全米映画トップ3(2017.9.25)

狂気の最高作!?

今週のハリウッド映画業界ランキング、初登場にして見事トップに躍り出たのが、タロン・エガートン主演のスパイアクション、「キングスマン:ゴールデン・サークル(Kingsman: The Golden Circle)」でした。

予告編でも見られる台詞からもわかる通りに、マナーを重んじる英国スパイは、それほどがっつかない(!?)、という事で、売上額は3,900万ドルという落ち着いた普通のヒット作並みの数字になりました。

2014年に作られた「キングスマン」の続編である本作。まぁ、世の中の人々が新しい環境になれ、新しい彼女・彼氏もできたというこの時期に、上手く彼らのデート需要を捉えたとも言えそうですね。

そういう意味でも本作は、湿気た空気に支配された夏から、ハリウッドを救った救世主だったかもしれません。

予告編を見る限り、今どきの娯楽アクションにふさわしい(あるいはそれを超えた)、弾丸と死体と爆風が入り乱れる映像的大騒乱がノンストップで突っ走る一作、そんなバイブスが出まくっているのが、この一作でしょう。

終わりたくても終わらない悪魔道化師の恐怖

今週の2位には、いよいよ秀逸な邦題がついて日本での集客作戦も上々なホラー映画。スティーブン・キング原作の「It」が入りました。

週末3日間だけの売上金額は3,000万ドルを記録して、1位の数字と比べても引き続き人気度合が高い事をうかがわせます。

しかし、、、これを見たら終わりと言うけれど、パート2のプロダクションも立ち上がっているのです、この映画。2が上手くいけば、3も有り得ますよ(イット3:ペニーワイズの誕生!?)。

なんでもニンジャ、レゴでもニンジャ、ニンジャゴー

ドリアは日本発祥だし、イタリアのナポリにはナポリタンスパゲティは無いし、中国の餃子にはニンニクを入れないのです。

色々な文化というのは、それが外国へ紹介されるときには、分かりやすく翻訳されてしまうのが常。だったら、レゴがカンフーマスターの先生から忍者の技を教わっても、なんら問題はありません。

結果的に、今週初登場のキッズ向け映画「The LEGO Ninjago Movie」が、ランキング3位の位置に滑り込んだのも妥当だったと言う事になりますね。

売上額は2,120万ドルを記録しました。

秋からが本調子

日本の場合は、梅雨から夏にかけて体調を崩しやすい人も多いでしょうし、体調が悪いと仕事もうまく行かず、そのストレスから帰りがけにビールや焼酎を煽ってしまい、それが原因でますます調子悪くなる、という悪循環に陥りがちですよね。

でも、そんな季節は終わり、さわやかにしてクリエイティブな文化の季節到来です。

幾多有るハリウッド映画の中から、厳選の上で厳選に厳選を重ねて日本に紹介される名作を、できるだけ沢山見まくって、この良い季節を満喫できたら本当にうれしいですよね!

それではまたっ!

ジャパンで悪霊にであう恐怖:映画「Temple」について

本当は怖い海外旅行・・・日本編

大抵の人は、エキゾチックな外国の文化に魅力を感じていると思います。

自分のものとは違った生活や行動様式は、どういう訳だかお洒落に見えますし、それ以上に、世界の文化的多様性に触れる事自体が、その人の世界観を間違いなく広げる体験となります。

だけれども、この世には、外国人が安易に触れたり土足で踏み込んだりしてはいけないポイントもあります。例えば、宗教的概念とかその施設などが典型でしょう。

宇宙の真理や人の死についての、神秘的な答えを与えてくれるその場所は、ローカルの人間達から、崇敬と共に、ある種の畏怖をもって接せられているものです。

だから、そこにまつわる‘事情’を知っている人の、真摯なアドバイスを軽視してはいけません。うかつにそのポイントへ踏み込んだら、想像もしていなかった超常的な存在の怒りに触れてしまうかもしれませんから。

まぁ、そんな話、映画のネタとしてはピッタリですけどね。

日本文化のエキゾチシズムに触れようと、そんな曰くつきスポットへと安易に踏み込んだアメリカ人観光客が、闇に潜む悪霊と遭遇してしまうというストーリーが、今回ご紹介する「Temple」というホラー映画です。 【続きを読む】 “ジャパンで悪霊にであう恐怖:映画「Temple」について”

ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」について

天才監督が再び全米を震撼させる

ダーレン・アロノフスキー脚本・監督でジェニファー・ローレンス主演の映画、というだけで、ゴシップ系のニュースには十分ネタを提供し得るのかもしれませんが、そこへ、エド・ハリスとミシェル・ファイファーまで加えたら、一つの映画としても何かが起こりそうな予感が漂いはじめます。

そんな一作が、今回ご紹介する「Mother!」。

‘マザー’と言うと、すべての愛や包容力の象徴となる言葉ですが、時として映画の中では、歪んだ人格や狭量や過去のトラウマなどの象徴として使われる存在です。そしてどちらかと言うと本作では、後者のイメージが近いのかもしれません。

とにかく、2017年のヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映された時点から、色々な所でバズられている話題作が、この「Mother!」だという事ですね。

アロノフスキー監督はこの新作によって、再び米国映画界を震撼させる事になるのでしょうか? 【続きを読む】 “ダーレン・アロノフスキーのスリラー:映画「Mother!」について”

ピーター・ディンクレイジが探す記憶の鍵:映画「Rememory」について

記憶は消すものではなく見直すもの!?

