映画「エンド・オブ・キングダム(London Has Fallen)」の前評判

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〔強化された大統領の危機管理が世界を救う!?〕

「前代未聞だったあの◎◎事件から◎年、しかし、世界を震撼させた脅威は消え去っていなかった・・・」、というスリラー系の映画としても常套手段と言える、シナリオの延長作戦により観客を掴むのが、この新作映画「エンド・オブ・キングダム(London Has Fallen)」です。

アクションスリラーでは、常に大事件は、一人(か二人)のヒーローの廻りばかりに集まるもの、と言う訳で、今回も、悪辣なるテロリストとガチな対決をするのが、敏腕シークレットサービスである、マイク・バーニング(ジェラルド・バトラー)、そして彼が体を張ってでも守り切るとコミットした相手こそ、あの大統領、ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)です。

今、彼らはロンドンに到着しました。先ごろ突然他界した英国首相の国葬へ参列するため、この地を訪れているのです。そして、2人を含む要人達を待ち受けていたのは、英国政府によるもてなしだけではありませんでした。

なんと、あの凶悪テロリスト、アマー・バーカウィ(アロン・アブトゥブール)は生きていて、西側先進国の首脳が全員集合するという絶好のこの機会に、史上最悪のテロリズムをしかけようと策略をねっていたのです。

テロ集団は、大量の人数と大量の武器をそろえ、一気にロンドンを制圧しようと攻撃を開始。しかしアッシャー大統領だけは、バーニングの機転により、なんとか一時的に難を逃れます。

しかし、今や、街中のいたるところにテロリストの手下がおり、激しいカーチェイスの末、結局孤立してしまったバーニングとアッシャー大統領の2人。その大統領を捉えようと、バーカウィは、米国にいるトランブル副大統領(モーガン・フリーマン)へと脅迫のビデオメールを送り付けます。

彼の目的は、大統領の処刑を全世界へ向けネット中継すること、もし、大統領を引き渡さなかったら世界中の大都市で、ロンドンと同様に大規模な破壊工作を行う、そう言ってきたバーカウィ。米国政府じゃなくたって、どちらにしてもそんな話、受け入れることは出来ないに決まってます。

いまや、政府からの援護も期待できず、孤軍奮闘しながら大統領を守るバーニング、果たして彼は、アッシャーを守りながら、テロリスト達を倒す事が出来るのでしょうか?

〔大統領とシークレットサービスの脱出劇は、いつまで続く・・・〕

危機管理というのは、想定しなかった事が起きた場合とか、あるいは、想定した事が起きなかった場合に、どう対処するかという事だと思います。

まぁ、映画製作ビジネスとしては、想定した集客が実現しているのかどうか、が、商売的な危機管理を担当するプロモーション部門にとって、最大の心配事でしょう。

そして、収益性という意味でも一番固いはずの、二匹目のドジョウを狙った本作なのですが、

「ベンジャミン・アッシャー米国大統領には、2つのものが必要である。一つは、もっと有能な保安スタッフ、そしてもう一つは、もっとましな脚本家達だ。2013年の“エンド・オブ・ホワイトハウス”において、テロリストに捕らわれた大統領をシークレットサービスが救い出す様子を観るのは、まぁ、ただの暇つぶしという意味合いにおいて、さほど悪くもなかったのだが、信じがたい事に同じ大統領がロンドンで再び捕らわれる、というこの話に至っては、創造性も無く疲れる無駄話を繰り返しているに過ぎない。(The New York Times)」

、とか、あるいは、

「強がりが言い放つ、(外部への)不平不満をさらに拡大した、この映画“London Has Fallen”は、今の勇猛な次期大統領候補を信奉する連中にとっては、鑑賞する事が必須事項にもなる作品なのだろう。表面的には、“エンド・オブ・ホワイトハウス”の続編という形を取ってはいるが、正確に表するのならこの映画は、我々の中でも最も怨恨を抱いた馬鹿者の頭から飛び出してきた、地政学上の現実を全部忘れてしまおう、というファンタジーである。(Los Angeles Times)」

まぁ、現実的な設定と筋書きを書いたら、これまた、方々からいらぬ反発を招いて、リアルでの状況をもっとこじらせてしまうかもしれません。そんなことを考えると、たわ言のスリラー作の中で、架空の相手に対するそこそこな悪口を込めるのは、実は現実的な大人の選択なのかもしれませんね。

また、無限に弾丸が飛び交う映画としては、「今の世界の状況をもう一度考えてみよう」なんていう、社会教育が込められるのでもありません。

「4人の脚本家により書かれたという、この“London Has Fallen”は、権威の座に居るものが無能な時は、武器を取って立ち上がった者が正義を成す、というプロットを踏襲するものだ。そして、視野を狭めた外交姿勢を正当化したり、また、ばからしい憎悪を焚きつけるという目的のために作られた、この“London Has Fallen”という名の笑わせる暇つぶしには、、中東地域に敵対勢力が居る事と同じ要領で、その存在を耐え忍ばなければならないものなのだろう。(Los Angeles Times)」

現実世界には、いくつかの正義が別個に存在しながら競争しているので、喧嘩をしないようにする、という以外で、そこにある問題点との付き合い方はあり得ないようにも思います。でもまぁ逆に、映画の中だったら、何でもやりたい放題ですからねぇ。それを観て、気分が高揚する人はそれを楽しめば良いのでしょう。

「(シークレットサービスの)マイク・バニングを演じるジェラルド・バトラーは、第一作においては、しゃべり過ぎない事が発揮するだろう良い効果に、なんとか近づいていたとも思えるが、今作においての彼は、ただ退屈でイラつかせるのみである。まさに会議室で作られたのが判るこの映画では、その彼に加えてアーロン・エッカートの両方に、‛アイルビーバック’の後ガマにはまる事を強く狙ったような、省略された決め台詞のやりとりを、これでもかと押し付けてくる。この様に、型にはまりきってばからしい映画は、相手にするのも大変なのである。(The New York Times)」

今の情勢くらいに広まってしまうと、テロリズムの嵐が収まるには、あと100年くらいはかかりそうです。あるいは、攻撃しあっている勢力の間を、要領よく取り持つ指導者が、どこからか突然現れてくれれば、もうちょっと早く、この世界が住みよい場所になるかもしれません。

そんな偉人が表れる前に、映画の内容やメディアの報じ方とかで、また、不必要に情勢がこじれるような事にならないよう、祈りたいところです。

映画の内容を笑い飛ばしていられるのも、基本的な平和が有ったればこそですからねぇ、それではまたっ!。

参照元
Los Angeles Times
The New York Times

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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