映画「リメンバー・ミー(Coco)」の気になる評価とは?

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • リメンバー・ミー/Coco(原題)
  • 制作:
    • 2017年 Pixar Animation Studios /Walt Disney Pictures

ピクサーが贈る、記憶に永遠に残る異文化体験

誰にとってもエキゾチックで魅力的に見える、外国の文化や風習。

いろいろな祭事に使われる道具などの色彩や造形が、自分の国のセンスからはかけ離れていたりして、いつでも新鮮な驚きやインスピレーションを与えてくれるでしょう。

特に、その習わしが土地の死生観に根差すイベントだったりすると、詳しい事情は知らない人であっても、何か奥深い文化や歴史を感じ取るものですし、同時にとてもロマンチックな気分にもなるかもしれません。

さて、昔から方々で自己中と揶揄され、最近は内向きスパイラルに陥りそうなアメリカは、同時に、多文化の共栄を是認する自由主義世界のリーダーでもあります。

そんな国では、子供を相手にする娯楽産業にも、常に多様性が盛り込まれるように配慮されなければなりません。そして、そんなビジネスの中でもとりわけ成功を収めているのは、かの、ウォルト・ディズニー・カンパニーある事に、疑問の余地は有りません。

さらに言うと、そんなWDCの中でも、老若男女にアピールする多様なファンタジーを展開して、世界でも認められているのが、ピクサー・アニメーション・スタジオでしょう。

今回ご紹介する映画、「リメンバー・ミー(Coco)」は、メキシコの文化を通して人間の生と死を映し出すという、それでいて、とてもロマンチック&カラフルな一作となっているそうです。

この映画も、秀逸な邦題が決定しているだけでなく、日本における公式ウェブページも既に用意されているくらいなので、細密な情報や深淵な解析は、他の上位のエリートサイトにお任せした方が賢明です。

ここでは、米国内での公開直後、英語メディアに書かれた本当の評価を、いくつかピックアップしてお伝えする事にします。

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • リー・アンクリッチ
    • エイドリアン・モリーナ
  • 脚本:
    • エイドリアン・モリーナ
    • マシュー・オルドリッチ
  • 制作:
    • ジョン・ラセター
    • ダーラ・K・アンダーソン
    • マリー・アリス・ドラム
  • 出演:
    • アンソニー・ゴンザレス
    • ガエル・ガルシア・ベルナル
    • ベンジャミン・ブラット
    • アラナ・ユーバック
    • レニー・ビクター…他

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ピクサーらしく心にちくりとくる一本

今どき、ジェダイがライトセーバーを振り回し活躍できるのも、アイアンマンがロボスーツをどんどん新調できるのも、ひとえにWDC系列から予算が出ているおかげなのです。

という事は同時に、ピクサー・アニメーションにとっては、収益面での存在感が薄れるというプレッシャーが強まっている事を意味するのかもしれません。

そして、無邪気に子供を喜ばす表面上の姿を掲げつつ、その下に流れる風刺的なストーリーでは大人をも感心させるという、アニメーション映画のハイエンドな品質は、ピクサーにとってますます重要なアイテムとなってゆくのでしょう。

そんな同社が、満を持するようにして2017年の感謝祭に投入したのが、この映画という訳ですが、

「この映画『Coco』のハートからは、愛、辛辣さ、ユーモア、色彩そして音楽があふれ出している。魅惑の映像美を、緻密に組み立てられた心に響くストーリーと共に描く事は、ピクサー社のトレードマークであるが、この『Coco』にも、明らかにそれらが見て取れる。その中で、ことある事に分解し、また組み合わさってみせる骸骨のヘクターは、物語のユーモアの発信源であろう。しかし、そういった見掛けは本質ではない。このひょうきん者達は、生けるものの記憶から消えてしまえば、自身も消滅してしまうという悲劇的な存在なのである。このテーマこそが、本作に辛辣なテーマ性を与える要素であり、その力によって、個性的な記憶を観客達に残す一作と成り得ているのだ。(The Seattle Times)」

