地政学と科学のロマンス映画「Submergence」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Submergence
    • サブマージェンス
  • 制作:2018年 会社
  • 日本公開

映画的運命に翻弄される愛:映画「Submergence」

運命とは、実は不確かで、そして残酷なものです。

魂レベルでつながりあえる男女が運命の出会いを果たしても、二人はすぐに引き離され、それぞれ地の果てへ追いやられた挙句、運命が用意した過酷な試練に直面するのです。

そして迎えるクライマックスに、観客は涙を止める事ができません。

・・・

そんな風な映画的ロマンスの典型に、これまで作られてきた各種娯楽作品の大まかな内容を盛り込み、まとめあげたという印象なのが、今回ご紹介する映画「Submergence」です。

ただのラブストーリーで終わらせない、新鮮なアイディアが与えられた映画のようにも思えますが、逆に、ただ甘いムードだけに浸らせてくれないプロットでもある様です。

それを、ジェームズ・マカヴォイとアリシア・ヴィキャンデルという輝くキャストに演じさせたなら、クラシック作にはならなくとも、趣味が合う観客は十分呼び込めるハズ。

そんな読みが、この映画のプロデユーサー達に有ったかどうか分かりませんが、とにかく、大きな物語が展開する作品ではあるようです・・・ 【続きを読む】 “地政学と科学のロマンス映画「Submergence」の評価・あらすじ”

サイコスリラー映画「Unsane」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Unsane
    • アンセイン
  • 制作:
    • 2018年 Extension 765 / New Regency Pictures / Regency Enterprises
  • 日本公開
    • 未定

スティーブン・ソダーバーグが描く現実と幻覚のはざま:映画「Unsane」

鋭いセンスと才能がある映画製作者の頭脳の中には、イマジネーションとビジネスが上手く同居している事でしょう。

その制作者とは、言うまでもなくあのスティーブン・ソダーバーグその人。彼が、ストーリーだけでなく制作手法にまで拘り抜いて作り上げたサイコスリラーが、今回ご紹介する映画「Unsane」です。

今回、信頼する脚本家チームがひねり出した虚と実の混合物を、監督の持つ映画製作的アイディアを駆使しながら興味深く映像化してくれたのが、この作品。

そのモチーフは、自分が普段、見たり聞いたりしている事や話している相手などの全てが、頭の中に生じているただの幻だったら・・・、という不安感です。

映画的には使い古されたと言えなくもない、そんなテンプレートを、気鋭の映像作家が作品に仕上げたらどれほど刺激的になり得るか。そんな部分が興味の的とも言えそうな映画です。

人は現実から逃避する事を望みながらも、一方では、リアリティから切り離される事を恐れる生き物。その辺を上手くつついてかき混ぜたら、まだまだ一流スリラーのネタになるという事でしょうか。

とにかくここでは、1人の女性に付きまとって離れない恐れを追いかける、という事なのですが、一体何が起きるというのでしょうね・・・ 【続きを読む】 “サイコスリラー映画「Unsane」の評価・あらすじ”

10代に溢れる青い殺意:映画「Thoroughbreds」の評価・あらすじ

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Thoroughbreds
    • サラブレッズ
  • 制作:
    • 2017年 B Story / Big Indie Pictures / June Pictures
  • 日本公開
    • 未定

10代女子のいけない決意、映画「Thoroughbreds」

純粋というのは、必ずしも正義と同意語ではありません。

純粋な心というものは、冷淡さの原因ともなり、時にとんでもない罪を犯させる理由にもなります。

だから、より純粋に近いと想定される10代の人間が、社会に大きな波風を立てるような大罪を犯す事もあるのは、ある意味で当然な事なのです。

基本的に自分の衝動に正直で、社会からのモラル的な刷り込みがされていない若者達にとっては、周囲の大人からの期待に反するということが行動規範に成り得ます。

そして彼らは、怖いものを知らず、結果も恐れないその行動は極端になりがち。つまり彼らの行いは、比較的簡単に陰惨な暴力に発展してしまうのです。

多くのホラー映画や小説にとって、大人を翻弄する怖い子供が絶好のテーマとなっているのは、その様な事実が裏に有るからかも知れません。

大きな罪を犯しそうな子供達。

もともと彼らには、とても繊細な扱いが求められる上に、もし、その当人達が美人女子高生2人組だったりしたら、一体全体、守ったら良いのか潰したら良いのか、周囲の大人は相当困惑するはずです。

