殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について

ヤバい時代こそ、スパイはクールに決めろっ

「世界終末時計」という、シゲキ的な名前のものが存在します。

核戦争が勃発して世界が滅びるリスクを、真夜中0時までの残り時間で表したという、一種のサインがこの時計です。2017年8月現在では、破滅までの残り時間は2分30秒を指しています。

これは、世界が、ソビエト側と欧米側に分かれていがみあっていた、いわゆる東西冷戦の頃に、アメリカの原子力系の科学雑誌が掲載しはじめたもの。でも、現実の核戦争は起こらず、1991年にソビエト連邦が消滅して冷戦も終結。これで一安心という事になった訳です。

確かにそれは素晴らしい事だったと思うのですが、しかし待ってください、世の中が完全に平和になってしまったら、小説やドラマの題材探しは相当困る事になりそうですよね。世界中さがしても、軍や武器どころか争い事も、そしてスパイも無くなってしまう。

まぁ、もしそんな風に理想の世界が生まれたなら、作家達は、冷戦が終わる直前の、最も危険でオイシイ時代に題材を求めて、売れる本を書き続けるのでしょう。

ここで紹介する映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」も、超シゲキ的だった20世紀終盤の、東西陣営がいがみあう最先端の場所に、超イケてる女スパイを放り込んでみた。という、エキサイティングな一本です。 【続きを読む】 “殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について”

新世代クライムアクション:映画「ベイビー・ドライバー(Baby Driver)」について

その若者、暴走させたら凄いんです!

最近、自動車を突っ走らせる映像が結構CMに使われるようになっていて、それはちょっとした驚きでもあります。

若者が、凄い勢いで自動車ばなれしているそうで、クルマ業界には並々ならぬ危機感もあるのでしょうし、同時に、その方面の雇用を守るためにはやむなし、と、CMの放映について某社会教育団体も黙認してくれいているのかもしれませんね。

どちらにしても、映画の中のカースタントという点では、未だにハリウッドにはかなわない日本です。そんなジャンルに再び新風を吹き込むかもしれないのが、エドガー・ライト監督最新作である「ベイビー・ドライバー(Baby Driver)」です。

そのストーリーの中心に居るのが、常にイヤフォンの音楽を絶やさない20代の若者、ベイビー(アンセル・エルゴート)。

実は彼は、凄腕の「逃走ドライバー」で、ドク(ケヴィン・スペイシー)と呼ばれる男性が率いる強盗団が、銀行を襲った後に逃げる自動車の運転をまかされているんです。

強奪行為の後、そんなベイビーの自動車に逃げ込んでくるのは、バディ(ジョン・ハム)、バッツ(ジェイミー・フォックス)、グリフ(ジョン・バーンサル)という3人の男達、そして、ダーリング(エイザ・ゴンザレス)という女性を含めた連中。

といつもこいつも、一クセ以上あるヤバい奴らです。

でも、ジェントルな雰囲気もあるベイビーは、そんな連中とはちょっと違う人間のようにも思えます。不思議なことに、彼は、自分の養父の事もちゃんと大切にしているんです。

さて、そんなベイビーに人生を変える出会いが訪れます。街のダイナーでウェイトレスをしている、デボラ(リリー・ジェームズ)という女性です。

本当は、ベイビーは、犯罪稼業から足を洗って完全に姿を消したいと願い続けており、デボラもまた、こんな街を出て、もっとチャンスの有る所で暮らしたいと思い続けていました。そんな二人が引かれ合うのも自然な成り行き。

ただ、ドクが思いつく強奪のプランがどんどん大きくなるにつれ、一味の行為もどんどんエスカレートして破壊的になって行きます。もちろん、警察のマークも半端なく厳しいものに、、、

果たして、ベイビーとデボラは、平穏な生活など手に入れる事が出来るのでしょうか? 【続きを読む】 “新世代クライムアクション:映画「ベイビー・ドライバー(Baby Driver)」について”

映画「メカニック:ワールドミッション」:ジェイソン・ステイサム、殺しは愛のために

〔殺しのカリスマが愛の危なさを知る〕

ジェイソン・ステイサム主演で作られた2011年のアクション映画「メカニック」が、5年の時を経て復活(Resurrect)しました。

その名も「メカニック:ワールドミッション(Mechanic: Resurrection)」

師弟間の信頼と緊張を描く一つのドラマでもあったのが、シリーズ1作目でもある前作。そこでは、ともすれば小さな仕事ばかりしていたかもしれない、アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)ですが、今回のミッションはワールドワイドに大風呂敷、らしいです。

まぁ、あらすじは、他の優秀な映画サイトがたくさん載せていると思うので、ここでは省略させていただきます。もう引退してのんびり暮らしているはずの彼が、何故、再びハラハラドキドキの暗殺ミッションに身を投じるか、と言うのが一応の中心軸になってるみたいですね。

えぇ、もちろんそれは、悪いヤツに拉致された恋人を救うため。その女性がジェシカ・アルバさんですから、自分のガールフレンドと共に劇場へ足を運ぶ男子の観客諸君も、相当、ストーリーに入れこんでしまうでしょう。 【続きを読む】 “映画「メカニック:ワールドミッション」:ジェイソン・ステイサム、殺しは愛のために”

