ジョニー・デップがロンドンで難事件に挑む!?:映画「Sherlock Gnomes」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Sherlock Gnomes
    • シャーロック・ノームズ
  • 制作:
    • 2018年 Metro-Goldwyn-Mayer / Paramount Animation / Rocket Pictures…他
  • 日本公開
    • 未定

庭先に怪事件発生!?

何でも、世界最古の壁画は6万5000年以上前に書かれたものだそうですから、まさに悠久の昔から人類は何かを形で表現するという文化を手に入れていた事になります。

物や造形物とか、あるいは人形などで自分の周囲を飾るというのは、DNAレベルで僕らの中にインプリントされた習性なのでしょう。

人というものは、美しいものや可愛い姿に自然と感情移入する訳ですが、そんな思い入れは時に奇跡も引き起こします。

たとえば、持主に愛されまっくった人形などには、ひょっとしたら魂が宿ってしまうかも・・・

もちろん、それはおどろおどろしい生き人形の話、ではなく、庭先に飾られたキュートな瀬戸物の人形達の事。時として彼らは、人の目に触れないところで動き出し、ワクワクするアドベンチャーを楽しんでいるのです。

そんなファンタージが描かれるのが、今回ご紹介する映画「Sherlock Gnomes」。なんと、あのジョニー・デップ兄さんが、その容姿を全く見せずに出演しているという作品なのですが、はたして、どんな活躍をしてくれるのでしょうか? 【続きを読む】 “ジョニー・デップがロンドンで難事件に挑む!?:映画「Sherlock Gnomes」の評価・あらすじ”

スティーブン・ソダーバーグが描く現実と幻覚のはざま:映画「Unsane」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Unsane
    • アンセイン
  • 制作:
    • 2018年 Extension 765 / New Regency Pictures / Regency Enterprises
  • 日本公開
    • 未定

幻に怯え、追い詰められる美女一人・・・

鋭いセンスと才能がある映画製作者の頭脳の中には、イマジネーションとビジネスが上手く同居している事でしょう。

その制作者とは、言うまでもなくあのスティーブン・ソダーバーグその人。彼が、ストーリーだけでなく制作手法にまで拘り抜いて作り上げたサイコスリラーが、今回ご紹介する映画「Unsane」です。

今回、信頼する脚本家チームがひねり出した虚と実の混合物を、監督の持つ映画製作的アイディアを駆使しながら興味深く映像化してくれたのが、この作品。

そのモチーフは、自分が普段、見たり聞いたりしている事や話している相手などの全てが、頭の中に生じているただの幻だったら・・・、という不安感です。

映画的には使い古されたと言えなくもない、そんなテンプレートを、気鋭の映像作家が作品に仕上げたらどれほど刺激的になり得るか。そんな部分が興味の的とも言えそうな映画です。

人は現実から逃避する事を望みながらも、一方では、リアリティから切り離される事を恐れる生き物。その辺を上手くつついてかき混ぜたら、まだまだ一流スリラーのネタになるという事でしょうか。

とにかくここでは、1人の女性に付きまとって離れない恐れを追いかける、という事なのですが、一体何が起きるというのでしょうね・・・ 【続きを読む】 “スティーブン・ソダーバーグが描く現実と幻覚のはざま:映画「Unsane」の評価・あらすじ”

1976 ハイジャック機奪還作戦を描く:映画「7 Days in Entebbe」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • 7 Days in Entebbe
    • 7 デイズ・イン・エンテベ
  • 制作:
    • 2018年 Participant Media / Pellikola / Working Title Films
  • 日本公開
    • 未定

20世紀後半に起きたアノ事件を再映画化

一つの出来事も、歴史の本に載る1項目になってしまうと、その現場で本当に何が起きたかなんて知り様がなくなってしまうものです。

実際、その場所に居た人達だって、それぞれの立場や視点により捉え方は様々、だから体験談そのものも一様にはならないのです。

結局、一つの史実についても、何が起きたのかは諸説が分かれる事になりますが、そういった歴史の曖昧さは、クリエーター達にとって美味しいネタの発掘場所となるのでしょう。

ハリウッドの映画業界辺りでも、真実と言う看板と娯楽のための脚色を上手いバランスでまとめ上げた作品は、広い範囲で強い訴求力を持つと同時に、政治的・社会的にも強いメッセージを大衆に伝える事が可能です。

つまりそれは、関係各所からの資金集めにも有利という訳ですね。

さて、イスラエルとパレスチナ間で長く続くいがみ合いの歴史上でも、大きなポイントであるハイジャック事件を、国際的なキャスティングで(再び映画化したというのが、今回ご紹介する「7 Days in Entebbe」です。

既に色々な所で映像作品にされてきたこの事件、21世紀の今になってどのようなストーリーに描かれているのでしょうか。 【続きを読む】 “1976 ハイジャック機奪還作戦を描く:映画「7 Days in Entebbe」の評価・あらすじ”

憑依現象の恐怖を追うドキュメンタリー:映画「Demon House」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Demon House
    • デーモン・ハウス
  • 制作:
    • 2018年 Scarecrow Enterprises
  • 日本公開
    • 未定

現代アメリカで起きた恐怖現象を捉えたっ!

世の中には、理屈で説明のつかない奇妙な出来事が、本当に有るみたいです。

そして、いわゆる超常現象の中でも、キリスト教社会で発生する悪魔憑きは、格別なインパクトを持っています。

それは、映画「エクソシスト」の影響が、色々な意味で今も残っているというだけの話かもしれませんが、この現象としては世界的にも発生件数が増加傾向だそうで、バチカンでもエクソシストの養成課程を立ち上げた程だそう。

一方、世界の終わりを連想させるような地鳴り、アポカリプティックサウンドと呼ばれるものもあちこちで観測されています。

そういった事の全ては、今、地獄への門が開かれようとしていると示唆しているのでしょうか?、あるいは、非現実的な妄想の中で戯れることが好きな人間が流す、ただの噂話なのでしょうか?

どちらにしても、そういったセンセーションを演出する事で一財産稼ごうとしている、ショウビズ界のやり手プロデユーサーが居る事は確かです。

そして、殆どは、あやふやな都市伝説に過ぎない超常現象の話にも、行政など公的な機関に記録が残されるものも時折見られます。例えば、21世紀の現代、アメリカ合衆国インディアナ州で発生した、ある一家の心霊体験などもその一例。

とある一軒家に引っ越したばかりに、家族全員が悪霊に憑りつかれたというこの事件へ正面から切り込んだのが、劇場向けドキュメンタリー映画である本作、「Demon House」なのです。 【続きを読む】 “憑依現象の恐怖を追うドキュメンタリー:映画「Demon House」の評価・あらすじ”

10代に溢れる青い殺意:映画「Thoroughbreds」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Thoroughbreds
    • サラブレッズ
  • 制作:
    • 2017年 B Story / Big Indie Pictures / June Pictures
  • 日本公開
    • 未定

若ければ罪を犯す事も怖くない?

