映画「ブレードランナー 2049(Blade Runner 2049)」の気になる評価とは?

レプリカントの居る未来

1945か46年頃、アメリカは、プロジェクト・ペーパークリップにより、当時としては最先端を誇ったナチスの分子生物学的知識と科学者を自国に接収したと思われます。

同様に、時のソビエト連邦も高度なバイオテクノロジーを入手。したがって、1960年代に入るころまでには、生物の遺伝子改変技術は完成していたでしょう。

もちろん、その技術は人間にも適用されたと思われますが、まぁ、国家をあげてDNA改造人間を作る目的と言えば、他よりも強いオリンピック選手を作るか、兵隊を作るかのどちらかです。

とにもかくにも、この時代の世界秩序は、彼ら遺伝子強化人間達の暗躍によって保たれていたと言っても、過言ではありません。

さて、その後も明らかに進歩を続けた生物工学は、今や、既に人間を含めた生物のクローニングや、もっと進んだ人造人間の製造という領域にまで達しているでしょう。先進国の一部では、本来の人間とバイオ人間との人口上の置換が進んでいるのです。

来る2019年ごろには、彼ら新興勢力の存在が大きくなって、新たな政治的軋轢を生み出す事でしょう・・・

そんなシナリオは、1982年にリドリー・スコットが制作したSF映画「ブレードランナー」に予言されている事に、かなり酷似していますよね。

幸いにして、2つで十分なくらい大盛りのうどん以外、止まない酸性雨も、空飛ぶ自動車も、そしてレプリカントも、表面上は実現していません。しかし、物事や世の中には、必ず裏側があるものです。

どちらにしても、未来と言うものは常に変わってゆくものですから、最初に公表されてから35年が経過したこの「予言」も、アップデートの時期を迎えました。

そして今登場したのが、ファン待望の新説未来史、「ブレードランナー 2049(Blade Runner 2049)」なのです。

人類史さえも変えてしまう、このメガ・ギガ・テラ級映画については、僕ズレ太のような小市民があれこれ書くのもおこがましいし、細密な情報や分析については、公式サイトならびに他のエリート級映画情報サイトをご覧いただくのがよろしいと思います。

なのですが、一枚も噛まないでいるのも寂しいので、今回は、この映画についての本国における公開直後の批評を、いくつかかいつまんでご紹介してみようと思います。ご興味があったら、ご一読ください・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • 脚本:
    • ハンプトン・ファンチャー
    • マイケル・グリーン
  • 制作:
    • リドリー・スコット
    • イェール・バディク
    • ビル・キャラロ
    • ティム・ギャンブル
    • フランク・ギアストラ…他
  • 出演:
    • ライアン・ゴズリング
    • ジャレッド・レト
    • ロビン・ライト
    • シルヴィア・フークス
    • ハリソン・フォード…他

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「ブレードランナー 2049」についての3つの論評

大型映画を製作して大きく稼ごうと思ったら、作品に見合う最大限のパブリシティ効果を得る事が重要で、それには、作品自体をクラシックの名作の続編として作るのがベストです。

ネット検索で直ぐに答えが得られると信じている現代人にとっては、正体が知れないモノの存在自体がナンセンス。そして、大方の毛色が知れているリメイクやリブート作品なら、基本的な自己紹介から始める事のコストやリスクを削減できる訳です。

とは言いつつも、やはり、その作品を成功させられるかどうか、と言うのは、やはり基本的な映画作りのプロセスが良かったかどうかに、かかってくるでしょう。

米国公開と同時に日本での公開日程も決まっていた、このSF映画のレジェンド作が、制作段階が貧相だったなどという事はあり得ない話ですが、

「1982年制作の『ブレードランナー』は、各方面からの評判はそうとう悪く、公開前に既に死に体であると目されていた。ところが蓋を開けてみれば、破滅的未来を魅力的かつリアルに映す映像の力もかりて、その作品は映画通の間での定番となったのである。そして、そんなこんなの経緯を通過しつつ、今回150億ドルを賭けた続編、『Blade Runner 2049』が生み出される事となった。そんな本作の世界観について文句をつける人も当然有り得るだろう。しかしながら、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴとプロダクションデザイナーのデニース・ガスナーなどが作り出したこの映像は、見る者を独特な異世界へと、しっかりと、鮮やかに、そして他に変えが考えられないような方法で、取り込んでしまうというものだ。そしてそれは、ちょっとした話題性を提供したと言うには余りある。ただ、そういった事情を踏まえつつも、本作に欠点が一つも無いとは言い切れない。特に、第一作を意識し過ぎたため、あまりにも回りくどくなってしまったのも事実で、結局それは2時間43分という、感情移入を維持するには明らかに長すぎる上映時間となってしまったようだ。
(Los Angeles Times)」

