映画「ザ・ブリザード(The Finest Hours)」の前評判

〔公務のためなら冷たい海にも身を投じる、それがレスキュー!〕

僕ズレ太は、時間に追われるのがまぁ苦手なダメ人間です。それが、だれか偉い人の命令を遂行する仕事だったりすると、ますますダメで、心のどこかが機能を停止して全身が固まり、ポンコツ人間になってしまうんです。

しかし、僕らの生きている時間は常に前進しつづけていますから、くだらない心の葛藤とかで動作が停止していたら、それはもう、金をドブに捨ててるのと同じ事なんですよね。だって、時は金なり、って言うじゃぁありませんか。

そして、完全に限られた貴重な時間の中、不可能に思えるような仕事をこなす事で、世界全体を支えている人々が居るのも事実で、例えば、この映画「ザ・ブリザード(The Finest Hours)」の主人公であるバーニー・ウェバー(クリス・パイン)さんもその一人でしょう。

彼の仕事は、アメリカ沿岸警備隊のチーフです。

最近、ミリアム(ホリデイ・グレインジャー)さんていう綺麗な女性と結婚を決めて、バーニーの生活は平穏・幸福でした、1952年の冬、あの凶暴な嵐がマサチューセッツの沖を通過して、一隻のタンカー、ペンドルトン号を真っ二つに引き裂いたりするまでは。

この想像を絶する程の大事故が、警備隊オフィスに知らされた時点で、タンカーの上にはまだ33人もの人が生存していたんだそうです。だから、バーニーのチームが救助活動へ送られる事になりました。しかし、海の荒れ具合は一行に収まる様子も見せていません。

悲惨な様相の中、それでも半分になったペンドルトンは、機関長のレイ(ケイシー・アフレック)による機転の利いた指示により、かろうじて海面上にその姿を保っています。だけれども、その状態が維持できるのはせいぜい2~3時間でしょう。バーニー達にも無駄な時間を過ごす事は許されなかったのです。

かくして彼らは、けして頑強とも思えないボートに乗り込み、タンカーの浮かぶポイントへと出動します。でも、彼ら自身さえ、帰ってくることが出来るのか判りません、こんな状況に、ミリアムは不安感をはっきりと表しています。

そして、その不安が的中するように、タンカーの33人と警備隊に襲い掛かる海の猛威は、ますます激しさを増してゆくのでしたが・・・。

〔映画館は、嵐の真っただ中へ放り込まれる〕

正直、ファイネスト、とか、ベスト&グッディーとか、ラブ&ホープ&ファミリーとか、友愛とか、そういう響きを売り込んでくる企業とかグループは、ちょっと胡散臭いかな?、って思ってしまう僕ズレ太です。

そういう普遍的な価値を看板に書いてしまうと、よそからの突っ込み所がほぼ無くなるだろう、とは言うものの、「うちゃぁ、ファイン・ファィナー・ファイネストの友愛でやっとんじゃぁ、おらぁ、文句言わずに従え~っ」、て、有無を言わさない強引さを感じてしまうのです。

しかし、ここでの“Finest”は、少しだけ残された救命を可能にする時間、ていう意味なんですね。

北半球では寒いこの季節に、さらに寒くなる映像の作品が、複数公開された2016年の一月ですが、これもその中の一本です。

「引き込まれる、という言葉は、映画批評家があまりにも使い込みすぎた、常套句の一つである。そしてもし、本当に引き込まれる映画を上げろと言われれば、この“The Finest Hours”であると言うべきだろう。海に生きる男たちが、最も過酷な状況へ放り込まれるという、このストーリーの中では、海水がそこらじゅうから被せられるのだ。(The Seattle Times)」

今時のアドベンチャーものとしては当然のこと、本作も3D映像なので、まさに嵐の海へと引き込まれる体験ができそうです。

自然の猛威と戦う隊員を演じる、俳優さん達については、

「1952年を舞台に、タンカーの遭難事故を大まかにはベースとして作られた話である。その船上で人々を引っ張るのが、ケイシー・アフレック演じる、人間関係より自然の力の方に詳しい、という男性だ。そして、アフレックの役どころは、例えこのキャラクターの衣装が、船乗りに思えないような点が有ったとしても、なお、この作品の中における最良の部分であり、同時に、ストーリーのためにかなりフィクション化されたものである。(Washington Post)」

とか、あるいは、

「バーニーも含む他のキャラクター達は、その感情を表情として演じらているのに対して、ここで、もっとも関心を寄せるべき演技を見せる、ケイシー・アフレックは、まなざしの裏側で非常に多くを語ってみせている。(The Seattle Times)」

という評価が見られますが、とは言いつつも、

「我々を覆い尽くす嵐の効果は、あらゆる意味で第一級であるのだが、一方、監督のクレイグ・ガレスピーが見せる、ストーリーを語る能力の方はと言うと、いらいらさせる程に、体を成さないものである。監督は、主要キャラクターに人間性を与えるのに苦心したようで、これは、バーニーの恋愛事情を過剰な時間をかけて描いてしまうという事で、作品自体が海上へ乗り出すまでを、長たらしく感じさせる結果を生じているのだ。(The Seattle Times)」

でも、たとえば、日本でのマーケティングを考えたら、不安に身を震わせながら、港で彼の帰りをひたすらまつ健気な女性、は、感動系映画としてのPR戦略の主眼になりますからね、監督とプロデューサーは、その辺の事を上手く処理したのかもしれません。

最後に、

「この “The Finest Hours” は、最近リリースされた大したことのない作品群においては、ベストな映画だと言っても良いのだろう。しかし、この驚異の物語が、そこへ、くり出す波のようにのしかかる語り口の流れに、溺れきってしまっているのは、大変反省するべき点ではないだろうか。(Washington Post)」

本作、「The Finest Hours」の日本公開は2月27日からだそうですが、検索しても邦題が見つかりません。今のうちに判れば、このページのタイトルに入れる事ができて、検索対策的に、ちょっとだけ有利になるんですけど。でも、すぐに出てくるんでしょうねっ、

例の、ザ・ウォークが意外とシンプルな邦題だったので、こちらは、日本マーケットの本領を発揮して、十分長い副題をつけて欲しいですなぁ。

ではまたっ!。

参照元
The Seattle Times
Washington Post

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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