同時に、才能のある一部の大人は、そこに新しいストーリー性を発見する事も有るのでしょう。そしてそれは、映画になります。

若手女優オリヴィア・クックとアニャ・テイラー=ジョイが、そんな風にヤバい女子高生を演じたという映画が、今回ご紹介する「Thoroughbreds」なのですが、これまた独特の美観と辛辣さを盛り込まれた一本らしいのです・・・ 【続きを読む】 “10代に溢れる青い殺意:映画「Thoroughbreds」の評価・あらすじ”

映画「Most Beautiful Island」:美しき容姿が導くアンダーグラウンド世界

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • Most Beautiful Island
  • 制作:
    • 2017年 Glass Eye Pix

ルックスを売るビジネスの危険な誘惑

現代社会においては、テレビ地上波放送の番組に繰り返し顔を出す事は、国会議員になるよりも大きな社会的影響力を持っています。

毎日、その愛らしい姿を画面の中で披露する芸能人は、遠い議事堂の中で、難しい上にポイントを欠いた話し合いを続ける先生達よりも、ずっと馴染み深い存在ですし、僕達のライフスタイルにも直結している事は確かです。

と言う訳で、カメラのアップに耐える外見が自慢だと言うハンサムで若い男女が、今日もエージェント企業(芸能事務所)のオフィスを訪問しているでしょう。

人間の世の中全体を発展させる原動力としても、そういった夢を追いかける人達の存在は、大切かつ不可欠ではあります。

ですが、そうであったとしてもなお、この芸能人ビジネスには、構造上の大きな問題が1つ有ります。それは、ムードに流されやすい大衆心理が、タレント個人の価値を決定する全権を持っている、という構図です。

そういった業界では、一度あなたに付いたプライスタグも簡単に値を下げてしまいますし、同時にそんな事情が、芸能界は甘くないと言われる根拠にもなっている訳です。

まぁ、別の見方で、外見的上の魅力についての良い面に注目すると、ご自分の姿を人に見せる事で収入を得られるというのは、とても素晴らしい事だとも言えますし、この世界には、そうしなければならない事情を抱えている人々も、また多くいるのでしょう。

さて、今回ご紹介する映画「Most Beautiful Island」の中心に居る一人の美しい女性も、自身のルックスを使って収入を得ようとしているらしいのですが、彼女には、芸能界に挑戦する事も許されない、一つの大きなディスアドバンテージがある様なのです。

この女性が、細々とでもなんとか生活しているのは、世界で一番美しいはずの場所、マンハッタン島。

しかし、彼女につけられる価値はあまりに低く、改善の兆しも有りません。そんな様々な状況に追い詰められ、思い余ったあげく彼女が最後に足を踏み入れた先とは、きらびやかな賑わいの陰にかくれた大都会のダークサイドだったようなのです・・・ 【続きを読む】 “映画「Most Beautiful Island」:美しき容姿が導くアンダーグラウンド世界”

映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」:コリン・ファレルに向けられた復讐の呪い

怨念は燃え尽きるまで消えず・・・

奥ゆかしき文化を誇る我が日本では、昔から、人を呪わば穴二つ、という言い回しが使われています。

他の誰かを恨んで呪い続けたって、むしろ自分にとって、ろくな事はないよという教訓な訳ですが、21世紀の現在でも丑の刻参りは結構行われているという話もあり、やはり未だに、人の世と怨恨というのは切っても切り離せない深い絆で結ばれているのでしょう。

とは言うものの、複数以上の人から呪われて死ねばいいのにと思われている輩が、大空の下を平気で闊歩している反面、その周囲の一般庶民がとばっちりを受けている事も多く見受けられる昨今、恨みの念の効力というのも、かなり疑わしいものでもあります。

