リーアム・ニーソン対ニクソンの陰謀:映画「Mark Felt」について

権力の陰謀渦巻く、この世界

どの様な国家の元首でも、最大の関心事項は、領土内の秩序を保つという事です。

そして、どんな世界でも秩序を乱そうとするのは人民達。国家や共同体に対する責任感を持たない彼らは、自らを堕落的な生活に置いているくせに、つねに指導者層に対して疑念や不満を抱き、勝手な被害者意識を内部にため込んでいるものです。

そして、勝手に暴発する・・・

そういった事情の中では、国家の最高責任者達が、一般市民や対抗する政治勢力の言動を傍受・監視するという行為も、充分に‘正当化’されるでしょう。

まぁ、最近ですと、合衆国を中心として稼働する‘エシュロン’なんていう、とても洗練された通信傍受システムがあるそうで、ネットや携帯の通話など、すべて超高速コンピュータが解析、体制に反するような危険な内容を割り出しているそうです。

そして、そのような、ハイテクIT機器が存在しなかった時代、たとえば1970年代にも、合衆国の情報活動部門は大統領による適切な指導の下で、様々な盗聴活動を行っていたのです。

もちろん、21世紀の盗聴に比べればひどく幼稚な道具を使っていたり、場合によるとおっちょこちょいな結果になったりもしました。その代表格と言えるのが、‘ウォーターゲート事件’かもしれません。

今回ご紹介する映画、「Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House」は、アメリカ史上ただ一度だけ大統領を辞任に追い込んだという、一大盗聴・陰謀スキャンダルを、さらに裏から引っ張っていた人物を描くドラマだそうです。

しかし、この長い題名、日本の配給会社から裏でアドバイスでも貰ったんですかね? 【続きを読む】 “リーアム・ニーソン対ニクソンの陰謀:映画「Mark Felt」について”

素敵な2人を惹き合わせたのは命の危機:映画「The Mountain Between Us」について

よい映画を作るのも、やっぱり素材から

一年の季節も押し迫ってくると、ハリウッドとしては、いわゆるアンサンブルキャストによるホリデー映画の準備に余念がない事でしょう。

時代を代表する俳優を、各年代から取り揃えつつも、彼らを定型的シナリオ構造の中に当てはめて制作する、観客の脳にはストレスを全くかけないとうい映画が、こういったクリスマス周辺のドラメディになります。

言ってみれば、料理の腕試し番組で出てきたテーマが普通のネギであっても、それにバフンウニやら伊勢海老とかA5和牛まで盛り込めば、どうやってもグルメになってしまうという、その同じ原理を映画に適用したもの。

とは言うものの、その晩さんにありつくには、まだ5,6週間ほど季節が早すぎますので、今公開される映画の中での材料は、まだまだ厳選され絞り込まれたものとなります。

そして、控えめな中でも、ちゃんとお金を払っても納得できる素材を組み合わせた作品は、やはり特筆されるべき。おそらく、そんな映画の一本が、今回ご紹介する「The Mountain Between Us」です。

この映画、主演にはイドリス・エルバとケイト・ウィンスレットという、大変魅力的なキャストを用意しただけでなく、その2人の関係性が、物語のほぼ全てを支えるという一作らしいのです。 【続きを読む】 “素敵な2人を惹き合わせたのは命の危機:映画「The Mountain Between Us」について”

大人の自分探しは意味深い:映画「Brad’s Status」について

何も不足はないはずの自分なのに

成人年齢の人の多くは、「いつかは取り組もうと思いながらも20年くらいお蔵入りになってる課題」を、ひとつくらい心の深い所に持っているものです。

人は、何かを手に入れるために何かを手放すもの、だそうですので、現在のあなたの幸福な生活も、遠い昔に諦めてきた何かのおかげで手に入れたと言っても、過言ではないでしょう。

でも、社会的な幸福と心の充足が必ずしも一致しないのが人の常。芸能人や国会議員といった著名人が不倫に走ったりするのは、あきらかに、失ったり諦めてきた何かにより心に開いた穴を塞ごうとするためです。