この宇宙に、「記憶」というものほど神秘的なものはないかもしれませんね。

それは、新聞とか辞書のように情報を平面的に並べただけのものではありません。日常的に機能している僕らの意識とは、また別の次元に一種の格納領域があって、その領域には、僕らが生まれてから体験したすべての事象が、相互に連結して登録されているのです。

それは、複雑に絡み合い影響しあって、僕らの人格までも形成しています。だから、人にとって正しい経験を積み重ねる事は、実に大切なのです。

一方、それが過ちの記憶であっても、死ぬまで永遠に消える事がありません。もし、その記憶を物理的に取り出して検証する事ができたら、人間は秘密を持つことも出来なくなり、人生の意味も変わってしまうでしょう。

そんな話をモチーフにして展開するSF系スリラーが、今回ご紹介する「Rememory」。主役を演じるのは、「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジです。 【続きを読む】 “ピーター・ディンクレイジが探す記憶の鍵:映画「Rememory」について”

全米映画トップ3(2017.9.18)

ハリウッド的リセッションは終わったのか?

アメリカ的資本主義を世界中に広めるのが、ハリウッド映画の一つの役目でもありますから、ウソでもいいから、その業界が吐き出す統計には、景気の良い数字だけは並べておきたいものです。

そんな意味では、8月後半の氷河期のような売上額の状況は、かなり宜しくなさそう。そして、その状況も一時の事だろう、なんて(どこぞの国の政府みたいに)タカをくくっていると、本当に悪い事が進行して、どうしようもない状況に落ち込んだりもします。

まぁ、良くない時代には、もっと悪くて恐ろしいものを、あえて映像化してコワいもの見たさの大衆に売り込む事ができるのも、ハリウッドの映画産業の一つの強みです(テロとか、ウィルスとか、UFOとか、ネタはいろいろありますからね)。

ですので、今週も6,000万ドルの売り上げを維持してランキングのトップに収まった、「It」は、まさに期を捉えたと言うべき作品なのです。

スティーブン・キング原作のこのスト―リーでは、人類史上最悪・最恐の道化師、あのペニーワイズが、田舎町の子供達を餌食にしまくります。

ちなみに本作の米国内の累積売上額は、もうじき2億2,000万ドルに到達しそうです。

2、3位は初登場作品

初登場にして、今週の2位に入ったのは、CIAスパイスリラーの一作である「American Assassin」。その売上額は、1,480万ドルと一応の健闘を見せました。

中東で進行する戦争の陰謀を、ディラン・オブライエン演じる若手エージェントが阻止するために奔走するという、いわば鉄板のスパイアクションです。

共演には、あのマイケル・キートン他。

今週の3位には、これまた初登場、ダーレン・アロノフスキー監督、ジェニファー・ローレンス主演のミステリースリラー、「Mother!」が入って、売上額は750万ドルという数字でした。

刺激的なストーリーが期待される映画作家の最新作、それも、その作家と主演女優が付き合っているらしいとか、いろいろ話題のある一作です。

本来であったら、もっと大きな数字が出そうな一本ですが、まぁ、ハリウッドのマーケットもまだ本調子ではないようで、ただ、運が悪かったと考えるしかないのでしょうね。

さて、このハリウッド的景気後退はいつまで続くのでしょうか?。このままソフトランディングで終わるのか、はたまた、ハードランディングとなって歴史を作るのか。

あきらかに、何かのサインである事は確かなのですけどねぇ。。。

リース・ウィザースプーンの嬉しい離婚!?:映画「Home Again」について

映画製作、最良の語り口がベストではない!?

