過去に潜む悪霊の闇:映画「インシディアス: ザ・ラスト・キー(原題)」の評価・あらすじ

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予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Insidious: The Last Key
    • インシディアス: ザ・ラスト・キー
  • 制作:
    • 2018年 Blumhouse Productions / Entertainment One / LStar Capital / Stage 6 Films

心霊の正体は薄暗い煉獄の中に

おそらく、ほとんどの憑依現象は精神疾患の症状だろうと思いますし、かなりな割合のポルターガイスト現象は、高校で教わる物理の知識で解明できるのだと思います。

だとしても、人間の理論では説明の出来ない超常現象は、世界中でちらりほらりと起きているのです。

そんな風に出ちゃうスポットの多くが、墓場や火葬場ではなく人が実際に住んでいる家の中だ、というのも、心霊現象が持つ興味深い傾向の1つ。ですが、この件については、YouTubeの存在がある程度の説明になるかもしれません。

何にしても、人間は本来、自分を守るために建物の中で生活します。守られるべきその環境の中に、目には見えないけれど不穏な何かが潜んでいる予感がしたら、心理的にも相当恐ろしい話です。

家の中だからこそ怖い、そんな深層心理の不安感を上手く使ったオカルトホラー映画は、歴史に名を残す一本に成り得ます。

さて、今やハリウッドでもコワい監督として鳴らしている、あのジェームズ・ワンが生み出し、あれよあれよと言うまにパート3まで作られていた、「インシディアス」の世界に、新たに加わった戦慄の新章こそが、ここでご紹介する「Insidious: The Last Key」です。

今回も、屋敷に巣くう悪霊と対決し、その住人を救済しようと立ち上がるのは、最恐の霊能者エリーズ・ライナー。

ところが、今回、彼女が向かう心霊スポットは、今までのものより、ちょっと毛色が違う現場のようなのです・・・

あらすじ

霊能者エリーズ・ライナー(リン・シェイ)が、「ランバート家の事件」で悪霊を治める事になる少し前の事。

彼女と、仲間のタッカー(アンガス・サンプソン)、スペックス(リー・ワネル)ら、心霊調査隊の下に、1つの依頼が舞い込みました。

それは、ニューメキシコ州のとある刑務所の近くに建つ一軒家の住人からのもので、住民であるテッド(カーク・アセヴェド)は、超常的な恐怖現象に悩まされているというのです。

現場に到着すると、いつもの様な下調べをする事なく、すぐさま家の中で心霊測定装置のセッティングをさせるエリーズ。実は、霊感の力を借りずとも、この家に恐ろしい何かが潜む事を彼女は知っていたのです。

なんと、この家はエリーズが子供の頃に住んでいた実家でした。

彼女にとって、ここでの日々は、残酷な性格の持ち主だった父親ジェラルド(ジョシュ・スチュワート)に苦しめられた記憶そのもの。そんな中で、弟のクリスチャン(ピアス・ポープ)とも上手く行かなくなっていました。

大人になったクリスチャン(ブルース・デイヴィソン)は、今、この土地で家族を持ち立派に暮らしていますが、彼の下へ会いに行ったエリーズには、彼女が自分を見捨て勝手に姿を消した事を、未だに恨んでいると言います。

エリーズの幼少期の思い出を全て台無しにしたのは、この家に巣くう魔物の呪いなのか?、今、彼女がここへ導かれたのは、その悪霊と対峙し、自分自身の人生を開放するためなのかも知れません。

ニューメキシコ州の古い屋敷で、最恐の霊能者エリーズ・ライナーと、暗がりに数十年来潜み続ける狡猾な悪魔との、最後の戦いが始まります。

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • アダム・ロビテル
  • 脚本:
    • リー・ワネル
  • 制作:
    • リー・ワネル
    • ジェームズ・ワン
    • チャールズ・レイトン
    • クーパー・サミュエルソン
    • ジェイソン・ブラム…他
  • 出演:
    • リン・シェイ
    • アンガス・サンプソン
    • リー・ワネル
    • ブルース・デイヴィソン
    • ハナ・ヘイズ
    • ジョシュ・スチュワート
    • カーク・アセヴェド…他

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現代オカルト恐怖を代表する映画、その気になる評価とは?

UFOの話もそうですが、心霊オカルト系の動画がネット上にあんまりにも溢れ返ると、本来の魅力となっていたミステリアスなムードが、どんどん失われる気がします。

まぁ、心霊現象の方も、時代にあわせて出現パターンを進歩させていってくれれば、ネットでお化け話を探す方としても楽しみが広がってありがたのですが、人間も幽霊も、そうそう新しいアイディアなんて浮かばない、と言った所なのでしょう。

エイリアンでも幽霊でも、はっきりとは掴めないけれど、確実に異様な事態が進行しているという、インシディアス(insidious)な感覚が、一番楽しいし怖い部分です。