あるいは、人生についての後悔とか愚痴をこぼして過ごす場合もあるでしょうが、どちらにしても、そういった自滅的な行為は、上手くかかれたドラマのシナリオくらいでしか、満足の行くあがないへ辿り着く事はありません。

さて、今回紹介する映画、「Brad’s Status」の主演の男性は、社会的にも価値のある仕事と文句のつけようのない家族を持ちながら、自分の人生についての心残りが吹っ切れなくて困っているのだそうです。

自慢の息子が大人への扉を開けようとしている今、彼もまた、自身の人生に結論を出す必要を感じているらしいのですが、そこに辿り着くには、やっぱり一連のドラマが必要です・・・ 【続きを読む】 “大人の自分探しは意味深い:映画「Brad’s Status」について”

ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について

キャリアメーキングはご心配無用です

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」が2012年の作品ですから、世界中が青年バンパイアと美少女の純愛色に染められていたあの時代から、もう5年が経っているんですね。

5年と言えば、大抵の人が何かを成し遂げられる時間ですし、仮に青白いメークとローコストかつ高性能なVFXが無かったとしても、思春期の吸血鬼の悲哀を見事に表現しきっていただろう、あの、ロバート・パティンソンさんなら、「何か」よりもっと良い「ナニカ」が達成できた事は、言うまでもないでしょう。

ざっと数えると、「トワイライト」後に6本程の映画に出演してきたパティンソン。中には、あのデヴィッド・クローネンバーグが監督をした「マップ・トゥ・ザ・スターズ」なんていう作品もありました。おそらく、ライトノベルの人気にあやかる軽い娯楽の世界から、本格的なドラマ俳優へと転身してきている段階だと思われます。

そんなロバート・パティンソンが、ニューヨーク市クイーンズ地区の裏社会を行く、あやうい(ひょっとして無軌道な)青年を演じているのが、今回、ご紹介する「グッド・タイム(Good Time)」、という、ファンタジー色ではなくリアリティ感が強いドラマなのだそうです。 【続きを読む】 “ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について”

神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について

信じなければ地獄行き、というのではちょっと困ります

大抵の宗教というのは、超自然的な奇跡を起こしたとされる何かが、その信仰の対象となっていますよね。

信仰心のある人は、天の雲の上に居るとされる存在を全身全霊で信じぬく事で、いつの日か自分の身にも同じ奇跡がもたらされると期待する訳です。

当然、真摯な信仰心は、その人の心にとって大きな糧となる事は確か。だとしても、現実の生活の中にある深刻な問題の方に、直接的な答えをまったく与えないというのでは、やっぱり、信仰されるものとしての存在感が薄くもなります。

本来なら、多くの人に与えている教えの中に、心と物質、両面の折り合いのつけ方も語ってくれるべきだと思います。

そんな意味でいくと、ここでご紹介するキリスト教系の映画、「All Saints」では、大赤字でつぶれそうな教会を受け持った牧師が、その苦境に立ち向かい、教会ばかりか他の多くの困窮する人達も同時に救済したという、実際に起こった本物の軌跡を描いているのだそうです。 【続きを読む】 “神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について”

オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について

まだ増やしますか? あなたのフォロワー・・・

三省堂辞書サイトに寄れば、セレブ(celebrity)という言葉は、誉め称える(celebrate)などというワードから来ているのだそうです。

それが発展して、名声のある人、名士、の意味に使われるようになったのですね。とにかく、その名前が広く世間から称えられるセレブというのは、やっぱり特別に選ばれた人でなきゃいけません。

ただ、たたえられる人に必要とされる行いは、時代と共に進化もしていて、今じゃあ誰でもネットに上げたスイーツの写真が、比較的簡単に10万人から「いいね」と称えてもらえる時代になりました。

物事が、どんどん簡易的になってゆくのは、文明社会が本質的に向かう方向です。だとしても、何事もオープンで容易になるのは、新たな危険を生み出すものでもあります。

あなたに、「いいね」してくれた10万人は、あなたにとって好ましい人々なのでしょうか?