、との評価が書かれていて、ピクサー作品の本物のファンにとっても、期待してよさそうな印象が伝わりますね。

度が過ぎてしまった描写

今回、2017年を締めくくる映画ムーブメントを起こすべく、ピクサー社の敏腕プロデューサーが目を付けたのが、とても独特なムードと外観がある、メキシコ伝統の死者の日という祝日です。

その伝統行事から膨らませたイマジネーションに、夢と青春、そして(場合によるとクリスマスキャロル的な)ゴーストストーリーを組み合わせて、お得意のセンチメンタリズムでまとめたのが、この一作という事らしいです。

ひょっとしたら、メキシコという国名自体が、センシティブな意味を持っているかもしれない今のアメリカで、ちょうどよい頃合いに投入されたとも言えるのが、この一作ですが、

「本作『Coco』は、多世代にまたがる真摯な物語性と、ピクサー本来の映像で観客を圧倒するその以前に、メキシコの文化を尊重するための時間をかなり長く割いている作品である。結局、そういった事全てがやり過ぎの結果となり、同時に何かが不足する原因ともなったようだ。そこに苦労の後が見られるとは言え、本作はピクサー作品としては中級を超えるものではないだろう。ここに描かれる霊魂が住むという世界は、かわいらしいパープルと電飾のようなピンクで描かれ、骸骨達はフレンドリーでオープンな態度を示す。しかし、静けさを表す場面の方が本作においてはより印象的であり、その事実からも、これほど詰め込み過ぎないほうが良い結果になっただろう事が伺える。(Detroit News)」

、という微妙な評価もあります。

まぁ、子供だけでなく、外国に興味の無い成人層に対しても、お隣にある異文化の国メキシコの伝統行事を、(少しくらいは脚色があったとしても)魅力的に描いて伝えるのは、社会教育的にも価値のある事だと思います。

光と影が描く死者の悲哀

この地上に存在するための肉体を失った後、僕らはどこへ行き、どんな運命をたどるのか、という疑問についてのファンタジックな回答の一つが、この最新ピクサー作「Coco」です。

そして、公式サイトに書かれているタグラインが示すように、自分自身と既に他界した先人との間の見えない絆を、ある意味で映像的に具現化して、普通の人間にもそれが感じ取れるようにしたのが、この映画の一つの意義とも言えるでしょう。

その映像を、常に異次元のクオリティで作り上げるというのが、ピクサー社である訳ですが、

「この映画『Coco』は、メキシコの人々や文化を称賛するものである。とは言え、その文化を映画の中で利用する事や、とりわけ、死者の日をテーマに掲げる事などから、当初は批判の声を集め、その対処のためにラテン系のアドバイザーを(制作チームに)雇ったりもした。それでも、リー・アンクリッチとエイドリアン・モリーナの2人により演出された本作は、スウィートで心に触れてくるもので、平均的なアニメーション映画よりも感傷的に仕上がったと言えよう。ここに描かれる死者達が住まう街はファンタジックな情景に描かれ、ピクサーの制作チームが見せた仕事ぶりは、本物の如き光と影、そして顔に浮かぶ表情などを用いて、観客達を圧倒する事だろう。(Miami Herald)」

、という事で、いつも通りに充分期待していてよさそうな印象が伝わってきます。

絆とつながり

いわゆる、ご先祖供養とか、霊魂とのつながりとか、もし日本人作家が制作していたら、さらに宗教色ばかりが強くなったろうと想像できる題材が、この「リメンバー・ミー(Coco)」じゃないかと思います。

まぁ、それだけに、ひょっとしたらアメリカの映画ファンより、日本の観客達の方に強く訴求するストーリーにも見えますね。

それにしても、映画のイメージに対して言えば、今回の邦題はなかなか秀逸で、これは、(何事もツイストを効かせたがるピクサーのつけた)英語版の原題を取りやめて、世界に展開したほうが良いのでは、なんて思わせます。

どういう理由か、公開は年をまたいで春に予定されているそうですが、それも、ウォルト・ディズニー・カンパニーが日本での収益を確実にするため、充分な準備期間を取ったという事なのでしょう。

今回は、音楽も一つのテーマになっているので、主題歌を誰が歌うかとか、そちらも話題になるのでしょうね。乞うご期待というところです。

それではまたっ!

参照元
The Seattle Times
Detroit News
Miami Herald

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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