何にしても、絶対にすっきり解決する事がないのが、人を恨む、という行いです。

さて、独特な角度から超常現象の存在を認めているハリウッド映画業界では、復讐の呪いの扱い方にも、藁人形&五寸釘というものより多様なスタイルが考案されます。

今回ご紹介するミステリアスなホラー映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(The Killing of a Sacred Deer)」は、呪いが持つ微妙でミステリアスな性質を、上手く取り入れたストーリーで展開する一作なそうですが、どんなお話なのでしょうか? 【続きを読む】 “映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」:コリン・ファレルに向けられた復讐の呪い”

映画「The Snowman」:マイケル・ファスベンダー主演、北欧発のスリラー

マイケル・ファスベンダーを翻弄するノルウェーの殺人鬼

2017年のハロウィーンに向け、いよいよあのジグソウが復活するそうです。

これで、殺戮の展覧会ものホラー映画のブームが再来して、担当する10代の子供達に悪影響が出ないだろうかと心配している、教育関係者の方々も多くいらっしゃる事でしょう。

まぁ、切断されたり破裂したりする人体の描写が、どれくらい映画に必要なウィットとかペーソスになっているかは、演出の意図によって決まって来るものだとは思います。

見ていても、決して趣味の良いとは言えないですが、ある程度までの残虐描写は恐怖を描くためには必要不可欠です。そして、収益性を重要視したハリウッドが、全ての作品でPG13の枠に収まる描写しかしなくなったら、恐怖を描くという文化も衰退・消滅してしまうのでしょう。

それも、また困ります。

なので、エグいホラーを見る楽しみは、とりあえず(R指定で)大人だけの特権とされているのなら、それが映画世界を保つために考案された、賢い均衡点という事になりますね。

さて、今回ご紹介するのは、そういった露骨なアメリカンテイストのホラーではない(はずの)、ノルウェー産のミステリースリラー、「The Snowman」です。

この中でも、女性を無理やり拉致した上で残虐に殺害するという、狂った殺人鬼が登場して、1人の刑事と追いつ追われつのサスペンスを展開するのだそう。

なので一応、血のりの量が多めを何時もご注文される映画ファンにも、それなり訴求する一作のようです。 【続きを読む】 “映画「The Snowman」:マイケル・ファスベンダー主演、北欧発のスリラー”

ホラー映画「フラットライナーズ(Flatliners)」:あっちの世界を垣間見たエレン・ペイジ

全ての終わりの先には何がある?

世の中で、「死」について直接的に言及する事が許されているのは、医者や、一部の学者、そして宗教家くらいのものです。

人が、その人生を終えるという事は、それほどに厳格であり、ある種、絶対的な事象だからです。

そして、この世での命が有効期限を終えた後は、本当に自分という存在は消えてしまうのか?、あるいは、その先にも続きがあるのかは、古くから続く根源的な論争でもあります。

まぁ、死後の世界の実体が誰にも確認できないものなので、諸説紛々とするのは仕方ないところですが、もうちょっとライトに、入り口の部分からこの問題を探求する事もできます。

それが、臨死体験という現象。

世界中で臨床的な事例の報告もあり、かなり現実的な調査・研究が行えそうなのが、人が死ぬ一歩手前で何を体験するかという、このテーマなのです。

同時に、「現実的」で「興味深く」て「ちょっと怖い」、そんな出来事は、そうです、ハリウッド映画の題材としても超ぴったりではありませんか。

と言う訳で、1990年には、この問題が「フラットライナーズ」という娯楽スリラーとして、映画化されました。

今回ご紹介するのは、その21世紀版リメイク作。あっちの世界を覗こうと危険な実験に臨む医学生を、「JUNO/ジュノ」や「X-MEN」でおなじみの、エレン・ペイジが演じています。 【続きを読む】 “ホラー映画「フラットライナーズ(Flatliners)」:あっちの世界を垣間見たエレン・ペイジ”

ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」の評価

天才監督が再び全米を震撼させる

ダーレン・アロノフスキー脚本・監督でジェニファー・ローレンス主演の映画、というだけで、ゴシップ系のニュースには十分ネタを提供し得るのかもしれませんが、そこへ、エド・ハリスとミシェル・ファイファーまで加えたら、一つの映画としても何かが起こりそうな予感が漂いはじめます。