そんな疑念に答えるべく、ここで紹介する映画「Ingrid Goes West」では、オーブリー・プラザが、ネットのカリスマをフォローする事に病的にはまった、超ややこしいネットユーザーを演じています。 【続きを読む】 “オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について”

キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る:映画「Detroit」について

人の作ってきた理不尽な歴史をみつめて

僕達が普段考えている事は、全部、別の所で誰か(もしくは何か)に吹き込まれた情報がベースになっています。

この世の中が、頼りにできる位に安定した状態にあるためには、「普通」とか「常識」っていう基準ラインが絶対必要で、僕らは、それに無意識のうちに従っているから、生きていけてる訳です。

だけど、皆が考えている常識が、とても悪い出来事の原因になる事もあります。

今でも無くならない、人種とか宗教、あるいは異文化間の摩擦というのも、お互いの基準がズレている事に原因があります。

そういったものも、正義と悪とかの問題ではなくて、皆の「常識」の中に必ずある間違ったポイントが原因で、起きている争いなんですけどね・・・

さて、常に異才を放つ映画監督(ですよね?)、キャスリン・ビグローさんみたいな人が、エイリアンとロボットを総動員状態の真夏の娯楽映画シーズンに、この映画「Detroit」みたいな作品をメジャーリリースしたのも、時が経っても変わらない、人間の偏見にみちたダークな内面をえぐり出すため、とも思えます。

これは、60年代のアメリカの人種間の対立が元で発生してしまった、陰惨な事件を描き切っているものだそうです。 【続きを読む】 “キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る:映画「Detroit」について”

娯楽映画を超えた壮絶な撤収作戦:映画「ダンケルク(Dunkirk)」について

真実の物語は、あくまでも誠実に見つめよう

クリストファー・ノーランが監督したという事で、ともするとバトルアクション娯楽大作、みたいなものを期待したくなるのが、この「ダンケルク(Dunkirk)」かもしれません。

とは言え、1940年に、実際に、連合国軍とナチス・ドイツの間で展開した戦闘を描く以上、脚本上のお涙頂戴とか、VFXとワイヤーアクションてんこ盛りのオモシロ映像に成り得なかったのが、この一本でしょう。

と言う訳で、ある意味、お堅いというか冒頓とした語り口に描かれたのが、ここでの「ダンケルクの戦い」なんだそうです。 【続きを読む】 “娯楽映画を超えた壮絶な撤収作戦:映画「ダンケルク(Dunkirk)」について”

切ない死後の世界をゆくケイシー・アフレック:映画「A Ghost Story」について

肉体を奪われた後も永遠に鳴り響く思慕の残響

依然として、科学的に証明されていないとは言うものの、世界中のほぼ全ての文化圏で、おそらく数万件では効かないくらい、幽霊やゴーストの目撃談が有ります。ですので、そこに、何らかのモノが存在する事は認めざるをえないでしょう。

とはいえ、YouTubeにアップされる、それらの幽霊の姿の多くが、「サダコ」の焼き直しバージョンになっているのは、ちょっと安直すぎる気もします。

だいたい、あの姿は、幽霊としては間違いです。本当のゴーストというのは、この映画「A Ghost Story」に出てくるように、白いシーツに身を隠していないといけません。 【続きを読む】 “切ない死後の世界をゆくケイシー・アフレック:映画「A Ghost Story」について”

天才児とその母が体験するスリル:新作映画「Book of Henry」について

〔ナオミ・ワッツ主演でユニークな展開が売りの物語、その概要(あらすじ)は?〕

毎度のことながら、アメリカ映画には特別な人ばかりが登場します。

特別に優れた人、特別に普通な人、時には特別にひどい人も。

この新作映画「Book of Henry」も、ある意味でそんなテンプレートを出発点にしている一本かもしれません。 【続きを読む】 “天才児とその母が体験するスリル:新作映画「Book of Henry」について”

映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」について

〔マーク・ウォールバーグが最悪の海洋事故を救う!?〕

世の中には「手抜き工事」ってのが相当数あるんだと思います。でも、中にはその手抜きがとてつもない大惨事へ発展することもあるんです。

ピーター・バーグ監督によるこの新作映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」は、現実に起きた大惨事の一つを描くドラマ。

