若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」について

知らぬ土地、知らぬ顔、協力者は約1名

スリラー映画というのは、登場人物を日常ではあり得ない状況へと押し込む事で、おっかないムードを醸成してくものです。

非日常的、という意味で言うと、自分達の文化を守る保守的なコミュニティに、若手のプロフェショナルを送り込み、その人物に一仕事させるというのも、スリラー向けテンプレートの原型でもあります。

小さな事すべてが障害となり、ろくに協力者も居ない環境で活動するのは、どんな人にとっても苦しく、場合によっては怖い事でもありますからね。

見る人に寄っては、その人物が女性だったらなお嬉しいし、たとえば、エリザベス・オルセンちゃんみたいな人なら最高です。

と言うわけで、この映画「Wind River」は、良いスリラーの題材を一通りそろえた作品、とも言えそう。ここでは、保守的な辺境の地に派遣される事になった、若手FBI捜査官をオルセンが演じています。

キャスト&スタッフ

  • 監督:
    • テイラー・シェリダン
  • 脚本:
    • テイラー・シェリダン
  • 制作:
    • ブレイデン・アフターグッド
    • エリザベス・A・ベル
    • ピーター・バーグ…他
  • 出演:
    • エリザベス・オルセン
    • ジェレミー・レナー
    • グラハム・グリーン
    • タントゥー・カーディナル
    • テオ・ブライワンズ…他

あらすじ

そこは、厳寒の荒野。ワイオミング州の辺境に存在するネイティブアメリカン居留地、「ウィンドリバー」。

雪灯りに照らされたある夜、誰もいない雪原を一人の少女がよろめきながら走っています。まるで、何かから逃げている様に。

翌朝、この場所を通りかかったアメリカ合衆国野生動物庁のレンジャー、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)が、その女性の遺体を発見。当局へ通報しました。

当局と言っても、この広大な土地の治安を守る警察官は、署長のベン(グラハム・グリーン)と6人の部下だけ。普通の都会とはかなり事情が違います。

そんな体制では、異様な殺人事件を取り扱う事も簡単な事ではなさそう。

とにかく遺体を調べたところ、酷い暴行を受けた後に殺された事が判明。この土地が、インディアンの居留地である事から、結局、操作の管轄はFBIになりました。

ですがこれも、FBIにとっては小さすぎる事件。という訳で、捜査の担当に抜擢されたのが、まだ駆け出しの捜査官、ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)。

でも、彼女にとっても、都会とは違う厳しい自然の真っただ中、たった一人で捜査を続けるのは困難。という事で、ジェーンはコリーにガイド役を依頼し、2人の協力体制のもとで犯人捜しが開始されました。

実はコリーの愛娘もまた、3年前に誰かに殺害されています。しかも、今回殺された女の子とは親友同士の間柄。彼にとっては、痛々しい記憶を呼び覚まされると同時に、何か嫌な雰囲気を感じる事件でもあります。

コリーの家庭生活は、3年前の事件がもとで崩壊していて、今では、離婚した妻のウィルマ(ジュリア・ジョーンズ)とは、まともな会話すらできません。

果たして、殺人犯はどこに居る誰なのか?、コリーの娘の事件と今回の事件は関係あるのか?、外の世界と違う独特な風習のあるこの土地で、ジェーン達は少しずつ真相へと近づいてゆくのですが・・・

演技に理解ある新人監督の描くスリラー、気になるその評価は?

特に人見知りや内向的でない人でも、まったく知らない環境に入って見知らぬ顔に囲まれれば、ある程度以上の緊張を強いられるものです。

観客の殆どが、その状況の不快感を記憶しているからこそ、スリラーやサスペンスのシナリオが機能して、見ている側に不安感を植え付ける事が可能な訳です。

同時に、大抵のスリラー映画というものは小型映画で、工夫や抑制によって出来上がっているのが美点となっているもの。だから、人間が潜在的に抱え込んだ恐れを、上手く刺激する事も必要になるんですね。

そういうスパイスの効いたような小型作品から、時にスマッシュヒットが飛び出すのも、映画の世界の面白い所であるのですが、本作の作りはどうかと言うと、

「本作『Wind River』は、2015年の『ボーダーライン』や2016年の『最後の追跡』で脚本を書いていたテイラー・シェリダンにとって、劇場映画監督としての正式なデビュー作である。そして今回の物語は、以前の作品からは何ステップか後退していながら、それらの延長としても出来上がっていて、強力であり、なかなか見ごたえのある一作である。(Chicago Tribune)」