、といったような評論が書かれています。しかし、この種類の映画では、その世界観に没頭するという意味なら、上映時間は長い方が嬉しいとも言えます。

この「2049」には、第1作とのつながりと、同時に21世紀なりの新しさも求められたと思うのですが、

「1982年制作の『ブレードランナー』は、ワーナーブラザーズ社が本来期待したマネーをもたらす事はなかったものの、モダンSFクラシックとしての大きな評判は獲得した。さらに、2つの世代に亘る映画製作者達へ影響を与える存在ともなったのだ。さらにそれは、この続編について、制作会社がオリジナルの評判を当てにする事を許し、結果的に1億5,000万ドルの予算を拠出させたのである。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によるこの作品は、そのトーンや見掛け、さらに展開についても、オリジナル作を見習ったものとなっている上に、気前よく、約45分間ほど前作より上映時間を伸ばしたしたというものである。この続編の酷く荒れた近未来の世界感には、多彩で細密な要素が加えられていて、そういったものは、ライアン・ゴズリングにぴったりの背景だとも言えよう。この映画は、最上の言い方をするなら、職人気質が活かされた一作である。そんな中、ヴィルヌーヴ監督は、息が詰まるようで個性的な、そして鮮やかに創造された世界をスクリーンに描く事で満足しないで、いくつかの場面の語り方やリズムについては、さらなる配慮を見せるべきだっただろう。(Chicago Tribune)」

、という評価の仕方も書かれています。

なんと言うか、描かれる世界観も制作予算も大きく膨れ上がった超大作には、一般的な意味での失敗というのも有り得ないのじゃないか、と思えます。

そして、オリジナルの「BR」が示した世界観が、未だに娯楽SFアクションの作りに大きく影響を残しているというのは、映画のビジネス的なサイズ感とは違う理由によるものなのは、明らかです。

さて、そんな風に巨大で重厚なユニバースを刷新すべく登場した、この続編について、最後に、

「『ブレードランナー』が描き出した年代は、実際には今から2年後に迫っている。そしてその続編となるものは、出没するのには遅すぎたと言うべきかもしれない。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の、この『Blade Runner 2049』は、オリジナル作に敬意を表しつつ、それが投げかける大きな影響力は、上手くすり抜けようと試みた一本であろう。それは簡単な作業でもないし、同時に、ヴィルヌーヴがなんとかそれを成し遂げたというのは、真っ先に明記されるべき事柄でもある。オープニングの空撮から後に繋がるアクションまでを通じ、観客は、巧みな映像表現と鋭いストーリーテリングのセンスを感じられるはずだ。ライアン・ゴズリングは申し分ないキャスティングで、観客から共感を引き出す彼の能力は、それを意識し過ぎた所が見られたとしても、なお、血の通ったロボットとしてのこの役を完璧に具現化している。映画会社は批評家達に、是非とも作品のすじがきは漏らさないでほしいと懇願した。これはフェアな話である。ただ、逆に言えば、非常に深いところにミステリーを埋め込んだ、オリジナルの『ブレードランナー』は、繰り返し見る事でさえも色あせしない名作だったのである。そして対照的に、ヴィルヌーヴ監督によるこの続編は、注意深く製造された筋書きのパズルといったもので、オリジナルが持っていた、見る者の興味を持続させる曖昧さや、記憶から離れようとしない印象といったものは、不足しているだろう。(The New York Times)」

、という、続編なりの評価も書かれています。

ともあれ、公開前には各メディアも熱く取り上げていたと思う、この「Blade Runner 2049」は、鑑賞すれば少なくとも何かを感じ取れる一作、という印象は伝わってきます。

ゴリンノチョクゼン、セカイハカワル

世界を裏で支配するような超エリート階級や、世界的な影響力を誇る超セレブリティなどは、あきらかに、クローニング技術を応用したアンチエイジング治療を受けていると思われます。

そして、空飛ぶ自動車こそまだまだですが、2020年には東京の街を自動運転タクシーが走り回る事を、日本政府は目標にしていると言います。

超最先端の世界は、既に目前に存在しているのかもしれません。

ただ、仮にそうなっても、僕達小市民の生活が飛躍的に豊かになるという事ではなく、むしろ行動が全て管理・監視されるだけ。このビジネスの利益は、ハイテク事業を立ち上げたどこかのエリートが、全部吸い上げてゆくのです。

その先に見えるのは、経済ばかりでなく社会構造も完全に歪み、世界中の環境保護団体が巨大資本の圧力に屈した結果訪れる、あのブレードランナーの荒廃した世界観そのもの。

やはり、映画の予言は的中するものなのです、、、

参照元
Los Angeles Times
Chicago Tribune
The New York Times

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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