全米映画トップ3(2017.10.23)

口では誰にも負けない「お婆ちゃん」が、ゴーストに遭遇すると?

ちょうど今の季節は、2017年のハロウィーンという事で、ハリウッド映画界からもウィットに富んだ(ややもするとエクスプロイティングな)作品が最もリリースされる、超ハイシーズンとなっております。

そして、映画的な意味で冥界への扉が開くこの時期は、むしろ予算を抑えて小型だけれどもエッジが効いていて、巷の噂になるような作品が成功を収めるでしょう。

まぁ、今週、初登場にして興行成績ランキングの1位を奪取した、「Tyler Perry’s Boo 2! A Madea Halloween」については、その予算がいくらであったかは別にしても、小型の映画とだけは言えないだろうと思います。

アメリカでは、相変わらずすたれない絶大な人気を誇るタイラー・ペリーの、‘マディア’。今回の彼女(そして彼、男女3つのキャラを演じています)は、若者たちをつれて呪われた地獄のキャンプ場へとバケーションに向かいます。

もちろん、様々なホラー映画の定番キャラクターが寄せ集められた本作の中、ゴーストやデーモンに遭遇したマディアの巨体が震え上がれば、全米が観客達の笑い声によって震撼している事必至でしょう。

この映画、週末3日間の売り上げ額は、2,170万ドルを記録しました。

季節遅れのVFX大作

ハリウッド映画のテンプレートとしては、神に与えられたこの世界の仕組みを、自分の都合にあわせて変更しようとする人間達が現れれば、必ず天罰がくだって大災厄を招く事になっています。

そういう宗教的な教訓を薄っすらと盛り込みつつ、得意のVFXで派手に描くスペクタクルは、あらゆる角度から見てもスキが無い、鉄板のエンターテインメントとなる訳ですね。

そんな作品群の中でも、どういう訳だか夏休みに公開する事が出来ず、お化けやデーモンや猟奇殺人器と肩を並べて登場する事を余儀なくされたのが、今週初登場にしてランキング2位に滑り込んだ、「Geostorm」です。売上額は、1,330万ドルを記録。

近未来、人類は、地球上の全天候を技術的に操作するシステムを手に入れますが、これもお約束通りに、かなり不都合な出来事が起きて、地球は滅亡の危機に瀕すると言うSF系パニック大作です。

ジェラルド・バトラーが、愛する人のために地球を救う主人公、を演じているそうで、日本向けの訴求力も十分に仕込まれている一本と言えそう。

定番B級ホラーも健在

まぁ、なんだかんだ言っても、B級の娯楽ホラーは映画収益における太い柱の一本。

例えば、1,000万ドルに満たないような予算で作っても、アイディアに光るものがありヒットすれば、フランチャイズ化してパート2、3、、、と大型映画に育つ事も十分有り得ます。

そして、このハロウィーンに登場しスマッシュ的ヒットとなりそうなホラー映画が、今週ランキングの3位に滑り込んだこの作品、「Happy Death Day」です。売上額は940万ドルという数字でしたが、作品の規模からしてみれば十分な額であるはず。

この中では、「ラ・ラ・ランド」にも出ていた女優ジェシカ・ローテが、自分が殺された、という一日を繰り返し体験してしまう女子大生を演じているそうです。

この映画、かなりの確率で続編の企画が出てきそうな一本となりました。そのタイトルは、、、「Happy funeral Day」ですかね、やっぱり。

世界は今日も変化中

国家運営に風を吹き込むと言う、新しい大統領が奮闘中のアメリカですから、一般市民の消費パターンも変化しているのかもしれません。それが、この夏に起きた、映画業界低迷を引き起こしたとも言えそう。

これから、ディジタル配信という新しい見せ方が普及するので、映画ももっとそれに適合してゆく事になるでしょう。

ダーウィン曰く、生き残るのは強いものではなく、変化に対応できるもの、です。

しっかりしたVRゴーグルが、普通に購入可能な価格になれば、直接それ向けに体験型映画を配信する会社も現れるはずですね。当初は、ホラーやミステリが主体になるかもしれませんが、ゴーグル用の描き方が確立すれば、他のタイプのドラマもどんどん作られるでしょう。

現在、僕たちの住む世界は、そういった大きな変化の真っただ中にあるのです。信じるか信じないかはアナタ次第。

ではまたっ!。

リーアム・ニーソン対ニクソンの陰謀:映画「Mark Felt」について

権力の陰謀渦巻く、この世界

どの様な国家の元首でも、最大の関心事項は、領土内の秩序を保つという事です。

そして、どんな世界でも秩序を乱そうとするのは人民達。国家や共同体に対する責任感を持たない彼らは、自らを堕落的な生活に置いているくせに、つねに指導者層に対して疑念や不満を抱き、勝手な被害者意識を内部にため込んでいるものです。

そして、勝手に暴発する・・・

そういった事情の中では、国家の最高責任者達が、一般市民や対抗する政治勢力の言動を傍受・監視するという行為も、充分に‘正当化’されるでしょう。

まぁ、最近ですと、合衆国を中心として稼働する‘エシュロン’なんていう、とても洗練された通信傍受システムがあるそうで、ネットや携帯の通話など、すべて超高速コンピュータが解析、体制に反するような危険な内容を割り出しているそうです。

そして、そのような、ハイテクIT機器が存在しなかった時代、たとえば1970年代にも、合衆国の情報活動部門は大統領による適切な指導の下で、様々な盗聴活動を行っていたのです。

もちろん、21世紀の盗聴に比べればひどく幼稚な道具を使っていたり、場合によるとおっちょこちょいな結果になったりもしました。その代表格と言えるのが、‘ウォーターゲート事件’かもしれません。