、という評価や、また、

「この、ワイオミング州の辺境にある、犯罪と野生動物の脅威にさらされたネイティブアメリカン居留地は、これまで一定の名を残してきているテイラー・シェリダンが、さらに上質なスリラーを語るための舞台となった。既に脚本家として実績のある彼は、(撮る側と演じる側で)カメラの両側に立つセンスが光る人物であろう。監督を務めた本作では、そこに並ぶ年期のはいった人々の存在感を、確実な手腕でコントロールしてみせている。(Miami Herald)」

、と書かれていたりして、華美な装飾はされていなくとも良質な一作である印象が伝わります。

まぁ、こういった映画には、設定や描写そして演出の自由度がとても重要なはずで、そういった方面で無理な規制を受けない、R指定となっているのもうなずけるところ。

もともと、おもちゃ箱をひっくり返した様な子供むけアドベンチャーなんて、想定もしていないはずの映画ですが、

「この映画は、半分が腕前により、他の半分は着想によって構築された映画である。物語の中、観客達が抱く大きな不安に決着をつけるための長い回想場面があるが、そこも映画要素のミックスが光る部分だろう。それは、良く錬られた構成でありつつ、見るにもキツい場面で、ドラマ性を強化する事より、むしろ観客をそこから放りだしてしまう位のものとなっている。そして、人のむごさをドラマ化する時に、はたしてどの程度の苦痛を描写したらよいのか?、という疑問をも想起させる。とはいえ、ここでの私的な処罰のありようも、『最後の追跡』で見せたものに比べると、かなり説得力の落ちるものではある。(Chicago Tribune)」

、と言う事で、スリラー&ミステリー好きが期待してよい映画です。

、最後に、

「男女間、そしてインディアンから白人の領域に亘る種族主義についてを、シェリダンは多層的なストーリーとして描いてゆく。そこでは、時に乱暴な物言いにより、別の時には武器さえ振りかざしながら、敵がい心が表面化する。この映画の中は、警官による通常の事情聴取が、あっという間に銃を用いた争いへと発展するという世界である。観客同様、そこで不信感を募らせてゆくエリザベス・オルセンは、キャラクターの存在や時間的流れさえも、予想外の方向へと展開してゆく物語のなかで、我々にとっては完璧な疑似体験者の役割を果たしてくれる。(Miami Herald)」

、との事です。

本質的に、文化的な多様性の維持を国是にしているのがアメリカ合衆国です。そして、このストーリーは、米国内にある仮想の国境を超えた先で展開するもの。

歴史的には色々と遺恨も残っているでしょうが、現代では、異文化が隣り合って存在するシチュエーションこそが、良い映画の題材でもあり、結局、ハリウッド映画発展の原動力となっていると思います。

ハリウッドが世界中から才能を集め続けているのは、その状況がクリエーター達にとって魅力的だからなんですね。

惨殺事件を追う美人捜査官、日本では受ける?

宇宙を揺るがすVFXが炸裂する、夏休み映画祭りの最中にリリースされたのが、映画マニアでない人からみてもマイナーな一本であるこの作品。それも、限定劇場公開ではなく、一応、全米一斉公開です。

まぁ、一応、北米大陸も日本と同じ真夏であり、そんな猛暑の中で極寒の雪原をスクリーンに映し出して、若干の涼を提供するというのも、ビジネス的に良い選択ではあります。

そしてもちろん、監督のテイラー・シェリダンと、エリザベス・オルセンとジェレミー・レナーをはじめとする役者達への信頼感が、この作品を押しているのも間違いないでしょう。

いつも通りに、日本公開があるかどうかは未定(2017年8月中旬現在)。

これも、レンタル版ダイレクトになってしまうのでしょうか・・・

それではまたっ。

参照元
Chicago Tribune
Miami Herald

スリラー映画「スプリット(Split)」について

心の傷が生み出す不穏な‘チカラ’のストーリー

ホラーやスリラー映画なんてのは、本質的にエクスプロイテーション、つまり搾取なんです。

そして同時に、若手女優の登竜門。彼女達が業界でグレードアップしてゆくための足掛かりでもありますよね。美形のお姉さんが、異常なゴーストやら犯人やらに虐められる様子は、恐怖映画としてはお約束要素です。