2010年4月20日、イギリスの石油会社がメキシコ湾に持っていた海底油田が起こした爆発・炎上・油流出事故の真実を明かします。

この物語、当時、この油田で電気系の技術者をしていたマイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)の目を通して描かれます。彼は、3週間の職務担当期間のために丁度このオイルリグへやって来たところ。ここでは、別の技術者のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)や、ケイレブ(ディラン・オブライエン)を含む多数の労働者を、指導力と確かな仕事で尊敬を集める責任者、ジミー(カート・ラッセル)が統率しています。

そして彼ら全体を後ろから監視しているのが、親会社から派遣されてきた重役、ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)。実はこの油田施設、行程が予定より43日も遅れているんです。

実際のところ、この施設には問題が山積で、トイレや空調さえもまともに働いていません。ジミーは、その問題を抜本的に解決してから前に進むべきと考えていますが、ヴィドリンには時間がありません。

だから彼は、いくつかの必須安全テストを省くように、施設スタッフに強要しました。もちろん、ますます設備は不安定で危険な状態へと落ち込んで行きます。

そして迎えた4月のあの日。ネットのテレビ電話で地上の自宅に居る家族と会話中だったマイクの耳に、突然、何かが破裂したとしか思えない爆音が聞こえてきたのです・・・ 【続きを読む】 “映画「バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon)」について”

映画「Concussion」の前評判

〔真の倫理のためにウィル・スミスが巨大組織に立ち向かう〕

予告編映像の中で、主演ウィル・スミスが、「僕にとって、天国がこの辺だとすると、アメリカはそのすぐ下だったんだ。」、と言う場面が出てくるのが、この最新作「Concussion」です。

現実世界では、格別なアメリカンセレブである彼が、今回演じているのはナイジェリア出身の神経病理学者ベネット・オマル。そして、オマルこそが、現実世界での本当のヒーローなのかもしれません。

事の起こりは2002年。Drオマルが、ペンシルベニア州はピッツバーグで検死解剖医として働いていた時の事。その夜運び込まれたのは、地元ピッツバーグ・スティーラーの元フットボールスター、マイク・ウェブスター(デヴィッド・モース)の遺体でした。

この解剖を行ったオマルは、アスリート引退後のウェブスターが、自身の奇行と異様な症状に悩まされ続けていた事を知ります。神経病理学者として、この症例を調べ始めるオマル医師。

すると、他にも多くのフットボールスター選手たちが、最終的に自殺している事が判明、そしてついにオマルは、その原因を特定してしまうんです。

それは、選手時代に繰り返された脳震盪の後遺症で、実際に受けたダメージより数年以上たってから、脳に異常なタンパク質が増加する事で発症する病気だったんですね。

もちろん、この重大事をすぐにNFLへ知らせる事にしたオマル医師ですが、そこで彼は、予想もしていなかった対応を受けます。なんとNFLの上層部はそれを却下したばかりか、症例の存在にも疑義を申し立ててきたのです。

彼らにとっては、選手の一生を通しての健康より、その時の試合の売り上げの方がはるかに大切な事。

それでもオマルは諦めません。そしてついに、彼の後押しをしてくれる人物、元フットボールチームドクターであるジュリアン・ベイルズ(アレック・ボールドウィン)に出会います。

彼の助力を得て、さらには、オマルにとって新妻となったプレマ(ググ・バサ=ロー)の、心強い励ましに押されて、ベネット・オマルは、この全米を揺るがす一大事を明らかにしてゆきます・・・。

と言う感じの、社会問題系スリラーという体を取った一作が、この映画らしいです。 【続きを読む】 “映画「Concussion」の前評判”

映画「Joy」の前評判

〔重い足枷から脱却する・・・一人の女性の成功物語〕

もう、ほとんどメディアの話題にもなりませんが、今年は格差が流行って、いやいや、格差を批判するブームがあったりしましたよね。

一般論的には、所得の低い家に生まれると良い教育環境に恵まれる事がないので、その人自身も低所得になってしまい、その子孫もずーっと低所得のまま固定される、って、まぁ所得の高い人が思いつきそうな理論が言われていると思います。

でも、必ずしも、、どうなんでしょうねぇ、トヨタ、ホンダ、東芝、日立、そんなクラスの一部上場企業に就職するなら相当レベルの学歴は必須ですけれど、それだけが、生活水準を決める訳でもないからなぁ。

