映画「ジャスティス・リーグ(Justice League)」の気になる評価とは?

今年最後のヒーロー祭り開催

スーパーヒーローをアイコニックにしている要素は、そのコスチュームと能力の組み合わせで表現されるキャラクターです。すなわち、その2つの部品が彼らについての全てを語っていると言えます。

中の人を差し替えて何度でもリブートが出来るという、映画的には非常に大きなメリットも生み出している、そんな彼らの強い個性ですが、それでも単純にスクリーンへ投射するだけでは、際立たせる事などできません。彼らの隣には必ず立派な比較相手が必要なのです。

オーソドックスには、強力な悪役を登場させるという手が使われますが、例えば、変形する複雑な作りのロボモンスターとか、海から這いあがって来るクラーケン的なやつとか、直径が3kmくらいあるUFOとか、考えられる限りの怪物はアクション映画に既に登場済みで、今や充分なカリスマ性を発揮できないでしょう。

そこで新たに採用されるのが、何種類かのヒーローを集合させて、観客に彼らの違いを見比べて楽しんでもらおうというアイディア。

そして、最近のハリウッド界隈では、その思惑が事のほか上手く当たっている様子です。

今回は、そんな2017年のヒーロームーブメントをおそらく締めくくる一作である、「ジャスティス・リーグ(Justice League)」について、米国公開時に書かれた本当の評価をいくつかご紹介して行きます。

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ザック・スナイダー
  • 脚本:
    • ジョス・ウィードン
    • クリス・テリオ
  • 制作:
    • ベン・アフレック
    • ダニエル・カミンスキー
    • カート・カネモト
    • クリストファー・ノーラン
    • ウェスレイ・コラー
  • 出演:
    • ヘンリー・カヴィル
    • ベン・アフレック
    • ガル・ガドット
    • エズラ・ミラー
    • ジェイソン・モモア
    • レイ・フィッシャー
    • エイミー・アダムス…他

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ジャスティス・リーグについての4つの論評

毎年、新年を迎えると、ハリウッドには最低10回程度の地球を救う使命が設定されます。

70億を超える人類が殲滅されそうになるなんて、悲惨でありとても悲しい出来事で、映画界のアーティストが毎年そんな重大任務に携わりながらも、心が折れずにいると言う事は、これまた驚き以外の何物でもありません。

まぁ、ひょっとしたら、毎年行われるその作業がもたらす苦悩とか悲哀が、最近の娯楽映画にも滲んでいるかもしれませんが、その最新の人類救済映画である本作には、

「本作『ジャスティス・リーグ』は、この一つ前の一本に比べれば、よりルーズで愚かしく、それでいて明らかに見やすい映画に仕上がっている。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が、かように長たらしくかったるい作品であった事が、今回のハードルをかなり下げてくれたとも言えよう。このストーリーは、騒がしいノイズと散らかった映像効果などの、死ぬほどうっとうしいデジタルの諸々から生まれ出た混沌と呼ぶに相応しい。ただ、そんな中にも、ちょくちょく生命の輝きが透けて見えたりもするのだ。体格を作り込んだベン・アフレックは、今回も全身をバットスーツに覆われて登場するが、バットマンの存在感自体がこの衣装に負けている。しかし、そんな横に新たに加わったフラッシュは、ほとんどのジョークを担当する役目を担い、エズラ・ミラーはそれを上手く操っているだろう。この映画の中においても彼は人間であり、観客を引っ張り続ける存在である。監督のザック・スナイダーが目指した、ダークで混沌とし、かつ創造性に乏しいアクションは、この中では永遠に続くようにも感じさせる。しかしながら、『バットマン vs スーパーマン』のように悲しい出来上がりの作品の後では、ここにみられるユーモアが明るさを与えてくれる事は、一つの救いに感じられるのだ。(The New York Times)」

、といったような評価が書かれています。

ヒーローというものは、必ず固定ファンにより愛されている存在な訳ですが、その愛着自体が、時として応援団同士のいがみ合いの原因になったりします。それは、本作のようなヒーローのアンサンブルで支える映画にとっては、かなり扱いの難しい問題にもなるでしょう。

