SFホラー映画「A Quiet Place」の評価・あらすじ

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予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • A Quiet Place
    • ア・クワイエット・プレース
  • 制作:
    • 2018年 Platinum Dunes / Sunday Night
  • 日本公開
    • 未定

緊張と静寂の中に忍び寄る残虐な影:映画「A Quiet Place」

現実の生活でも配偶者同士である2人の俳優、ジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラントであれば、余計な言葉などで飾らなくても、劇中で演じる夫婦の間に深い精神性を描写することが可能なのでしょう。

そして彼らが、文字通りほとんど台詞を声に出して読まずに、迫りくる緊張と不安を観客に伝えて来るというのが、今回ご紹介するSFホラースリラー「A Quiet Place」なのだそうです。

世界中の娯楽映画ファンが抱いているだろう妄想を満足させるべく、ハリウッドからは数えきれない破滅のビジョンが映画として発信されています。

伝染病やゾンビの蔓延、エイリアンの侵略からAIの反逆と、この地球の平和は常に危機に直面している訳です。

この映画も、そんな破滅系ストーリーの一つですが、そこでは、音を発する事が命に係わるという緊張に満ちた世界が描かれるそうで、ある種、斬新な切り口を持った一本と言えそうです。

あらすじ

その一家は、郊外に建つこの家でひっそりと、そう、殆ど何の音も立てずにひっそりと暮らしています。

彼らは、リー(ジョン・クラシンスキー)とエヴリン(エミリー・ブラント)夫妻と3人の子供達の、アボット一家です。

一家の長女リーガン(ミリセント・シモンズ)は聴覚に障害があり、家族とは手話で会話をしていますが、実際、彼女の両親と2人の弟たち、マーカス(ノア・ジュプ)とボウ(ケイド・ウッドワード)も含め、みなほとんど声を発しません。

その理由は、声だけでなくどの様な音でさえも、一家の命を大変な危険にさらす事を知っているから。

もう何年位経ったのか時期もはっきりしませんが、ある時、未知の生命体の一群がこの地球に降り立ちました。その生物は狂暴であるだけでなく、強力な身体能力を持ち、視覚を持たない代わりに聴覚が以上に発達していたのです。

世界中の人間が、その怪物の餌食になるのに、さほどの時間は必要ありませんでした。

今、アボット一家はほぼ孤立状態。生活に必要な物資も街のスーパーに残る商品で何とかやりくりしています。

怪物に見つからない様にするには、一切の物音を立てずに移動し生活するしかありません。彼らは、家の周囲から街につながる道路にまで砂を盛ったルートを作り、その上を裸足で歩くのです。

厳しいサバイバルを強いられている一家に、しかし一つのニュースが訪れました。何と、エヴリンが妊娠したらしいのです。

もちろん、本来なら喜ばしい事ですが、明日をも知れない今の状況で新たに赤ちゃんを産む事、しかも、一切の音を立てずに出産する事など、不可能だと言っても良いでしょう。

どちらにしても、これから厳しい状況が待っている事は必至。そんな中でもエヴリンのお腹は日々大きくなって行きます。

はたして、アボット一家は無事に新しい家族を迎える事ができるのでしょうか?。いや、それ以上にこの状況を生き抜く事が出来るのでしょうか・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ジョン・クラシンスキー
  • 脚本:
    • ブライアン・ウッズ
    • スコット・ベック
    • ジョン・クラシンスキー
  • 制作:
    • ブライアン・ウッズ
    • スコット・ベック
    • ジョン・クラシンスキー
    • アライソン・シーガー
    • アーロン・ジェイナス…他
  • 出演:
    • ジョン・クラシンスキー
    • エミリー・ブラント
    • ミリセント・シモンズ
    • ノア・ジュプ
    • ケイド・ウッドワード

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「A Quiet Place」気になる現地メディアの評価は?

メカだか何だかの複雑だけれども非合理的な動きを、数千を超えるCGモデルの組み合わせで描いて見せたとしても、映画としての訴求力には限界がある事は、既に数年前から明白になっています。

それでも、短期的な収益が見込めるプロジェクトには、方々から多様な人が関与してくるのも事実で、結果的に膨張した制作費をどう消化するかと言えば、画面を派手なVFX映像で埋めるしかないと言う事になってしまうのですね。

まぁ、最新VFXを開発して映像芸術の歴史を塗り替えるのも、昔から続くハリウッドの仕事の一つではあります。

でも、その印象を観客達の深い所に残す映画には、上手く抑制が効いている事も大切な要素。そうする事で、見る人のイマジネーションがますます膨らみ、恐怖などの感情性がより濃密になるもんなんです。