映画でもなんでも、それが成功するためには、より多くの人からの共感を勝ち取るのが大切、なのだそうです。

ただ、一つのストーリーが十分な集客力を発揮するには、そこに一定の驚きも必要。マジョリティの人が無条件に受け入れるアイテムを1から順に並べるだけでは、新たに執筆するという意味が無くなってしまいますからね。

かくして、作家の方達は、次の作品に新鮮なスパイスを聞かせようと頭を捻るのだと思いますが、その味付けが受け手側の大衆にどう解釈されるか、というのも運任せな訳で、能力や才能がすべて備わったプロフェッショナルの方であっても、時として的を外す事があるのです。

さて、その‘解釈のされ方’という意味において、意図した以上に高いハードルが設定されてしまい、その作風以外の部分で解釈・評価されているのが、ここでご紹介する「Home Again」という映画かもしれません。

映画監督ハリー・マイヤーズ・シャイヤーのデビュー作である本作は、リース・ウィザースプーンが人生と恋愛のやり直しを模索する姿を軽やかに描く、明るいロマンティックコメディ、との事です。 【続きを読む】 “リース・ウィザースプーンの嬉しい離婚!?:映画「Home Again」について”

レイク・ベルが、夫婦生活に疲れた2人に捧げます:映画「I Do … Until I Don’t」について

結婚はタダのしきたり!?

人は皆、自由であると言いつつも、結局、自分が生まれるずっと前に決定された社会のしきたり、例えば結婚なんていう制度に縛られ、同時にそれに依存しないと生きていけません。

まぁ普段は、そういった縛りの中で適当に妥協をしながら、上手い事やってゆくのが、一応の幸福を手に入れる秘訣でもあります。その典型なのが結婚生活でしょう。

同時に、すべての先進国に住む多くのカップルが、我慢によって結婚生活を守っているというのも、なんだか皮肉な図式ではあります。

そして、世の中の皮肉な実情や問題は、ひょっとすると面白いストーリーの出発点になるかも。という事で、結婚生活に関する面白おかしい(そして皮肉な)コメディー映画が、毎年のようにリリースされる訳ですね。

さて、その一本と思しき、今回ご紹介するコメディ、映画「I Do … Until I Don’t」は、監督・脚本・出演の全てをこなす才女、レイク・ベルが、結婚という文化の問題に切り込む風刺ドラマであるそうです。 【続きを読む】 “レイク・ベルが、夫婦生活に疲れた2人に捧げます:映画「I Do … Until I Don’t」について”

スティーブン・キング原作映画「It」の気になる評価

オイデオイデ、、、風船があげるよ、なんて、ピエロの悪い企み

お子さんには絶対に言ってはいけない事ですが、この世の中が、嘘とか欲とかご都合主義、差別や横暴、そして無関心など、不条理なものによって動かされている、というのは事実です。

僕らは、そういったヤバい話を、どこか目に移らない場所、例えば道の脇にある側溝の中みたいな所へと押し込んで、一見きれいに整備されている日常生活という通路を闊歩しているだけです。

でも、側溝の中に押し込めた何かは、相変わらずそこに有り、ひょっとしたらアナタや大切な人を狙っているのかもしれません。それは、狡猾な悪魔のようなもので、人々がその存在を忘れかけた頃によみがえり、脅かすんです。

そのヤバいものこそ、スティーブン・キング原作のホラー、「It」の原動力となる邪悪なピエロ、ペニーワイズ。27年に一度現れては、デリーの街の人々を排水路の奥の暗がりへと引きずり込みます。

一見、ひょうきんに見える謎めいたピエロが、道の脇に有る排水用の黒い穴から子供に声をかけている、なんて、まさにこの世界の裏側の質の悪さを象徴している、そう感じさせる姿でしょう。 【続きを読む】 “スティーブン・キング原作映画「It」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.9.11):・・・「それ」、は来た・・・

You’ve been waiting for IT!

これまた唐突な話ですが、現代日本人に省エネ行動を取る理由をアンケートすると、節約とか環境意識とかの理由が上がる中、意外に一番多い理由は、「皆がやっているから」、なのだそうです。

周囲が全員やっているなら、多少面倒くさくて大変な事でも、自分も参加した方が安心感があるという感覚との事。

横並び意識ばかり強いのもどんなもの?、などと言う野暮ったい文化批判はさておき、そこに、皆がやるからという雰囲気を上手く醸成できたら、普通ではなかなか起きない大きな変化も生み出せそうではあります。

さて、興行成績での記録樹立を狙った映画が、「今度の新作は皆が観に行くみたいだ」、というムードを大衆の中に創り出すには、強力なPRが大切だと思いますが、それ以上に効き目が有りそうなのは、原作を選ぶという事。

名前とおおよその内容が既に知られていれば、より多くの人が安心して接する事ができるし、結果的にヒットにも繋がります。

つまり、あのスティーブン・キングによる、あの伝説的なベストセラーホラー小説、「イット(IT)」を原作とする映画であれば、YouTubeの予告編映像なんて見ないでも(いや、むしろ見ないようにして)、多くが劇場へ足を運ぶと決めるだろう、という事です。

この週末に初登場となった、その「IT」。公開後3日間、米国内だけの売り上げが1億1、720万ドルという記録的な数字をたたき出し、当然のごとくランキングトップに躍り出ました。

原作が1,100ページにも及ぶという、このストーリーは、1990年にTV用として映像化されて以来のリメイク。27年に一度出没し、街の人々を恐怖に陥れる「邪悪なピエロ」の正体を暴こうとする、7人の少年少女の話です。

皆と一緒に劇場へ足を運んで、アナタも一緒にプカプカ浮かんでみますか? 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.9.11):・・・「それ」、は来た・・・”

ロンドンを守るのはJBではなく、AR!?:映画「Unlocked」について

陰謀は現場で起きてるんじゃない、シナリオの上で起きてるんだ!

