えんたほ流レビュー:クロース・エンカウンター 第4種接近遭遇(Hangar 10)

〔広告〕

その森、レンデルシャムの森、、、ヤバい森

右から読んでも左から読んでも、UFO事件をモチーフにした事が分かりすぎる程に明確な邦題を与えられたのが、この映画「クロース・エンカウンター 第4種接近遭遇(Hangar 10)」です。

そして、昨今のスリラー系作品が手っ取り早くマネタイズするために、よく取り入れる「疑似ドキュメンタリー」形式で作られた一本がこれ。まぁ、ファンタジーを描く時に製作者が一番苦労しそうな、信憑性、という要素が簡単に実現できてしまうので、便利な映画形式でもありますね。

そんな、フェイク・リアリティの雰囲気にドキドキしたいと思う向きには、おすすめな一本なのかもしれません。

とは言え、今までこの分野を築きあげてきたレジェンド級の作品と比べてしまうのは、ちょっと気の毒な感じの小物な映画でもあります。

噂の森に刻まれた、あらたな伝説?

まず、この作品について、他の多くのUFO映画作家達から、「ずるい」と言われそうな点というのが、「レンデルシャムの森事件」を直接取り入れた事でしょう(いや、ひょっとしたら、今まで似たような企画の作品は、たくさんあったのかもしれません)。

1980年の12月に、イギリスはサフォーク州に存在する「ウッドストック米空軍基地」周辺、レンデルシャムという深い森林で発生したと言われる、有名なUFO遭遇事件がこのモチーフになっています。

その日の夜、正体不明の発行物体が基地周辺に飛来し、多くの兵士により目撃され、その事象に関する公式の報告書が一般に公開されている事などから、UFOマニアの人達は、その信憑性にかなりな期待を寄せている、そんな出来事がレンデルシャム事件です。

さて、映画の話に戻ります。

このシナリオでは、オリジナルの目撃事件から33年後のウッドストック基地周辺が舞台です。登場人物はシンプルに3人だけ。ガス(ロバート・カーティス)という名の男性、その恋人であるサリー(アビー・サルト)、そして、サリーの古い友人と思しきもう1人の男性ジェイク(ダニー・シェイラー)です。

もちろん、彼らは森の中で怪現象に出くわす訳ですが、そう仕向けるために脚本家さんが苦労して考え出した設定が、「金属探知」という仕事。

なんでも、イギリスでは田舎の土地をちょっと掘ったりすると、古いコインなんかが出てくるとかこないとかで、ガスは、そういった発見のプロセスを動画にしてネットへアップしよう、と企んでいます。

ぶっちゃけ、土の中からちょっと古いコインが出てくる様子なんて、今どきのネットユーザーが求めているかどうかも疑問です。しかしまぁ、ガスとサリーの2人はむっちゃやる気満々。

カメラマンとして、このプロジェクトに引き込まれたジェイクは、最初からちょっと斜に構えた態度で付き合っていますが、彼が構えたカメラのフレームには、いまいち価値がよくわからないコインなどより、ずっと凄い映像が捉えられてしまうのでした・・・。

とはいえ、有名なレンデルシャムには今でもUFOが存在していて、その土地に踏み込む者を監視したり追いかけまわしたり、場合によったら拉致して飛んで行ってしまう、そんな型どおりなモチーフから、いっさい逸脱しないのがこの脚本です。

なんだか、これもはっきりしない理由付けによって、3人は夜の闇に紛れて(昼間のうち昼寝してから)コイン探しをはじめます。そして、その時に遭遇する発光物体の様子だけは、(たとえ予算なんてかかっていなくとも)なかなか趣のあるUFO映像になっています。

彼らの頭上を覆う深い森、その枝と枝の間を通して見える光は、目を凝らしても形がはっきりしないという感覚をうまく表現していると言えるでしょう。

今、実際にネットに上がっている、「趣のなくあざといだけ」のCGで描かれたUFOに比べれば、この部分はなかなか悪くない出来です。

そして、他の部分を見ても、超コワいとか、新鮮とか言えないのがこの映画でもあります。それでも、オカルトやUFO話の好きな人には、それなりに楽しめる作品なのかなぁ、と思います。

ただ、疑似ドキュメンタリー作品にとって一番難しいのは、それを見る人たちが「驚愕の真実」を体験したいと強く期待している点にあります。そして、どこかの作家さんが考え付いた驚愕のエンディングは、結局、作り話の域を越えられないんですね。

そんな事も感じさせる一本が、この「クロース・エンカウンター 第4種接近遭遇」ですが、まぁ、レンタルで借りてみる分には、敬遠するほどの悪い一本ではないと、そう思います。

〔広告〕

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。