世界を救うため裏の世界で展開する究極の戦い:映画「The Dark Tower」について

スティーブン・キングのイマジネーションが炸裂!?

2017年の秋にかけて、あの伝説ホラー「イット(IT)」や、別の角度から(多分)もっと刺激的な「ジェラルドのゲーム(Gerald’s Game)」が劇場公開される予定であり、ファンにとってはスティーブン・キング祭り、と呼びたくなる様相を呈してきた昨今です。

そんな、このS・Kロードの露払いを担って真っ先にスクリーンに載っかったのが、多層世界の崩壊を企む悪魔と戦う一人のガンマンを主人公にした、この映画「The Dark Tower」です。

キング原作系映画として、嫌な怖い話を期待している向きも多いと思いますが、とりあえず本作はSFチックな設定を与えられたアクション巨編、と言った風情の一本という事。

主演のイドリス・エルバとVFXのコレボレーションによる、超絶な銃さばきも見ものになりそうですね。

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ニコライ・アーセル
  • 脚本:
    • アキヴァ・ゴールズマン
    • ジェフ・ピンクナー
    • アナス・トーマス・イェンセン…他
  • 制作:
    • G・マック・ブラウン
    • アキヴァ・ゴールズマン
    • ロン・ハワード…他
  • 出演:
    • イドリス・エルバ
    • マシュー・マコノヒー
    • トム・テイラー
    • ベン・ギャビン
    • クロウディア・キム
    • ジャッキー・アール・ヘイリー…他

あらすじ

我々人間が暮らす、この世界。

実はこの世界は、ある特別なバランスの上になりたっています。そのバランスとは、普段目には見えないけれど実在する、多次元の多層世界を支える不思議な力。

この、多層に隣り合った世界と世界の中間=ミッド・ワールドに存在する一つの巨大な塔、「ダーク・タワー」が、全てのユニバースの安定を保ち続けているのです。

しかし今、その安定を破壊しようとする者が表れました。彼の名前はウォルター(マシュー・マコノヒー)、別名マン・イン・ブラック。

彼には一種の魔力が備わっており、その力で全世界の子供達からエネルギーを吸い取って作り上げた兵器で、ダーク・タワーを崩壊させるというのです。

しかし、ダーク・タワーには手強い守護者がいました。その男の名前はローランド(イドリス・エルバ)、またの名をガンスリンガーと呼ばれています。

古代から、世界のバランスを維持するために戦い続けた、ガンマン一族の最後の末裔が彼。つまり、ウォルターはタワーを壊す前に、ローランドを倒さなければなりません。

さて、我々が居る地球=キーストーン・アースに、一人の少年がいます。名前はジェイク(トム・テイラー)。まだ14歳ですが、彼にも特殊能力が有り、ウォルターの魔手を跳ね返す事ができる唯一の子供でもあります。

最近、彼は毎夜のように、一つの夢にうなされ続けています。その中に表れるのは異様な高い塔、一人のガンマン、そして魔力をもった別の男。

ジェイクの持つ超感覚が、世界崩壊の危機を無意識のうちに感じ取っていたのです。

そして今、世界が崩壊し全ての生命が消える危機を目前に、ついにジェイクの目の前で多層世界をつなぐポータルが開きました。

その先には、夢の中とそっくりな世界が広がっています。そして、ジェイクは、あのガンマン=ガンスリンガーと出合います。

彼とガンスリンガーは、運命の導くままに、強力な魔力で襲い掛かるウォルターの野望を砕くため、戦いへと身を投じてゆくのでした。

果たして、2人は地球、そして全宇宙を救う事ができるのでしょうか・・・

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あり得ないほど凄いガンさばきが超見もののストーリー、気になるその評価は?

僕らがたまに出くわす幽霊の人達も、多分、この世とはちょっとだけズレた世界を徘徊しているのだろうと思われます。

そうすると、多層的な世界の存在というのは、霊やデーモンについての作品を多数リリースされているキング先生のイメージの中に、長い間息づいていたアイディアなのかもしれませんね。

とにかく、とてもファンタジックな背景設定に、イドリス・エルバのハード&スタイリッシュなアクションを織り込んで、見る者はみな大興奮になる予定なのが、この映画なのですが、

