魔人形誕生の悪夢:映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」について

ほら、デーモンはすぐそこ、あなたの隣に・・・

ここに、いくつかの真理があります。

まず1つめは、あなたが敵がい心を持たなければ、あなたを攻撃してくる者も現れない、という真理。

2つめは、互いに心を開いて信じあえば、必ずそこに幸福が訪れる、という真理。

3つめは、あなたが純粋に愛すれば、相手も清い愛で応えてくれる、という真理。

4つめは、でも、そんな誠実さや愛情につけ込んでくる悪者もいて、目に見えない存在であるそいつは、時に、常識を超えた事を引き起こすパワーすら発揮する、という真理。

そして5つめは、、、その悪意の持主は、子供が好みそうな人形に憑りつくという真理。

有名な心霊研究家であるエドとロレインのウォーレン夫妻によれば、その憑りつくモノは「悪魔」と呼ばれる存在なのだそうです。そしてそいつは、人形を利用して子供に近づき、その子の命と魂を食い物にしようと狙っているのです。

そんな、「祟りの人形」の中でも世界一コワいと噂なのが、今はコネチカット州の郊外に厳重に安置されている、アナベル。

この映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」は、その人形の呪いに最初に触れた、いたいけな少女の恐怖体験を描くものです。

あらすじ

1940年代の事、アメリカの郊外に一人の人形作家、サミュエル(アンソニー・ラパーリア)が、妻エスター(ミランダ・オットー)や子供達と共に平和に暮らしていました。

サミュエルの最近の傑作は、女の子をかたどった木製のパペット人形。彼はその子に、アナベル、という名前をつけます。

しかし、悲劇は突然に襲い掛かるもの。家族を連れ屋外を歩いていた夫妻のその目の前で、彼らの娘の一人、ビー(サマーラ・リー)が、自動車にはねられ死んでしまったのです。

予期せぬ別れに、人形作家夫妻はその後ずっと、酷い悲しみにふさぎこんで過ごしました。もう一度でいいから、我が愛娘に合いたいと願い続けながら。

そしてたしかに、その願いを聞いているモノは存在しました。明るい天空ではなく、地の底の闇の中に・・・

さて、そんな事件の後12年が経過。この作家の持ち家に一人の修道女シャーロット(ステファニー・シグマン)と、6人の孤児達が移り住みました。この館の持主が、行き先の無い孤児達のために家を提供してくれたのです。

移り住んできた、その子供達の中には2人の姉妹、リンダ(ルール・ウィルソン)とジャニス(タリサ・ベイトマン)が居ました。実はジャニスは、ポリオの後遺症によって足に障害が残っています。

しかし、ジャニスにとってうれしい事に、この館には1階と2階を行き来する電動の座席があります。早速、その椅子を試してみる彼女でした。

その新しい家、移り住んだ当初は、皆にとって穏やかな日々を与えてくれるように思えました。でも、そんな生活が進むうち、ジャニスは館の中に開かずの間がある事を発見します。同時に、何か正体のわからない不気味な気配が存在する事にも、気が付き始めたのです。

ある時、その見えない者に導かれるようにして、開かずの部屋に足を踏みいれたジャニス。そこで彼女は、椅子に座らされている一体のパペット人形を見つけます。

それこそが、あのアナベル。この家の、薄気味悪い雰囲気は、全部、このパペット人形から発せられていたのです・・・

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • デヴィッド・F・サンドバーグ
  • 脚本:
    • ゲイリー・ダウバーマン
  • 制作:
    • リチャード・ブレナー
    • ウォルター・ハマダ
    • スティーヴン・マヌーチン…他
  • 出演:
    • タリサ・ベイトマン
    • ステファニー・シグマン
    • アンソニー・ラパーリア
    • ミランダ・オットー
    • サマーラ・リー…他

リアルに恐ろしい人形の話を膨らませたホラー、気になるその評価は?