陰謀説的に言うと、ハリウッド映画は全部、大衆の思想を操るためのプロパガンダなのです。

映画なんて夢物語を絵に描いているだけですが、人の深層心理にメッセージを刷り込むのに一番良い状態は、見ている人がそれをただの夢と思ってリラックスしている時です。だから、知らず知らずのうちにハリウッドからの指令が僕らの心へとプログラムされている訳。

まぁ、陰謀論自体も夢物語かもしれませんけど・・・

さて、そんな洗脳プログラムの中にも、時として斬新なアイディアが盛り込まれているのも、アメリカ映画の良いところ。映画の批評家さんたちも、かならず新鮮味があるかどうかに注目して、作品の良し悪しを決めています。

そんな‟斬新さ”が特に求められるのが、今回ご紹介する「Unlocked」のような、国際社会の裏側を舞台にしたスパイスリラーです。

何と、過去の失敗がトラウマになって第一線から身を引いた超敏腕女性エージェントが、見た所は敵と思しきスジから得た情報をもとに、あのロンドンをねらう巨大なテロリズムのスキームを暴くために奔走する、という物語がこれ。

どうです、ハリウッドからあなたに向けられた、斬新なプロパガンダがお分かりいただけてますでしょうか・・・ 【続きを読む】 “ロンドンを守るのはJBではなく、AR!?:映画「Unlocked」について”

映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価

壁や挫折を恐れず夢に向かって走る姿は、いつも美しい

本来の題名が「Ballerina」、その米国版は「Leap!」、そして日本でのタイトルが「フェリシーと夢のトウシューズ」と、数々の呼び名を持つ映画が、快活な一人の少女による、本格バレリーナへの挑戦を描いたこのアニメーションです。

せっかくなので、邦題の方にもう少し説明要素を追加すると、「発明家を目指すヴィクターに助けられながら、お金は無いけれど才能はある少女フェリシーが、パリのバレースクールに忍び込み、事情があって挫折したかつての名ダンサーであるオデットの指導の下、夢のトウシューズを手に入れるまでの物語」、という事になりましょう。

これで、まぁ、基本的なあらすじになっているのではないでしょうか。

さて、米国より日本などの国の方が公開が早かった事もあり、こちらでも、エリート級の映画評論サイトが精密な評価を数多く発表していると思います。

でも、そういう上層階級と対抗する意識がまったくない、というのが僕の良い所。と言う事で、ウチではちょっと違う所から、この米国版「Leap!」に関する評価の幾つかを、ピックアップしてみようと思います。 【続きを読む】 “映画「フェリシーと夢のトウシューズ(Leap! )」の気になる評価”

全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・

もう秋なんだし、映画もとっかえひっかえ見てちゃだめっ!

特に予定も無い、僕ズレ太みたいなのでも、8月の間は何か夏らしい事しなきゃ、という変なプレッシャーを感じたりしていたのですが、もうその夏も終わりです。

この季節、おしなべて北半球では昼間の時間が短くなってゆき、人は落ち着いて深い思索をするべき時期。映画だって、自分好みのものを見つけてじっくり付き合った方が良いでしょう。

学校の新学年、国家予算の新年度が始まったこの週末、派手目の映画作品を、とっかえひっかえ鑑賞して歩くなんてのは、今の空気に似合わないとアメリカの観客達も考えたようで、したがってランキングチャートも動きが少ないものとなりました。

そんな中、公開3週間が経過して、なおトップの位置を堅持しているのが、ライアン・レイノルズvsサミュエル・L・ジャクソン共演のアクション作、「The Hitman’s Bodyguard」。売上額は、1,030万ドルを記録。

本来なら宿敵であるはずの悪者を、何故だか警護するはめになったNo1ボディーガード。2人はいがみあいながらも、激しい銃撃戦をかいくぐって行く、的な話の娯楽アクション映画です。 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.9.4):すっかり、オトナの季節になりました・・・”

ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について

キャリアメーキングはご心配無用です

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」が2012年の作品ですから、世界中が青年バンパイアと美少女の純愛色に染められていたあの時代から、もう5年が経っているんですね。

5年と言えば、大抵の人が何かを成し遂げられる時間ですし、仮に青白いメークとローコストかつ高性能なVFXが無かったとしても、思春期の吸血鬼の悲哀を見事に表現しきっていただろう、あの、ロバート・パティンソンさんなら、「何か」よりもっと良い「ナニカ」が達成できた事は、言うまでもないでしょう。