純粋というのは、必ずしも正義と同意語ではありません。

純粋な心というものは、冷淡さの原因ともなり、時にとんでもない罪を犯させる理由にもなります。

だから、より純粋に近いと想定される10代の人間が、社会に大きな波風を立てるような大罪を犯す事もあるのは、ある意味で当然な事なのです。

基本的に自分の衝動に正直で、社会からのモラル的な刷り込みがされていない若者達にとっては、周囲の大人からの期待に反するということが行動規範に成り得ます。

そして彼らは、怖いものを知らず、結果も恐れないその行動は極端になりがち。つまり彼らの行いは、比較的簡単に陰惨な暴力に発展してしまうのです。

多くのホラー映画や小説にとって、大人を翻弄する怖い子供が絶好のテーマとなっているのは、その様な事実が裏に有るからかも知れません。

大きな罪を犯しそうな子供達。

もともと彼らには、とても繊細な扱いが求められる上に、もし、その当人達が美人女子高生2人組だったりしたら、一体全体、守ったら良いのか潰したら良いのか、周囲の大人は相当困惑するはずです。

同時に、才能のある一部の大人は、そこに新しいストーリー性を発見する事も有るのでしょう。そしてそれは、映画になります。

若手女優オリヴィア・クックとアニャ・テイラー=ジョイが、そんな風にヤバい女子高生を演じたという映画が、今回ご紹介する「Thoroughbreds」なのですが、これまた独特の美観と辛辣さを盛り込まれた一本らしいのです・・・ 【続きを読む】 “10代に溢れる青い殺意:映画「Thoroughbreds」の評価・あらすじ”

命を侵す謎のフィールドに踏み込むナタリー・ポートマン:映画「アナイアレーション(原題)」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Annihilation
    • アナイアレーション
  • 制作:
    • 2018年 Paramount Pictures / DNA Films / Scott Rudin Productions / Skydance Media

アナタの空間に徐々に浸透する宇宙の侵略者

今どき、小さな子供をお持ちのママさん達は、家の中にキケンな菌がはびこらないよう、日夜、除菌に苦労されていると思います。

人間は、世界でも特別で孤高の英知を築いた生き物ですから、目に見えない上に悪事だけ働くバイ菌に生活を侵かされることなど、絶対に許す事はできません。

しかし一方で、人間の生活から一切の菌を排除することも不可能なのです。いかに、清潔感のあるライフスタイルを追求したとしても、人間自体が細菌の助けをかりて生きているのでどうしようもありません。

現実には、億とか兆の数もある微生物の群れに、僕らは埋もれる様にして生きています。

それにまぁ、エントロピーの増大というものは宇宙の本質ですから、どんなに予防線をはっても、僕らの生活がだんだんと外界に馴染んでくことを止める術はありません。

だから、遠い未来では、人間という特別な存在自体も宇宙に飲み込まれて、他のものと同化・均質化してしまう運命です。

細菌類などの微生物とか、他の下等な生命体と人間の間の垣根が消滅するなんて、考えるだけでおぞましい。そのおぞましいことが目の前のスクリーン上で展開するというのが、今回ご紹介するSF映画「Annihilation」です。 【続きを読む】 “命を侵す謎のフィールドに踏み込むナタリー・ポートマン:映画「アナイアレーション(原題)」の評価・あらすじ”

ジェラルド・バトラーは悪を倒すヤバい刑事(デカ):映画「Den of Thieves」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Den of Thieves
    • デン・オブ・スィーヴス
  • 制作:
    • 2018年 Diamond Film Productions / G-BASE / Tucker Tooley Entertainment
  • 日本公開
    • 未定

目には目を、犯罪には武装警官をっ!

人間の社会が安定的に発展してゆくためには、僕らの中に、最後には正義がなされる、という確信がある事がとても大切だと思います。

司法当局の判断が賄賂で流される、なんて事が横行している国は、やっぱり経済も文化もまともに成長しないでしょう。

ただ、悪人というのは世の中のルールに縛られていないので、どんな道具を使って何をしてでも自分の利益を得ようとします。そんなヤツラを捕まえて人道的な裁判にかける事なんて、元々が難しい仕事なのかもしれません。

ハリウッド界隈のアクション映画やドラマで、悪人のアジトに踏み込んだ警察が、そこにたむろしている連中を全員射殺するという定番のシーンも、ある意味では犯罪駆除のための効率的なソリューションんを提案しているのです。

そして当然、筋書き上で明らかに悪者だと分かっている連中が、まどろっこしい手続きは抜きで処刑されていく様子は、見ている側の脳の中にドーパミンやエンドルフィンを分泌させる、一番効果的な演出でもある訳ですね。

今回ご紹介する映画「Den of Thieves」は、そういったド定番の犯罪VS警察モノ映画らしいです。そこでは、強力に武装したプロの犯罪者グループが、強力に武装したプロの警察官達と激突する手はずになっています。

言ってみれば、いつもどおりの犯罪アクションですが、その中心人物としてあのジェラルド・バトラーが登場するという事で、彼のファンにとってはうれしい一本でもあるでしょう。 【続きを読む】 “ジェラルド・バトラーは悪を倒すヤバい刑事(デカ):映画「Den of Thieves」の評価・あらすじ”

ヘレン・ミレンと迷路屋敷の怨霊:映画「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Winchester
    • ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷
  • 制作:
    • 2018年 Blacklab Entertainment / Imagination Design Works
  • 日本公開
    • 2018年夏

ハッピー・ゴーストハンティングも1つの文化

日本でも近々、民泊の規制が緩和されるらしいので、巷にあふれかえるいわく付きの出ちゃう空き家なんかを使えるように掃除して、そのまま外国人観光客にアピールしたら、意外と評判を呼ぶかもしれませんね。

日本だと、必ず不吉な印象が抱きあわされる心霊ですが、欧米社会では、また違った捉え方をされているように思います。

アメリカの都市なんかだと、地元の歴史と共にいわく付きスポットを探訪するガイドツアーが結構有って、あっちの世界の人も経済と文化の一翼を担っている様です。

とにかくまぁ、何かが出ると言うストーリーが金になる、と言うのは、洋の東西を問わず確かな事。

合衆国カリフォルニア洲サンノゼに有るウィンチェスターミステリーハウスは、その不思議なバックボーンと諸々の噂などを、ある意味で前向きにアトラクション化する事に成功したスポットと言えましょう。

