ロンドンを守るのはJBではなく、AR!?:映画「Unlocked」について

陰謀は現場で起きてるんじゃない、シナリオの上で起きてるんだ!

陰謀説的に言うと、ハリウッド映画は全部、大衆の思想を操るためのプロパガンダなのです。

映画なんて夢物語を絵に描いているだけですが、人の深層心理にメッセージを刷り込むのに一番良い状態は、見ている人がそれをただの夢と思ってリラックスしている時です。だから、知らず知らずのうちにハリウッドからの指令が僕らの心へとプログラムされている訳。

まぁ、陰謀論自体も夢物語かもしれませんけど・・・

さて、そんな洗脳プログラムの中にも、時として斬新なアイディアが盛り込まれているのも、アメリカ映画の良いところ。映画の批評家さんたちも、かならず新鮮味があるかどうかに注目して、作品の良し悪しを決めています。

そんな‟斬新さ”が特に求められるのが、今回ご紹介する「Unlocked」のような、国際社会の裏側を舞台にしたスパイスリラーです。

何と、過去の失敗がトラウマになって第一線から身を引いた超敏腕女性エージェントが、見た所は敵と思しきスジから得た情報をもとに、あのロンドンをねらう巨大なテロリズムのスキームを暴くために奔走する、という物語がこれ。

どうです、ハリウッドからあなたに向けられた、斬新なプロパガンダがお分かりいただけてますでしょうか・・・

あらすじ

アリス・ラシーン(ノオミ・ラパス)は、10代のころにCIAにスカウトされ、訓練を受けて以来この機関のために働いてきた、まさに精鋭エージェント。専門は、容疑者の尋問ですがフィールドワークにも定評があります。

そんな彼女、今は、東ロンドンで人事カウンセラーを装いがら、その土地の情報集めをする、という地味な仕事をしています。この地区は、某宗教系過激派の活動拠点がある、と目されている場所なんです。

アリスは実は、2012年にパリで発生したテロ事件の兆候をつかんでいながら、それを阻止できなかった事で、いまだに自分を責めているのです。

アリスの古くからの僚友、エリック・ラッシュ(マイケル・ダグラス)は彼女の実力を買っている一人で、常に、最前線の現場へ復帰するべきだと説得していますが、アリスはなかなか乗ってきません。

そんな折、彼女の居る地域で、一つの出来事が起こります。

その土地の宗教グループのメンバー1人が当局に逮捕されたというのです。尋問のプロでもあるアリスは、この青年から事情聴取する事となりました。

彼によると、宗教グループの導師の命令で、とある情報を伝えに来たという事。なんと、ロンドンをターゲットにしたテロ攻撃の動きがあるというのです。

そして、その事実の深刻さが明るみになるにつけ、とうとう、アリスは本格的な現場復帰を余儀なくされます。その任務は、CIAも知らなかったロンドンの裏側のテロ計画を阻止する事です。

彼女を遠くラングレーから指揮するのは、あまり協力的とも思えない上司の、ボブ・ハンター(ジョン・マルコヴィッチ)。そして現地では、これまた微妙な立ち位置を維持する、MI5のエージェント、エミリー・ノウルズ(トニ・コレット)や、裏社会と通じる男ジャック・アルコット(オーランド・ブルーム)らと協力しあいます。

当初は、脅威と目されていたグループからもたらされた、別のあらたな攻撃の情報。その真相に近づくなかで、アリスは、かつて無かった恐ろしい殺戮計画の全貌に近づいてゆきます。

果たして、アリス達は、この巨大な危機を阻止することができるのでしょうか・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • マイケル・アプテッド
  • 脚本:
    • ピーター・オブライエン
  • 制作:
    • アンドリュー・ボズウェル
    • イレーネ・ゴール
    • ピーター・ハンプデン
    • エリク・ハウザン…他
  • 出演:
    • ノオミ・ラパス
    • オーランド・ブルーム
    • マイケル・ダグラス
    • トニ・コレット
    • ジョン・マルコヴィッチ…他

〔広告〕

イギリスを崩壊させる陰謀スキームとの闘い、気になるその評価は?

最近、TVの特番で流行りの「映っちゃった」系の投稿動画は、その真偽のほどが相当疑わしいと分かっていても、なぜか見てしまいますよね。

映像というのは、僕達の脳とか心理が求めている何かを与えてくれる物なのかもしれません。それが予定調和の体をなしていればいるほど、僕たちは簡単に受け入れる事が出来てしまうのでしょう。

そして仮に、その映像に陰謀のプロパガンダを載せるとしても、視聴者が席を立たないようにつなぎとめるだけの、ある程度のしっかりした演出は必要でもあります。

そんな要素のすべてを、実にうまく扱って処理しているのが、ハリウッド映画業界という事も言えるでしょう。

ちなみに、陰謀をあつかっている娯楽スリラーである、この「Unlocked」の出来栄えについては、

「映画監督マイケル・アプテッドは、1963年から撮り続けている人物で、多岐に亘るジャンルでも容易く扱ってみせる彼の技能は確かなものである。という訳で我々は、この面白くできたスパイスリラーである、映画『Unlocked』にこの身をゆだねる事ができるのだ。ここでは、穏やかな顔つきをしながら、相手が敵と分かれば徹底的に打ちのめす気概を感じさせる主役の女性エージェントを、ノオミ・ラパスが演じる他にも、多くのスター俳優が彩っているのも、この『Unlocked』の見せるところだ。CIAの上官を演じるジョン・マルコヴィッチは、鋭い存在感を発揮しいて、彼がビデオチャットを行う相手のMI6を演じたトニ・コレットの方も、こういったジャンルの映画の中で、最近魅力を発揮してきている役者である。更に、マイケル・ダグラスも、ラパスの腹心の友として登場する。こういったわき役すべてが、ラパスに彼女得意の、シンプルですっきりとした演技をする場所を提供しているのだ。(Chicago Tribune)」