ざっと数えると、「トワイライト」後に6本程の映画に出演してきたパティンソン。中には、あのデヴィッド・クローネンバーグが監督をした「マップ・トゥ・ザ・スターズ」なんていう作品もありました。おそらく、ライトノベルの人気にあやかる軽い娯楽の世界から、本格的なドラマ俳優へと転身してきている段階だと思われます。

そんなロバート・パティンソンが、ニューヨーク市クイーンズ地区の裏社会を行く、あやうい(ひょっとして無軌道な)青年を演じているのが、今回、ご紹介する「グッド・タイム(Good Time)」、という、ファンタジー色ではなくリアリティ感が強いドラマなのだそうです。 【続きを読む】 “ロバート・パティンソンが大都会の裏社会を走る:映画「グッド・タイム(Good Time)」について”

神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について

信じなければ地獄行き、というのではちょっと困ります

大抵の宗教というのは、超自然的な奇跡を起こしたとされる何かが、その信仰の対象となっていますよね。

信仰心のある人は、天の雲の上に居るとされる存在を全身全霊で信じぬく事で、いつの日か自分の身にも同じ奇跡がもたらされると期待する訳です。

当然、真摯な信仰心は、その人の心にとって大きな糧となる事は確か。だとしても、現実の生活の中にある深刻な問題の方に、直接的な答えをまったく与えないというのでは、やっぱり、信仰されるものとしての存在感が薄くもなります。

本来なら、多くの人に与えている教えの中に、心と物質、両面の折り合いのつけ方も語ってくれるべきだと思います。

そんな意味でいくと、ここでご紹介するキリスト教系の映画、「All Saints」では、大赤字でつぶれそうな教会を受け持った牧師が、その苦境に立ち向かい、教会ばかりか他の多くの困窮する人達も同時に救済したという、実際に起こった本物の軌跡を描いているのだそうです。 【続きを読む】 “神の光は地のめぐみを通じてあたえられん:映画「All Saints」について”

全米映画トップ3(2017.8.28):今年も、振り向けば映画の秋が・・・

正統派アクション映画がしぶとさを発揮

いろいろと有った(あるいは、何も無かった)8月も終わりですから、日米欧の国民達は、子供っぽい夢からは覚めて、また現実の生活に戻らねばなりません。

ですので、TVで放送されたり映画館で上演される作品は、すべて教養度合の高い文芸策かドキュメンタリーにするべきなのです。

でも、全作品が教養番組みたくなったら、劇場の売り上げが激減して業界に大パニックが起きるでしょうね。

と、言うか、現実的に、全米の映画館の売り上げ金額は、これまた渋いというか、かなり緩んだ様相を呈しているのが昨今のようです。アメリカの消費者達は、自主的にバケーションモードから日常モードへと、スイッチの切り替えを終えているという事なのでしょう。

何と言っても、年度の切り替わりが9月1日ですものね。

そんな、8月最後の週末、映画収益ランキングのトップを堅持したのが、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンが、いがみあいながらも、ややこしい因縁で結ばれたコンビを演じる派手なアクション作、「The Hitman’s Bodyguard」。売上金額は1,010万ドルを記録。

推定の制作予算が、3,000万ドルという作品ですが、累計の総売り上げは3,960万ドルに到達しています。このしょぼい映画シーズンに、米国内だけで黒字化しているのは良い事でしょうね。

この利益を基にして、ひょっとしたらパート2も作られる? 今度の題名は「The Bodyguard’s Hitman」だったりして・・・ 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.8.28):今年も、振り向けば映画の秋が・・・”

オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について

まだ増やしますか? あなたのフォロワー・・・

三省堂辞書サイトに寄れば、セレブ(celebrity)という言葉は、誉め称える(celebrate)などというワードから来ているのだそうです。

それが発展して、名声のある人、名士、の意味に使われるようになったのですね。とにかく、その名前が広く世間から称えられるセレブというのは、やっぱり特別に選ばれた人でなきゃいけません。

ただ、たたえられる人に必要とされる行いは、時代と共に進化もしていて、今じゃあ誰でもネットに上げたスイーツの写真が、比較的簡単に10万人から「いいね」と称えてもらえる時代になりました。

物事が、どんどん簡易的になってゆくのは、文明社会が本質的に向かう方向です。だとしても、何事もオープンで容易になるのは、新たな危険を生み出すものでもあります。

あなたに、「いいね」してくれた10万人は、あなたにとって好ましい人々なのでしょうか?

