで聞き取れない程のロンドン訛りを、この二役それぞれに操りながら、お得意の狂暴な残虐さを、この役どころに与えているのだ。(Chicago Tribune)」、て事です。

でも、一方では、「技術的な意味では、時に同じ画面に収まるもう一人の自分と共演するハーディには、映像の不自然さがまったく無い。それは確かに見せる部分と言えるのだが、それでも、ハーディ同士の共演には何かが欠けて感じられる。タイミングが不自然なのだろう。その動作は計画的な印象を与えるのだ。実際には相対するものが無い演技の中には、相互作用も生まれないのである。(SFGate)」、と、まぁ当然の様に厳しい指摘も有るようですね。

映画の撮影・編集・修正技術があふれる21世紀には、一人のやり手俳優に双子を演じ分けさせるというのは、まぁ、モノ作り的な側面で考えたら、結構興味を抱かせる点ではあるのでしょう。

最後に、腕っぷしを振り回すのがお好きな向きには、「ここで、ハーディが見せる演技、そして物語のショッキングなディテール部分は、興味を引くと言う程度を超えたものである。本作は、簡単に出来たギャング映画の一本、というのではなく、価値ある担い手の一つと言うべきだろう(Chicago Tribune)」、との事であります。

あと、当然の事ながら、日本にもたくさんいるトム・ハーディの女性マニア層は待望すべきなのが、2015年のホリデーシーズン前に公開された、この暴力と犯罪ドラマなのかもしれませんよ。

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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