20世紀初頭にこの異様な大豪邸を生み出したのは、悲劇の未亡人サラ・ウインチェスター。

彼女を突き動かした恐ろしい衝動を、実力派女優ヘレン・ミレンを起用し、現代の映像技術を駆使して再現したと言うのが、今回ご紹介するホラー映画「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(Winchester)」です。 【続きを読む】 “ヘレン・ミレンと迷路屋敷の怨霊:映画「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」の評価・あらすじ”

ニコラス・ケイジの狂気に火がつく時:映画「マッド・ダディ」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Mom and Dad
    • マッド・ダディ
  • 制作:2018年 会社

愛憎のカタチが歪んだ現代社会に放つホラー

世の中には、パラハラ、セクハラの嵐が吹き荒れるご時世です。

例え自分が、軽い皮肉とか洒落や愛嬌、あるいはコミュニケーションのつもりでそれを行ったとしても、相手がどう捉えるかによっては裁判沙汰となるので、各職場のオジサマ方は充分注意しなければいけません。

上に立つ側から、目下の者を蹂躙(じゅうりん)するという意味では、親が子供に行う行為も時としてハラスメントに似てきます。ただ、この場合は、いやがらせ、ではなくて、虐待と呼ばれてしまいますけどね。

それを糾弾された親御さんは、しつけとか教育である、と主張するでしょうが、周囲に居る100人の中、全体の51パーセントが間違っていると感じる事なら、いかに自分にとっては正しい事だと主張しても罪となります。

しかし逆説的に言って、仮に100人の親が全員、自分の子供を傷つけようと追いかけまわしたら、それは罪にならないと言う事なのでしょうか?

もちろん、その場合の親達にも、自分の子供の子供っぽい行動が与えるフラストレーションが限界に達した、という、正当な理由が有っての事です。

今回ご紹介する映画「マッド・ダディ(Mom and Dad)」は、世の中にいる全ての親が子供に対して抱く苛立ちの導火線に、とうとう本物の火が着いてしまい、全ての親達が凶器を振りかざしながら我が子を始末しようと襲い掛かる、という恐ろしくもナンセンスなプロットのお話だそうです。 【続きを読む】 “ニコラス・ケイジの狂気に火がつく時:映画「マッド・ダディ」の評価・あらすじ”

クリス・ヘムズワースが自由主義社会を守る!:映画「ホース・ソルジャー(12 Strong)」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • 12 Strong
    • 12 ストロング
  • 制作:
    • 2018年 Lionsgate / Alcon Entertainment / Black Label Media / Jerry Bruckheimer Films

攻撃は最大の防御

今や、その肉体美だけでなく存在感も含めハリウッド映画産業の牽引役となったクリス・ヘムズワース。その彼が、9.11直後のアフガニスタンで、後に訪れるであろう反撃の大勝利へ道筋をつけた先行部隊のリーダーを演じたというのが、ここでご紹介する映画「ホース・ソルジャー(12 Strong)」です。

彼を含むキャスト達が、当時のアフガンへ実際に派遣された最初のレンジャーとなるのがこの映画。見方によると感動の実話ドラマですが、そこからは愛とか青春とかが旅立つものではなく、むしろ、より直接的な戦争アクションとしてまとめられた一本のようです。

まぁ、今も昔も戦争映画というものは、その国のイデオロギーが刷り込まれやすいものです。だから、(特定の一部の国が作るものを除き)大量の火薬を使って派手な戦闘を描くこのタイプの映画では、兵士達は純粋なヒーローとして描かれるべきなのでしょうね。

この作品は、ハリウッドの大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーなどが、あの時期、恐怖と悲しみに包まれていたアメリカに希望を与えた精鋭部隊による、隠された真実のドラマを世に明かす、という一本らしいです。 【続きを読む】 “クリス・ヘムズワースが自由主義社会を守る!:映画「ホース・ソルジャー(12 Strong)」の評価・あらすじ”

元NY市警ベテラン最悪の一日:映画「トレイン・ミッション」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Commuter
    • トレイン・ミッション
  • 制作:
    • 2018年 Ombra Films / StudioCanal / The Picture Company

その男の内面に秘めた真価が再び炸裂

能ある鷹は爪を隠す、なんて言葉、日本だけの奥ゆかしい考え方かと感じますが、例えば、クラーク・ケントやジェイソン・ボーン、さらにはブルース・ウェインなども、本気を出したら実は凄いというタイプのヒーローですから、アメリカの様な国にも同様の威厳が通用するという事の様です。

娯楽映画の中で、世を忍ぶヒーロー像がもてはやされるのは、僕ら小市民が秘めている変身願望とか、ありのままの自分で周囲から認められたいという欲求などが、そこに共鳴するためだと思います。

そして、50歳代に入ってからの映画「96時間(Taken)」への主演を機に、自身のアクションスターとしての本領に目覚めたリーアム・ニーソンは、地味な庶民の願望を満たすと言う意味で、リアルなヒーローと呼ぶべき俳優でしょう。

そんなニーソンさんのファン待望、最新アクション映画が、ここでご紹介する「トレイン・ミッション(The Commuter)」。今回は、日々繰り返してきた通勤の途中で突然、危険な謀略の中へと引きずり込まれる不運な男を、彼が演じているという事です。 【続きを読む】 “元NY市警ベテラン最悪の一日:映画「トレイン・ミッション」の評価・あらすじ”

過去に潜む悪霊の闇:映画「インシディアス: ザ・ラスト・キー(原題)」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Insidious: The Last Key
    • インシディアス: ザ・ラスト・キー
  • 制作:
    • 2018年 Blumhouse Productions / Entertainment One / LStar Capital / Stage 6 Films
  • 日本公開
    • 未定

心霊の正体は薄暗い煉獄の中に

おそらく、ほとんどの憑依現象は精神疾患の症状だろうと思いますし、かなりな割合のポルターガイスト現象は、高校で教わる物理の知識で解明できるのだと思います。

だとしても、人間の理論では説明の出来ない超常現象は、世界中でちらりほらりと起きているのです。

そんな風に出ちゃうスポットの多くが、墓場や火葬場ではなく人が実際に住んでいる家の中だ、というのも、心霊現象が持つ興味深い傾向の1つ。ですが、この件については、YouTubeの存在がある程度の説明になるかもしれません。

何にしても、人間は本来、自分を守るために建物の中で生活します。守られるべきその環境の中に、目には見えないけれど不穏な何かが潜んでいる予感がしたら、心理的にも相当恐ろしい話です。

家の中だからこそ怖い、そんな深層心理の不安感を上手く使ったオカルトホラー映画は、歴史に名を残す一本に成り得ます。

さて、今やハリウッドでもコワい監督として鳴らしている、あのジェームズ・ワンが生み出し、あれよあれよと言うまにパート3まで作られていた、「インシディアス」の世界に、新たに加わった戦慄の新章こそが、ここでご紹介する「Insidious: The Last Key」です。