「この映画『The Dark Tower』を見ている間に、ちょくちょく見えてしまう点は、例えばこれに野心的な筋書きを加えたらどうなったか、とか、ひょっとしたらカルト的な人気作に成り得たかも、とか、色々なジャンルの新たな再統合になったかも、と感じさせる幾つかの要素であろう。だが結局のところ本作は、ちょこまか騒いだ後にお約束の撃ち合いへ収束すると言うだけの、アピール要素もあまりない、映画素材の寄せ集めに仕上がっただけである。(The New York Times)」

、とか、あるいは別のところでも、

「この、『The Dark Tower』という魅力も薄い作品を見終えた時、私が考えたのは、(この中の)多次元世界の構造にもうちょっと混沌さを加えたら、今どきの映画としてちょっとしてモノが出来たかもしれないという事だ。まぁ、本作で何が問題だったとしても、業界向けの試写会がコケたという報道を聞いた我々が予想した通りに、これは一貫性に欠けて散らかった映画である。それが描こうとする大災厄に足りる程の、意図やスケール感も持たずにでっち上げられた、というのがこの一本なのだ。( Los Angeles Times)」

、などと辛辣な評価が書かれているようです。

とは言っても、最終的に出来上がる前に、一部を撮影し直したという事で、試写会での評判がある程度活かされているのが本作でしょう。上映時間も、95分間という節度ある長さにまとめられています。

夏休みに、子供をつれて劇場へ出かける理由になり得る映画であれば、あまり深い突っ込みもナンセンスだと言えるでしょう。

さて、この映画でも、いつものように特別に選ばれた少年が登場して、世界を悪から救う戦いに身を投じます。これで、お父さんの横でこれを見ている少年の心は、がっちりと掴めるはずです。

考えようによっては、「ロード・オブ・ザ・リング」的なエピックサーガに仕立てる方が良さそうにも思えますが、それでは、作る側も見る側も、かなりな体力を必要としまいますので、スッキリコンパクトなのは良い事なのです。

とにもかくにも、キング風のスリラーというより、夏休み向けの娯楽アクション作に仕上がったのが、この映画のようです。

しかしながら、

「もし、原作のスティーブン・キングが、(この作品のために)それなりに凝ったフィクションを、お安い作り話ではなく濃密で独特な世界観へと昇華して描いてみせていたら、観客も、もう少しは乗り気になれるというものではないだろうか。脚本を共同で書いた監督のニコライ・アーセル達の作家陣が、本当はここで何をするつもりだったのかという問題も、マシュー・マコノヒーがどんな整髪料を使っているか、というのと同程度の興味しか引かないのである。(The New York Times)」

、とか、かなり冷めた目で見た向きもあったようですね。

本来、イドリス・エルバvsマシュー・マコノヒーの対決は、そこそこのサプライズだっただろうと思うのですが、まぁ、サプライズを成功させるのも特別な技術が必要ではあります。

差後に、

「俺はハートで敵を倒す、とかイドリス・エルバが言ったりするが、これも、人を殺すのは銃ではない、などという議論の言い換えのように響く。結局、ただ銃をひけらかしたいだけの、PG13級アクション映画そのものでしかないのが本作で、あらゆる意味で工夫もないエンディングに続いてゆく銃撃戦には、格別な不愉快さを感じる部分さえ見られるだろう。( Los Angeles Times)」

、などと書かれてもいます。

ふむむ、どうですかねぇ。よく解らないくらい複雑な変形をする宇宙ロボットとか、ねばねば糸を発射して、ビル群の間を高速空中ブランコするヒーローがスクリーンを支配するこの時期、小難しい事を言わないアクションとして仕立てたのは、ビジネス的には正しい選択だったのではないでしょうか。

周囲は結局、ホラー待ち!?

予告映像を見る限り、ジェームズ・マカヴォイが変な撃ち方で弾丸の軌道をカーブさせた時より、今回のガンスリンガーのアクションの方が現実味は有りそうに感じられます。

映画的なアイディアというものも、ちょっとずつ、確実に進歩しているんですよね。

一つの映画の評価も、競合する他の作品群や公開のタイミングによって、かなり左右(というか上下?)するものでもあります。結局、映画の批評だって、人間の感じた印象が元ですからね。

スティーブン・キングは、映画業界でも掛け値なしの大きなブランドです。そして、その評判はやっぱり、怖いホラー物語を作ってこそのものなのでしょうか?

結局、世の中の目というのは、クリエーター達よりずーっと保守的で進歩の遅いものです。そして、キング先生の映画は、まだまだありますので期待して待ちましょう(多分、日本公開を逃すものは無いでしょう)。

それではまたっ!

参照元
The New York Times
Los Angeles Times

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ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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