憑依現象の恐怖を追うドキュメンタリー:映画「Demon House」の評価・あらすじ

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予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Demon House
    • デーモン・ハウス
  • 制作:
    • 2018年 Scarecrow Enterprises
  • 日本公開
    • 未定

現代アメリカで起きた恐怖現象を捉えたっ!

世の中には、理屈で説明のつかない奇妙な出来事が、本当に有るみたいです。

そして、いわゆる超常現象の中でも、キリスト教社会で発生する悪魔憑きは、格別なインパクトを持っています。

それは、映画「エクソシスト」の影響が、色々な意味で今も残っているというだけの話かもしれませんが、この現象としては世界的にも発生件数が増加傾向だそうで、バチカンでもエクソシストの養成課程を立ち上げた程だそう。

一方、世界の終わりを連想させるような地鳴り、アポカリプティックサウンドと呼ばれるものもあちこちで観測されています。

そういった事の全ては、今、地獄への門が開かれようとしていると示唆しているのでしょうか?、あるいは、非現実的な妄想の中で戯れることが好きな人間が流す、ただの噂話なのでしょうか?

どちらにしても、そういったセンセーションを演出する事で一財産稼ごうとしている、ショウビズ界のやり手プロデユーサーが居る事は確かです。

そして、殆どは、あやふやな都市伝説に過ぎない超常現象の話にも、行政など公的な機関に記録が残されるものも時折見られます。例えば、21世紀の現代、アメリカ合衆国インディアナ州で発生した、ある一家の心霊体験などもその一例。

とある一軒家に引っ越したばかりに、家族全員が悪霊に憑りつかれたというこの事件へ正面から切り込んだのが、劇場向けドキュメンタリー映画である本作、「Demon House」なのです。

アモンズ一家の事件とは・・・

この映画が取り上げた題材とは、インディアナ州ゲーリーに住むシングルマザー、ラトーヤ・アモンズと家族が2011年から2012年にかけ体験した、「デーモンによる憑依現象」とされる一連の事件です。

今までにも、悪魔付きやポルターガイスト、あるいは呪いに関する話は無数に有った訳ですが、このアモンズ事件における最大の特徴点とは、そこで発生した事象が病院や市の児童相談所、精神科医、そして警察などの手で、総計800ページに及ぶ公式記録にまとめられている事です。

その経緯と顛末は、Indianapolis Star紙がかなり詳しく報じていますので。以下に、その概略をお伝えしましょう。

ラトーヤと、二人の息子に一人の娘、そして子供達の祖母であるローザが、ゲイリー市内キャロライナ通りにある一軒家へ移り住んだのは2011年の11月の事。そして一家は、その瞬間から異様な現象に直面しました。

当時、既に冬の寒さになっていたにも関わらず、どこからともなく大量のハエが飛来して、新居の壁を全て埋め尽くす程になったと言うのです。このハエは、いくら追い払っても次から次へと飛来しました。

その後に続いたのは、心霊現象としてはお約束とも言える、真夜中に聞こえてくる足音やドアの開閉音といったもの。しかしそれは徐々にエスカレートし、一家は、2012年の3月に決定的な怪奇現象を体験する事になりました。

ちょうど、親しい人の葬式でこの家に知人達が集まっていたその夜遅く、ローザは大声で呼ぶラトーヤの声を聞きつけ、その声の先、子供達が寝ていた部屋に飛び込みました。そして、彼女の孫娘が何の支えもなく空中を浮遊している様子を目の当たりしたのです。

これが皮切りとなり、その後も、幾つかの怪奇現象を体験したラトーヤ達は、街の教会へ救いを求めますが取り入ってもらえず、4月になってから、かかりつけ内科医であるジェフリー・オニュークに相談します。

オニューク医師のチームは彼女の家を訪れ、状況を確認しようとしましたが、そこでこの家に巣くう悪魔の手洗い歓迎を受けます。

医師達の姿をみると、ラトーヤの息子二人は豹変し、悪魔のようは声を発して医療チームをののしり始めたかとおもうと、少年の一人の体が宙に浮きあがり壁へと打ちつけられたのです。