そんな疑念に答えるべく、ここで紹介する映画「Ingrid Goes West」では、オーブリー・プラザが、ネットのカリスマをフォローする事に病的にはまった、超ややこしいネットユーザーを演じています。 【続きを読む】 “オーブリー・プラザが見せる、いいね!、のヤバい真実:映画「Ingrid Goes West」について”

銃弾をかわしつつ、あの2人が新コンビ結成:映画「Hitman’s Bodyguard」について

命がけで守るのが仕事、と言っても限度が・・・

娯楽アクション系映画のストーリーというのは、襲われる人、それを警護する人、そして、その2人に襲いかかる者の間の、三角関係でなりたっています。

そんな定型的な映画の脚本に収益性を確保しようと思ったら、一番問題なのは、最初に出てきた襲われる役をどんな人間に描くかでしょう。

アイディアとしては、その主役に小学生くらいの子供を当てるというのが一つ。子供ならではの純粋さに、大人顔負けの賢さをかけ合わせれば、ある程度以上のウィットとひねりが自然と与えられます。

もう一つ魅力的なのは、キラキラした女性歌手やモデルさんなどが狙われる構図。これは、彼女達のために体を張る(挙句のはてに恋に落ちる)ヒーローの存在が引き立ちます。ロマンチックを求める層にもアピールできるのが長所ですね。

あと、政治家や科学者、あるいは、社会問題の活動家などが思いつきますが、こうなるとだんだん色気が落ちてきちゃうので、収益性の確保には、何か別の仕掛けも必要になります。

あぁ、そうそう、こんなのも有りましたね。最高のボディガードに、最悪の犯罪者を警護するという汚れ仕事を与えて、行く先々でぶつかり合い騒動を起こしながら、笑いとスリルを混ぜ込んで行くと言う、バディムービーです。

そんな中の典型的一本が、ここでご紹介する作品、「Hitman’s Bodyguard」でしょう。

ボディガード役にライアン・レイノルズ、それに守られる悪人の役に、サミュエル・L・ジャクソンが起用されたという、純粋な娯楽アクション映画ファンなら、手放しで期待してよい一本です。 【続きを読む】 “銃弾をかわしつつ、あの2人が新コンビ結成:映画「Hitman’s Bodyguard」について”

チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末:映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」について

どうせやるなら、人生大逆転を賭けて・・・

人生は上手く行かない事が多いですので、そんな時は、いっそのこと全部をひっくり返して、とんでもない行動に出てしまいたい、と、お考えになる方も多いでしょう。

そうですね、例えば、消費者からズル賢く金を巻き上げている通販会社なんかを襲って、汚れたマネーを全部ぶん取ってやる、なんて出来たら、さぞスッキリするんだと思います。

まぁ、どんな行動に出るにしても、あなた自身には一応、正当な理由があるのですからOK。かもしれませんが、それを行った後、30分間くらい逃げ回った挙句、お巡りさんにつかまって手が後ろに、というのでは困りますね。

人生大逆転のギャンブルには、それなりの周到な計画と準備が必要です。

特に、この映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」の主人公であるジミー・ローガン(チャニング・テイタム)みたいに、NASCARの一大レースイベントを襲って現金強奪、なんて大それた事をやるなら、なおさら緻密な計画とスキルのある仲間が必要です。 【続きを読む】 “チャニング・テイタム発案の細密な強奪計画とその顛末:映画「ローガン・ラッキー(Logan Lucky)」について”

魔人形誕生の悪夢:映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」について

ほら、デーモンはすぐそこ、あなたの隣に・・・

ここに、いくつかの真理があります。

まず1つめは、あなたが敵がい心を持たなければ、あなたを攻撃してくる者も現れない、という真理。

2つめは、互いに心を開いて信じあえば、必ずそこに幸福が訪れる、という真理。

3つめは、あなたが純粋に愛すれば、相手も清い愛で応えてくれる、という真理。

4つめは、でも、そんな誠実さや愛情につけ込んでくる悪者もいて、目に見えない存在であるそいつは、時に、常識を超えた事を引き起こすパワーすら発揮する、という真理。

そして5つめは、、、その悪意の持主は、子供が好みそうな人形に憑りつくという真理。

有名な心霊研究家であるエドとロレインのウォーレン夫妻によれば、その憑りつくモノは「悪魔」と呼ばれる存在なのだそうです。そしてそいつは、人形を利用して子供に近づき、その子の命と魂を食い物にしようと狙っているのです。

そんな、「祟りの人形」の中でも世界一コワいと噂なのが、今はコネチカット州の郊外に厳重に安置されている、アナベル。

この映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」は、その人形の呪いに最初に触れた、いたいけな少女の恐怖体験を描くものです。 【続きを読む】 “魔人形誕生の悪夢:映画「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」について”

全米映画トップ3(2017.8.21):映画の夏はレブリミットを超えて・・・

しなびた夏に喝を!