今回も、屋敷に巣くう悪霊と対決し、その住人を救済しようと立ち上がるのは、最恐の霊能者エリーズ・ライナー。

ところが、今回、彼女が向かう心霊スポットは、今までのものより、ちょっと毛色が違う現場のようなのです・・・ 【続きを読む】 “過去に潜む悪霊の闇:映画「インシディアス: ザ・ラスト・キー(原題)」の評価・あらすじ”

ポーカーゲームより熱いある女性の人生:映画「Molly’s Game」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Molly’s Game
    • モリーズ・ゲーム
  • 制作:
    • 2018年 STX Entertainment / Huayi Brothers Pictures / The Mark Gordon Company…他

人生はゲーム

人生は、複雑な人間社会を舞台にして繰り広げられる、壮大なゲームです。

そのゲームのゴールをどこに設定するかは、参加者の趣向によってかなりな自由度が与えられていて、たとえば、FX投資で資産を数億円まで膨らます事がゴールである人もいれば、オリンピックで金メダルを取る事が人生のゴールである人もいます。

また、このゲームで勝つには、自分自身の特性や性格が、どのプレイ内容に適しているかを早く見極める事も大切です。夢は必ずかなうと言いますが、人生の時間が限られているのも事実ですから、生きている内にゴールできなかったら意味がありません。

どちらにしても、これがゲームである以上、そのつもりで取り組まない限りは、自分の人生を上手く生きてゆく事は不可能ですし、そう考えると、元からゲームをプレイして勝利するセンスや才能のある人は、人生の舞台でも成功しやすいという事になります。

たとえば、一度は、スキー選手としてオリンピック(Olympic Games)代表候補にまで上り詰め、その後、賭博ビジネスも成功させたモリー・ブルームという美しい女性なども、ある意味、人生ゲームの勝利者と呼べるのかもしれませんね。

まぁ、彼女の場合は、ゲームのルールは完璧にこなしましたが、実社会のルールをちょっと読み間違えたようで、最終的には捜査当局のお世話になってしまいました。

とにかく、実在するその女性をジェシカ・チャステインが演じ、まるで彼女のスキー競技のように高速で刺激的なセリフを観客にたたきつけるというのが、今回ご紹介する映画「モリーズ・ゲーム(Molly’s Game)」です。 【続きを読む】 “ポーカーゲームより熱いある女性の人生:映画「Molly’s Game」の評価・あらすじ”

マット・デイモン主演の風刺SFドラマ:映画「ダウンサイズ」の評価とあらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Downsizing
    • ダウンサイズ
  • 制作:
    • 2017年 Paramount Pictures / Ad Hominem Enterprises / Annapurna Pictures

大きけりゃ何でも正解…ではない

おそらく1950年代以前から、巨大予算を投じた超大作映画は、それだけで観客達の目を引く事が可能で、従ってヒット作にもなりやすいものであったはずです。

大きな風呂敷は人目を引くし、その上に有名な俳優や監督、そして分かりやすいアドベンチャラスな脚本を並べたら、その前に立ち止まらない人はいないはず。

しかし、時を経て、21世紀になった昨今では、観客の目を満足させるに足りる映像効果も、家庭用のPCでディジタル画像処理を行えば作れてしまう様になっています。良い映画であるために必要なのは規模ではなくて製作者のアイディアだ、という時代になった訳で、これは、才能やセンスの有る人々にとって、とても良い事だと言えましょう。

ただ、原始の時代から、サイズコンプレックスの中で生きてきたのが人間という動物ですので、その価値観を大きさから意味・密度などへシフトする既得権からの強烈な抵抗が有るのも事実。ですが、物のサイズを小型化して行くのは、やはり時代の要請でもあるのです。

物理的に言っても、大きなサイズの中身は薄くなりやすいですし、小さいモノの中は濃密にしやすいもの。そして、1人の人間を満たして豊かにする事を考えた時でも、これは同じです。

さて、新しい資源を採掘する事より、人類その物が小さくなれば、相対的に豊かになれるという、ある種の逆転の発想を基に書かれた物語が、ここで紹介する映画「ダウンサイズ(Downsizing)」なのだそうです。

これは、奇抜さの中に社会風刺を込めた、SF系のコメディドラマという事なのですが、どんなお話なのでしょうか? 【続きを読む】 “マット・デイモン主演の風刺SFドラマ:映画「ダウンサイズ」の評価とあらすじ”

ハリウッド重鎮の愉快な激突!?:映画「ジャスト・ゲッティング・スターテッド(原題)」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Just Getting Started
    • ジャスト・ゲッティング・スターテッド(原題)
  • 制作:
    • 2017年 Broad Green Pictures / Endurance Media / Entertainment One…他

ベテランが活躍するフィールド

飲み会の席になると、焼酎のお湯割りが2杯くらい入った上司が、「俺も昔はワルだった」という武勇伝を繰り返し語るので困る、と思っている人も結構いらっしゃるでしょう。

ベテランの人々の口から出るそういった話の殆どが、ただの盛り過ぎた空想だと言う点は横に置いたとしても、そのプロットが何時もありきたりで、ウィットもミステリーも含んでいないのは、本当に困ったものです。

ですが、年齢が上の人が持つ強みというのは、過去という時間をリアルに体験したという事にあるのでしょうね。

若い層の人間が生きている、「今という未来」では思いもよらない事を、古い時代の人間達は当たり前のように行っていた・・・、その事実は、1つの物語にさえ成り得るものです。

そして、ロン・シェルトンのような映画製作者であれば、クリスマスを迎えた定年退職者のための高級リゾートで、そこで暮らすベテラン達の過去がちょっとした事件を引き起こす、という話を面白く書き上げてくれると期待も出来ます。

加えて、21世紀初頭のハリウッド映画界でも、その名前が特別な重みを持つ2人のベテラン俳優を起用して、そのプロットを映画化したら、それは格別な味わいを持つ作品となる事間違いなし、なはず。

かくして出来上がったのが、ここでご紹介する映画「Just Getting Started」というクライム・アクション・コメディという事らしいです。

あらすじ

カリフォルニアはパームスプリングスにある、居住型の高齢者施設「ヴィラ・カプリ」。

恵まれた気候とレクリエーションに恵まれた、この施設を取り仕切っている男性が、デューク・ダイバー(モーガン・フリーマン)。自身も入居者でありつつ、実質のマネージャー役も務めている彼には、施設の誰もが称賛を惜しみません。