一方で必要は発明の母、という考え方もあると思います。そしてその発明がまんまとビジネスにはまれば、この映画「Joy」で、ジェニファー・ローレンスが演じている女性起業家、ジョイ・マンガーノみたいに、大成功出来てしまうんです、ハイっ^^;。

でも、ジョイは、その発明品「Miracle Mop」を、大学の講堂やカフェテリアでのディスカッションから思いついた訳ではありません。

もともと、彼女の人生は、ほぼ希望の無い日々の繰り返しでした。

ジョイはシングルマザー、だけど妙なことに、その離婚したはずの夫トニー(エドガー・ラミレス)は、彼女の家の地下室に暮らしています。

母親のテリー(ヴァージニア・マドセン)は、とても無責任な人で、一日中ベッドの上に寝ころんだまま、ひたすらテレビドラマを見るだけ。あらゆる家事をジョイに押し付けてきます。

祖母のミミ(ダイアン・ラッド)は、ジョイの事を気遣ってはくれますが、やはりその世話も彼女の仕事です。

ジョイは、そんな家庭環境から、大学進学をあきらめたんです。

さて、そんな一家にもう一人、厄介者が戻ってきます。その昔、愛人と逃げた父親ルディー(ロバート・デ・ニーロ)が、他に住む場所を無くしたから、しばらく居させてくれと言うのです。

もともとジョイは聡明な女性、普段から色々と便利そうな商品を思いついたりするのですが、こんなに、ただ忙しく過ぎ行く日々の中で、その一つ一つにちゃんと向き合う事など到底できません。

しかし、誰にもチャンスは訪れるもの、ふとした事から知り合った通販番組の関係者のニール(ブラッドリー・クーパー)は、ジョイの一つのアイディアである“ミラクルモップ”に、売れる可能性を見出すのですが・・・。

と言った感じの、実話ベースの物語がこの作品だそうです。 【続きを読む】 “映画「Joy」の前評判”

映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)」の前評判

〔投資リスクを資産に転換する魔法使いはクリスチャン・ベール〕

僕、ズレ太は、こう見えても味覚が敏感なので、料理を食べても主体になっている味で十分強すぎ、隠し味なんて全く感じられないんです、、、ナンノコッチゃ^^;

ちょうど上手い具合に薄めて隠せば妙味に変わる、と言うのは、何も料理の味付けだけではありません、例えば毒であっても、適当な量に押さえておけば何かの役目をするもんです(アルコールもそうかな?)。

そしてもう一つ、借金も、上手い事、薄めて分解しちゃったら、債務も債権も見えなくなってしまう、少なくとも消えて無くなった気分になれるなら、こりゃ良い考えですよね。

この映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)」に登場する、サンノゼ在住のフィナンシャルマネージャー、マイケル・バリー(クリスチャン・ベール)は、そんな作戦を金融投資に実践した人物。

2005年の或るとき、かれは、核付けにAが3つも付くような証券に、返済能力が怪しいような住宅ローンの債権をちょっとだけ混ぜ合わせ、あたかも低リスクに見える商品を生み出しました。

もちろん、リスクを低減するために、クレジットデフォルトスワップの購入も、ぬかりが有りません。

そんな彼の手法に、いち早く気づき自身も実践しようと動いたのが、ウォールストリートで働くジャレッド・ヴェネット(ライアン・ゴズリング)です。彼は、関係するファンドの会議室で、この手法による運用を主張しますが、そこの重役マーク・ボーム(スティーヴ・カレル)は、この提案を鵜呑みにはできない様子。

そして、この時の不動産バブルに乗っかろう、と狙う人間は何も彼らだけではありません。大学を出て間もないこちらの二人、ジェレミー・シプリー(フィン・ウィットロック)とチャーリー・ゲラー(ジョン・マガロ)は、ファンド立ち上げに不足した金額をどうにかしようと、ベテラン投資家であるベン・リカート(ブラッド・ピット)の元を訪ねます。

こうして、その正体が見えなくなったまま、どんどんと膨らんで行くサブプライムローン残高。その仕組みが、内部で崩壊を始めるのには、さほど時間を必要としませんでした、、、。