今回ご紹介する映画、「Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House」は、アメリカ史上ただ一度だけ大統領を辞任に追い込んだという、一大盗聴・陰謀スキャンダルを、さらに裏から引っ張っていた人物を描くドラマだそうです。

しかし、この長い題名、日本の配給会社から裏でアドバイスでも貰ったんですかね? 【続きを読む】 “リーアム・ニーソン対ニクソンの陰謀:映画「Mark Felt」について”

ジェシカ・ローテが最後に繰り返す怖い事とは?:映画「Happy Death Day」について

やり直しが効くからって良い事ばかりじゃ・・・

人の好みというものも、それぞれではあります。

ですので、かなり特殊な趣味とも言える‘殺戮系ホラー’の楽しみ方も、これまた十人居れば十通りあるのです。

その中には、誰かの頸動脈に尖ったものを突き刺して、真っ赤な潜血が噴き出る様子がたまらん、といったような、ちょっとヤバい趣味もあり得るのですが、もう一つ娯楽ホラーの楽しみに忘れてはいけないのが、若手女優さんの演技を味わうというもの。

一般的に言っても、ほぼ同じパターンの繰り返しになりがちなB級娯楽ホラーを、最後まで鑑賞する気にさせてくれるのも、ひとえに主演を務める美人女優さんのおかげです。

まぁ、願わくば、いつもの繰り返しパターンを脱却してくれる新鮮なプロットが、その映画にも与えられているならもっと嬉しいでしょう。

そう、例えば、新進女優のジェシカ・ローテが、一つの事を延々と(ひょっとしたら死ぬまで)繰り返す、という、従来のアイディアのリサイクルに少し捻りを加えた映画、「Happy Death Day」なら、色々な層の映画ファンを楽しませてくれるかもしれません。

今回は、2017年ハロウィーン向けに米国でリリースされた、その新作映画のご紹介です。 【続きを読む】 “ジェシカ・ローテが最後に繰り返す怖い事とは?:映画「Happy Death Day」について”

全米映画トップ3(2017.10.16)

ショービジネスにまぐれはない

それなりに意図をもって、誠実な態度で作られた生産物であれば、すべてが公平に評価されて、平等に世の中に受け入れられるべきでしょう・・・

でも、現実的には、それもただの理想論か妄想でしかありません。実際には、そのモノの本質より外見やイメージが先行して世の中に評価されてしまいます。だから、その段階でうまくポジション固めができなかった製品は、もともと存在しなかったのと一緒、という憂き目にあう訳です。

しかし、イメージ戦略が上手く運ぶと、チープで小型の製品でも、有名ブランドの地位を揺るがす程のインパクトを市場に与える事も可能。そういう逆転劇が起こるからこそ、例えばハリウッドの若手プロデューサーなどが、日々その知恵を絞っているのですね。

さて今週、初公開にして他の強豪作品を抑え、全米映画興行成績ランキングのトップに躍り出たホラー映画「Happy Death Day」が、かように若いクリエーターのみにより作られた一本か、と言うと、そうでもないらしいのですが、映画のサイズで言えば相当小型であるのは確かです。

制作予算は、(主演女優のギャラが出せるのかと心配になるほどの)500万ドルという超コンパクトな作りなのが、ハロウィーン前の絶好のタイミングでリリースされたこの一本。この週末における売上額は、2,650万ドルを記録しています。

主演は、「ラ・ラ・ランド」にも出ているジェシカ・ローテ、監督を務めたのが、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズに脚本を提供してきた、 クリストファー・ランドンです。

そのストーリーの方は、ローテ演じる女子大生が、自身が殺害される一日を繰り返し体験するという、ちょっと興味深いお話なんだそうですよ。

2049年に何が起きた?

そして、本来ならば、10月の間くらいはランキングのトップに君臨し続ける使命がある、このSF大作「ブレードランナー 2049(Blade Runner 2049)」が、公開2週目にして2位に陥落。週末3日間の売上額は1,510万ドルという記録に留まりました。

まぁ、空飛ぶ自動車や巨大なホログラフィー、そして「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングに加えて(レジェンド)ハリソン・フォードまで登場するという、この大作、事前のイメージ構築に失敗していたとは思えません。

日本でも、かなり強力なプロモーションが立ち上がってきているようなので、これから、どんなページを映画の歴史に残してゆくことになるか、期待をするべきなのでしょう。

ですが、制作・撮影費用も、出演者のギャラもかさんだこの作品、制作にはなんと1億5,000万ドルが投じられたのも事実。

やっぱり、今のこの状況にはまったままになってしまえば、(もし仮にその企画が存在したとして)「ブレードランナー2052」の話にも暗雲が垂れ込めてしまいそうで、心配です・・・

怒らすと危険な外国人 in USA

そして、これまた初公開で興行成績ランキング3位に飛び込んだのが、ジャッキー・チェン主演の復讐スリラー、「The Foreigner」で、売上金額は1,280万ドルという数字を記録しました。

今年のル・マン24時間レースでは、自身が所有のレーシングチームをクラス優勝に導き、いま、アクセル全開で疾走中のチェン先生。この映画では、アメリカを狙ったテロのとばっちりを受け、家族を殺された中国人を演じているそうです。

もちろん、カンフーの格闘技やマシンガン、そしてワイヤーアクションもたっぷり見られそうなのが、この一本という事。

でも、、、まだ日本公開の予定が立ってないんですね。なんででしょう?

