映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の前評判

世界には、伝説と化した人や物語がいくつも有るのですが、伝説というのは伝説であり、つまり語り伝えられたストーリーです。

それは、伝達される度にデフォルメや強調(持ち上げたり下げたり)が加えられ、どんなに小さな噂でも、いつしか宇宙の一大事件みたく言われ始めます。例えば、方向性は違うけれど、口裂け女の噂も、ただ大げさにブレークしたという意味では似たようなもんですね^^。

さて、2015年のホリデーシーズンに向け引っ張り出された、もう一つの伝説は、19世紀にアメリカ北部で活躍した捕鯨船、エセックス号の運命を伝えるものです。

それを今、しぶしぶながら語りはじめるのは、自身が10代の頃、その最後の航海に乗船していたという男、トム・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)で、嫌がる彼を、なんとか話すよう説得に成功したのは、小説家であるハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)。

エセックス号は、1820年の秋に東海岸ナンタケット島から出帆しました、しかし今考えると、あの悲劇的ドラマは、旅立ちの前に始まっていたのかもしれないんですね。

それは、ちょっとしたいざこざ。つまり、この船には、既に、経験豊富な船長オウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)が乗ると決定していたのですが、出発直前になって親会社がジョージ・ポラード(ベンジャミン・ウォーカー)を責任者としてねじ込んできたんです。

どうしてそんな事に、、、だって、ジョージには、島の名家の影響力が後ろたてとして有るうえに、実はオウェンは島の生まれでもなんでもないから。

出発直前にこんな出来事、ちょっと先行きに不安を感じさせるでしょ?、その不安は現実になります。エセックス号は、超巨大なクジラ達の群れと遭遇し、それを捕獲するどころか逆に襲われてしまい、遥か大海原に沈没してしまったんですよね。

しかしそれは、この事故から辛くも逃げおおせた船員達を襲う残酷な運命の、その始まりにすぎませんでした・・・

あぁ、果たして、あなたの大好きなヘムズワースの運命やいかに?、というのが、ロン・ハワード監督によるこの映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の大枠だそうです。

そう、この映画は伝説でもあり、そして名作小説「白鯨」のモチーフとなったという、エセックス号の最後の航海を描きます。

そこには当然、大海原で人間を襲う自然の猛威、大嵐、高波、突風とともに、そこを支配する巨大な鯨が、映像的に描かれるわけですが、

「もちろんCGで作られた、ここでの鯨達の姿は、まさに、と言って良いほどの見ものである。その巨大な生き物たちの群れは、この映画の中で最も感銘を与える部分だろう。それは特に、3DのIMAXで鑑賞した場合に際立つので、近所でそれが叶う観客は、そちらを選択するべきである。(The Seattle Times)」

、と言う評価もあれば、

「一つある問題点としては、ここに見える、あからさまな作り物感だろう、これらは観客をストーリー自体からしばしば遠ざける結果を生んでいて、その原因の一部は、現実世界を再現しようと躍起になっている感じが滲む部分に有るようだ。(The New York Times)」

、と言う見方も。

実際、自然界の鯨が、明確な意思を持って人に襲い掛かる、という事は、あんまり無いような気もするんですが(飼い慣らそうとして逆ギレされる、というのは有るでしょうね)、そんな揚げ足取り的なケチを付けても意味無いです。

でも、

「ロン・ハワードが再び描きあげたという、このエセックス号の悲劇であるが、そこには何か、奇妙な平坦さが見えてしまうのも確かだ。この船の運命は、冷酷で身の毛もよだつようなものではある、しかし、オウェンとジョージという中心人物達は説得力に欠け、他の脇役達に至っては、輪郭さえまとまっていないようなのだ(The Seattle Times)」

、、、とか。

海の上での遭難なんて、根性が甘い僕ズレ太には絶対耐えられません、大体、水があんなに有るのに飲めないという状況が無理です。

そんな災難が、本当に降りかかるのがエセックス号の乗員達なんですが、まぁ、ロン・ハワードが放つ渾身の大作である本作が日本で公開される時は、感動系泣かせる話という宣伝戦略さえはまれば、そこそこのヒットは確実なのでしょう(やってみないと解りませんが・・・)

最後に、

「本作での最大の間違いは、いやしくも守り通す礼儀正しさであろう。凝り性からか、オスカーが欲しいのか、はたまた一貫性に欠けるストーリーが悪いのか、ハワード監督は、自身の商業性をもって詰め寄ってくるかと思えば、必ずそれを引っ込めてしまう。この映画には、狂暴な恐ろしさも、語られなかった真実なども一切存在しない。19世紀の遭難者たちのサバイバルを、自然による支配に関する話に変更するとは、決して良い発想とも言えなかったろう。(The New York Times)」

この映画が、どんな風に語り継がれて伝説となりえるか、それは劇場に足を運ぶあなた次第ですっ(どっかで聞いたようなセリフだな、、、はて?)

ズレ太

Author: ズレ太

いろんな事がズレまくってるズレ太です。 でも、意外とまじめですよっ! (記事の中で引用している映画批評は、米国の電子版メディアから抽出しての大意翻訳です。)

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