、と言うような肯定的な評価がある一方、別のところでは、

「スパイスリラー映画である、この『Unlocked』は、‟色々と変化したように見える時でも、中身は意外と変わっていない”ということわざを、理知的かつ退屈させないように具現化して見せた作品だろう。私は、この手の物語を、よく見て育ったようなもので、ここでの出来事も比較的容易に受け入れてしまった。本作は、、映画的に収まりの良い題材を扱っているし、例えば、それほど趣味でないという向きにとっても、監督のマイケル・アプテッドが取った、実際的な中に活力もある演出手法や、いわゆるスター俳優を集めたキャストは、やはりエンターテインメント性を見せてくれるはずである。(The New York Times)」

、と言う評価も書かれています。

世界中で起きるテロや戦争、破壊活動など、更には幾つかの自然災害なども、「なんとかミナティ」という影の組織が意図的に引き起こしているという、そんな陰謀説もあります。

強力な影の組織が、そういった事件の映像を大衆に見せ続ける事で、僕らの脳みそへと偽りの世界観を刷り込んでいるのです。その間に、全人類を統制するための下準備を、見えない所で着々と進行している・・・

まぁ、陰謀論的世界観は、そんな感じですよね。

どちらにしても、その時期・時代の世界の様子が映画に反映されるというのは、凄く当然の事でもあります。

この映画についていうと、

「ノオミ・ラパスをはじめとした多国籍映画スターを配して、現実的・現代的に描かれたこのスパイフィクションは、76歳になる英国人映画監督により、あまりにも率直に描かれた作品となっている。ロンドンやパリで、最近テロが発生している事から、この映画にもタイムリーな市場価値が与えられているのは事実だ。世界中にたくさん居る、保守的でさほど要求のきつくないアクション映画ファン達は、この映画にある程度の数字を与えもするだろうが、続編には、金を払うことをお勧めしない。(Hollywood Reporter)」

、とか、評されてもいました。

おとぎ話は別として、テロリズムは21世紀の世界に存在する、実際の脅威ではありますので、ハリウッド映画などを通してその危機が一般大衆へと知らされるのは、悪い事でもありません。

ただまぁ、そこで悪役として設定された国やグループに、さしたる根拠もないながら悪いイメージが、根深く与えられてしまうのも考えもの。

あくまでも、娯楽として楽しんで受け入れつつ、自分の心がどんな理由でどちらに傾いたかを振り返る事ができるのが、大人の映画ファンという事になります。

さて、そんな新型(?)スパイアクションについて、最後に批評を2つほど、

「想定を超えたストーリー性と、ビジネスライクな制作手法の下で、本作は、現状で最もエキサイティングなアクション女優の一人を主役にした、満足できるスリラーとして完成している。だから、このアリス・ラシーンというスパイの映画を、更に見られたら嬉しい事だと思うし、もちろん、それはノオミ・ラパスによって演じられるべきである。(Chicago Tribune)」

、という、シリーズ化さえ望む高評価が有る反面、

「理屈でいうと、ボンドやボーンに対抗する、まともな女性エージェントの映画として成り立つのが、本作である。しかし、きしみ音しかたてない脚本と不器用な演技が、その足かせとなってしまっているようだ。アプテッド監督の実績は立派だが、この映画においては、他の安い映画から複写してきた説得力のない捻りで満たされたプロットを採用していて、ドラマ性を高めるためのエネルギーは、ほんの少ししか使われていないと思わせる。ただ、マイケル・ダグラスだけは、ベテランになってから回ってきたこの安いキャスティングにも、それなりの味を表現してくれてはいるだろう。(Hollywood Reporter)」

、という渋い評価も見られました。

それでも、魅力的なのがスパイアクションなはず!?

多分、陰謀論を信じる人達も、映画の中の陰謀のスキームにハラハラする人も、世界は目で見た通りのものではない、という潜在的に持っている自分の感じ方を、確認しながら楽しんでいるのだと思います。

陰謀についていうと、凄くたくさんの調査をして出版したまじめな陰謀論の本の中で、それが真実であると実証されている作家さんもいらっしゃいますけどね。

それにしても、どうして僕らは、世の中の裏に何か隠されているのだろうと感じるんですかねぇ。一生懸命そう思っていたとしても、僕みたいな小市民の日常は、相変わらず何の変化もなく流れて行くだけです。

何にしても、面白そうな映画は見ちゃう訳で、結果的に思想を操作されても仕方がない、ですよね。一般大衆は気楽です^^。

それではまたっ!

参照元
Chicago Tribune
The New York Times
Hollywood Reporter

〔広告〕

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。