この時の出来事は、市の児童相談所に有る記録の上に残されています。その記録を取ったのが、児童相談所のケースワーカーである、ヴァレリー・ワシントンでした。

アモンズの家で、説明のつかない現象を目の当たりにした医療チームが当局に電話したため、救急車と警察が駆け付け、ラトーヤの子供達を病院に保護することになりました。その時に、子供達から話を聞く役目を担ったのがワシントンだったのです。

しかし、この時も恐ろしい現象が起こります。

ワシントンが話をしようとすると、直ぐに少年の一人の表情が恐ろしく豹変し、呪いの言葉を吐いたかと思うと、挙句のはてに後ろ向きのまま壁を這いあがって見せたのです。

この信じがたい事象は、当局も混乱させました。そして2012年の5月、チャールズ・オースティンを初めとする複数の警官と、牧師マイケル・マギノット、そして福祉のケースワーカーであるサマンサ・リック達が、アモンズ邸へ調査に入ります。

この時も、いくら拭いても消える事のない、どこから出ているのかわからないオイル状の物質が確認されるなど、超自然的な現象が見られます。さらに、そこを訪れた人間は、自宅に帰った後も不運に見舞われたり体調を崩したりもしました。

この家族の苦しみが本物であると確信したマギノットは、教会に悪魔祓いの申請を行います。しかし、当初その申請は却下されてしまいます。

そこで、マギノット牧師は、教会の許可を必要としない小規模のお祓いを行い、様子を伺う事にしました。同時に、ラトーヤには、自分達の身に起きている事象から、関係する悪魔の名を調べるように言います。

ネットで悪魔と怪現象の関係を調べ初めたラトーヤ、しかし、パソコンは繰り返しクラッシュします。それでもな彼女は何とか一つの名前をあぶり出す事に成功しました。

それは、ベルーゼブブ。悪魔の中でもかなり格が高い存在です。さらに彼女は、他に同クラスの魔物が自分に憑りついている事も調べ上げました。

そんなこんなの経緯もあり、マギノット牧師はついに、教会から正式にお祓いの儀式を行う許可を得ます。その儀式は、英語で2度、さらにラテン語で1度の合計3度に亘るものとなりました。

その儀式の最中にラトーヤは、体の内部が外に引きずり出されるような激痛を感じたそうです。

最後の悪魔祓いは、2012年6月に執り行われ、アモンズ一家の苦痛に満ちた日々は終結します。今、彼女達は、住むべき家を別に見つけ、静かに幸福に生活しています。

地元の不動産業者によれば、この家で悪魔的なものの影響を受けたという話が出たのは、後にも先にも、アモンズ一家だけとの事。

全米を震撼させたこの事件の犯人とは、一体、何者だったのでしょうか・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ザック・ベイガンズ
  • 脚本:
    • ザック・ベイガンズ
  • 制作:
    • ザック・ベイガンズ
    • マイケル・ドーシー
    • ジョゼフ・タグリアーリ
    • ジェイ・ワズリー
  • 出演:
    • ザック・ベイガンズ
    • ジェイ・ワズリー
    • ビリー・トーリー…他

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気になる現地メディアの評価は?

The photo is provided by Aschroet(Public Domain)

この映画を撮ったザック・ベイガンズの偉いところは、現地で大騒動を引き起こしたその一軒屋を(物件も見ずに電話で)実際に購入してみせた事でしょう。

自分の物になってしまえば、煮るなり焼くなり後は自由です(火事なんか出したらヤバいですけどね^^;)。あるいは、B&Bに改装してインディアナ州の観光スポットにする事も可能だったでしょう。

まぁとにかく、撮影クルーとしての機材を持ち込む以外に、さしたる下準備もせず、地元の人間達が地獄への入り口とささやく魔の家に突撃したところが、このドキュメンタリー映画のキモの部分だと言えます。