まぁ、そう言った業界の事情自体も、若者のやる気に乗じた搾取だと言えなくもないです。そして、単純な娯楽映画であっても脚本とか演出が上手くいった作品には、映画の歴史に名を残す一本に成り得るのもまた事実。

さて、「ハリウッドの鬼才」と称されるM・ナイト・シャマランが、満を持するようにして放つ最新サイコスリラー、この映画「スプリット(Split)」は、業界においてどの位の地位を得る事が出来るのでしょうか。

とりあえず、ここで「恐怖もの映画」にその身を捧げてくれたのが、クレア(ヘイリー・ル・リチャードソン)、マルシア(ジェシカ・スラ)、そしてケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)ら3人の女子達です。

なんと3人は、とある駐車場で異常に非常識な男に襲われ、変なスプレーで意識を奪われたあげく拉致されてしまいます。

気が付くと、気味の悪い地下室のような部屋に監禁されていたケイシー達。そこには窓は無く、妙に綺麗なバスルームだけが備わっています。そしてしばらくすると、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)という男が姿を現しました。どうやら、この人物が誘拐犯らしい。

見た所出口の無い地下室から、なんとか脱出方法を見出そうとあがく3人の女の子達。そんな中、ドアのカギ穴を除いたところ、一人の女性が居る事に気づきました。大声で助けをもとめる3人。

しかし、ドアを開けて入ってきたその人を見た3人は、再び驚愕。なんとそれは女装をしたケヴィンなのです。

いや、正確に言うと、その人間はパトリシアという女性、の人格に切り替わったケヴィン。そう彼は、解離性同一性障害、つまり多重人格だったのです。ケヴィンやパトリシアを含めて、23人の人格を持つのがこの男性、、、。

その人格の中には、3人の被害者達に同情的な態度を見せる者もいます。それを糸口に、なんとか脱出をしようとするケイシー達ですが、事態はだんだん混沌としてゆきます。

ただ、ケイシーだけは、この男性の事を他の2人とはちょっと違う見方でみているようにも伺えます。実は、彼女の心にも過去にまつわる大きなトラウマがあるようです・・・ 【続きを読む】 “スリラー映画「スプリット(Split)」について”

映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?

〔その人の特別な才能がスリルを呼ぶっ〕

ハリウッドが作るスリリングなドラマの中で、ただの平凡な人間が中心となり活躍したという話は、一度も見た事がありません。

まぁ、僕スレ太の集中力と記憶力も並み以下なので、ただ忘れているだけなのかも。

ですが、ハリウッドという場所自体が特別な才能の持ち主の集まる場所です。そんな空気の中で、平々凡々としたヒーローを描く事自体不可能なのかも。また、スリラーの真ん中で凡人が活躍する事も、論理的な整合性に欠けるのですね。

さて、まちがいなく、ベン・アフレックさんは特別な俳優さんで、この映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」の主役を演じています。この映画で彼が役を務めるのはクリスチャン・ウルフと言う名の公認会計士。

実は彼、自閉症の傾向があるのですが、その反面、数字を扱わせたらその才能は天才的なのです。だから、会計士にはぴったりの能力を持っているという訳ですね。

ただ、その性質のおかげで、クリスチャンの子供時代は必ずしも幸福だったとは言えません。友人との関係もそうでしたが、さらに父親からは厳しく扱われてもいました。

そして今、彼はシカゴにあるそれほど大きくもない会計事務所に勤めているのですが、実はそこに秘密があります。彼が相手にするクライアントには、国際的な犯罪組織がいくつかあり、クリスチャンはマネーロンダリングに加担してもいるんです。

まぁ一応、仕事はうまく回っていたものの、やはり財務省には目を付けられていたみたい。今、特捜班リーダーのレイ・キング(J・K・シモンズ)という人が、クリスチャンの周囲を本格的に洗い始めました。その現場担当に指名されたのは、マリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)さん。

頭の良いクリスチャンは、そんな動きをかぎつけたのか、最近、合法的なクライアントを増やしました。ラマー・ブラック(ジョン・リスゴー)という人の設立したベンチャー企業、「リビング・ロボティクス社」です。