そんな風に、実の有る怖さが期待できそうな一作が、高々1,700万ドルの予算で作られたという、この「A Quiet Place」だと言えるでしょう。

主役の一家と共に恐怖体験を

結局のところ、どんな仕事であっても、目的を決めきれているかどうかが、仕上がりのクオリティにかなり影響するものなのです。

プロジェクトが小さいと言う事は、製作者が細部に亘り統制を効かせる事が可能になる訳で、それは、こういった恐怖映画を生かすためには重要な部分でしょう。

さて、そんな小型映画の良さを期待したいこの映画には、

「この作品に出てくる家族に感じたのと同じ程、ホラー映画に登場するキャラクターへ真剣に心を寄せたのはいつが最後だったか、思い出す事もできない。本作『A Quiet Place』は、映画監督兼脚本家そして俳優でもあるジョン・クラシンスキーが放つ、センセーショナルで心を掴み、かつ感情性も盛り込まれた新しいエイリアン侵略ものスリラーである。とは言うものの、クラシンスキーがブライアン・ウッズそしてスコット・ベックらと書き上げた、このほぼ会話がない脚本は、その枠組みが決められた程度の作りしか持たないものだ。したがって、それが筋書きとしては完璧であっても、論理性の穴には突っ込み所が満載だと、嬉しそうに指摘する者が現れるのも必至だ。まぁ、そうしたければご自由になされば良い、何故なら、それも作品の楽しみの一つだからである。他の同類の映画なら、お約束の惨劇へと発展するだろうストーリーの結末でも、本作は独特の知性で周囲を守り固めている。そして、観客の心には緊張した警戒感を最後まで持続させ続けるだろう。(Los Angeles Times)」

、と言う評価が書かれていました。

知らない内に引き込まれる

もちろん、ここでの敵はモンスター。本作では、視覚が無く聴覚がとても鋭いという特徴とともに、体のサイズを含めた怪物達の存在感が上手く設定されている点も、良いところかも知れません。

人に近いサイズなら、より人の生活に入り込みやすい、そんな怖さもあるでしょう。

そのモンスターを、どの位、観客に売りつけるかというのも、ホラースリラーとしては大切なポイントですが、

「音をたてたら命が無い。これが、この映画『A Quiet Place』における唯一の基本ルールである。本作は、観客の息を詰まらせ言葉も出なくさせる、恐ろしいホラースリラーだ。この、驚くほどがっちりしていて上映時間の1秒たりとも無駄にしない脚本は、監督であるジョン・クラシンスキーが執筆に参加したものだ。そしてこの監督には、観客達を無理に引きずる事なく物語へ没頭させる描写手法について、十分な自信があったように思える。そこでは、全てを順に説明してゆく事などせず、代わりに、見ている側が話の進展にともない、自分で気づいて行く様になっている。この『A Quiet Place』は、大きな成功を手にした大胆な実験映画とも言えるものだ。その画面が静寂に支配されると小さなノイズでさえ耳に付く、そこで観客は骨の髄まで縮みあがるだろう。(Detroit News)」

、と言う風に、ホラーの演出全体に高評価が与えられているのも本作です。

静けさ、が最大の要素

まぁ、仕上がり具合には肯定的な評価が多く見受けられる本作ですが、依然として、別の所でも観たようなモンスター映画であることも確かです。

それでも、世界感にどんな色付がされ新しい映画に仕立てられているか、というのは、スリラー系映画のファンが楽しみにする大きなポイントでもあります。

そんな意味からは、

「『A Quiet Place』は、ギミックで出来た映画である。そのギミックとは、自然のノイズに加え作品全体を飾るマルコ・ベルトラミの音楽を除けば、さしたる音が聞かれないという作り方の事だ。そこでは、登場人物達が殆どを字幕付きの手話でコミュニケーションし、限られた囁き声しか発せられる事が無い。もしあなたが本作をポップコーンをむしゃむしゃ食べながら劇場で見たい、と思っているか、おしゃべりな人を同伴したいと思っている場合には、この映画の静けさは逆に邪魔になってしまう事だろう。監督のジョン・クラシンスキー、そして脚本共著のスコット・ベックとブライアン・ウッズ達は、主人公の夫婦をほぼ完璧な人物像で描いているようだが、正直に言って個人的には、「サイン」でメル・ギブソンが演じたノイローゼっぽい元牧師の方が良かったと思う。(Boston Herald)」

、と言う批評も書かれている事を、最後にお伝えしておきます。

エイリアン侵略もののエポックメイカーになるか

「クローバーフィールド」も、斬新な部分が光る一本でしたが、実際に見てみるとかなりわざとらしいVFX(というよりCG)が盛り込まれ過ぎていて、人によるとただ疲れただけという印象もあった事でしょう。

その映画の6割ほどの予算で作られた、この「A Quiet Place」は、音を立てる事が出来ないという窮屈な中にモンスターの恐怖が浸みこんでくる、そんなストーリー。

そして、2018年4月現在では、いつも通りに日本公開は未定。

モンスターを倒すために戦う特殊部隊も、その彼を待つ美人の恋人などすら出てこない、ほぼ壊滅した人間の世界を描くこの映画、日本の配給会社の方々には是非勇気をもって上映場所を確保していただきたいです。

邦題は「ドント・トーク」でいいですから・・・

それではまたっ!

参照元
Los Angeles Times
Detroit News
Boston Herald

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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