デュークは、マーガライト(グレン・ヘドリー)、リリー(エリザベス・アシュリー)、そしてロベルタ(シェリル・リー・ラルフ)ら、同じく入居している女性達とも上手い関係を築いているようで、引退後の日々もますます充実、と言ったところ。

そんなある日、この施設に新しい仲間がやって来ます。彼の名前はレオ・マッケイ(トミー・リー・ジョーンズ)。到着早々、デューク専用に確保されている駐車スペースに堂々と車を止めたりして、なんだか、波乱の予感をまとっての登場です。

話を聞くと、どうも軍とか連邦捜査局とか、そんな方面のキャリアが有るらしいレオは、この施設内のヒエラルキーに縛られるつもりも無い様子で、ポーカーでの勝負をはじめとして、デュークと競い合う事にも躊躇しません。

なんだか面白くないヤツが来てしまった、と思ったその矢先、デュークに更なる問題が降りかかりました。施設の親会社が、運営状態を確認して改善するため、事業仕分け担当のキャリアウーマン、スージー(レネ・ルッソ)を送り込んできたのです。

なかなかな美貌の持主であるスージーには、まず、レオが関心を示しましたが、これまたデュークも、後れを取ってはならじとばかりにアピール合戦へ参入します。

しかし、いい歳した大人達の恋のから騒ぎ、が進行する中、もう一つの脅威がデュークに迫っているのを、一同はまだ知りません。

実は、デュークは、証人保護プログラムで守られている人物で、ギャング専門の弁護士だったという過去の持主なのです。そして、その時に裏切った連中は、未だに彼への復讐を諦めてはいません。

様々な人間関係のテンションと、過去の怨恨のるつぼと化した高齢者向けリゾート「ヴィラ・カプリ」。果たしてデュークは、その安定を守り切る事が出来るのでしょうか?

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • ロン・シェルトン
  • 脚本:
    • ロン・シェルトン
  • 制作:
    • ジョン・マス
    • アラン・シンプソン
    • ビル・ガーバー
    • スティーヴ・リチャーズ…他
  • 出演:
    • モーガン・フリーマン
    • トミー・リー・ジョーンズ
    • レネ・ルッソ
    • グレン・ヘドリー
    • エリザベス・アシュリー
    • ジョー・パントリアーノ
    • ジョニー・マティス…他

ベテラン俳優を起用して描くコメディ、その気になる評価とは?

完全に大人達が主役であるこの映画ですが、レーティング的には、上手い事PG13に収めている一作でもあります。

この辺りは、クリスマスシーズン公開のメジャー作には、ファミリー層を取り込める要素が必要だという、配給側の大人の事情も働いているのかもしれません。

逆に言うと、本来、存在したであろうスクリプトのページの多くが、ポストプロダクション段階で削り落とされ編集室の床に打ち捨てられただろう、との想像もしたくなります。

まぁ、どんな映画にもディレクターズカット版は有り得ますから、それがどんなものになるとしても、本作のリテール版リリース時はその編集が観れたりすると面白いですよね。

うまく行かなかった自己パロディ

とにかく、モーガン・フリーマンとトミー・リー・ジョーンズ、そしてレネ・ルッソ達が、それぞれの典型的な役どころを演じているというのが、この映画の1つの売りになっているのは確かな様です。

という訳で、上手くすれば本物の映画ファンや、この文化に詳しい批評家の人達の心の琴線を、愉快にかき鳴らす事もできるはずなのですが、本作には、

「2人の男が私を取り合うなんて初めての事じゃないわ。本作『Just Getting Started』にあるレネ・ルッソのセリフである。そしてこれが、この映画の中で最も笑える言葉なのかもしれず、同時に、(過去の映画と引っかける意味において)1つの隠喩的ジョークともなっている。この無理やりにロマンチックなおふざけ話である本作が、ロン・シェルトン監督の過去の作品を感傷的な形で再現している関係上、そういったユーモアでさえも自滅的に響いてしまう。本作のキャストには、笑いと個性を提供する申し分のない役者が揃っている訳で、これが酷い出来になる可能性はとても低いと思われるが、実際、色々と考えを回す気にもならない程にダメな仕上がりなのが本作である。彼らスター俳優達の魅力と仕事ぶりをもってしても、ここでのジョークは何時も不発に終わり、場面はきしみ音を発してつまづいたりするのみだ。この、無視されるか直ぐに居なくなるべき作品『Just Getting Started』は、ロン・シェルトンの映画を飛行機内で見た事のある誰かが、そのプロットを暗唱しなおしている様に、スローでだらだらと長い一作である。(The New York Times)」

、と、ネガティブな評価が書かれています。

長たらしく不自然

もともと、クリスマス前に公開されるアンサンブルキャスト作品は、ストーリー自体も定型的なロマンチックドラマにしか成り得ず、結局、そこに顔を揃えた個々の俳優のファン達に贈るプレゼント、という役割がメインなのだと覆います。

だから、このシーズンにリリースされる作品に、あまり厳しい見方をする事自体が無理があるのですが、この映画については別の所で、

「悪い出来の映画のいくつかは、苛立ちと憤怒を沸き立たす原因となり、あるいは、業界からの冷笑的かつ軽蔑的な批評を得るものだ。そして、本作『Just Getting Started』の様にかったるい駄作は、完璧に無益な何かのために、どれ程の時間と予算そして才能が浪費されたかを思い起こした時の、言い様も無い悲しい気分をも引き起こさせる一本である。やたらと長たらしく不器用で不自然、そして酷く退屈なだけの無益なこの作品は、この領域の中で最悪な何かを明らかにする映画だと言えよう。あえて良い点を上げれば、ここでの役者がかつて行った仕事について、今でも抱かれている尊敬の念が、感傷的な親近感を観客から引き出すという点であろうか。(Variety)」

、との評価が書かれています。

明確にならない方向性

日本と同様に、欧米社会も高齢化していますし、それは逆に、各業界の中に元気なベテランが増えている事も意味します。

演技者としてだけでなく、ハリウッド界隈のビジネスにも詳しいと思われる大物俳優は、おそらく、出演するどんな作品の世界にも溶け込んでくれるはずです。

したがって、この映画「Just Getting Started」においても、微妙で細いライン上で上手くバランスを取って、彼らの手で作品をまとめ上げてくれる事が望まれるのですが、批評家の目から見た時、

「オスカー受賞俳優、モーガン・フリーマンとトミー・リー・ジョーンズの初共演であれば、観客を歓喜させるに充分なそろい踏みであるはずだし、ロン・シェルトンの様に実績ある監督の手に寄るのなら、ますます期待感は大きいはずだ。だが残念な事に、本作『Just Getting Started』は、オスカーのノミネーションを受けた、あのロン・シェルトンの仕事とは呼べないものだ。これは、定年後の人が属するコミュニティ内の関係性か、あるいは、一番を子供の様に競い合う2人の成人男性を描くのか、はたまた、自分への復讐から逃げられない誰かを描く犯罪映画なのか、シェルトンはその目的が見えないまま脚本を書き上げてしまったのだ。この中の全てのセリフには、いかに実力ある役者達が語ったとしても、ニュアンスを与えられるだけの微妙さも場所も存在していないのである。(Los Angeles Times)」

、と言う様に捉えられてしまった様です。

だとしても、主演の2人のオジサマが発揮する、特別な愛嬌と言うかユーモアからは、悪くないオーラも出ていそうに感じるのですが、どうなのでしょうか?