どこを見ても怖い顔したカボチャばかり

夏に比べると蚊が少なくなるので、本当は今頃の方がBBQなどに適している季節なのです。

そんな時期には、インドア派の人も外にでて、何かしてみたくなりそうですが、同時に10月は、世の中全体をホラー色に染めても大人達から揶揄されないという、一年でも貴重な1か月でもあります。

なのでやっぱり、月後半の今はホラーDVDをがっつり借りて、脳がしびれるまで見まくりたい所。しかし、レンタルの需要も多くなりそうですから、当日、突然思い立っても、良いのが借りれない可能性も高まります。

この月末、ムードの演出を失敗したくない方は、今の内から宅配月額レンタルに予約して、お気に入りを確保しておくことをお勧めいたします。

ま、コスプレのデートに出るという方は、そんな必要もないでしょうけれどね^^

それではまたっ!

素敵な2人を惹き合わせたのは命の危機:映画「The Mountain Between Us」について

よい映画を作るのも、やっぱり素材から

一年の季節も押し迫ってくると、ハリウッドとしては、いわゆるアンサンブルキャストによるホリデー映画の準備に余念がない事でしょう。

時代を代表する俳優を、各年代から取り揃えつつも、彼らを定型的シナリオ構造の中に当てはめて制作する、観客の脳にはストレスを全くかけないとうい映画が、こういったクリスマス周辺のドラメディになります。

言ってみれば、料理の腕試し番組で出てきたテーマが普通のネギであっても、それにバフンウニやら伊勢海老とかA5和牛まで盛り込めば、どうやってもグルメになってしまうという、その同じ原理を映画に適用したもの。

とは言うものの、その晩さんにありつくには、まだ5,6週間ほど季節が早すぎますので、今公開される映画の中での材料は、まだまだ厳選され絞り込まれたものとなります。

そして、控えめな中でも、ちゃんとお金を払っても納得できる素材を組み合わせた作品は、やはり特筆されるべき。おそらく、そんな映画の一本が、今回ご紹介する「The Mountain Between Us」です。

この映画、主演にはイドリス・エルバとケイト・ウィンスレットという、大変魅力的なキャストを用意しただけでなく、その2人の関係性が、物語のほぼ全てを支えるという一作らしいのです。 【続きを読む】 “素敵な2人を惹き合わせたのは命の危機:映画「The Mountain Between Us」について”

大人の自分探しは意味深い:映画「Brad’s Status」について

何も不足はないはずの自分なのに

成人年齢の人の多くは、「いつかは取り組もうと思いながらも20年くらいお蔵入りになってる課題」を、ひとつくらい心の深い所に持っているものです。

人は、何かを手に入れるために何かを手放すもの、だそうですので、現在のあなたの幸福な生活も、遠い昔に諦めてきた何かのおかげで手に入れたと言っても、過言ではないでしょう。

でも、社会的な幸福と心の充足が必ずしも一致しないのが人の常。芸能人や国会議員といった著名人が不倫に走ったりするのは、あきらかに、失ったり諦めてきた何かにより心に開いた穴を塞ごうとするためです。

あるいは、人生についての後悔とか愚痴をこぼして過ごす場合もあるでしょうが、どちらにしても、そういった自滅的な行為は、上手くかかれたドラマのシナリオくらいでしか、満足の行くあがないへ辿り着く事はありません。

さて、今回紹介する映画、「Brad’s Status」の主演の男性は、社会的にも価値のある仕事と文句のつけようのない家族を持ちながら、自分の人生についての心残りが吹っ切れなくて困っているのだそうです。

自慢の息子が大人への扉を開けようとしている今、彼もまた、自身の人生に結論を出す必要を感じているらしいのですが、そこに辿り着くには、やっぱり一連のドラマが必要です・・・ 【続きを読む】 “大人の自分探しは意味深い:映画「Brad’s Status」について”

映画「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」の気になる評価

犯罪と陰謀と家庭生活

その男は、命をかけて娘を守る父親の顔を持ちながら、正義の秘密エージェントでもあり、同時に冷血な暗殺者でもありつつ、若手の敏腕弁護士の顔も持っています。

さらに彼は、NASCARのレーシングマシンを時速300キロで走らせたり、空軍のエリートパイロットとして、F-14トムキャットによるドッグファイトを演じて見せ、とても活動的な人物で有る事を伺わせもします。

一番最近の彼は?、と言うと、ルイジアナ州バトンルージュに美しい妻との平和な生活を維持しながら、南北アメリカ大陸をまたにかけ、大量のマリワナやコカイン密輸で大儲けしたようです。その一方で政府機関へ麻薬組織の情報を流し、その摘発にひと役買って罪を逃れたりしたとか。

まぁ、全部シナリオの上の話ですけどね・・・

そんな、ハリウッドにおけるカリスマの代名詞とも言える人物こそ、他でもありません、トム・クルーズ師匠。

そのクルーズの最新作は、「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」。前出の、密輸組織と政府機関の両方を一時だけ手玉に取って見せた伝説の男を描く、娯楽アクションといった風情の一本です。

しかし、クルーズ兄さん、どんな具合に母国を‘はめた’のでしょうね? 【続きを読む】 “映画「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.10.9)

30余年の時を超えて、その先の深い未来を描く

考えてみると、すべての物の成否を決定するのは、それをいつ行うかという点につきます。つまり、すべての結果はタイミングの良否が生み出すものなのです。

いつ新型のスマートフォンを発売するか、とか、いつ別々の政党が合併するか、とか、いつマイホームのローンを組むか、はたまた、いつインスタントラーメンをお湯から上げるかまで、すべては厳密なタイミング論によって支配されています。

かくして、30年間以上の準備期間を経て、満を持するように公開される名作映画の続編については、配給会社が設けた企画部のエリート達の間で、その公開期日をめぐって相当な議論がなされたはずです。

その映画とは、今週初登場で興行成績ランキングの1位を奪取した、「ブレードランナー2049(Blade Runner 2049)」。売上額は3,150万ドルという数字を記録しました。

