ジェームズ・フランコと最低の駄作:映画「The Disaster Artist」の評価

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Disaster Artist
  • 制作:
    • 2017年 New Line Cinema / Good Universe / Point Grey Pictures…他

出来が悪いから愛される

議員とか芸能人の、ほんのちょっとの言い間違いやワードチョイスの悪さ、はたまた、声色の使い方までが、全社会的な炎上を巻き起こす最近の日本社会です。

そんな様子を見ていると、この世界に存在できるのは、一点の汚れもなく理論的に完璧なプロポーションを持ったものだけ、と誰かが主張しているようにも感じます。

でも、その反面、ルックスなどが若干以上にデフォルメしている動物とかキャラクターが、ブサかわ、キモかわ、と人気を集めたりするので、これまた、人の価値観の多様さを再認識させられる、興味深い事柄ともなっているのです。

まぁ、完璧に均整の取れたモノとかヒトだけで、自分の周囲を固めるのも悪くありませんが、それでは変化も無いし、選択の幅が狭くなってしまうのも事実でしょう。逆に、もの凄く不出来なモノの中を探索してみると、今まで接した事がなかった、面白くて愛すべき対象がみつかる可能性もあります。

映画でも、あまりに酷い出来の作品は、逆に、物見高い人達の関心を引くという事も有る様で、そんな作品の一つが、2003年に公開された低予算映画「The Room」でした。

「最低だから見てみたい」と言う、理屈では説明できない様なカルト的人気を今も誇るこの映画。実は、俳優ジェームズ・フランコのお気に入りでもある様で、そんな事情から、彼が監督・主演、そして制作にも関与して作りあげたのが、今回ご紹介する新作映画「The Disaster Artist」なのです。

原点となった(名)駄作へのリスペクトも充分盛り込んだという、この作品。一体、どんな作りなのでしょうか? 【続きを読む】 “ジェームズ・フランコと最低の駄作:映画「The Disaster Artist」の評価”

名作小説の誕生秘話、映画「The Man Who Invented Christmas」の評価

予告編と作品基本情報

  • タイトル:
    • The Man Who Invented Christmas
  • 制作:
    • 2017年 Mazur / Kaplan Company …他

今や数十億人に愛される、1人の作家のクリスマス寓話

あらためて思うと、聖書の中に「12月25日は主の生誕された日であるので、世界中の信徒はこれを心して祝せよ」とか、「主の生誕日は、電球の色と数で競い合い盛大に祝意を表せよ」、なんて一言も書かれていない訳です。

それでも、この季節が醸し出すウキウキするようなムードには、僕ら日本人は完全にやられてしまっていて、一年の中でも最も消費が活発になる次期を演出する、重要なアイテムにもなっています。

そして依然として、あの赤と緑と白の色彩に、キラキラの電飾、あきらかにそれと分かるメロディーラインの数々は、聖書の時代のずっと後に生きたどこかの誰かが考え付いた、一つの様式であるに違いないのです。

どの様なトラディションも、人類発生の瞬間から存在した訳じゃないですからね・・・

まぁ、イデオロギーの問題はともかくとして、他者への思いやりとか、いたわり、そして施しの精神という、クリスマスを定義づけるメインテーマでさえ、それを明確にしたのは、結局のところ1人の人物らしいのです。

その人こそ、英国ビクトリア朝時代に活躍した著名な小説家である、チャールズ・ディケンズであり、現代に通じるクリスマスの基本イメージを固める事になったのが、彼の代表的一作「クリスマス・キャロル」なのだ、というのが、今回ご紹介する映画「The Man Who Invented Christmas」のコンセプトです。

19世紀という、ともすると堅苦しい時代を舞台にしながらも、ディケンズがこのおとぎ話を生み出すまでの過程は、ファンタジックかつユーモラス、そしてポップに描かれているというのが、この作品の特徴らしいです。 【続きを読む】 “名作小説の誕生秘話、映画「The Man Who Invented Christmas」の評価”

映画「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」の気になる評価

犯罪と陰謀と家庭生活

その男は、命をかけて娘を守る父親の顔を持ちながら、正義の秘密エージェントでもあり、同時に冷血な暗殺者でもありつつ、若手の敏腕弁護士の顔も持っています。

さらに彼は、NASCARのレーシングマシンを時速300キロで走らせたり、空軍のエリートパイロットとして、F-14トムキャットによるドッグファイトを演じて見せ、とても活動的な人物で有る事を伺わせもします。

一番最近の彼は?、と言うと、ルイジアナ州バトンルージュに美しい妻との平和な生活を維持しながら、南北アメリカ大陸をまたにかけ、大量のマリワナやコカイン密輸で大儲けしたようです。その一方で政府機関へ麻薬組織の情報を流し、その摘発にひと役買って罪を逃れたりしたとか。