たしか仏教では、因果応報といって、悪い行いは悪い事に、良い行いは良い出来事によって報われるという教えがあるんですよね。

キリスト教だと、教え通りに隣人を愛し敵を愛する良き人であれば、やがて訪れる審判の日には神によって救われる、という教えもあるようです。

どちらも、まぁ似ている所がありますが、結局、宗教の教えと言うのは、相手を打ち負かすために戦うだけでは、誰も幸福にならないと示唆しているものです。

だけど、同時に大概の宗教が、サタンとかデーモン、鬼とか悪霊の存在を認めていたりするので、これも面白いところではあります。

あなたの心に闇の部分が残っている限り、それを餌にして強くなるデーモンも滅びる事がない。悪を滅ぼすためには、あなたがより良き人になりなさい、というのが、古典宗教の基本原理という事なのでしょう。

そんな話を聞くにつけ、神や仏より、昔からデーモンさんたちの方が、ずーっと人間に近しい存在だったのだと感じさせます。

何にせよ、「アナベル」みたいな恐怖映画は、誰もが持っている人間内面の闇を、ゴリゴリと浮き彫りにするのが目的。それを、いかに恐ろしく、かつ、魅力的に描くかが腕の見せ所なのですが、

「あなたが料理番組を見ているとして、料理人の腕前を感じ取れる部分は、そこに使われた食材ではなくて、それらをどう調理したかであろう。同じ見方をしたとき、映画監督のデヴィッド・F・サンドバーグは、並程度なホラーの材料を用意したかと思うと、それを戦慄のシフォンケーキの中へ練りこむという、錬金術師のごとき手腕を発揮する人物だと言える。この「アナベル 死霊人形の誕生」の素材には、なんら新しい点は無いものであるが、サンドバーグはいかにサスペンスを盛り上げるかを心得ていて、その中で、美しさも感じさせる暗がりに彩られた各場面は、片隅になにか恐ろしいものが潜んでいるはずだと、常に感じさせるのである。(Washington Post)」

、と、本作の映像作りについて、かなり気に入った様子の評価が観られます。

基本的には、今まででもたくさん作られたのと同じようなホラー話である「死霊館」のシリーズが、何故、全米で大人気となっているかと言えば、アナベルが実存の人形であり、描かれるエピソードも実話を(基にして)描いているというバックグラウンドのおかげです。

しかしながら、ビジネスや政治的な制約の多い、ハリウッドの劇場フィーチャー映画として仕立て上げるには、これまた、大人の事情がからんできそうな気がする訳ですが、

「悪魔人形とかマネキンとかは、ホラー映画の古典的題材である。したがって、それを取り扱った本作『アナベル 死霊人形の誕生』は、求められる程度の心底恐ろしい場面を見せてくれるとしても、残りの時間は、お定まりのホラー要素の焼きなおしといった感じに落ち着いている。監督のデヴィッド・F・サンドバーグは、これより出来の良い2016年作品、『ライト/オフ』を撮った人物だ。彼は、シリーズの後発作品という規制のある中、持てる限りを尽くして、この作品を作り上げた事は評価されるべきである。(SFGate)」

、という評価のされかたもありました。

一人歩きを始めた恐怖人形アナベル。

ハリウッドのヒットシリーズの商慣行では、最低でもパート3までは制作されます。という事は、2作目のアナベル映画である、この「誕生」の次にも、さらなる悪夢が作られるはず。

このデーモン、次は、どこの誰に憑りつくのでしょうか?

封印された実話が怖い

あらゆる人は、生きてゆくうちには大なり小なりの罪を犯しているものです。

家族の歴史の中、一つ一つはとても小さくても、その罪が積もり積もって、最後は一つの大罪となり闇を形成します。それが、デーモンが忍び寄るためのポータルになる訳ですね。

そして、あばれまわって人々を恐怖のどん底に落としたあげく、、その悪霊は祈りによって清められ押さえつけられて、人目につかない暗がりへと封印される事でしょう。

これからの行楽シーズン、皆さんはお子さんと共に、久しぶりの実家に戻ったりすると思います。

ホラー映画気分を味わおうなどと考えて、古い納戸なんかに不注意に足を踏み入れないよう、ご忠告します。

仮に入ってしまったとしても、暗い部屋の片隅に隠すようにしまい込まれた、古い箱を開けたりしないようにしてください。

何が封印されているか、分かりませんからね・・・

ではまたっ!

参照元
Washington Post
SFGate

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。