映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価

壁や挫折を恐れず夢に向かって走る姿は、いつも美しい

本来の題名が「Ballerina」、その米国版は「Leap!」、そして日本でのタイトルが「フェリシーと夢のトウシューズ」と、数々の呼び名を持つ映画が、快活な一人の少女による、本格バレリーナへの挑戦を描いたこのアニメーションです。

せっかくなので、邦題の方にもう少し説明要素を追加すると、「発明家を目指すヴィクターに助けられながら、お金は無いけれど才能はある少女フェリシーが、パリのバレースクールに忍び込み、事情があって挫折したかつての名ダンサーであるオデットの指導の下、夢のトウシューズを手に入れるまでの物語」、という事になりましょう。

これで、まぁ、基本的なあらすじになっているのではないでしょうか。

さて、米国より日本などの国の方が公開が早かった事もあり、こちらでも、エリート級の映画評論サイトが精密な評価を数多く発表していると思います。

でも、そういう上層階級と対抗する意識がまったくない、というのが僕の良い所。と言う事で、ウチではちょっと違う所から、この米国版「Leap!」に関する評価の幾つかを、ピックアップしてみようと思います。

「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」に関する5つの評論

間違いなく、この映画の一番の売り込みポイントは、リアルで精密なバレーダンスの身のこなしでしょう。

とりあえず、クラシカル芸術のへの賛美は怠らない映画なのは確か。でも、そこへ最新のポップチューンを織り込んで、場を盛り上げているというこの一作は、ダンスが義務教育課された事で、すでに多くが国際レベルのスキルを身に着けたと思われる、最近の日本の中学生にもきっちりと訴求できるような一作のはずですね。

その評価としては、

「この『フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )』は、夏休み映画の残存の中に置かれていても、チャーミングに‟つま先立ち”を決めた一作と言えるだろう。若年層の観客はダンスシーンや、サウンドトラックに使われたポップチューンの数々が気にいるはずだ。そして、彼らの横で見ている大人層には、『フラッシュダンス』や『ロッキー4』、そして『Footloose 』から賢く借りてきたアイディアを楽しむ事だろう。一方で、厳格な時代考証などは、この『Leap!』には適用せずに置くことが最も懸命である。『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』でさえも素人に見えそうな、クライマックスのバレー対決は、頭よりハートで受け止めた時、最高に映るものとなっている。(USA TODAY)」

、といったベストな意見や、また、

「この『Leap!』がターゲットとしている、10代の観客層は、そんな事を気にもしていないだろうから、(この作品から)あら捜しなどをするのも無意味である。成人層にとってみれば、ここでの全てが、かつて目にした何かであったとしても、それを再び楽しむ事は問題とならないはずだ。中の下程度のレベルに自ら設定したバーを、楽し気に飛び越えて見せる事で、そこに活気を維持したというのが本作である。ただ、それ自身が語っているように、もう少しリスクに立ち向かってみる事も可能だったはずだ。とは言え、製作者達は、ダンスシーンを見せる明るい物語という、観客層の要求に素直に従ったまでなのだ。(The New York Times)」

、なんて書かれていて、とりあえず難しい事よりも、前向きで明るいテーマが好印象を与えているようですね。

ただまぁ、変な(失礼!)作り物の羽を付けて宙を飛んでいるイラストを見ると、どんな物なのかね?、と思わされてしまうのも確かです。

ファンタジーと青春サクセスストーリー、現代のポップカルチャー、そして、ある程度のノスタルジーを織り交ぜた、軽やかに跳躍するような作品という事なのでしょうか。

その出来上がり具合について、別のところでは、

「しっかり描かれた古い時代の情景や、魅惑的なキャラクターデザインを与えられた本作「Leap!」によって、(米国配給元の)ワインスタイン・カンパニーは、過去の作品『Hoodwinked』からのステップアップを果たしたと言える。この中では、通常なら混雑しているはずのパリの街並みは、メインキャラクターにスペースを譲るため、妙に静まり返っていたりする。それは、映像の制作力を、デリケートな照明効果や、フェリシーの即興ダンス場面を盛り上げるために温存した、と言う事でもある。この映画が最も足取りを乱すのは、見放された子供について今まで書かれた数々のストーリーから頂戴してきた、その筋書きの部分である。しかし、その時代考証に幾つかの問題が見られるとは言え、親御さん達は心配も無用だ。あなた方の10代の子供らは、ここで流れるガール系ポップチューンを口ずさむ事の方に夢中なはずだからである。(Chicago Tribune)」