夏の間には寒風が吹きすさんだ2017年のハリウッド映画産業を、デングリ返す役割を与えられたこのSF大作。全部のタイミング、ばっちりですよね・・・

一足早い極寒体験

一部の人達にとっては、深い雪に覆われる真冬の季節は、一年を通しても最も祝福すべき時期でしょう。

そんな風に極寒を待ち望む人達や、あるいは、厳しい自然の中での冒険を疑似体験したいと考えている人にとって、かなり良いタイミングで公開されたのが、初登場で今週のランキング2位に入った「The Mountain Between Us」で、売上金額は1,010万ドルという数字を記録しました。

夏の間のVFX祭りが、いまいち盛り上がり切らなかった事を思うと、上級の俳優2人による上質な演技で、雪山でのサバイバルの緊迫感と、そこにあるべき感情性を描写しきる、という映画らしい映画は、ある意味で時流に乗っているかもしれません。

そんな本作でダブルで主演をはっているのが、イドリス・エルバとケイト・ウィンスレットです。

ハロウィーンの恐怖が地獄のクラウンをさらに強化

いくらハロウィーンの前だからと言って、新作映画の全てがオバケ話や殺人鬼スリラーになるという事も有り得ません。

という事で、大物ホラーをどこでリリースするかというのも、これまた配給会社が考えなければいけない大切なポイントでしょう。

そして、ともすればリリース日が早すぎたと感じさせた、このホラー映画「It」が、10月31日の前後まで延命しそうなのは、タイミング理論上でも特筆すべき現象だと言えます。

今週もランキングの3位に滑り込んで、売上金額は970万ドルを記録した本作ですが、米国内だけの累積売り上げも3億ドルを突破(制作予算は3,500万ドル)するという成功作となっています。

このスティーブン・キング原作による恐怖映画、続編にも、たくさんの人が期待している、といったところですが、一体ナニをみたら全部おわりなんでしょうね?

まぁ、秀逸な邦題も含めて、公開時期を絶対にはずさない日本の配給会社さん達は、やっぱりすごいのです・・・

それではまたっ!

あっちの世界を垣間見たエレン・ペイジ:映画「Flatliners」について

全ての終わりの先には何がある?

世の中で、「死」について直接的に言及する事が許されているのは、医者や、一部の学者、そして宗教家くらいのものです。

人が、その人生を終えるという事は、それほどに厳格であり、ある種、絶対的な事象だからです。

そして、この世での命が有効期限を終えた後は、本当に自分という存在は消えてしまうのか?、あるいは、その先にも続きがあるのかは、古くから続く根源的な論争でもあります。

まぁ、死後の世界の実体が誰にも確認できないものなので、諸説紛々とするのは仕方ないところですが、もうちょっとライトに、入り口の部分からこの問題を探求する事もできます。

それが、臨死体験という現象。

世界中で臨床的な事例の報告もあり、かなり現実的な調査・研究が行えそうなのが、人が死ぬ一歩手前で何を体験するかという、このテーマなのです。

同時に、「現実的」で「興味深く」て「ちょっと怖い」、そんな出来事は、そうです、ハリウッド映画の題材としても超ぴったりではありませんか。

と言う訳で、1990年には、この問題が「フラットライナーズ」という娯楽スリラーとして、映画化されました。

今回ご紹介するのは、その21世紀版リメイク作。あっちの世界を覗こうと危険な実験に臨む医学生を、「JUNO/ジュノ」や「X-MEN」でおなじみの、エレン・ペイジが演じています。 【続きを読む】 “あっちの世界を垣間見たエレン・ペイジ:映画「Flatliners」について”

幻惑の森に溶けるキルスティン・ダンスト:映画「Woodshock」について

人は皆、苦痛を抱え彷徨える魂

神様、あるいは、超古代に地球を訪れたエイリアンの手によって、人類には知性が与えられました。

しかし、知恵がつくという事は、生きている限り悩みや苦しみがつきないという、宿命も背負わされたようなものです。絶対に変える事ができないと分かっている事実にさえ、人の知性は解決を求め、終わりのない苦悩にさいなまれるのです。

そして神は、そんな人間を苦しみからひと時だけ救うために、例えば、酒とかタバコ、ギャンブルやドラッグといった癒しも用意してくれました。

でも、たった一時の救いは、問題の影響をただ大きく広げるだけです・・・

さて、今回ご紹介する映画は、ファッションブランドの‘ロダルテ’を主宰する、マリービー姉妹が、脚本と監督を務めたという話題の一本。

そして、キルスティン・ダンストが、逃れようもない罪悪感の苦しみから、破滅的な癒しに手を出してしまう女性を演じているという、なかなか刺激的なストーリーなのだそうです。 【続きを読む】 “幻惑の森に溶けるキルスティン・ダンスト:映画「Woodshock」について”

全米映画トップ3(2017.10.2)

ペニーワイズの反撃

少なくとも、10月に入った時点で日米の消費者が(参加するしないは別として)意識し始める事と言えば、そう、あの一大仮装イベント、ハロウィーンの存在です。

毎年、フェイクから本当にヤバい輩まで、キラークラウンはコスプレの定番。そして、今年は彼らがお手本にすべきカリスマが米国全土の劇場に出没中です。

それこそ、あのペニーワイズですよね。

と言う訳で、2017年10月の第1週末における、米国内映画興行成績のトップに返り咲いたのが、スティーブン・キング原作のホラー映画、「It」という事になりました。

ただまぁ、売上額は1,730万ドルと言う事で、業界全体の生煮え状態は依然継続中だと、感じざるを得ません…。

ダーティワークが似合う男

実際に、ハリウッド映画スタジオの重役達や出資者を手玉に取っている。

そんなワケじゃないと思いますが、本当にやり手である事は確かなのが、クル様、いや、トム様、いえいえ、トム・クルーズ様です。

そんな彼が、「M:I6」あるいは「Top Gun: Maverick」というアイコニックな大作の撮影までの合間に(ちょいちょいと)仕上げたのが、今週初登場でランキング2位に入ってきた、「バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)」で、売上額は1,700万ドルという数字を記録しました。

この物語は、アメリカCIA、DEA、そしてコロンビアの恐ろしい麻薬王までも‘手玉に取った’実在の男、バリー・シールの半生を描くものだそうです。

まさに、クル様にはぴったし、といった役どころですよね(あ、トム様です)。

大西洋をまたいでスパイが組めば、ウルトラな力になる!