まぁ、全部シナリオの上の話ですけどね・・・

そんな、ハリウッドにおけるカリスマの代名詞とも言える人物こそ、他でもありません、トム・クルーズ師匠。

そのクルーズの最新作は、「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」。前出の、密輸組織と政府機関の両方を一時だけ手玉に取って見せた伝説の男を描く、娯楽アクションといった風情の一本です。

しかし、クルーズ兄さん、どんな具合に母国を‘はめた’のでしょうね? 【続きを読む】 “映画「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」の気になる評価”

映画「Joy」の前評判

〔重い足枷から脱却する・・・一人の女性の成功物語〕

もう、ほとんどメディアの話題にもなりませんが、今年は格差が流行って、いやいや、格差を批判するブームがあったりしましたよね。

一般論的には、所得の低い家に生まれると良い教育環境に恵まれる事がないので、その人自身も低所得になってしまい、その子孫もずーっと低所得のまま固定される、って、まぁ所得の高い人が思いつきそうな理論が言われていると思います。

でも、必ずしも、、どうなんでしょうねぇ、トヨタ、ホンダ、東芝、日立、そんなクラスの一部上場企業に就職するなら相当レベルの学歴は必須ですけれど、それだけが、生活水準を決める訳でもないからなぁ。

一方で必要は発明の母、という考え方もあると思います。そしてその発明がまんまとビジネスにはまれば、この映画「Joy」で、ジェニファー・ローレンスが演じている女性起業家、ジョイ・マンガーノみたいに、大成功出来てしまうんです、ハイっ^^;。

でも、ジョイは、その発明品「Miracle Mop」を、大学の講堂やカフェテリアでのディスカッションから思いついた訳ではありません。

もともと、彼女の人生は、ほぼ希望の無い日々の繰り返しでした。

ジョイはシングルマザー、だけど妙なことに、その離婚したはずの夫トニー(エドガー・ラミレス)は、彼女の家の地下室に暮らしています。

母親のテリー(ヴァージニア・マドセン)は、とても無責任な人で、一日中ベッドの上に寝ころんだまま、ひたすらテレビドラマを見るだけ。あらゆる家事をジョイに押し付けてきます。

祖母のミミ(ダイアン・ラッド)は、ジョイの事を気遣ってはくれますが、やはりその世話も彼女の仕事です。

ジョイは、そんな家庭環境から、大学進学をあきらめたんです。

さて、そんな一家にもう一人、厄介者が戻ってきます。その昔、愛人と逃げた父親ルディー(ロバート・デ・ニーロ)が、他に住む場所を無くしたから、しばらく居させてくれと言うのです。

もともとジョイは聡明な女性、普段から色々と便利そうな商品を思いついたりするのですが、こんなに、ただ忙しく過ぎ行く日々の中で、その一つ一つにちゃんと向き合う事など到底できません。

しかし、誰にもチャンスは訪れるもの、ふとした事から知り合った通販番組の関係者のニール(ブラッドリー・クーパー)は、ジョイの一つのアイディアである“ミラクルモップ”に、売れる可能性を見出すのですが・・・。

と言った感じの、実話ベースの物語がこの作品だそうです。 【続きを読む】 “映画「Joy」の前評判”

映画「レヴェナント: 蘇えりし者(The Revenant)」の前評判

〔L・ディカプリオ 執念と復讐のサバイバル劇〕

「実際に起きた事件をベースにした、本作THE REVENANTは、一人の男が命を懸けた壮大なアドベンチャーと、人の魂が見せる偉大なる力を捉えた、あなたを呑み込んで揺るがす程の映画体験である。」、、、^^。

なんて事が、公式サイトの解説のトップに書かれているのが、あなたのディカ様、、、プリ様、、、?、、、レオ様主演の映画「The Revenant」です。

あ、ちゃかすのは止めます、そう、レオナルド・ディカプリオが、ガチで相当体を張ったらしい作品がこれなんだそうです。

1823年、北米ロッキー山脈、冬。ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、毛皮採取をする男達の一団に加わっていました。実は彼は、先住民のポウニー族に詳しく、彼らの言語も操る事が出来るんです。

ポウニー族は、白人の侵略を快く思っておらず、しばしば、この森の中で攻撃を仕掛けてきます。さらに、グラス達には、別の白人グループという競争相手も居ました。

しかし、もっと恐ろしい事がグラスを襲います。野生のグリズリーベアと遭遇してしまったんです。何とか銃弾の一発だけをその熊に食らわせましたが、人と野生動物の力の差は歴然です。瀕死の重傷を負ったのはグラス自身の方でした。