貴重な経験だんになら、耳を傾けて・・・

昔とった杵づか、なんて表現もありますが、杵なんてもの自体が21世紀の今では見る事すらない遺物です(そういったのは、スマホとかでピポパすると完了するのでしょう、たぶん^^)。

しかし、そんなご時世になった今でも、依然として人間社会の根底を支えているのは情報ではなくノウハウです。だから、超便利な道具がなくとも色々なモノを作っていた、古い人達の話が持つ貴重さは、時代を超えて存在してゆくものなのです。

ハリウッド界隈で言えば、撮影後にコンピュータ処理で画像修正する事など考えられもしなかった時代に、演技やプロダクションデザインを勉強した人の知識は、未だに生きていると言えるでしょう。

そういう話は、可能な限り傾聴するべきです。

とは言え、「俺も昔は荒れたモンだぜ。」なんて繰り返すベテランさんとは、あんまり飲みに行きたくはないですけどね。

ではまたっ!

参照元
The New York Times
Variety
Los Angeles Times

ジェームズ・フランコと最低の駄作:映画「ザ・ディザスター・アーティスト(原題)」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Disaster Artist
    • ザ・ディザスター・アーティスト
  • 制作:
    • 2017年 New Line Cinema / Good Universe / Point Grey Pictures…他

出来が悪いから愛される

議員とか芸能人の、ほんのちょっとの言い間違いやワードチョイスの悪さ、はたまた、声色の使い方までが、全社会的な炎上を巻き起こす最近の日本社会です。

そんな様子を見ていると、この世界に存在できるのは、一点の汚れもなく理論的に完璧なプロポーションを持ったものだけ、と誰かが主張しているようにも感じます。

でも、その反面、ルックスなどが若干以上にデフォルメしている動物とかキャラクターが、ブサかわ、キモかわ、と人気を集めたりするので、これまた、人の価値観の多様さを再認識させられる、興味深い事柄ともなっているのです。

まぁ、完璧に均整の取れたモノとかヒトだけで、自分の周囲を固めるのも悪くありませんが、それでは変化も無いし、選択の幅が狭くなってしまうのも事実でしょう。逆に、もの凄く不出来なモノの中を探索してみると、今まで接した事がなかった、面白くて愛すべき対象がみつかる可能性もあります。

映画でも、あまりに酷い出来の作品は、逆に、物見高い人達の関心を引くという事も有る様で、そんな作品の一つが、2003年に公開された低予算映画「The Room」でした。

「最低だから見てみたい」と言う、理屈では説明できない様なカルト的人気を今も誇るこの映画。実は、俳優ジェームズ・フランコのお気に入りでもある様で、そんな事情から、彼が監督・主演、そして制作にも関与して作りあげたのが、今回ご紹介する新作映画「The Disaster Artist」なのです。

原点となった(名)駄作へのリスペクトも充分盛り込んだという、この作品。一体、どんな作りなのでしょうか? 【続きを読む】 “ジェームズ・フランコと最低の駄作:映画「ザ・ディザスター・アーティスト(原題)」の評価・あらすじ”

デル・トロとUMAとロマンス:映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Shape of Water
    • シェイプ・オブ・ウォーター
  • 制作:
    • 2017年 Bull Productions / Double Dare You / Fox Searchlight Pictures

高等生物ならばこそ

話によると、1950年代の中ば、第34代合衆国大統領であったドワイト・D・アイゼンハワーは、外宇宙から飛来したエイリアンとの会見を実現し、アメリカと彼らの間に一つの協定を成立させたと言います。

その協定では、合衆国政府がエイリアンに対して、北米大陸での人間を対象にした生体実験を許す見返りとして、彼らの超技術を独占的に供与される約束を得た、というのです。

しかしながら、100光年も遠くからワームホールを通過してやってきた、超絶科学の持主である彼らが、いかにその時代の地上の大国であったとは言え、50年代のアメリカなぞとわざわざ協定を結ぶ必要が有ったのか、そこは疑わしい所です。

まぁ、夢は有るけれど真偽のほどは分からない、そんな陰謀オカルト説の一つがこのストーリーと言えるでしょう。

仮に彼らが実在したとして、エイリアン連中から見れば、人間なんて地上に上がったウーパールーパーとさして変わりませんから、もし彼らが地球に来ていると言うのであれば、どちらにしても生体実験が行われているのは確実な気はします。

同時に、エイリアンアブダクション問題が、所詮、都市伝説の1つに過ぎないと言うのであれば、自分より下等だとみくびった相手には凄く酷い仕打ちでも平気で行うという人間の本質的な残虐さを、深いところで皮肉った話なのかもしれません。

さて、冷血な残酷さ、そして、献身的な優しさ、その両方を同時に備えるのが人間性というもの。そんな説明のつかない矛盾をはらんでいるからこそ、映画の基本的なモチーフとして面白い訳です。

今回ご紹介する映画「シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)」は、そう言った2つの性質の真ん中に、一体の異生物を置いて描かれた、ファンタジックでロマンチックかつスリリングなドラマのようです。

監督を務めたのは、誰あろう、あのギレルモ・デル・トロです。 【続きを読む】 “デル・トロとUMAとロマンス:映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の評価・あらすじ”

マギー・Qが光をあててしまった眠りの恐怖:映画「スランバー(原題)」の評価

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Slumber
  • 制作:
    • 2017年 Tea Shop & Film Company / Goldcrest Films International

毎夜、アナタとあちらの世界をツナげる扉が開く

人間の脳というのは、その全容積の10%しか活動していない、という俗説が有ります(いや、有りました。)

それは、休止状態にあると思われる脳細胞を全て活動させる事ができたら、自分も、とてつもなく凄い知性や認知能力が発揮できるハズ・・・、という妄想を刺激する説でもありますね。

まぁ、都市伝説というのは、合理的な根拠が薄いのが良いところなので、込み入った領域の話はここではパスします。

とはいえ、僕らの意識では把握しきれない深い部分で、脳みそが何等かの未知なる機能を果たしている事は確かです。そして、様々な超常現象の究明が、そういった部分に答えを求めているのも事実で、脳の奥底に隠された不思議な霊能力が、人間の意識が半ば眠っている状態の時に発揮されやすいという考え方もあるようです。