そうです、MI6とかCIAなどが大々的に手を組んで、世界にはびこる、とりあえず極悪人と思しき連中を、マシンガンやロケットランチャー、さらには超ハイテクギアなどを大量に投入して追い詰め殺しまくれば、この地球は瞬く間に平和になります。

そんな事を期待する観客は、新作スパイ映画「Kingsman: The Golden Circle」へと足を運び続けているようで、結果として、今週末の米国内売り上げ額を1,700万ドルまで押し上げ、ランキングも3位に入りました。

しかしまぁ、CIAとかスパイとか、最近の映画業界では良く目にする気がしますよね。

現実の世界に、超めんどうくさい事態がたくさん発生していて、その事件をニュースで見るのもめんどうくさくなった大衆に、諜報部の極秘作戦で簡単に解決して欲しいと言わせるための、米国上層部による印象操作なのでしょうか・・・

映画は、そのような事にも使われています。信じるか信じないかは、アナタ次第ですけどね。

えへへ、それではまたっ!

男のくせに女に負けるなんてあり得ない??:映画「Battle of the Sexes」について

つぶやきアカ、停止ギリギリのテーマ!?

僕を含めた多くの日本人は、この映画のタイトルである「Battle of the Sexes」を読んだ時、倦怠期に入った夫婦を描くR指定のコメディ映画を想像すると思います。

あるいは、もっとグっとくる内容を想像するかもしれませんが、このタイトルの最後の単語に、あまり気を取られてはいけません。

この映画、実際には、現代社会の根幹をなしている性別による格差や差別を扱いつつ、さほど重くならない風に仕上がった、実話ベースのストーリーなのだそうです。

そぞれの「Sex」から代表され、この物語で文字通りの「Battle」を演じるのは、スティーヴ・カレルとエマ・ストーン。

この2人の戦いは、全米どころか全世界にも大きな話題を提供するのだそうですが、一体、その中身とは・・・? 【続きを読む】 “男のくせに女に負けるなんてあり得ない??:映画「Battle of the Sexes」について”

ディラン・オブライエンが世界戦争を止めるっ!:映画「American Assassin」について

陰謀渦巻く裏の世界へと飛び込む一人の青年

この世界は、「陰と陽」の2側面でなりたっています。光ある所には必ず闇があり、人には表の顔と裏の顔があるのです。

表面上見えている世の中の姿は、実は真実を全て反映している訳ではありません。そして、一般人に対しては隠ぺいされた裏の世界で、さまざまなパワーゲームが進行しているのが、僕らの住んでいる人類の社会というもの。

そんな世界の平和と騒乱の2局面を天秤にかけて、常にバランスする様に画策するのが、先進各国が持っている諜報機関の役割ですが、これまた、アクション映画にとって鉄板のネタでもありますね。

スパイは、ビジネス界でのキャッシュフローも生み出すという訳です。

フィクションの中では、毎日5,6人は人を殺しているスパイですが、まぁ、実際のスパイというのは、普通の社会生活に溶け込んで、裏側から何かをしているものです。だから、本当は米国CIAなども、僕みたいに華も無い目立たないヤツをリクルートするんじゃないかと思うのですが、映画の中では、そんなつまらない事が描かれるハズもありません。

かくして、この映画「American Assassin」でスパイに抜擢されたのも、アメリカのみならず世界中の女性映画ファンを引き付けるイケメン男性。

ただ彼は、ある最悪の出来事が原因で、世界を転覆させようとする連中への復讐を誓った、という複雑な背景を持つ人物のようです 【続きを読む】 “ディラン・オブライエンが世界戦争を止めるっ!:映画「American Assassin」について”

全米映画トップ3(2017.9.25)

狂気の最高作!?

今週のハリウッド映画業界ランキング、初登場にして見事トップに躍り出たのが、タロン・エガートン主演のスパイアクション、「キングスマン:ゴールデン・サークル(Kingsman: The Golden Circle)」でした。

予告編でも見られる台詞からもわかる通りに、マナーを重んじる英国スパイは、それほどがっつかない(!?)、という事で、売上額は3,900万ドルという落ち着いた普通のヒット作並みの数字になりました。

2014年に作られた「キングスマン」の続編である本作。まぁ、世の中の人々が新しい環境になれ、新しい彼女・彼氏もできたというこの時期に、上手く彼らのデート需要を捉えたとも言えそうですね。

そういう意味でも本作は、湿気た空気に支配された夏から、ハリウッドを救った救世主だったかもしれません。

予告編を見る限り、今どきの娯楽アクションにふさわしい(あるいはそれを超えた)、弾丸と死体と爆風が入り乱れる映像的大騒乱がノンストップで突っ走る一作、そんなバイブスが出まくっているのが、この一作でしょう。

終わりたくても終わらない悪魔道化師の恐怖

今週の2位には、いよいよ秀逸な邦題がついて日本での集客作戦も上々なホラー映画。スティーブン・キング原作の「It」が入りました。

週末3日間だけの売上金額は3,000万ドルを記録して、1位の数字と比べても引き続き人気度合が高い事をうかがわせます。

しかし、、、これを見たら終わりと言うけれど、パート2のプロダクションも立ち上がっているのです、この映画。2が上手くいけば、3も有り得ますよ(イット3:ペニーワイズの誕生!?)。