その後の悲劇的状況は、あらために語る必要もないくらいですよね。。。 【続きを読む】 "映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)」の前評判"

映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の前評判

世界には、伝説と化した人や物語がいくつも有るのですが、伝説というのは伝説であり、つまり語り伝えられたストーリーです。

それは、伝達される度にデフォルメや強調(持ち上げたり下げたり)が加えられ、どんなに小さな噂でも、いつしか宇宙の一大事件みたく言われ始めます。例えば、方向性は違うけれど、口裂け女の噂も、ただ大げさにブレークしたという意味では似たようなもんですね^^。

さて、2015年のホリデーシーズンに向け引っ張り出された、もう一つの伝説は、19世紀にアメリカ北部で活躍した捕鯨船、エセックス号の運命を伝えるものです。

それを今、しぶしぶながら語りはじめるのは、自身が10代の頃、その最後の航海に乗船していたという男、トム・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)で、嫌がる彼を、なんとか話すよう説得に成功したのは、小説家であるハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)。

エセックス号は、1820年の秋に東海岸ナンタケット島から出帆しました、しかし今考えると、あの悲劇的ドラマは、旅立ちの前に始まっていたのかもしれないんですね。

それは、ちょっとしたいざこざ。つまり、この船には、既に、経験豊富な船長オウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)が乗ると決定していたのですが、出発直前になって親会社がジョージ・ポラード(ベンジャミン・ウォーカー)を責任者としてねじ込んできたんです。

どうしてそんな事に、、、だって、ジョージには、島の名家の影響力が後ろたてとして有るうえに、実はオウェンは島の生まれでもなんでもないから。

出発直前にこんな出来事、ちょっと先行きに不安を感じさせるでしょ?、その不安は現実になります。エセックス号は、超巨大なクジラ達の群れと遭遇し、それを捕獲するどころか逆に襲われてしまい、遥か大海原に沈没してしまったんですよね。

しかしそれは、この事故から辛くも逃げおおせた船員達を襲う残酷な運命の、その始まりにすぎませんでした・・・

あぁ、果たして、あなたの大好きなヘムズワースの運命やいかに?、というのが、ロン・ハワード監督によるこの映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の大枠だそうです。 【続きを読む】 “映画「白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)」の前評判”

映画「Chi-Raq」の前評判

写真:テヨナ・パリスアジテーションの仕方というのも色々有るんでしょうし、中には、ただの自己満足じゃないか、と思えるようなアジテーションも見受けられる気がするのも、これまた事実です。(The photo by PunkToad is used here under the license of 表示 2.0 一般.)

自己満足が悪い訳じゃあないし、一応、筋の通った思想を持って法に則った行動に移し、結果的に本人が満足ならそれに越した事もないんですけれど。

しかしその後も、世を表す数字は、冷酷に、固く、厳然として存在し続けます。それは動かしようのない結果です。

例えば、この映画「Chi-Raq」の中で、監督を務めたスパイク・リーが主張しているのも、ある種、おぞましい現実を表す数字なんです。

それは、「2003〜2011年にイラク戦争で死んだアメリカ人の数は4424人、対して、2001〜2015年にシカゴで殺された人数は、7356人」、という統計。

そんな、実在の街シカゴを舞台に、リー監督がいま描き出したのは、対立しあう架空のギャング集団、サイクロプス(ウェズリー・スナイプス)が率いるトロヤン、そして、シ=ラク(ニック・キャノン)が率いるスパルタン。そして、シ=ラクの恋人であるリューシストラテー(テヨナ・パリス)をはじめとした女性達。

終わりのない暴力と破壊の押収。そしてついに、リューシストラテーの住居までもが破壊されるにいたり、彼女は一つの決意をします。

他のギャングの恋人・愛人達とともに、彼女はこう宣言したのです。「抗争を止めなさい、さもなくば、あなたたちとの性交渉は一切拒絶します。」

・・・この映画「Chi-Raq」は、古代ギリシアの喜劇作家アリストパネスによって書かれた戯曲「女の平和」を、現代のシカゴを舞台に描きなおすという、鋭い作りの一作なのだそうですよ。 【続きを読む】 “映画「Chi-Raq」の前評判”