映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男(Criminal)」:凶悪なケビン・コスナーを書き換えてみると・・・

〔ふさわしくない者に頼らねばいけないこの世界〕

ヒトが存在するために一番必要なもの、それは心です。まぁそれも、上手く機能してるものから、ちょっとバランスが怪しいやつまで、色んな種類の心が有るんだと思います。

本当は、ヒト同士心で通じ合える、と思いたいですけどどうなんでしょうね。人間ていう、同じ種類の動物なかでも結構ヤバい人ってのも見受けるので、例え通じ合えたり理解しあえたところで、利害が一致するかはまた別の問題だったりします。

本当にヤバい犯罪者を、なにかの積極的な方法でまともな人にする事は可能か?。例えば、この映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男(Criminal)」みたく、外科的にちょっと脳みそをいじったら人格の矯正とか出来るんですかね、、、。あ、まぁ、この物語は、その犯罪者ジェリコ・スチュワート(ケビン・コスナー)さんを救おうとした訳じゃないらしいんですけどね。

実は、ジェリコの脳みそをいじくったのは、CIAのために働くDr.フランクス(トミー・リー・ジョーンズ)。なんでも、人の記憶を外科手術で移植する研究の一人者らしいんです。そして、今回の手術はなんとか成功しちゃったんですね。ちなみに、ジェリコは幼少の頃の事故がもとで、脳に障害が残っていて、人の感情や感覚などを一切共感できないんだそう。

さて、移植されたその記憶とは、ロンドンで諜報活動をしていたCIAエージェント、ビル・ポープ(ライアン・レイノルズ)のもの。この諜報員は、ひょっとしたら世界の危機を救えるかもしれない情報を持ったまま、命を落としてしまったんです。

その情報はこうです。ダッチマン(マイケル・ピット)と呼ばれる天才ハッカーが、アメリカ軍の持つ全兵器の制御を手中に収める方法を見つけたらしく、その技術を使って全世界の国家を破壊しようとする、ヤバい連中もいるらしい、、、と。

CIAロンドン支局長の、クエーカー・ウェルズ(ゲイリー・オールドマン)は焦っています。もし、その想定が正しかったら、テロリストより先に、何としてもダッチマンの手口を奪取しなければならない。そこで、最終手段として上がったのが、例の記憶移植術だった訳です。

それで一応記憶は復元できたとは言え、その情報をCIAが思った通りに活用できるかは別問題です。脳みそいじられたからと言っても、ジェリコは依然としてただの犯罪者。だけれども、家族を愛し幸福を願ったビルの健全な記憶が、ジェリコの行動に影響を与えはじめました。

でもそれが、この事態をさらに複雑・不安定なものにしてしまったんです・・・ 【続きを読む】 “映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男(Criminal)」:凶悪なケビン・コスナーを書き換えてみると・・・”

映画「エンド・オブ・キングダム(London Has Fallen)」の前評判

〔強化された大統領の危機管理が世界を救う!?〕

「前代未聞だったあの◎◎事件から◎年、しかし、世界を震撼させた脅威は消え去っていなかった・・・」、というスリラー系の映画としても常套手段と言える、シナリオの延長作戦により観客を掴むのが、この新作映画「エンド・オブ・キングダム(London Has Fallen)」です。

アクションスリラーでは、常に大事件は、一人(か二人)のヒーローの廻りばかりに集まるもの、と言う訳で、今回も、悪辣なるテロリストとガチな対決をするのが、敏腕シークレットサービスである、マイク・バーニング(ジェラルド・バトラー)、そして彼が体を張ってでも守り切るとコミットした相手こそ、あの大統領、ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)です。

今、彼らはロンドンに到着しました。先ごろ突然他界した英国首相の国葬へ参列するため、この地を訪れているのです。そして、2人を含む要人達を待ち受けていたのは、英国政府によるもてなしだけではありませんでした。

なんと、あの凶悪テロリスト、アマー・バーカウィ(アロン・アブトゥブール)は生きていて、西側先進国の首脳が全員集合するという絶好のこの機会に、史上最悪のテロリズムをしかけようと策略をねっていたのです。

テロ集団は、大量の人数と大量の武器をそろえ、一気にロンドンを制圧しようと攻撃を開始。しかしアッシャー大統領だけは、バーニングの機転により、なんとか一時的に難を逃れます。

しかし、今や、街中のいたるところにテロリストの手下がおり、激しいカーチェイスの末、結局孤立してしまったバーニングとアッシャー大統領の2人。その大統領を捉えようと、バーカウィは、米国にいるトランブル副大統領(モーガン・フリーマン)へと脅迫のビデオメールを送り付けます。

彼の目的は、大統領の処刑を全世界へ向けネット中継すること、もし、大統領を引き渡さなかったら世界中の大都市で、ロンドンと同様に大規模な破壊工作を行う、そう言ってきたバーカウィ。米国政府じゃなくたって、どちらにしてもそんな話、受け入れることは出来ないに決まってます。

いまや、政府からの援護も期待できず、孤軍奮闘しながら大統領を守るバーニング、果たして彼は、アッシャーを守りながら、テロリスト達を倒す事が出来るのでしょうか? 【続きを読む】 “映画「エンド・オブ・キングダム(London Has Fallen)」の前評判”