TVの規制を突破し超常現象へ切り込んだ一本

超常現象の信奉者でも、超現実主義の人であっても、何だか分からない異様なモノには同様の好奇心を抱くはずです。

だからこの映画も、心霊などの実在を示すとかより、そういった普遍的な好奇心を満足させる様に作ることもできたでしょう。

とは言え結局、オカルト肯定派の怪奇探訪もの映像作品であるのがこの映画です。その演出も含めた作り込みについては、

「ザック・ベイガンズによるこのドキュメンタリー映画『Demon House』は、彼が長年に亘りトラベルチャンネルで流し続けている「ゴースト・アドヴェンチャーズ」のエピソードを放送コードから解放して、その時間もやたら延長した上で出来上がった一つである。そして同時に、この一作は、TVのノンフィクション制作手法に強く依存してもいる。ベイガンズは、再現ドラマと幕間をつなぐ小奇麗な画像の間に、恐ろしく神経を刺激するようなスクラップ映像を挟み込んでみせるのだ。そんな中、やり過ぎの効果音や何だか分からない影の様なものは、強調と拡大解釈をされ過ぎるために、かえってテンポ感を削ぐ結果につながっているだろう。この監督は、”もし電子デバイスを通じて”デーモンと接触する事が不安であるなら見ない方が良い、などと警告も発してみせる。つまり、この映画の再生が開始されるまえにスイッチを切る方が、無難と言う事だ。それは、危険性が有るからではなく、ただ、いい加減な作りのものだからである。(Los Angeles Times)」

、という批評が書かれています。

恐怖の真実に肉薄出来たかと言うと・・・

この事件では、当初、児童虐待などの疑いで介入した当局の人々も、数々の超常現象を目の当たりにする事で公式記録にそれを記しており、その点が未だに人々の関心を引いているでしょう。

つまり、一定のリアリティがある話だ、という訳です。

しかし一方では、心霊現象なんて簡単にカメラの前で起きるものではないので、本作も娯楽映画としての映像アイテムをいくつか挿入しつつ、上手くまとめ上げるしか手がなかったかもしれません。

まぁ、それでも、一本の恐怖映画としては十分に興味を引かれるこの作品ですが、

「これが取り上げた事件そのものには、懐疑的な人々の関心さけ引きつける要素が十分に含まれているとはいえ、ここで監督のザック・ベイガンズが作品を飾り立てる事に用いたホラー映画のテクニックは、結局のところ妄信者だけを怖がらせ、新たな観客を説得しきるには至らない。そして、劇場のスクリーンなどより、小さい画面で見る事に向いているのがこの映画である。その映像がバカげて見えるために、冒頭から映し出されるいくつかのインタビューは、真実味を裏付ける事にもならないだろう。しかし、病院で少年が天井まで壁を這いあがった様子を目撃したと言う、ケースワーカーを含めた複数の証言が出てくるにつれ、この家族の体験についての信憑性が強まるとも言える。ここに証拠として示される音響・映像にはでっち上げ感は無く、相当に懐疑的な人物であっても一蹴する事は出来ないであろう。そしてそう願っている者達は、(これを真実だと)心から信じるだろう。(Hollywood Reporter)」

、と言った様な批評が、別の所では書かれていた事を、最後にお伝えしておきます。

大量の公的記録は霊現象の実在を証明する?

一つの疑問として残るのは、日本ではキツネ憑きとされるものが、キリスト教社会に行くとデーモンだと呼ばれるようになるのは、何故だろうかという点です。

それぞれ、別の宗教様式によるお祓いで憑き物が落ちるとすれば、結局それは、精神的な障害の一種なのじゃないかとも思えます。

あるいは、同じ心霊現象であるけれど、文化的背景の影響を受けたために違う形で表れているだけだ、と考えるべきなのでしょうか。

結局、それを見る物の視点によって幾つもの解釈が成り立ってしまうのが、こういった不思議現象の特徴です。ただ、何にしても、古典的な物理学では説明のつかない奇妙な出来事は、本当に世の中に存在している様です。

僕もあなたも、何時そう言った現象に出くわすか分かりません。いや、間接的にではあっても、僕らは電子機器を通じてそれに触れてしまったので、もうソレは近くにやって来ているのかも・・・

それではまたっ!

参照元
Los Angeles Times
Hollywood Reporter

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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