最近じゃぁ、盆踊りや花火大会どころか、ラジオ体操の子供達の声までが、「悪質な騒音」だという事になってきていて、2、3年もすれば全国の条例で夏の風物詩はぜんぶ禁止、なんて事になりそうな勢いです。

こういう、昔から続いてきた暑い時期の楽しみがすべてなくなったら、日本の世の中自体がもっとぬるくて萎んだものなってしまいそう。どうも、21世紀型の日本の進化というのも、意味が分からない部分が多いです。

しかしまぁ目を太平洋の向こうへむければ、、様々な障害に当たりながらも、古典的なスタイルを上手く貫いてビジネスも成功させている、アメリカ映画という文化があります。

さて、最初の2週間ではしゃぎすぎて疲れてしまった2017年の夏休み。今週、それに喝を入れるべく投入された最新作が、ともするとオーソドックスさが売りかもしれないアクション映画、「The Hitman’s Bodyguard」です。

初登場であったこの週末、2,160万ドルの売り上げを記録してランキングのトップに躍り出ました。

ここで世界ナンバー1のボディーガード役を演じるのは、ライアン・レイノルズ、その彼がガードしなければならなくなった冷酷な暗殺者を、サミュエル・L・ジャクソンが演じています。

ブラック&ホワイトの、「不揃いなバディーもの映画」の新種とも言えそうな本作ですが、映像映えする。レイノルズとジャクソンの2人のカリスマ性は、やっぱりただ者じゃありませんよね。 【続きを読む】 “全米映画トップ3(2017.8.21):映画の夏はレブリミットを超えて・・・”

若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」について

知らぬ土地、知らぬ顔、協力者は約1名

スリラー映画というのは、登場人物を日常ではあり得ない状況へと押し込む事で、おっかないムードを醸成してくものです。

非日常的、という意味で言うと、自分達の文化を守る保守的なコミュニティに、若手のプロフェショナルを送り込み、その人物に一仕事させるというのも、スリラー向けテンプレートの原型でもあります。

小さな事すべてが障害となり、ろくに協力者も居ない環境で活動するのは、どんな人にとっても苦しく、場合によっては怖い事でもありますからね。

見る人に寄っては、その人物が女性だったらなお嬉しいし、たとえば、エリザベス・オルセンちゃんみたいな人なら最高です。

と言うわけで、この映画「Wind River」は、良いスリラーの題材を一通りそろえた作品、とも言えそう。ここでは、保守的な辺境の地に派遣される事になった、若手FBI捜査官をオルセンが演じています。 【続きを読む】 “若き女性捜査官が暴く雪原の鮮血:映画「Wind River」について”

世界を救うため裏の世界で展開する究極の戦い:映画「The Dark Tower」について

スティーブン・キングのイマジネーションが炸裂!?

2017年の秋にかけて、あの伝説ホラー「イット(IT)」や、別の角度から(多分)もっと刺激的な「ジェラルドのゲーム(Gerald’s Game)」が劇場公開される予定であり、ファンにとってはスティーブン・キング祭り、と呼びたくなる様相を呈してきた昨今です。

そんな、このS・Kロードの露払いを担って真っ先にスクリーンに載っかったのが、多層世界の崩壊を企む悪魔と戦う一人のガンマンを主人公にした、この映画「The Dark Tower」です。

キング原作系映画として、嫌な怖い話を期待している向きも多いと思いますが、とりあえず本作はSFチックな設定を与えられたアクション巨編、と言った風情の一本という事。

主演のイドリス・エルバとVFXのコレボレーションによる、超絶な銃さばきも見ものになりそうですね。 【続きを読む】 “世界を救うため裏の世界で展開する究極の戦い:映画「The Dark Tower」について”

全米映画トップ3(2017.8.14)

アナベルの暗黒が映画界を救えるか・・・

どんな悪夢も、最初は小さな過ちがきっかけとなって始まるものです。

大概は、人の欲や弱さへ魔物がとりついて、彼らの魂を食い物にし、最後は地獄の底へと引きずり込みます。

そして今、金銭欲に負けて、更なる収益の拡大を求めた米国映画産業は、あの殺人鬼チャッキーの悪夢を超え、ついに悪魔の人形「アナベル」の存在を受け入れてしまったようです。

ヤバいです・・・

ホラーファン超待望、最恐映画の名高い「死霊館(The Conjuring)」からのスピンオフ最新作、「アナベル 死霊人形の誕生(Annabelle: Creation)」がとうとう公開。最初の週末で3、500万ドルの売り上げを記録し、全米トップに躍り出ました。

今回のストーリーでは、悲哀にくれた両親が犯した一つの過ちが、アナベルに憑りつく悪魔を呼び込んでしまいます。いたいけな少女達を、今回も、次々と餌食にしてゆく最恐人形。

サマーキャンプシーズン真っただ中、絶好のタイミングでのリリースではありますが、逆にそれを考えると、ややマイナーな売り上げ額とも言えそうです。

まぁ、実際に存在する呪いの人形を描く、ヤバい映画なので、お客さん達も二の足を踏んでいるのでしょうかね?