探検隊は、歩けなくなったグラスを運ぶよう、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)と、ジム・ブリジャー(ウィル・ポールター)に銘じました。しかし、急斜面ばかりで歩く道などもちろん無い山岳地帯です、負傷者をかついで運ぶのは困難きわまりない仕事。

思いあまったフィッツジェラルドは、とうとう、体が動かないグラスを土に埋め、隊へ戻り、彼は死んだと虚偽の報告をしたのです。

しかし、グラスは生きていました。土から這い出た彼の壮絶なサバイバルと復讐が、今始まります、、、。 【続きを読む】 “映画「レヴェナント: 蘇えりし者(The Revenant)」の前評判”

映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の前評判

世界には、伝説と化した人や物語がいくつも有るのですが、伝説というのは伝説であり、つまり語り伝えられたストーリーです。

それは、伝達される度にデフォルメや強調(持ち上げたり下げたり)が加えられ、どんなに小さな噂でも、いつしか宇宙の一大事件みたく言われ始めます。例えば、方向性は違うけれど、口裂け女の噂も、ただ大げさにブレークしたという意味では似たようなもんですね^^。

さて、2015年のホリデーシーズンに向け引っ張り出された、もう一つの伝説は、19世紀にアメリカ北部で活躍した捕鯨船、エセックス号の運命を伝えるものです。

それを今、しぶしぶながら語りはじめるのは、自身が10代の頃、その最後の航海に乗船していたという男、トム・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)で、嫌がる彼を、なんとか話すよう説得に成功したのは、小説家であるハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)。

エセックス号は、1820年の秋に東海岸ナンタケット島から出帆しました、しかし今考えると、あの悲劇的ドラマは、旅立ちの前に始まっていたのかもしれないんですね。

それは、ちょっとしたいざこざ。つまり、この船には、既に、経験豊富な船長オウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)が乗ると決定していたのですが、出発直前になって親会社がジョージ・ポラード(ベンジャミン・ウォーカー)を責任者としてねじ込んできたんです。

どうしてそんな事に、、、だって、ジョージには、島の名家の影響力が後ろたてとして有るうえに、実はオウェンは島の生まれでもなんでもないから。

出発直前にこんな出来事、ちょっと先行きに不安を感じさせるでしょ?、その不安は現実になります。エセックス号は、超巨大なクジラ達の群れと遭遇し、それを捕獲するどころか逆に襲われてしまい、遥か大海原に沈没してしまったんですよね。

しかしそれは、この事故から辛くも逃げおおせた船員達を襲う残酷な運命の、その始まりにすぎませんでした・・・

あぁ、果たして、あなたの大好きなヘムズワースの運命やいかに?、というのが、ロン・ハワード監督によるこの映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の大枠だそうです。 【続きを読む】 “映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の前評判”

映画「レジェンド 狂気の美学(Legend)」の前評判

写真:トム・ハーディ双子のクレイ兄弟ってのは、1950から60年代にかけてのロンドン東地区において、ギャングとしてならした連中だそうです。(The photo by GabboT is used here under the license of Attribution-ShareAlike 2.0 Generic

いろんな意味で“伝説”でもある、そんな二人組が絶好調だった日々を描くのが、この映画「レジェンド 狂気の美学(Legend)」という事らしいです。(僕、ズレ太は、暴力だけでなく力ずくで自分の都合を通す輩が大嫌いなので、今、ネットでこの兄弟の顔写真を見ただけで、若干不愉快です・・・^^;)

ブライアン・ヘルゲランドが脚本&演出を手掛け、何と、トム・ハーディに、ロナルドとレジ―のクレイ兄弟両方を演じさせたというのが、この作品のミソなのかもしれませんね。

もともとボクサー志望だったという、クレイ兄弟は、時のロンドン東地区に経営するナイトクラブを根城に、殺人、強奪、放火、上納金取たて、などのあらゆる犯罪に手を染めつつのし上がって行き、その影響力がピークの時は、セレブリティ扱いまでされていたという、まぁ、確かに逸話には残りそうなギャングではあります。

映画ではクリストファー・エクルストンが演じている、レオナルド・リード刑事の執念によって、二人が逮捕されたのが1968年の5月9日。ロニーは、1995年3月17日に病院に収監されたまま他界し、レジ―の方は、2000年の10月1日に釈放されましたが、その8週間後に病死しました。

そんな彼らの伝説について、エミリー・ブラウニング演じる(レジ―の愛人)フランシスが語ってゆくのがこの映画の構成だという事です。 【続きを読む】 “映画「レジェンド 狂気の美学(Legend)」の前評判”