映画「He Never Died」の前評判

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〔死な(ね)ない男の血なまぐさい生活〕

あなたも僕も、人生の最後には必ず通過すると言われる“煉獄”が、何かの具合で大きな変化の無いまま無限に続く状態になってしまったら、どうでしょうか?

すでに死を恐れる必要もないけれど、神やら仏やらに正式に受け入れられる事もないし、あらたな生命として存在する事もゆるされない、、、これって、最大級の呪いです。

その煉獄より、少しだけ現世寄りな位置に(そう言えるのなら)生きているのが、この映画「He Never Died」でヘンリー・ローリンズが演じるジャックという男性です。

彼の生活はほぼ喜びもなく、大体同じ事の繰り返し。それでも彼は生きています、そう、生きているんです、数世紀に亘り死なずに生き続けているんです。

彼は死ねません。たとえ銃を使っても、刃物を使ったとしても、誰も彼を殺すことなどできないのです。なぜ?、そんな事、自分の年齢さえ忘れてしまった彼にとって、どんな意味が有るでしょう。

彼の生活は、近所の教会で行われるビンゴに参加する事、お気に入りの女性カーラ(ケイト・グリーンハウス)がウェイトレスをしているダイナーでの食事、それと、夜の街で行う、少しのチンピラ狩りで占められています。

そして彼は孤独。

しかし、そんな彼にもいよいよ転機が訪れたようです。なんと、自分の娘だという女の子アンドレア(ジョーダン・トードージー)が現れ、とほぼ同時に、もっと深刻な問題も彼に降りかかります。

ジャックは動き出しました、しかし、その行く手には、凄惨な流血が待ち構えているのです・・・。

このクリスマスの時期にわざわざ公開された、あまりにもダークで血なまぐさいホラー・コメディーというのが、この「He Never Died」なんですね。

〔何発くらっても・・・〕

しかし、ある意味で、ある種類の人達(多分、僕も含まれるかも^^)にとっては、視覚と神経をかなり刺激するホラー作品というのが待望されるのが、すべての空気がほんわかする事を義務付けられたような、この年末のホリデーシーズンでもあります。

そして、この一作は、また独特のウィットを仕込まれたものかもしれません。

「どこかの誰かが、ヘンリー・ローリンズのおでこはかなり立派だ、と言う事に気づいていただろう。そしてそれが、銃の的にはうってつけだと言う事に気づいた、どこかの映画会社重役が、監督のジェイソン・クラヴジックに、実際にやってみろと促して出来上がったのが、この映画「He Never Died」と言えるはずだ。(The Seattle Times)」

、と言われるくらいに、ローリンズには数えきれないくらいの銃弾の穴が開けられる、らしいです。

あ、、何されても死なない、というのは、ある意味でオビ・ワン・ケノービも一緒ですね^^;。

死と無縁な人間の心は、どれだけ強く、あるいは冷たくなれるんでしょう、僕達が、毎日眠る前に、心のどこかで、今日一日を無駄にしたような罪悪感を覚えるのは、必ず、その日々の終わりが来る事を知っているからです。

でも、ジャックには多分、その感覚は存在しない。

つまり、

「この、面白くて奇妙なホラー映画に主演するヘンリー・ローリンズを超えた、無表情の演技と言うのは存在し得ない事だろう。(The New York Times)」

、であるとか、

「ここでのローリンズは、素晴らしい無表情さによる演技手法を持ち込んでいる。それは、まさにバスター・キートンの域に達した無表情さと言って良いものだ。(The Seattle Times)」

、と言う風に、彼の生きる“死なない人生”の平坦さが出ている、という印象も。

〔関連作品〕
アサシンズ・リベンジ-不死身の暗殺者-
アサシンズ・リベンジ-不死身の暗殺者-

多分、死なない男なんて、この世に一人しか居ないでしょうから、そうするとその男はヒトと呼べるのでしょうか?。

もちろん普通のヒトとは呼べませんが、ただ、大いなる社会性など与えられていないとは言え、このジャックという男性には、最低限でも、社会とつながりを持とうと言う気持ちが、見られるんですね。

しかし、結局、彼の周りには相当な血が流れる事になるのですが、

「それでも、クラヴジック監督は、やり過ぎたホラーのパロディーなどに落ちいる事は無い。それは、他の場所であまりにも多くの回数、頻繁に行われてきているものだからだ。(The New York Times)」

、という事でして、まぁ、ただの悪趣味とホラーの境目というのは、やっぱりこの辺に有るんじゃないでしょうか。

それにしても、何度にもわたり銃弾を浴びても、結構、平気な顔しているという事は、痛くないって事でしょうかね。うーーーん。

痛くもないし死なないし、無敵、、、しかしその人生は・・・。

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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