、というような、一応、前向きな評論もありました。

殆どのアニメーション映画が、現実のリアリティなど描こうとしない訳で、その中には、ある程度の突拍子なさは必須だろうと思います。それに、これが19世紀のフランスでの物語だなんて誰も言ってないでしょ、という開き直りも可能ですからね。

そういう、あらゆる方向に対するオープンさも、アニメーション映画の強みではあります。

さて、まとまり、という意味での評価としては、

「この「Leap!」は、洗い物の皿を一抱え持っている人物が、安直な笑いを誘うためにそれを放り投げてみせる、という種類の映画である。この、バレー版『ベストキッド』といった風情には魅力もあるのだが、作品の他の部分はすべて、それ自体を台無しにするために働いているように思える。ただ、物語の中盤が上手く描けている点は称賛に価するだろう。この映画では、舞台となった時代なりの抑うつ感がリアリティを与え、他の上質なスポーツ映画から借りてきたという雑な印象でさえ、少女とバレーダンスというテーマが上手く覆い隠してもくれるのだ。しかし、そういった優雅さに通じる要素も、肉体の機能や赤面するような失敗などに関するユーモアを使う事で、最終的には色あせてしまうのである。(SFGate)」

、と言う大人の目線とか、あるいは、

「この映画「Leap!」は、カーリー・レイ・ジェプセンの楽曲で飾られた一本と言うが、その音を聞くまでの1時間27分の間を、かなりな改善の余地を感じさせる良くないストーリーを見ながら、ただ待っていなければならない。キャラクター達の大きな頭が妙に見える時もあるが、他のアニメーション技術は素晴らしい点もあり、それは実写と見間違うと言っても良い程だ。結局、人物像よりも背景の方に力がそそがれたようで、そんな風に労力の使い方を間違った事により、ストーリーや脚本にはほんの少し気が配られたのみである。エル・ファニングは、声優として魅力的な演技をしてみせている。しかし、そこで起こる多くの出来事は、最終的にもまとまる事を知らずに終わってしまう。(Boston Herald)」

、といった評価を受けていました。

ディズニー&ピクサーのような、強烈な存在感がない分、カナダで作られたというこの一作は、難しいウィットとか辛辣な風刺とは無縁の、どこかのびのびした素直さが伝わってくる気もします。

そして、制作予算の半分くらいは、見ごたえのあるバレーダンスをアニメーション空間に再現する事に使われたとも思われますので、結局、そこに注目しておけば良いのかもしれませんね。

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8月下旬の低空飛行から夢ある世界へ跳び出そう!

クラシックバレーを、今どきのダンシング中学生向けにポップに描いてみせる、というコンセプトを考えると、個人的には、米国版の「Leap!(跳ねる!)」が一番良い題名だと思います。

東日本の真夏が生焼けみたいになった2017年の8月、奇遇にも、米国の映画市場も歴史的に低空飛行となっています。そんな、スッキリしない現状から跳び出すために、フェリシーの放つ活気あるオーラを頂けたら、それは日米両方の消費者(そしてGDP)にとって有り難い事です。

まぁ、個人的には、自分が中学生の頃にダンス授業なんてのが無くて、本当に良かった助かった命拾いした、と思っているんですけどね。

それではまたっ!

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • エリック・サマー
    • エリック・ワリン
  • 脚本:
    • エリック・サマー
    • ローレント・ザイタウン
    • キャロル・ノーブル
  • 制作:
    • ジーン・オーバート
    • ギヨーム・イヴェルネル
    • ニコラス・デュヴァル=アダソヴスキー…他
  • 出演:
    • エル・ファニング
    • カーリー・レイ・ジェプセン
    • デイン・デハーン
    • マディー・ジーグラー
    • ジュリー・カナー…他

参照元
USA TODAY
Chicago Tribune
SFGate
Boston Herald

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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