監督はデヴィッド・F・サンドバーグが担当。

実際にあった実際の戦争のエピソードも堅調

クリストファー・ノーラン監督が、渾身の力で描き切る一大戦争エピックドラマ、「ダンケルク(Dunkirk )」は、1、140万ドルの売り上げでランキングの2位を維持です。

試写会を行ったり、ぼちぼち日本でのプロモーションも立ち上がってきた本作。これからは、いかに「愛と正義のヒロイズム」として盛り上げてゆくかに、こちらの興行収入の良し悪しがかかって来るでしょう。

ちなみに、米国内だけの収入総額は、1億5、400万ドルに届きそうです。

リス達を守れっ!リス達を守れっ!リス達を守れっ!

この週末、初登場でランキング3位に入ったのは、キュートでカラフルな動物たちが奮闘するGGアニメーション、「The Nut Job 2: Nutty by Nature」で、売上額は890万ドルという事でした。

紫色の毛皮を身にまとったリスの、サーリー(ウィル・アーネット)、が引き起こすドタバタを描くアニメシリーズの第2弾。今回は、彼らが平和に生活する郊外の公園を、儲けのために再開発しようとする姑息な人間(ボビー・モイニハン)の企みを、サーリー達が阻止しようと動きます。

とってもキュートで、かつ最強の、ネズミ・カンフーマスター役には、あのジャッキー・チェンも出演。キュートな裏に秘めたスーパーパワーを披露します。

あ・・・、僕、今日、キュートって何回つかいましたかね?

「キュート」という単語は、この映画の中では要注意のワードです。みなさんも、お気を付けを・・・

まだまだ燃え尽きてほしくない、夏休み映画祭り

映画業界というのは、どういった時に盛り上がるんでしょうかねぇ。やっぱり、社会が平和で安定しているときの方が、煽情的なお芝居を見たいな、と思う人の数も多いはずです。

米国でも、なんだか思想と立場の違う同士の軋轢が表面化したりして、そのきな臭さのせいでか、消費者はスクリーン上のドンパチとか、お涙頂戴になんて、魅力を感じなくなっているのかもしれませんね。

そんな時にこそ、もう一発アフターバーナーを点火させるような一作が、登場してくれると面白いんですけど。

我々受け手としては、ただ期待して待つしかありません^^。

キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る:映画「Detroit」について

人の作ってきた理不尽な歴史をみつめて

僕達が普段考えている事は、全部、別の所で誰か(もしくは何か)に吹き込まれた情報がベースになっています。

この世の中が、頼りにできる位に安定した状態にあるためには、「普通」とか「常識」っていう基準ラインが絶対必要で、僕らは、それに無意識のうちに従っているから、生きていけてる訳です。

だけど、皆が考えている常識が、とても悪い出来事の原因になる事もあります。

今でも無くならない、人種とか宗教、あるいは異文化間の摩擦というのも、お互いの基準がズレている事に原因があります。

そういったものも、正義と悪とかの問題ではなくて、皆の「常識」の中に必ずある間違ったポイントが原因で、起きている争いなんですけどね・・・

さて、常に異才を放つ映画監督(ですよね?)、キャスリン・ビグローさんみたいな人が、エイリアンとロボットを総動員状態の真夏の娯楽映画シーズンに、この映画「Detroit」みたいな作品をメジャーリリースしたのも、時が経っても変わらない、人間の偏見にみちたダークな内面をえぐり出すため、とも思えます。

これは、60年代のアメリカの人種間の対立が元で発生してしまった、陰惨な事件を描き切っているものだそうです。 【続きを読む】 “キャスリン・ビグローがアメリカの不寛容さを斬る:映画「Detroit」について”

マジで触れてはいけない、呪いの人形アナベル

幽霊や妖怪よりヒトの方が怖い、とは申しますが・・・

写真:魔物を呼び出す儀式の図
古い儀式
The photo is in the public domain.

現実的にヤバくて、怖い人間は多々いるとは言っても、心霊的な意味でなら、やっぱり人形が怖い、と、おっしゃる方は少なくないでしょう。

何故、あれが不気味かと言うと、人を思わせる形をしているくせに、絶対に動くはずの無い物だから。それがもし、自分で動いたりしたら恐ろしい、なんて事を想像させるからです。

更には、それがヒト形である以上、死してなお彷徨える魂が、そこの中に乗り移りやすいという理屈も、なぜだか真実味を帯びて感じられてしまうからですよね。

と、言う訳で、洋の東西を問わず、人形にまつわる怪奇なストーリーはたくさん語られてきました。

そんなお話の代表としては、目下のところの東の横綱は「稲川淳二の生き人形」、それに対抗すると思しき西の横綱が、「ウォーレン・オカルト・ミュージアムに所蔵される、アナベル」なのです・・・ 【続きを読む】 “マジで触れてはいけない、呪いの人形アナベル”