映画「Midnight Special」の前評判

〔大人の世界をひっくり返すのは無垢な少年の眼差し〕

「この世の中を変えなきゃっ」、と声を上げた活動家の人達も、社会を全部ひっくり返した後、そこに作ろうと思っている世界には、結局自分の好みにあう姿を、想像しているんだと思います。

教養の有る無に関わらず、人間は皆、なんやかんや言っても、自分の喜ばしいものだけを優先的に求めるんです。もちろん、悪い事じゃありません。

でも、通常は、それぞれ別個の好みが適当にぶつかり合ってごちゃごちゃになり、大きな一つに結束する事が無いので、結果、この世の中は慣性の法則に従い、ただ一つの方向へと動いてゆくのみです。あるいは、変革を起こしたいと願う人にはパワーが無く、そんなん考えたくもないという人の所に、すんごい能力が授かったりしてるのかもしれません。

つまりまぁ、不安定化しないため、この宇宙はちょうどよい具合に出来上がっているという事なんでしょう。

さて、本人の意思とは関係なく、そのスーパーパワーが与えられちゃったというのが、この映画「Midnight Special」の主役である男の子、アルトン君(ジェイデン・リーバハー)です。彼は今、2人の男性とともに郊外のモーテルに宿泊中。どうやら、いずこかへ向かって急ぎの旅の途中らしいです。

その2人の男性。1人はロイ(マイケル・シャノン)、もう1人はルーカス(ジョエル・エドガートン)と言います。実は、ロイはアルトンの実父。だのに、どうして世の中から身を隠し行動しているか、と言うと、アルトンの事を、強大な組織が狙い追いかけてくるからなんですね。

その組織とは、ポール(アダム・ドライバー)というアナリストが務めるNSAっていう国家機関、もう1つは、カルヴィン(サム・シェパード)という男性が率いる、ちょっと面倒くさい感じの宗教団体です。

でもどうして? 実はアルトンには、世界をぶち壊せるかも知れない程の強い超能力が有るから。NSAは安全保障上の理由で、就航団体はお告げをする役目として、この小さい少年を利用したくて仕方が無いんだそうです。

今、3人は、アルトンの超感覚に従って旅を続けます。途中、彼の母親であるサラ(キルスティン・ダンスト)と会ったりしつつ、ひょっとしたら、彼らにとっての救いが有るかも知れない場所を求め、移動し続けます。

でも、このミステリアスな逃避行を終えた時、果たして彼らに、本当の安息がもたらされるのでしょうか? 【続きを読む】 “映画「Midnight Special」の前評判”