このロボティクス社にも会計士がいて、名前をダナ・カミングス(アナ・ケンドリック)さんと言います。でも、そこにもちょっと問題が、、、最近ダナは、雇い主の会社の帳簿に大きな矛盾を発見しちゃったんですね。額にして6100万ドル位でしょうか。

おなじ会計士ですから、クリスチャンとダナの間には交流が生まれ、そしていつしか二人は、この巨額の会計疑惑を追い始めます。それが、想像を超えた巨悪の存在を明かす事になるとは思いもしないまま・・・。 【続きを読む】 “映画「ザ・コンサルタント(The Accountant)」:ベン・アフレックがマフィア系から仕事を受けるワケとは?”

映画「ガール・オン・ザ・トレイン」:エミリー・ブラントが捕らわれる、悲哀と疑念の罠

〔見たはず聞いたはずなのに、憶えていないのはナゼ?〕

真夏のスリルと言えば、ビーチとかで出会ったイケてる異性を、友人と自分のどっちがものにできるか、という競争にあります。

でもまぁ、秋になればそんな「熱さ」よりも、落ち着いた「謎とき」の方が具合よくなるんです。ハロウィーンも近づきますしね。

んなワケで作られた一本が、テイト・テイラーさんていう作家が2015年にヒットさせたミステリー小説の映画化である、この「ガール・オン・ザ・トレイン(The Girl on the Train)」て事のようです。

ひと月くらいの遅れで、日本でも公開される予定だから、僕みたいなのがここで書く情報なんて無意味ですが、とはいうものの、少し大人な気分になって見てみるには良さげな映画みたい、って事は言えそう。

あらすじも、他の優れた映画サイトが紹介していると思います。ざっくり言うと、主人公はレイチェル(エミリー・ブラント)さん。彼女はアルコール依存症で、そのため仕事も結婚生活も失い悲しい人生を過ごしています。

飲酒以外でレイチェルの日課といえば、元夫のトム(ジャスティン・セロー)と新しい妻アナ(レベッカ・ファーガソン)に、ストーカーまがいな行為を働いたり、彼らの家を通過する列車の中から監視しようとしたりする事。

そんなことをしているうち、同じ沿線に立つもう一軒の家も監視するようになるレイチェルですが、ある日、予想していなかったものを目撃してしまいます。それが、彼女に襲い掛かる恐ろしい事件のはじまりでした・・・。

という感じです。 【続きを読む】 “映画「ガール・オン・ザ・トレイン」:エミリー・ブラントが捕らわれる、悲哀と疑念の罠”

映画「ドント・ブリーズ(Don’t Breathe)」について

〔襲ったはずの自分達が一人ずつ餌食にされる・・・〕

どの世界でも、ルール無視を決め込んだものが一番強いというのは事実でしょう。ただ、強さについて考えると、どんな分野においても上には上が居るもの、とも言えます。

結局、悪い事をして勝とうと思ったら、どの位の勢いで人の道を踏み外せるか、にかかってくるんです。

また、良い行いでも悪事でも、人が何かをやろうとしたら動機や理由付けが必要ですよね。でも、本当に邪悪でモンスター級の輩は、一般的な考えでは理解できない理由を持っていそうです。ここで紹介する映画‛Don’t Breathe’は、一応の理由が有って強盗に押し入った若者グループと、その家の家主、どちらの悪さが強かったか?、というお話しのようです。あらすじとしては、以下のよう、、、

合衆国はデトロイトに住む女の子、ロッキー(ジェーン・レヴィ)は、すぐにでもまとまった金が欲しいと思っています。でもそれには、ちゃんとした理由が有るんです。

彼女には妹、ディディー(エマ・バーコービチ)が居ますが、2人の母親は、ほぼ育児放棄状態。だからロッキーの願いはただ一つ、家を飛び出してカリフォルニアに移り住む事だけなんです。

ロッキーと、その仲間アレックス(ディラン・ミネット)、マネー(ダニエル・ゾバト)ら3人は、普段から、そこそこ金の有りそうな家に押し入っては、さほど罪にならなそうな額を盗んでいる窃盗団をやっています。そして今、マネーがちょっとした話を聞きつけてきました。街にすむ退役軍人の男性が、最近娘を事故で亡くし、ちょっとした補償金を手に入れたと言うんです。