そして、それをまとめ上げるためには、結局、誰かが割を食う必要が有ります。そんな、諸々の角度からは、

「この『ジャスティス・リーグ』は、マーベルに続きDCコミックが二匹目のどじょうを捕まえようとした作品である。とは言え、そこには大きな欠点が存在する。スーパーパワーの持ち主達に、お互いを補い合うような華が感じられないのである。そんな中でも、強力ながらも未だ不確定なパワーを持ったワンダーウーマンは、例外的な存在だと言える。彼女の顔のクローズアップは、すべての観客を見とれさすに十分で、2017年の映画界において、ガル・ガドットの顔には最も強力なパワーがあると確認できる。ただ、このバットマンは、映画製作に手を出して自分も出演すると言い張っている金持ちの素人、といった風情でしかない。正しい角度でその心理性が描かれるなら、バットマンは偉大な存在となり得るが、彼をジャスティス・リーグに放り込むなどというのは、単にあだとなっているだけだ。最低のアクション映画というのは、物語を語らず騒動が起きるまでただ引き延ばすものだ。ここではそれを救うのが、やはりガドットと言う事になるが、それでも彼女は、機械仕掛けのお遊びの中に居る唯一の人間という枠に収めるべき存在ではないのである。(SFGate)」

、という風な印象が語られてもいました。

さて、本作についてのゴシップ的な話題は、ポストプロダクション段階で監督が交代し、作品も方向転換を行ったという事実です。

まぁ、上手くすると公開前の客引き的な話題になるでしょうし、ひょっとすると、作風に面白いスパイスを加える可能性もある事はありますが、その辺りについては、

「『ジャスティス・リーグ』が登場するまでは、長い道のりが存在した。本来の監督ザック・スナイダーがプライベートな理由で降板し、代わりにジョス・ウィードンが、撮影し直しも含めて手を入れる事になったからだ。それでも、なんとかスーパーヒーロー達は集結しこの映画がまとまった。とは言え、その作品がカオスの如き解りずらい一作となったのは、やはり大きな落胆だろう。スナイダー監督は、ダークさとニヒリズムの上にこの作品を構築しようとしていた訳で、この様な仕上がりになったのは非常に不可解ではあるが、結局、本来の気難しい雰囲気から離れたウィードンの手法が、スナイダーのそれとはマッチしなかったというのが原因だろう。そんな中、ガル・ガドットは唯一の輝くスポットである。とはいえ、この夏のヒット作の印象が残る観客にとっては、アマゾンでの活躍を細切れで見せるだけでは不足かもしれない。また、色気をもとめてローアングルから彼女にまとわりつくカメラワークは、男と女の映画鑑賞の目線の違いを、如実にする事実だと認識されるだろう。(Chicago Tribune)」

、というような渋い意見も出ています。

情報によると、この「ジャスティス・リーグ」の製作費は推定3億ドルという、信じがたい金額が出ています。

まぁ、巨額が投じられたのは確かだとして、そうなるとやはり、彼らヒーロー6人組は世界中の映画館において、真のジャスティスを行使しまくらねばならない訳です。

もちろん、世界中で愛されるアメコミの主役には、それをやり遂げるだけの超能力が十分にあるのですが、その彼らについて最後に、

「本作『ジャスティス・リーグ』は、スパーヒーロー映画のファンが求める中身と外観を得た映画である。それは、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』より上の出来で『ワンダーウーマン』のしっかりとしたフォローアップという意味も持っている。若干無理のある設定を押し付けられ、古典的な世界観と続編へのセットアップを押し込む間に、求められる程キャラクター性を描いていないとは言うものの、『マン・オブ・スティール』や『バットマン vs スーパーマン』に対して、より明るい語り口での返答という立ち位置を持っているのが本作だ。まぁ、DCコミック系映画に特徴の不出来なCGモンスターはいまだ健在だ、とは言うものの、本作の仕上がりは否定されるべきレベルでもないだろう。登場するヒーロー達にやたら殴り合いをさせる代わりに、よい偉大な正義に尽くすという事の哲学的意義から、本作の物語は導き出されているのである。(USA TODAY)」

、という前向きな評価が書かれているのを、ご紹介しておきます。

無限のスーパーパワーを映画に注入して

アメリカ的資本主義というのは、完全に前進・進歩・上昇志向ですから、もし、公開した映画にパワーが足らないと評価されても、制作会社が行うのは、足らない分を次回作に追加してさらに大きくするという事だけです。

そして同時に、資本主義経済の成長過程はいつか終了し、在庫を処理しながら資産価値を落とす調整局面に入ります。だから、一作に複数のヒーロー達を詰め込むという、この娯楽映画的インフレーションもいつか止まるはずです。

問題は、その後に上手く負債を処理して、原点回帰を果たせるかどうかでしょう。

おそらく、「Justice League 2」のプロジェクトも進んでいると思いますが、個人的には、熱に浮かされたようなこの状態は、そろそろ一度清算してもらえた方が良い、などと感じてしまいます。

とは言え、やはり、中の人が誰になろうとも、世界中がスーパーヒーローを待っている事には変わりないのです。

そんな映画ファン達のため、今日も彼らは戦い続けます・・・

参照元
The New York Times
SFGate
Chicago Tribune
USA TODAY

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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