なんでもニンジャ、レゴでもニンジャ、ニンジャゴー

ドリアは日本発祥だし、イタリアのナポリにはナポリタンスパゲティは無いし、中国の餃子にはニンニクを入れないのです。

色々な文化というのは、それが外国へ紹介されるときには、分かりやすく翻訳されてしまうのが常。だったら、レゴがカンフーマスターの先生から忍者の技を教わっても、なんら問題はありません。

結果的に、今週初登場のキッズ向け映画「The LEGO Ninjago Movie」が、ランキング3位の位置に滑り込んだのも妥当だったと言う事になりますね。

売上額は2,120万ドルを記録しました。

秋からが本調子

日本の場合は、梅雨から夏にかけて体調を崩しやすい人も多いでしょうし、体調が悪いと仕事もうまく行かず、そのストレスから帰りがけにビールや焼酎を煽ってしまい、それが原因でますます調子悪くなる、という悪循環に陥りがちですよね。

でも、そんな季節は終わり、さわやかにしてクリエイティブな文化の季節到来です。

幾多有るハリウッド映画の中から、厳選の上で厳選に厳選を重ねて日本に紹介される名作を、できるだけ沢山見まくって、この良い季節を満喫できたら本当にうれしいですよね!

それではまたっ!

ジャパンで悪霊にであう恐怖:映画「Temple」について

本当は怖い海外旅行・・・日本編

大抵の人は、エキゾチックな外国の文化に魅力を感じていると思います。

自分のものとは違った生活や行動様式は、どういう訳だかお洒落に見えますし、それ以上に、世界の文化的多様性に触れる事自体が、その人の世界観を間違いなく広げる体験となります。

だけれども、この世には、外国人が安易に触れたり土足で踏み込んだりしてはいけないポイントもあります。例えば、宗教的概念とかその施設などが典型でしょう。

宇宙の真理や人の死についての、神秘的な答えを与えてくれるその場所は、ローカルの人間達から、崇敬と共に、ある種の畏怖をもって接せられているものです。

だから、そこにまつわる‘事情’を知っている人の、真摯なアドバイスを軽視してはいけません。うかつにそのポイントへ踏み込んだら、想像もしていなかった超常的な存在の怒りに触れてしまうかもしれませんから。

まぁ、そんな話、映画のネタとしてはピッタリですけどね。

日本文化のエキゾチシズムに触れようと、そんな曰くつきスポットへと安易に踏み込んだアメリカ人観光客が、闇に潜む悪霊と遭遇してしまうというストーリーが、今回ご紹介する「Temple」というホラー映画です。 【続きを読む】 “ジャパンで悪霊にであう恐怖:映画「Temple」について”

ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」について

天才監督が再び全米を震撼させる

ダーレン・アロノフスキー脚本・監督でジェニファー・ローレンス主演の映画、というだけで、ゴシップ系のニュースには十分ネタを提供し得るのかもしれませんが、そこへ、エド・ハリスとミシェル・ファイファーまで加えたら、一つの映画としても何かが起こりそうな予感が漂いはじめます。

そんな一作が、今回ご紹介する「Mother!」。

‘マザー’と言うと、すべての愛や包容力の象徴となる言葉ですが、時として映画の中では、歪んだ人格や狭量や過去のトラウマなどの象徴として使われる存在です。そしてどちらかと言うと本作では、後者のイメージが近いのかもしれません。

とにかく、2017年のヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映された時点から、色々な所でバズられている話題作が、この「Mother!」だという事ですね。

アロノフスキー監督はこの新作によって、再び米国映画界を震撼させる事になるのでしょうか? 【続きを読む】 “ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」について”

ピーター・ディンクレイジが探す記憶の鍵:映画「Rememory」について

記憶は消すものではなく見直すもの!?

この宇宙に、「記憶」というものほど神秘的なものはないかもしれませんね。

それは、新聞とか辞書のように情報を平面的に並べただけのものではありません。日常的に機能している僕らの意識とは、また別の次元に一種の格納領域があって、その領域には、僕らが生まれてから体験したすべての事象が、相互に連結して登録されているのです。

それは、複雑に絡み合い影響しあって、僕らの人格までも形成しています。だから、人にとって正しい経験を積み重ねる事は、実に大切なのです。

一方、それが過ちの記憶であっても、死ぬまで永遠に消える事がありません。もし、その記憶を物理的に取り出して検証する事ができたら、人間は秘密を持つことも出来なくなり、人生の意味も変わってしまうでしょう。

そんな話をモチーフにして展開するSF系スリラーが、今回ご紹介する「Rememory」。主役を演じるのは、「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジです。 【続きを読む】 “ピーター・ディンクレイジが探す記憶の鍵:映画「Rememory」について”

全米映画トップ3(2017.9.18)

ハリウッド的リセッションは終わったのか?

