映画「Daddy’s Home 2」:マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルのおかしな父親!?

親の上にその親が乗っかり生まれる、もめ事と笑い話

中学校の頃、国語を教えてくれていたお婆ちゃん先生が、「所詮、親がいなかったらアンタらも居ない訳だから、アンタらなんて絶対に親には叶わないんだよ」、と仰っていたのを記憶しています。

まぁ、僕らが両親に叶わないのなら、両親はその親に叶わず、親の親はその親に叶わなくなってしまい、全ての人間の親である最初のヒト、アダムとイブは、極めて高尚な人でなければならない事になってしまいます。

とは言え現実に人間は、その年齢に関わらず皆が等しく無責任だし、幼稚で自己中心的で低俗なもの。だからこそ、パパと息子、ママと娘の間には、身内に独特のライバル関係が生じたりする訳です。

多分、ハリウッド映画のシナリオテンプレートには、そういった親子関係をいじくる構図が組み込まれている様でして、今回ご紹介するホリデー向けコメディー映画「Daddy’s Home 2」もまさにその一本です。

この映画、2017年のクリスマス、家族のお手本にならなければいけないはずのパパ達の前に、もっと手強いお父さん達が立ちはだかり、家族の休日が大騒ぎになるという話らしいのですが・・・

あらすじ

お互いの子供達の事を真兼に思った時、あのパパ達2人、ブラッド(ウィル・フェレル)とダスティ(マーク・ウォールバーグ)は、今年のクリスマスにお互いをライバル視する事はやめて、共に休日を過ごす事を決めました。

と言う訳で、ディラン(オーウェン・バカロ)、メーガン(スカーレット・エステベス)、そしてアドリアーナ(ディディ・コスティーン)ら子供たちは今とてもハッピー。プレゼントやらパーティやらが楽しみでならない状態です。

着々と準備が進むウィテーカー家とメイロン家の合同クリスマス。しかしそんな折、突然入った一本の電話がダスティの表情を一気に曇らせます。

なんと、彼のワイルドな父親カート(メル・ギブソン)が、このクリスマスに合流してくると言ってきたのです。

子供たちは、おじいちゃんに会えると喜んでいるし、もともと、父親を拒む理由も見つかりません。という事で、ブラッドと共に空港へ父親を迎えに行くダスティ。

そんな2人の目前に登場したのが、ハンサムなちょい悪おやじという風情の男性。この人こそカートです。彼は、早速、近くにいる若い女性たちに色目を使ったりして、そっち方面の手の速さも感じさせつつ、ダスティに手荒な挨拶をしました。

すでに、クリスマスは波乱の予感?、ですが、もう一つ心配の種があります。実はブラッドも父親が来るのを待っていたのです。

しばらくして、1人の紳士が登場しました、彼こそ、ドン(ジョン・リスゴー)、ブラッドの父親です。お互いを見つけるなり駆け寄り、ハグハグ&キスキスをはじめる大人の男子2名。

まぁ、かなり仲が良いのが分かります。

とにもかくにも、家に戻った彼らですが、全員が宿泊するには建物が小さすぎると言い出したカート。彼は、勝手に大きめの貸別荘を予約してしまい、一同はそちらに移動することになりました。

子供らは喜んでいるでしょうが、この段階ですでに、準備していたクリスマスの計画は全部破棄。もうこの先どうなってしまうのか分かりません。

そして予想通り、体は大きくても中身は子供じみたところのあるダディ4人組による休日は、混沌の度合いを深めてゆくのでした。

この人達、良い新年を迎えられるのですかねぇ?

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ショーン・アンダース
  • 脚本:
    • ジョン・モリス
    • ショーン・アンダース
  • 制作:
    • モリー・アレン
    • スティーヴン・レヴィンソン
    • マーク・ウォールバーグ
    • ウィル・フェレル
    • アダム・マッケイ
    • ジョン・モリス
    • ショーン・アンダース…他
  • 出演:
    • マーク・ウォールバーグ
    • ウィル・フェレル
    • メル・ギブソン
    • ジョン・リスゴー
    • リンダ・カーデリーニ
    • オーウェン・バカロ
    • スカーレット・エステベス
    • ディディ・コスティーン…他

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プライドと愛情が交錯するダディ達のバトル、気になるその評価とは?

好むか好まざるかは別として、11月の後半から年末にかけては、普段は離れている家族や親せきと否応なしにも顔を合わせる機会が増えます。

そして、兄弟とか家族の間に存在する、相変わらず青臭いライバル関係が露呈する訳です。

とは言え、やはり身内同士の間柄であれば、そういった緊張感も笑いに変える事ができるはず。そんな笑顔の導出役として存在するのが、この映画のようなクリスマスコメディーでもあります。

という訳で、いかにハートを暖めてくれるのかが、この時期の映画にとっての評価の分かれ目となりますが、まず本作には、

「2015年のコメディーヒットへの、シュールでばからしい続編である本作、『Daddy’s Home 2』は、ウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグという2人の役者から、既に見慣れているとはいえ相変わらずの魅力を発揮するコメディ向けの演技を引き出しつつ、そこで軽やかに舞ってみせると言う映画である。この映画を機能させる力の源泉とは、この2人の間に生じる独特な相乗作用そのものだ。ウォールバーグが、息荒く短気な性格を表すのに対して、フェレルは、へまを仕出かしたり痛い目にあったりと、手際の悪く純朴で無骨な男を演じ続けるのがその構図である。そしてもちろん、雪かき車や電飾、そして積み上げられた携帯電話などを使って、クリスマスその物もいつも通りにギャグの要素として使われている。(Chicago Tribune)」