そんな一作が、今回ご紹介する「Mother!」。

‘マザー’と言うと、すべての愛や包容力の象徴となる言葉ですが、時として映画の中では、歪んだ人格や狭量や過去のトラウマなどの象徴として使われる存在です。そしてどちらかと言うと本作では、後者のイメージが近いのかもしれません。

とにかく、2017年のヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映された時点から、色々な所でバズられている話題作が、この「Mother!」だという事ですね。

アロノフスキー監督はこの新作によって、再び米国映画界を震撼させる事になるのでしょうか? 【続きを読む】 “ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」の評価”

若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」の評価

知らぬ土地、知らぬ顔、協力者は約1名

スリラー映画というのは、登場人物を日常ではあり得ない状況へと押し込む事で、おっかないムードを醸成してくものです。

非日常的、という意味で言うと、自分達の文化を守る保守的なコミュニティに、若手のプロフェショナルを送り込み、その人物に一仕事させるというのも、スリラー向けテンプレートの原型でもあります。

小さな事すべてが障害となり、ろくに協力者も居ない環境で活動するのは、どんな人にとっても苦しく、場合によっては怖い事でもありますからね。

見る人に寄っては、その人物が女性だったらなお嬉しいし、たとえば、エリザベス・オルセンちゃんみたいな人なら最高です。

と言うわけで、この映画「Wind River」は、良いスリラーの題材を一通りそろえた作品、とも言えそう。ここでは、保守的な辺境の地に派遣される事になった、若手FBI捜査官をオルセンが演じています。 【続きを読む】 “若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」の評価”

殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について

ヤバい時代こそ、スパイはクールに決めろっ

「世界終末時計」という、シゲキ的な名前のものが存在します。

核戦争が勃発して世界が滅びるリスクを、真夜中0時までの残り時間で表したという、一種のサインがこの時計です。2017年8月現在では、破滅までの残り時間は2分30秒を指しています。

これは、世界が、ソビエト側と欧米側に分かれていがみあっていた、いわゆる東西冷戦の頃に、アメリカの原子力系の科学雑誌が掲載しはじめたもの。でも、現実の核戦争は起こらず、1991年にソビエト連邦が消滅して冷戦も終結。これで一安心という事になった訳です。

確かにそれは素晴らしい事だったと思うのですが、しかし待ってください、世の中が完全に平和になってしまったら、小説やドラマの題材探しは相当困る事になりそうですよね。世界中さがしても、軍や武器どころか争い事も、そしてスパイも無くなってしまう。

まぁ、もしそんな風に理想の世界が生まれたなら、作家達は、冷戦が終わる直前の、最も危険でオイシイ時代に題材を求めて、売れる本を書き続けるのでしょう。

ここで紹介する映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」も、超シゲキ的だった20世紀終盤の、東西陣営がいがみあう最先端の場所に、超イケてる女スパイを放り込んでみた。という、エキサイティングな一本です。 【続きを読む】 “殺人許可証を持つ美女:映画「アトミックブロンド(Atomic Blonde)」について”

スリラー映画「スプリット(Split)」について

心の傷が生み出す不穏な‘チカラ’のストーリー

ホラーやスリラー映画なんてのは、本質的にエクスプロイテーション、つまり搾取なんです。

そして同時に、若手女優の登竜門。彼女達が業界でグレードアップしてゆくための足掛かりでもありますよね。美形のお姉さんが、異常なゴーストやら犯人やらに虐められる様子は、恐怖映画としてはお約束要素です。

まぁ、そう言った業界の事情自体も、若者のやる気に乗じた搾取だと言えなくもないです。そして、単純な娯楽映画であっても脚本とか演出が上手くいった作品には、映画の歴史に名を残す一本に成り得るのもまた事実。

さて、「ハリウッドの鬼才」と称されるM・ナイト・シャマランが、満を持するようにして放つ最新サイコスリラー、この映画「スプリット(Split)」は、業界においてどの位の地位を得る事が出来るのでしょうか。