アメリカ的資本主義を世界中に広めるのが、ハリウッド映画の一つの役目でもありますから、ウソでもいいから、その業界が吐き出す統計には、景気の良い数字だけは並べておきたいものです。

そんな意味では、8月後半の氷河期のような売上額の状況は、かなり宜しくなさそう。そして、その状況も一時の事だろう、なんて(どこぞの国の政府みたいに)タカをくくっていると、本当に悪い事が進行して、どうしようもない状況に落ち込んだりもします。

まぁ、良くない時代には、もっと悪くて恐ろしいものを、あえて映像化してコワいもの見たさの大衆に売り込む事ができるのも、ハリウッドの映画産業の一つの強みです(テロとか、ウィルスとか、UFOとか、ネタはいろいろありますからね)。

ですので、今週も6,000万ドルの売り上げを維持してランキングのトップに収まった、「It」は、まさに期を捉えたと言うべき作品なのです。

スティーブン・キング原作のこのスト―リーでは、人類史上最悪・最恐の道化師、あのペニーワイズが、田舎町の子供達を餌食にしまくります。

ちなみに本作の米国内の累積売上額は、もうじき2億2,000万ドルに到達しそうです。

2、3位は初登場作品

初登場にして、今週の2位に入ったのは、CIAスパイスリラーの一作である「American Assassin」。その売上額は、1,480万ドルと一応の健闘を見せました。

中東で進行する戦争の陰謀を、ディラン・オブライエン演じる若手エージェントが阻止するために奔走するという、いわば鉄板のスパイアクションです。

共演には、あのマイケル・キートン他。

今週の3位には、これまた初登場、ダーレン・アロノフスキー監督、ジェニファー・ローレンス主演のミステリースリラー、「Mother!」が入って、売上額は750万ドルという数字でした。

刺激的なストーリーが期待される映画作家の最新作、それも、その作家と主演女優が付き合っているらしいとか、いろいろ話題のある一作です。

本来であったら、もっと大きな数字が出そうな一本ですが、まぁ、ハリウッドのマーケットもまだ本調子ではないようで、ただ、運が悪かったと考えるしかないのでしょうね。

さて、このハリウッド的景気後退はいつまで続くのでしょうか?。このままソフトランディングで終わるのか、はたまた、ハードランディングとなって歴史を作るのか。

あきらかに、何かのサインである事は確かなのですけどねぇ。。。

リース・ウィザースプーンの嬉しい離婚!?:映画「Home Again」について

映画製作、最良の語り口がベストではない!?

映画でもなんでも、それが成功するためには、より多くの人からの共感を勝ち取るのが大切、なのだそうです。

ただ、一つのストーリーが十分な集客力を発揮するには、そこに一定の驚きも必要。マジョリティの人が無条件に受け入れるアイテムを1から順に並べるだけでは、新たに執筆するという意味が無くなってしまいますからね。

かくして、作家の方達は、次の作品に新鮮なスパイスを聞かせようと頭を捻るのだと思いますが、その味付けが受け手側の大衆にどう解釈されるか、というのも運任せな訳で、能力や才能がすべて備わったプロフェッショナルの方であっても、時として的を外す事があるのです。

さて、その‘解釈のされ方’という意味において、意図した以上に高いハードルが設定されてしまい、その作風以外の部分で解釈・評価されているのが、ここでご紹介する「Home Again」という映画かもしれません。

映画監督ハリー・マイヤーズ・シャイヤーのデビュー作である本作は、リース・ウィザースプーンが人生と恋愛のやり直しを模索する姿を軽やかに描く、明るいロマンティックコメディ、との事です。 【続きを読む】 “リース・ウィザースプーンの嬉しい離婚!?:映画「Home Again」について”

レイク・ベルが、夫婦生活に疲れた2人に捧げます:映画「I Do … Until I Don’t」について

結婚はタダのしきたり!?

人は皆、自由であると言いつつも、結局、自分が生まれるずっと前に決定された社会のしきたり、例えば結婚なんていう制度に縛られ、同時にそれに依存しないと生きていけません。

まぁ普段は、そういった縛りの中で適当に妥協をしながら、上手い事やってゆくのが、一応の幸福を手に入れる秘訣でもあります。その典型なのが結婚生活でしょう。

同時に、すべての先進国に住む多くのカップルが、我慢によって結婚生活を守っているというのも、なんだか皮肉な図式ではあります。

そして、世の中の皮肉な実情や問題は、ひょっとすると面白いストーリーの出発点になるかも。という事で、結婚生活に関する面白おかしい(そして皮肉な)コメディー映画が、毎年のようにリリースされる訳ですね。

さて、その一本と思しき、今回ご紹介するコメディ、映画「I Do … Until I Don’t」は、監督・脚本・出演の全てをこなす才女、レイク・ベルが、結婚という文化の問題に切り込む風刺ドラマであるそうです。 【続きを読む】 “レイク・ベルが、夫婦生活に疲れた2人に捧げます:映画「I Do … Until I Don’t」について”

スティーブン・キング原作映画「It」の気になる評価

オイデオイデ、、、風船があげるよ、なんて、ピエロの悪い企み

お子さんには絶対に言ってはいけない事ですが、この世の中が、嘘とか欲とかご都合主義、差別や横暴、そして無関心など、不条理なものによって動かされている、というのは事実です。

僕らは、そういったヤバい話を、どこか目に移らない場所、例えば道の脇にある側溝の中みたいな所へと押し込んで、一見きれいに整備されている日常生活という通路を闊歩しているだけです。

でも、側溝の中に押し込めた何かは、相変わらずそこに有り、ひょっとしたらアナタや大切な人を狙っているのかもしれません。それは、狡猾な悪魔のようなもので、人々がその存在を忘れかけた頃によみがえり、脅かすんです。

そのヤバいものこそ、スティーブン・キング原作のホラー、「It」の原動力となる邪悪なピエロ、ペニーワイズ。27年に一度現れては、デリーの街の人々を排水路の奥の暗がりへと引きずり込みます。

一見、ひょうきんに見える謎めいたピエロが、道の脇に有る排水用の黒い穴から子供に声をかけている、なんて、まさにこの世界の裏側の質の悪さを象徴している、そう感じさせる姿でしょう。 【続きを読む】 “スティーブン・キング原作映画「It」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.9.11):・・・「それ」、は来た・・・

You’ve been waiting for IT!