その額、なんと30万ドル、しかも、その男性は盲目。

3人にとっては、その金をかっさらう事なぞ、ちょろい仕業に思えましたから、もちろんその計画を実行に移します。そして彼らは、金が有ると思しき部屋へ押し入ったのですが、もうちょっとと言うところで、この家主に気づかれてしまったんです。とっさに銃を向け、盲目の男性をけん制しようとするマネー。

しかし、その音に反応して、目にもとまらぬ技により銃を奪いマネーを殺してしまたのは、なんと目が不自由なはずの家主の男性でした。どうやらこの男、当初3人が思っていた様なか弱い老人ではなかったらしいのです。

いや、それどころか彼は、すべての灯りを消した闇の中、ロッキーとアレックスを家の中に閉じ込め、追いかけまわし始めたんです。1人ずつ捉えて残酷な罰を与えるために・・・ 【続きを読む】 “映画「ドント・ブリーズ(Don’t Breathe)」について”

映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」:エマ・ロバーツ、人生を賭けたネットゲームで大勝負

〔ネットばっかりやってると、◎◎◎がXXになりますよっ〕

経済的な付加価値っていうのは、人間が何かを作り出したときに生まれます。だから昔は、自動車とかテレビの生産ラインでまじめに繰り返し作業をする人が、立派な社会人の筆頭でもあった訳ですね。

まぁ最近はと言えば、とりあえず開いてもらえそうなネット動画を配信して人気が得られれば、一日に数万円くらいの付加価値は生み出せるようになっています。人類の進化、おそるべしです。

しかし、悪銭身に付かず、うまい話にはウラがある、という教訓があるとおり、純粋なティーン達がネット世界の妖怪につかまって食い物にされるリスクも高まっています。たとえば、この映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」の美しきヒロイン、ヴィーナス(エマ・ロバーツ)ちゃんも気の毒なティーンの一人です。

ニューヨーク州はスタテンアイランドで育った彼女は、近々ハイスクールを卒業するにあたり、カリフォルニア芸術大学を受験し合格しました。ただ問題なのは、彼女のシングルマザーであるナンシー(ジュリエット・ルイス)さんには、その学費を出す余力など到底無かった事。

そんな事で悩んでいた矢先、親友のシドニー(エミリー・ミード)ちゃんから、とあるオンラインゲームの存在を教えられます。そのゲームの名は「ナーヴ」。

そのゲームで参加者は、「プレイヤー」か「ウォッチャー」のどちらかを選びます。つまり、前者は後者の要求してくることを実際にやれば、ある程度の報酬を得ることができるという仕組み。

まじめにお金が欲しいヴィーナスちゃんは、そのゲームに参加するとき、当然プレイヤーの立場を選択しました。彼女に与えられた最初のミッションは、見知らぬ人とキスするという簡単なことで、覚悟を決めた彼女は、ぱっと見かけた男性イアン(デイヴ・フランコ)の唇を奪います。

もちろんヴィーナスは、そこそこのキャッシュをもらいます。でも、彼女に突き付けられる要求は、当然の様にどんどんエスカレート。それでも、勢いに乗って次々とクリアしてゆく彼女。いつのまにか、イアンもそれに巻き込まれています。

さて、節度をわきまえない大衆が動かすこのゲーム。どこまで行っちゃうんでしょうね。ヴィーナスちゃんは、適当な所で手を引く事が出来るといいんですけどね・・・ 【続きを読む】 “映画「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」:エマ・ロバーツ、人生を賭けたネットゲームで大勝負”

映画「マネーモンスター(Money Monster)」の前評判

〔お金が天下を回らなくなったのは、誰のせい?〕

日本に「自己責任」という言葉がやって来てから、何年くらいたったでしょう。20年くらい?。

まぁ、「自己責任」で行う最たるものの代表は、株式などの証券投資です。儲けても自己、損しても自己の責任。とは言え、誰しも自分がかぶった損の責任だけは、誰か別の人に擦り付けたくなるものなんです。