そのオカルトの美味しいところを、そのまま題名にしたのがこの人気ホラーシリーズ。その最新作では、どんな恐怖現象を描写してくれるのでしょうか。

心霊のパターンは不動

撮影する道具が、ポラロイドから携帯電話、スマホへと進歩してきた今の時代には、幽霊を捉えるチャンスも爆発的に増加したのかもしれません。

とは言え、僕らの心の深い本質的な領域にある恐怖感のパターンは、19世紀の頃からさほど変わっていない気もします。

そんな部分に訴求する事を目的とした、本作のようなオカルト映画には、さして斬新さも必要ないのかもしれませんが、そんな角度からは、

「監督アダム・ロビテルが放つ、本作『Insidious: The Last Key』は、お化け屋敷の特徴を全てなぞらえて行く話である。そこでは、照明がちらついたり、ありがたくないタイミングで懐中電灯が途絶え、床はきしみ音を立て、さらには、影の様な何かが誰かの背後を通過して見せる。とは言え(細かな事が数々有ったとしても)この映画の目的の全ては、ムードを醸し出すという点にあるのだろう。この作品のプロットは、不気味な画像と家族の中の妙なメロドラマなどと言う、混乱して絡み合った昔ながらのホラーの言い回しの中で進展して行く。霊能者エリーゼの仲間である男性2人による、無理やりな感のあるユーモアも、実際のところ気分を良くはさせてくれない。だとしても、時折そこで観客を驚かす異様な描写は、ホラーファン達の心をちゃんと掴むのだろう。(The Seattle Times)」

、と言った評価が書かれています。

ラストとは言うものの

まぁ、観客の方も、大音響のSEと共に、出るべくして出てくる幽霊を積極的に楽しむのが、こういったハリウッドの娯楽ホラーの醍醐味です。

そういう中にプロット上の驚きも加えてしまったら、見ている側の頭の内部がカオス状態になってしまうでしょう。

世の純粋なホラー映画ファンを大いに楽しませる、最新の幽霊映画である本作、別の所では、

「映画『インシディアス』のシリーズは、この分野でも最も明瞭なホラー映画である。それは、暗い室内で急に強烈な叫び声を浴びせながら観客をビクッとさせるという、教科書通りのものだ。もし、あなたが、一本でもこのシリーズを見た経験を持つなら、内容の全てを体験済みだと言って良く、シリーズ4作目になる、本作『Insidious: The Last Key』では、その傾向が更に進められた様である。タイトルにみられる、最後の、という言葉がひっかる人は、1984年に作られた『13日の金曜日・完結編』を思い出していただければ、何も問題ない事が分かるだろう。監督のアダム・ロビテルは、強烈な音響を使い、お化けが出たぞぉーっ、と、しつこくやって見せるが、それも本物の恐怖には程遠い。結局のところ本作は、シリーズの熱心なファンだけのための映画である。(Detroit News)」

、と言った評価も書かれていました。

すべては霊能者の双肩に・・・

日常で思いつくカジュアルな着想を、どんどん盛り込んでビジネス化できるのが、ホラー・怪談・オカルト娯楽業界の最大の利点です。

そして、それを待っている観客層だけは絶対に落胆させないという事が、この系統の映画にとっての唯一の使命と言えるでしょう。

そんな訳で、ここでの問題は、この「The Last Key」がどの位怖いか?、という点になるのですが、

「2010年に登場し、臆面もなく心霊の恐怖を描写し人気を博した『インシディアス』の中では、監督のジェームズ・ワンと脚本のリー・ワネル達は、かなり色々な事をやってみせてくれた。しかし、このシリーズが発展するに従って、この2人は酷い失敗を1つ仕出かしたのだ。それは、物語の中でも最も印象に残るキャラクター、毅然として親しみ深さも持ち合わせた老齢の霊能者、エリーズ・ライナーを死なせてしまった事である。本作『Insidious: The Last Key』は、いよいよエリーゼに本格的なスポットライトを当て、彼女の物語の原点に立ち戻るというものだ。監督のアダム・ロビテルは、ブラムハウス社お得意のショックシーンに必要なリズムを確実に操っているとは言え、驚愕というエレメントを描くには苦労の後も滲ませる。段取りが明らかに見え過ぎるために、どの場面に魔物が登場するのかという関心も長続きせず、結局、あと何秒経過したらそれが出てくるぞ、という読みばかり先行させてしまうのだ。この映画がなんとかまとまっているのは、 リン・シェイが見せる存在感のおかげに尽きる。74歳のベテラン女優として彼女は、この様な人気映画で存在を示すチャンスがいかに貴重かを認識しており、すべての場面で大いにやる気を発揮した模様である。(Variety)」

、と言った評価がされている事を、最後にご紹介しておきます。

オカルトホラーの潮流は途絶えず

何はともあれ、娯楽ホラー映画を毎日でも観たいと思っているファンにとっては、待望の最新作と言えそうなのが、この「Insidious: The Last Key」です。

また、アメリカ映画の賞レースを前に、例年、閑散期を迎えるマーケットへ、良いタイミングで投入された人気ホラーシリーズだとも言えます。

その題名が示す通り、エリーズ・ライナーのサーガはここで完結するのかもしれませんが、その使命を引き継ぐ若い世代が登場すれば、パート5,6、7と継続し、パート13くらいまでは作ってくれる(?)可能性が有ると、示された一作でもあるでしょう。

比較的、収益の見込みが高いのが、このジャンルでもあります。

そんな本作、2018年1月時点では日本公開は未定という事で、まぁ、大切に温存されている1つでもあるようです・・・

それではまたっ!

参照元
The Seattle Times
Detroit News
Variety

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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