これまた唐突な話ですが、現代日本人に省エネ行動を取る理由をアンケートすると、節約とか環境意識とかの理由が上がる中、意外に一番多い理由は、「皆がやっているから」、なのだそうです。

周囲が全員やっているなら、多少面倒くさくて大変な事でも、自分も参加した方が安心感があるという感覚との事。

横並び意識ばかり強いのもどんなもの?、などと言う野暮ったい文化批判はさておき、そこに、皆がやるからという雰囲気を上手く醸成できたら、普通ではなかなか起きない大きな変化も生み出せそうではあります。

さて、興行成績での記録樹立を狙った映画が、「今度の新作は皆が観に行くみたいだ」、というムードを大衆の中に創り出すには、強力なPRが大切だと思いますが、それ以上に効き目が有りそうなのは、原作を選ぶという事。

名前とおおよその内容が既に知られていれば、より多くの人が安心して接する事ができるし、結果的にヒットにも繋がります。

つまり、あのスティーブン・キングによる、あの伝説的なベストセラーホラー小説、「イット(IT)」を原作とする映画であれば、YouTubeの予告編映像なんて見ないでも(いや、むしろ見ないようにして)、多くが劇場へ足を運ぶと決めるだろう、という事です。

この週末に初登場となった、その「IT」。公開後3日間、米国内だけの売り上げが1億1、720万ドルという記録的な数字をたたき出し、当然のごとくランキングトップに躍り出ました。

原作が1,100ページにも及ぶという、このストーリーは、1990年にTV用として映像化されて以来のリメイク。27年に一度出没し、街の人々を恐怖に陥れる「邪悪なピエロ」の正体を暴こうとする、7人の少年少女の話です。

皆と一緒に劇場へ足を運んで、アナタも一緒にプカプカ浮かんでみますか? 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.9.11):・・・「それ」、は来た・・・”

ロンドンを守るのはJBではなく、AR!?:映画「Unlocked」について

陰謀は現場で起きてるんじゃない、シナリオの上で起きてるんだ!

陰謀説的に言うと、ハリウッド映画は全部、大衆の思想を操るためのプロパガンダなのです。

映画なんて夢物語を絵に描いているだけですが、人の深層心理にメッセージを刷り込むのに一番良い状態は、見ている人がそれをただの夢と思ってリラックスしている時です。だから、知らず知らずのうちにハリウッドからの指令が僕らの心へとプログラムされている訳。

まぁ、陰謀論自体も夢物語かもしれませんけど・・・

さて、そんな洗脳プログラムの中にも、時として斬新なアイディアが盛り込まれているのも、アメリカ映画の良いところ。映画の批評家さんたちも、かならず新鮮味があるかどうかに注目して、作品の良し悪しを決めています。

そんな‟斬新さ”が特に求められるのが、今回ご紹介する「Unlocked」のような、国際社会の裏側を舞台にしたスパイスリラーです。

何と、過去の失敗がトラウマになって第一線から身を引いた超敏腕女性エージェントが、見た所は敵と思しきスジから得た情報をもとに、あのロンドンをねらう巨大なテロリズムのスキームを暴くために奔走する、という物語がこれ。

どうです、ハリウッドからあなたに向けられた、斬新なプロパガンダがお分かりいただけてますでしょうか・・・ 【続きを読む】 “ロンドンを守るのはJBではなく、AR!?:映画「Unlocked」について”

映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価

壁や挫折を恐れず夢に向かって走る姿は、いつも美しい

本来の題名が「Ballerina」、その米国版は「Leap!」、そして日本でのタイトルが「フェリシーと夢のトウシューズ」と、数々の呼び名を持つ映画が、快活な一人の少女による、本格バレリーナへの挑戦を描いたこのアニメーションです。

せっかくなので、邦題の方にもう少し説明要素を追加すると、「発明家を目指すヴィクターに助けられながら、お金は無いけれど才能はある少女フェリシーが、パリのバレースクールに忍び込み、事情があって挫折したかつての名ダンサーであるオデットの指導の下、夢のトウシューズを手に入れるまでの物語」、という事になりましょう。

これで、まぁ、基本的なあらすじになっているのではないでしょうか。

さて、米国より日本などの国の方が公開が早かった事もあり、こちらでも、エリート級の映画評論サイトが精密な評価を数多く発表していると思います。

でも、そういう上層階級と対抗する意識がまったくない、というのが僕の良い所。と言う事で、ウチではちょっと違う所から、この米国版「Leap!」に関する評価の幾つかを、ピックアップしてみようと思います。 【続きを読む】 “映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・

もう秋なんだし、映画もとっかえひっかえ見てちゃだめっ!

特に予定も無い、僕ズレ太みたいなのでも、8月の間は何か夏らしい事しなきゃ、という変なプレッシャーを感じたりしていたのですが、もうその夏も終わりです。

この季節、おしなべて北半球では昼間の時間が短くなってゆき、人は落ち着いて深い思索をするべき時期。映画だって、自分好みのものを見つけてじっくり付き合った方が良いでしょう。

学校の新学年、国家予算の新年度が始まったこの週末、派手目の映画作品を、とっかえひっかえ鑑賞して歩くなんてのは、今の空気に似合わないとアメリカの観客達も考えたようで、したがってランキングチャートも動きが少ないものとなりました。

そんな中、公開3週間が経過して、なおトップの位置を堅持しているのが、ライアン・レイノルズvsサミュエル・L・ジャクソン共演のアクション作、「The Hitman’s Bodyguard」。売上額は、1,030万ドルを記録。

本来なら宿敵であるはずの悪者を、何故だか警護するはめになったNo1ボディーガード。2人はいがみあいながらも、激しい銃撃戦をかいくぐって行く、的な話の娯楽アクション映画です。 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・”