この映画「マネーモンスター(Money Monster)」の中で大騒動を起こしてしまう、ニューヨーク在住の青年、カイル・バドウェル(ジャック・オコンネル)さんも、そんな気分だったんでしょうねぇ。彼は、テレビの人気投資番組「Money Monster」で、ホストのリー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)さんが推していた、IBISクリア・キャピタルというファンドに投資して、大損しちゃったんだそう。

まぁ、コンピューターの投資アルゴリズムが大ミスを犯したらしいので、ゲイツさんにしても想定外だったでしょうね。でも、カイルにはそんなこと関係ない事。という訳で、番組の準備中にスタジオへ侵入したカイルさん。銃とか爆弾とかを振り回してゲイツさんを人質にしちゃいました。

そんな現場を、副調整室で見守ることになったのが、敏腕番組プロデューサーのパティー・フェン(ジュリア・ロバーツ)さんです。彼女は、インカムを通じてゲイツさんに指示を送り続け、なんとか事態が最悪になることは避け続けています。

でも、この状況が進展する内に、ウォール街界隈の裏事情が見え隠れしてきたようで。NY市警もそれが無視できないと判断したみたいなんですよね。

はたして、ゲイツさんの運命、証券取引業界の運命やいかに・・・。 【続きを読む】 “映画「マネーモンスター(Money Monster)」の前評判”

映画「10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)」の前評判

〔開けられない扉の向こうに広がる恐怖の世界〕

The photo is provided by Gage Skidmore(表示 – 継承 2.0 一般)

僕スレ太は、いろんな意味でズレているために、方々でやっちまった社会的な失敗がトラウマになり、内面的には、今、小さい穴のなかに引きこもっているのと、大差ない状態なんです。

対人恐怖みたいのはないんですけど、でも、もうちょっと勇気があれば、今よりずーっと広い社会と関わって、もちょっとは美味しい目に遭えるんだろうなぁ、とか、思うんですよね。でも、ポンコツですからどうしようもありません。

人は、知らないうちに、心とか行動に不要な制限をかけているものです。たとえば、この映画「10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)」の中心人物である、ハワードさん(ジョン・グッドマン)もそうです。あっ、でも、彼の場合は、今生活している地下のサバイバルシェルターから、上に出れない理由があるから、そこに閉じこもって居るだけなんですけどね。 【続きを読む】 “映画「10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)」の前評判”

映画「シークレット・アイズ(Secret in Their Eyes)」の前評判

The photo by David Shankbone(Attribution 3.0 Unported))

写真:キウェテル・イジョフォージェス(ジュリア・ロバーツ)が、13年ぶりに再会した元同僚のレイ(キウェテル・イジョフォー)は、重ねた年齢を通して見ても、相変わらず誠実な正義感でした。

彼が、突然ジェスの前に姿を見せた理由、それは、13年前のあの事件を解決する糸口を、とうとう見つけたという事だったんです。

13年前、9.11直後で、アメリカ世論も政治も殺気立っていたあの時期、ロサンゼルスで一つの惨殺事件が起きました。そして、その頃捜査官であった二人にとってもっと残酷だったのは、その被害者が、あろう事かジェス本人の娘だったという事。

悲痛な思いの中、二人はマージン(ジョー・コール)という名の容疑者を割り出し逮捕します。そして、連邦地区検事であったクレア(ニコール・キッドマン)と共に、その男を裁判に送ろうとしました。所が、そこへ突然介入してきた特捜捜査官モレールズ(アルフレッド・モリーナ)は、その権限で容疑者を釈放してしまいます。

なぜ?、実は、国内の潜伏テロリスト操作のために、連邦捜査局へ重要な情報を提供したとして、マージンには特権が与えられていたんです・・・。

しかし今、レイの執念は、完全に姿をくらましたはずのマージンを、とうとう見つけ出したんです。彼は、元の3人チームで、今度こそこの男を捕まえるんだ、とジェスを強く促すのですが・・・。

と言うのが、オスカー受賞のアルゼンチン製スリラー「瞳の奥の秘密」をリメイクしたという、この映画「シークレット・アイズ(Secret in Their Eyes)」で起こる事の大枠だそうです。

テロばかりでなく、理解しがたい程に残酷で陰湿な事件ばかりが起きて、ほぼ、そういった力で支配されてしまっている、と思えさえするのが今の地球ですよね、、、。 【続きを読む】 “映画「シークレット・アイズ(Secret in Their Eyes)」の前評判”