だから、ベッドでうとうとした時の枕元に立った御先祖様が残した、庭の南の角を掘れ、なんてお告げ通りにそこを掘り起こしたら、古い小判が一つ出てきた、、、なんてエピソードにも、少しばかりの信憑性が感じられてきます。

さて、同じ睡眠時に見るヴィジョンでも、小銭稼ぎになるものばかりではありません。と言うか、逆に、とても恐ろしいモノばかり見ると言う人も多いはずですよね。また、映像や声のイメージだけでなく、金縛りにあうケースも考えられます。

そして実は、その現象の正体は、とてもとても、とっても恐ろしいものなのだ、、、と言うのが、今回ご紹介するホラー映画「Slumber」の基本プロットです。

あなたが、暗闇の中で意識という防御壁を停止させ無防備になる瞬間。かたわらの暗がりの中で襲いかかるチャンスを伺う存在とは、一体、何者なのでしょうか?・・・ 【続きを読む】 “マギー・Qが光をあててしまった眠りの恐怖:映画「スランバー(原題)」の評価”

名作小説の誕生秘話、映画「The Man Who Invented Christmas」の評価

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Man Who Invented Christmas
  • 制作:
    • 2017年 Mazur / Kaplan Company …他

今や数十億人に愛される、1人の作家のクリスマス寓話

あらためて思うと、聖書の中に「12月25日は主の生誕された日であるので、世界中の信徒はこれを心して祝せよ」とか、「主の生誕日は、電球の色と数で競い合い盛大に祝意を表せよ」、なんて一言も書かれていない訳です。

それでも、この季節が醸し出すウキウキするようなムードには、僕ら日本人は完全にやられてしまっていて、一年の中でも最も消費が活発になる次期を演出する、重要なアイテムにもなっています。

そして依然として、あの赤と緑と白の色彩に、キラキラの電飾、あきらかにそれと分かるメロディーラインの数々は、聖書の時代のずっと後に生きたどこかの誰かが考え付いた、一つの様式であるに違いないのです。

どの様なトラディションも、人類発生の瞬間から存在した訳じゃないですからね・・・

まぁ、イデオロギーの問題はともかくとして、他者への思いやりとか、いたわり、そして施しの精神という、クリスマスを定義づけるメインテーマでさえ、それを明確にしたのは、結局のところ1人の人物らしいのです。

その人こそ、英国ビクトリア朝時代に活躍した著名な小説家である、チャールズ・ディケンズであり、現代に通じるクリスマスの基本イメージを固める事になったのが、彼の代表的一作「クリスマス・キャロル」なのだ、というのが、今回ご紹介する映画「The Man Who Invented Christmas」のコンセプトです。

19世紀という、ともすると堅苦しい時代を舞台にしながらも、ディケンズがこのおとぎ話を生み出すまでの過程は、ファンタジックかつユーモラス、そしてポップに描かれているというのが、この作品の特徴らしいです。 【続きを読む】 “名作小説の誕生秘話、映画「The Man Who Invented Christmas」の評価”

映画「パパVS新しいパパ 2」:マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルのおかしな父親!?

親の上にその親が乗っかり生まれる、もめ事と笑い話

中学校の頃、国語を教えてくれていたお婆ちゃん先生が、「所詮、親がいなかったらアンタらも居ない訳だから、アンタらなんて絶対に親には叶わないんだよ」、と仰っていたのを記憶しています。

まぁ、僕らが両親に叶わないのなら、両親はその親に叶わず、親の親はその親に叶わなくなってしまい、全ての人間の親である最初のヒト、アダムとイブは、極めて高尚な人でなければならない事になってしまいます。

とは言え現実に人間は、その年齢に関わらず皆が等しく無責任だし、幼稚で自己中心的で低俗なもの。だからこそ、パパと息子、ママと娘の間には、身内に独特のライバル関係が生じたりする訳です。

多分、ハリウッド映画のシナリオテンプレートには、そういった親子関係をいじくる構図が組み込まれている様でして、今回ご紹介するホリデー向けコメディー映画「パパVS新しいパパ 2(Daddy’s Home 2)」もまさにその一本です。

この映画、2017年のクリスマス、家族のお手本にならなければいけないはずのパパ達の前に、もっと手強いお父さん達が立ちはだかり、家族の休日が大騒ぎになるという話らしいのですが・・・ 【続きを読む】 “映画「パパVS新しいパパ 2」:マーク・ウォールバーグとウィル・フェレルのおかしな父親!?”

映画「ジャスティス・リーグ(Justice League)」の気になる評価とは?

今年最後のヒーロー祭り開催

スーパーヒーローをアイコニックにしている要素は、そのコスチュームと能力の組み合わせで表現されるキャラクターです。すなわち、その2つの部品が彼らについての全てを語っていると言えます。

中の人を差し替えて何度でもリブートが出来るという、映画的には非常に大きなメリットも生み出している、そんな彼らの強い個性ですが、それでも単純にスクリーンへ投射するだけでは、際立たせる事などできません。彼らの隣には必ず立派な比較相手が必要なのです。

オーソドックスには、強力な悪役を登場させるという手が使われますが、例えば、変形する複雑な作りのロボモンスターとか、海から這いあがって来るクラーケン的なやつとか、直径が3kmくらいあるUFOとか、考えられる限りの怪物はアクション映画に既に登場済みで、今や充分なカリスマ性を発揮できないでしょう。

そこで新たに採用されるのが、何種類かのヒーローを集合させて、観客に彼らの違いを見比べて楽しんでもらおうというアイディア。

そして、最近のハリウッド界隈では、その思惑が事のほか上手く当たっている様子です。

今回は、そんな2017年のヒーロームーブメントをおそらく締めくくる一作である、「ジャスティス・リーグ(Justice League)」について、米国公開時に書かれた本当の評価をいくつかご紹介して行きます。 【続きを読む】 “映画「ジャスティス・リーグ(Justice League)」の気になる評価とは?”

映画「オリエント急行殺人事件」の気になる評価とは?