とりあえず、ここで「恐怖もの映画」にその身を捧げてくれたのが、クレア(ヘイリー・ル・リチャードソン)、マルシア(ジェシカ・スラ)、そしてケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)ら3人の女子達です。

なんと3人は、とある駐車場で異常に非常識な男に襲われ、変なスプレーで意識を奪われたあげく拉致されてしまいます。

気が付くと、気味の悪い地下室のような部屋に監禁されていたケイシー達。そこには窓は無く、妙に綺麗なバスルームだけが備わっています。そしてしばらくすると、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)という男が姿を現しました。どうやら、この人物が誘拐犯らしい。

見た所出口の無い地下室から、なんとか脱出方法を見出そうとあがく3人の女の子達。そんな中、ドアのカギ穴を除いたところ、一人の女性が居る事に気づきました。大声で助けをもとめる3人。

しかし、ドアを開けて入ってきたその人を見た3人は、再び驚愕。なんとそれは女装をしたケヴィンなのです。

いや、正確に言うと、その人間はパトリシアという女性、の人格に切り替わったケヴィン。そう彼は、解離性同一性障害、つまり多重人格だったのです。ケヴィンやパトリシアを含めて、23人の人格を持つのがこの男性、、、。

その人格の中には、3人の被害者達に同情的な態度を見せる者もいます。それを糸口に、なんとか脱出をしようとするケイシー達ですが、事態はだんだん混沌としてゆきます。

ただ、ケイシーだけは、この男性の事を他の2人とはちょっと違う見方でみているようにも伺えます。実は、彼女の心にも過去にまつわる大きなトラウマがあるようです・・・ 【続きを読む】 “スリラー映画「スプリット(Split)」について”

映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?

〔その人の特別な才能がスリルを呼ぶっ〕

ハリウッドが作るスリリングなドラマの中で、ただの平凡な人間が中心となり活躍したという話は、一度も見た事がありません。

まぁ、僕スレ太の集中力と記憶力も並み以下なので、ただ忘れているだけなのかも。

ですが、ハリウッドという場所自体が特別な才能の持ち主の集まる場所です。そんな空気の中で、平々凡々としたヒーローを描く事自体不可能なのかも。また、スリラーの真ん中で凡人が活躍する事も、論理的な整合性に欠けるのですね。

さて、まちがいなく、ベン・アフレックさんは特別な俳優さんで、この映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」の主役を演じています。この映画で彼が役を務めるのはクリスチャン・ウルフと言う名の公認会計士。

実は彼、自閉症の傾向があるのですが、その反面、数字を扱わせたらその才能は天才的なのです。だから、会計士にはぴったりの能力を持っているという訳ですね。

ただ、その性質のおかげで、クリスチャンの子供時代は必ずしも幸福だったとは言えません。友人との関係もそうでしたが、さらに父親からは厳しく扱われてもいました。

そして今、彼はシカゴにあるそれほど大きくもない会計事務所に勤めているのですが、実はそこに秘密があります。彼が相手にするクライアントには、国際的な犯罪組織がいくつかあり、クリスチャンはマネーロンダリングに加担してもいるんです。

まぁ一応、仕事はうまく回っていたものの、やはり財務省には目を付けられていたみたい。今、特捜班リーダーのレイ・キング(J・K・シモンズ)という人が、クリスチャンの周囲を本格的に洗い始めました。その現場担当に指名されたのは、マリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)さん。

頭の良いクリスチャンは、そんな動きをかぎつけたのか、最近、合法的なクライアントを増やしました。ラマー・ブラック(ジョン・リスゴー)という人の設立したベンチャー企業、「リビング・ロボティクス社」です。

このロボティクス社にも会計士がいて、名前をダナ・カミングス(アナ・ケンドリック)さんと言います。でも、そこにもちょっと問題が、、、最近ダナは、雇い主の会社の帳簿に大きな矛盾を発見しちゃったんですね。額にして6100万ドル位でしょうか。

おなじ会計士ですから、クリスチャンとダナの間には交流が生まれ、そしていつしか二人は、この巨額の会計疑惑を追い始めます。それが、想像を超えた巨悪の存在を明かす事になるとは思いもしないまま・・・。 【続きを読む】 “映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?”