、という事で、まあまあ悪くない印象が書かれています。

もともと、ウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグの間の、一種の映画的異種格闘技がウケたのが、このシリーズの原点。

そして続編が作られる段になって、その競い合いにさらなる次元を加え、ストーリーに多様性を与えているのですが、その拡張されたキャラクターについては、

「本作において、ジョン・リスゴーの演じるダンは愛嬌良く書き上げられており、それが完璧に演じられた多くのディテールと共に描写されていて、この男が、単独のスピンオフ映画になっても充分耐えうるとさえ思わせる。この映画の愛着を呼ぶべき部分とは、男性が抱く繊細な感情と感受性にある訳だが、彼の内面のそういった所が周囲の人間をいかに温めハッピーにしているかが、ここに完璧に表現されているのだ。その傍らで、メル・ギブソンの演じるカートは、小さな孫に女子の扱い方を教えたりして(2人の)父親との間にひと悶着起こす、ストーリー中の悪役を演じている。この映画『Daddy’s Home 2』は、時に賑やかでばかばかしくも楽しい瞬間と、一作目には存在していた一貫性を失ったが故にポイントを外している部分との、両面を持つ映画である。(Chicago Tribune)」

、などといった評価が書かれているようです。

メル・ギブソンが大きくフィーチャーされている、この「Daddy’s Home 2」のポスターを見て、ある種、明るい衝撃を受けたファンの人も多いだろうと思います。

そして同時に批評家の先生方は、彼の仕事ぶりに何か一言いってやろうと意気込みつつ、プレス向け試写会へ足を運んだはずです。

そんな角度からは、

「この映画『Daddy’s Home 2』の周りには、メル・ギブソンが復活するための良いリハビリになったら、という希望的観測が存在するようである。まぁ、ここで彼が演じる、共感を撥ねつけるような役どころを見ると、その期待も薄れてしまうと言えなくはない。もっとも、それよりも重要な事は、本作が比較的にチャーミングに作られた事と、感謝祭の2週間前に公開されたクリスマスのお笑い映画という、頼りない贈り物のようになっているという点であろう。第一作の売り上げに気を良くしたパラマウントピクチャーズは、今回も、本当のクリスマスまで、この映画に寿命があると踏んだのかもしれない。しかし、2人のパパのライバル関係に頼り切るという構図は、今回は半分ほどしか生きておらず、結局、クリスマス時期になれば、靴下に入ってた炭と同じくらいの冴えない印象を残すだけだろう。(The Hollywood Reporter)」

、と、まぁ、渋い書かれ方もされています。とは言え、この映画は、メル・ギブソンにとっての一つの自己パロディとして存在しているのではないでしょうか。

どんなヒットシリーズも、続編を作る際に掘り下げるべきポイントを決めるのは、結構難しい問題だろうと思います。

SF系のアクションであれば、怪物のサイズを大きくしたり容姿を不気味にしたりと、ある程度の力業が成立する訳ですが、このシリーズの様に人間描写で笑わせる映画は、ポイントを外すとただの嫌味にも成り得るでしょう。

そんな意味からは、

「監督のショーン・アンダースがジョン・モリスらと書き上げたこの脚本は、どたばた喜劇に頼り過ぎたもので、その多くをウィル・フェレルに押し付ける事で成り立っている。男性が内包する脆弱さが主要テーマだと思える本作において、その中の最も素直で愛らしいキャラクターに、どれだけの侮辱を与え得ると言うのだろうか。もちろん、フェレルの役割は道化を演じる事だ、という理屈も分かる。とは言え、あの『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』や『タラデガ・ナイト オーバルの狼』を盛り上げたのと同じコメディアンは、現在休暇中だと言うべきだろう。アンダースによる演出と同じ位に怠惰な演技を見せる彼は、ここで発する殆どのジョークが、ずっと前の段階で予想できてしまうのだ。(The Hollywood Reporter)」

、という評価もされている事を最後にご紹介しておきます。

とにかく、アメリカで愛され続ける2大俳優に、往年のカリスマ役者を加えて作られた本作は、初登場の週末を約3,000万ドルという売り上げで飾っています(制作予算は推定で6,900万ドル)。

笑顔の向こうに家族が透けて見える・・・!?

人間の行動パターンやルールは、多くの場合、生まれ育った家庭内の文化の影響を受け決定されています。

ヒトにとって最も原始的で親密、そして閉鎖的な家族との人間関係。それは、外の目からすると風変りに感じられる事もしばしば。

そのような人間の基本的な機微を、本作「Daddy’s Home 2」のような物語のプロットに当てはめる枠組みを開発したのが、ハリウッド映画産業界だと言う事もできます。

そしてこの映画も、財布の紐が緩む時期の消費者に映画会社が向けた、一つのビジネス的なアプローチだと言えますが、色々な事が決着に向かうこの時期に僕らを平和な気分にさせ、自分と家族の関係を見つめなおす機会を与えてくれるのも事実でしょう。

皆さん、4人のダディ達とよりクリスマスをっ!

と、締めくくりたい所ですが、それが可能なのは北米など適切な時期に公開されている国での話で、日本では、仮に上映される劇場が見つかったとしても、クリスマスとは全然違う時期でのリリースという事になりそうですね。

ま、しかたありません^^。それではまたっ!。

参照元
Chicago Tribune
The Hollywood Reporter

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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