蘇る伝説の名探偵

どんな時代においても、オッサンは「俺たちの時代はよかった」と言うものです。

その言葉は、便利になりすぎた時代に育った若者の文化を揶揄する目的で発せられるものですが、人類社会が単一方向にだけ発展するものである以上、常により簡単で便利になり過ぎているものなんです。

ただ、不便だった何十年か前の方が、社会の中に趣きが感じられたというのは事実で、それ故、ファッションや映像芸術といった分野には、常にノスタルジー趣味というテーマが横たわっています。

過去の時代はビジネスになる・・・

古い物は、若者の目にとっては新鮮に映るものだし、それが1930年代の文化や当時のセレブの生活などであれば、今の劇場のスクリーンに投影しても充分に金が取れるのではないか、大手映画会社のエリート企画部員がそう考えたとしても、何ら不思議ではありません。

かくして、その社名自体に遺物のような響きのある20世紀フォックス社が、1934年当時の豪華列車での旅を舞台にした名作ミステリーを、21世紀の今に再映画化する段取りとなりました。

その(新作)映画「オリエント急行殺人事件」、映画界の各分野・年代からオールスターキャストを集め重々しくも作り上げられた名作です。そしてそれが故に、プロの厳しい批評眼で評価されている一本でもあります。

今回は、その映画が受けた評価をいくつかご紹介する事にしましょう。 【続きを読む】 “映画「オリエント急行殺人事件」の気になる評価とは?”

映画「レディ・バード(Lady Bird)」:グレタ・ガーウィグが描く女子高生のリアル

さりげない日々に埋もれたストーリー

人間は、体験から学習する生き物。ですから、人が人生を構築しようとする時、周囲の環境からは計り知れない影響を受ける事になります。

なので、子供がまっすぐに成長してゆくためには、最低限の環境は不可欠。

まず、しっかりとした関心を子供に向けてくれる両親の下に生まれ、校則は厳しくてもちゃんとした教育方針のある学校に入れてもらい、適当に規則をやぶりつつも先生とは敵対する事もなく過ごし、恋をしてその先の事も知り、高校を卒業し希望通りの大学へ入学する。

その人の人生の初期段階で、こういう、とても普通の事柄が連なっていさえすれば、将来的には、一流企業とか芸能界に入ったとしても必要不可欠とされる人材に育ってゆくのでしょう。

ただ、普通の出来事を列挙するストーリーって、映画ビジネスの中では売り物になるのでしょうか?

実は、今回ご紹介する映画「レディ・バード(Lady Bird)」は、とある女子高生のリアリティをハートフルに描いたという事で、すこぶる評判の良い作品らしいのです。

ここで、自身の出身地であるサクラメントを舞台にしたストーリーを描いたのが、女優のグレタ・ガーウィグで、本作が監督としてのデビュー作ともなっています。

ガーウィグ監督の代わりに、自分も数年間分年齢をさかのぼって高校生になり切り演じているのが、シアーシャ・ローナン。

と言う訳で、女性目線の効いたラブリーな雰囲気は予想できるのですが、そこにどんな出来事が起こるのでしょうかねぇ? 【続きを読む】 “映画「レディ・バード(Lady Bird)」:グレタ・ガーウィグが描く女子高生のリアル”

マット・デイモン主演ダークコメディ:映画「サバービコン 仮面を被った街」の評価

作品予告編・概要


タイトル:サバービコン 仮面を被った街(Suburbicon)
制作:2017年/Black Bear Pictures(他)

穏健な男の日常が切れる時

世間を騒がすような大騒動を起こした男性を報じるニュースの中で、彼はとても大人しい人だ、なんて周囲の人々が言っているのを見ると、なんとも混乱した気分になる事も多い昨今です。

逮捕された本人の供述が、「ストレスでいらいらしていたからやった」と語っていると伝わると、こちらの方こそイライラさせられる気がします。

とは言え、人は誰も感情を抑圧して生きているものですから、ちょっとの切っ掛けでそれが暴発し狂ったようになるリスクは誰にでもあるのです。だから、「ストレスが原因」というその犯人の発言も、実は人として最も率直な言葉なのかもしれません。

とにかく、見かけ上は平穏な生活も、真の意味で安定していて永遠に安泰という事はありません。あなた自身が壊れずに持ちこたえていたとしても、あなたの人生を崩壊させる事なんて気にもしない輩は、この世界にたくさん居るのです。

さて、不幸にしてそんな悪い奴らの被害にあったひとりが、ガードナー・ロッジ。ここでご紹介する映画「Suburbicon」の題名となっている、新興住宅街にすむ中流階級の男性です。

彼の住む世界は、その犯罪の被害に有った事がきっかけで大きく崩れてしまい、さらには彼自身も壊れてしまったらしいのですが・・・ 【続きを読む】 “マット・デイモン主演ダークコメディ:映画「サバービコン 仮面を被った街」の評価”

映画「Most Beautiful Island」:美しき容姿が導くアンダーグラウンド世界

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Most Beautiful Island
  • 制作:
    • 2017年 Glass Eye Pix

ルックスを売るビジネスの危険な誘惑

現代社会においては、テレビ地上波放送の番組に繰り返し顔を出す事は、国会議員になるよりも大きな社会的影響力を持っています。

毎日、その愛らしい姿を画面の中で披露する芸能人は、遠い議事堂の中で、難しい上にポイントを欠いた話し合いを続ける先生達よりも、ずっと馴染み深い存在ですし、僕達のライフスタイルにも直結している事は確かです。

と言う訳で、カメラのアップに耐える外見が自慢だと言うハンサムで若い男女が、今日もエージェント企業(芸能事務所)のオフィスを訪問しているでしょう。

人間の世の中全体を発展させる原動力としても、そういった夢を追いかける人達の存在は、大切かつ不可欠ではあります。

ですが、そうであったとしてもなお、この芸能人ビジネスには、構造上の大きな問題が1つ有ります。それは、ムードに流されやすい大衆心理が、タレント個人の価値を決定する全権を持っている、という構図です。

そういった業界では、一度あなたに付いたプライスタグも簡単に値を下げてしまいますし、同時にそんな事情が、芸能界は甘くないと言われる根拠にもなっている訳です。

まぁ、別の見方で、外見的上の魅力についての良い面に注目すると、ご自分の姿を人に見せる事で収入を得られるというのは、とても素晴らしい事だとも言えますし、この世界には、そうしなければならない事情を抱えている人々も、また多くいるのでしょう。

さて、今回ご紹介する映画「Most Beautiful Island」の中心に居る一人の美しい女性も、自身のルックスを使って収入を得ようとしているらしいのですが、彼女には、芸能界に挑戦する事も許されない、一つの大きなディスアドバンテージがある様なのです。

この女性が、細々とでもなんとか生活しているのは、世界で一番美しいはずの場所、マンハッタン島。

しかし、彼女につけられる価値はあまりに低く、改善の兆しも有りません。そんな様々な状況に追い詰められ、思い余ったあげく彼女が最後に足を踏み入れた先とは、きらびやかな賑わいの陰にかくれた大都会のダークサイドだったようなのです・・・ 【続きを読む】 “映画「Most Beautiful Island」:美しき容姿が導くアンダーグラウンド世界”